2007.Dec.24

グミ・チョコレート・パイン

大槻ケンヂの同名原作小説の映画化である。
実は大槻ケンヂって私と同い年であり、その世代のサブカル体験者にとっては欠かせない生き証人(?)なのである。
過去ビックリハウサーであったところなんかもあって、同じようなサブカル体験をしている数少ない著名人である。
その彼自身の体験に基づいた青春小説の映画化であり、監督が何とかのナゴムレコード創設者のケラ(現ケラリーノ・サンドロヴィッチ)!長編映画としては3作目らしい。最近はテレビの時効警察などの脚本、監督にも絡んでいたようである。
そして、音楽が電気グルーヴと来れば、観ないわけには行くまい!

主人公とその仲間は周囲の凡庸な輩と自分は違うんだ!と強烈に思い込み、その拠り所が文芸地下でやってる映画だったり、マニアックなノイズミュージックだったりという按配で、熱狂的にサブカル(当時そんな言葉はなかったが)に傾倒して行くわけであるが、これは正に私自身がそうであったことを思い出させるものであった。
一生懸命自分と周囲の差異を求めつつ、実は何の変哲もない極普通の人間であることを思い知らされ、それがまたより一層自分を惨めにしてしまう。
さりとて、ポパイやホットドッグプレスに出ているような格好良さには意地でも背を向け、スポーツに熱中する連中にはこの筋肉野郎め!と軽蔑の視線を送る、そんなどうしようもない嫌な人種のくせに、一丁前に女にはもてたいと思っており、しかし、一般的な話題しか話せない女子にもあからさまに軽蔑の視線を送る。
そんな風に、青春の王道から外れて、しかもアウトサイダーを気取れるような格好の良いものとも程遠い若者たちの青春を描いた作品に喝采を送りたい。
こういう屈折の仕方の描き方を待っていた!

この映画は同世代、サブカル体験者をピンポイントでクスグリまくるのだが、そういった体験を持たない若い人、年配の人が観てどう思うか?に興味があると思った。

Sakabomb

投稿者 TEH Editors : 11:26 | 映画&TV&演劇

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~kajihiro/cgi-bin/tt_cgi/tt_tb.cgi/229

コメント

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ