« 雨月物語/山椒大夫 | メイン | 「弓」 »

2006年09月17日

「楽日」(不散) / 「西瓜」


監督:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
出演:チェン・シャンチー(陳湘琪)
    リー・カンション(李康生)

http://www.tml-movie.jp/index.html

台北の古い映画館「福和大戯院」の楽日の一日を描いた、
「迷子(不見)」との対の作品。
友人のオススメで知り、初めてのツァイ・ミンリャン映画だったので
なるほど~これが彼の映画の世界かぁ、と納得。

セリフはほとんどなく、
演技と雰囲気で魅せる。

映画館の作品なので、
上映中の映画のセリフがたまに、字幕で映し出されるのですが、
それに意味があるのかと思ったりして。

最後に上映がおわって、シャンチーが
客席を掃除し終わったあとの、
客席を映したシーン。。。
長い長い長い・・・いつまで続くのかと^^;

薄暗くて汚い廊下や、トイレ、
(後で聞いたのですが)ツァイ・ミンリャンンはゲイらしく、
トイレやその周辺でそれらしき、描写が。

でも、足の悪いという設定のもぎりの女性
シャンチーの演技と、響く足音、
桃まんをカットするシーン、
一緒にいれたお茶をすするリアルな音、
最後においていった桃まんを見つけて
やっと彼女の思いを知る、リ・カンションと、雨。

楽日なのにお客は10人もいない、
うらさみしい映画館の
雰囲気はありまくりの、忘れられない一品かも。

ちなみにそのあと今年上映された
「西瓜」を観にいきました。

こちらは、ある意味衝撃的(!?)でした。
また、シャンチーと、カンションが演じるのですが、
設定は極度の水不足にある台北の
カンションはAV男優という。。。

外国から帰ってきたシャンチーと
AVの撮影現場が同じマンションで・・・
もちろん久々にあうカンションはAV男優になってしまったことを
悟られたくなかったのに・・・
と始まるのですが、

途中にいくつか差し込まれるミュージカルシーンには
ちょっと閉口しました。

でも、孤独な二人がまた惹かれあって、
団地の歩道橋みたいなところで、
カンションの足にシャンチーがのって、ダンスをして
帰るシーン。
これが、とってもきれいでテーマパークに居るみたいでした。

シャンチーのトランクの鍵が道路工事の現場に
うまってしまって、なんとか取り出した後に、
かぎの跡形に水が満ちてくるところも 個人的にはすき。

あくの強さに、癖になってしまいそうな後味でした。

投稿者 hisui : 2006年09月17日 23:06

コメント

コメントしてください




保存しますか?