2008年05月05日

「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」

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講談社
吉村葉子

先日めずらしく、時間をもてあました私が
(普段は時間に追われていることが多いのですが)
用事の時間まで時間をつぶした本屋さんで見つけた一冊です♪

家計を見直したいな~と思っていた
私の今の気分にまさにぴったりの良書で、面白いので2回読みました。

フランス人は意外にもケチ(しまり屋)らしいです。

・たかだか1000円相当のTシャツでも何回も試着し納得しなければ買わない。
・本当に必要なものかどうか、考える。
・野菜も切れ端まで無駄にせず、野菜のゆで汁でパスタをゆで
 切れ端の余りは翌日のポタージュにいれる。
・学校の経費などでも、自分が必要と思わなければ払わない。
 (いらないと思うけど他の人もだすから。。とかはありえない)
・マダムのティーパーティのお菓子は、冷蔵庫にありあわせの食材で作った
 簡単かつおいしいケーキ。
・パーティの最高のおもてなしは、手間隙よりも、ホストホステスの会話と気配り。
 いかにも、準備が大変でしたーはNG.
・子供のおやつはバゲットに板チョコを挟んだ パン・オ・ショコラが定番。
・ブランド物はもらえばうれしいけど、自分では買わない。
・フランス人のバックはあきらかに日本人ならもたないレベルのぼろぼろ。
・週末のマルシェで食材のお買い物のあと、カフェでくつろぐのがカップルの週末デートの定番。

そんなに使ってないはずなのに~なんでもう無いんだろぅ?
ってことありませんか。
日々のお茶代やスイカのチャージ代など
小買い物が、意外にもお小遣いを消費しているんですょね。

この本にもありましたが、
日本には安くてかわいいものがあふれているんです。
だからついつぃ。。

と、クローゼットを見直してため息をつぃちゃいました^^;

幸い先週、オープンしたての入間のアウトレットに行く前に
ちょうど読んでよかった(笑)

1時間半駐車場に入るのに待った挙句に
お買い上げは、¥595.

今までだったら、「買っちゃうか◎」
というポイントを2度ほどなんとスルーしたのでした。


物に依存しないとしたら、ココロ?愛?とくるわけです。

そうなるとコミニケーション=人とのつながりで
ココロを満たすことが必要になってくるわけですね。

それが、できる(そうしないと生きていけない)のがフランス人?

コンビニが日本の若者をだめにする
とトルシエ元監督がいったらしいですが

著者も共感。その理由も書いてあります。
そのあたりが納得させられました。

投稿者 hisui : 23:55 | コメント (0)

2008年04月22日

「ジョイ・ラック・クラブ」 エイミ・タン 小沢瑞穂訳

家で淹れるカフェインレスコーヒー(K珈琲店の)は
ミルクを温めてカフェオレ風にいれると
なんとも美味しいことに気づいた今日この頃。
込みすぎたスタバに入れずに家まで我慢したあとだとさらに格別です。

週末は、病み上がり療養もかねて読書三昧でした。
(でも、家でのんびりってのはあんまりリフレッシュできない体質の私デスが。。^^;)

「ジョイ・ラック・クラブ」と名づけられた集まりは、
アメリカに移民した 中国系の4組の女性が
持ち回りでマージャンをやりつつ
いろんなうわさ話や過去の話に花を咲かせる会です。

いまやアメリカで安定した生活を送っているものの、
中国ではつらい過去を経験した母4人と、アメリカで生まれ育った娘4人。

同じ人でも、母からみた娘、娘からみた母の
視点でかかれているので、それぞれの
思いの違いが面白いです。

特に苦労してアメリカにわたる前の
母の物語がすごい。
娘たちにもそれぞれ悩みや苦労はあれど
甘い甘い・・^^;
いまだに中国語を交えつつ「アイヤー」を連発して
中国式のしきたりを重んじつつ生きてきた母親たちにはかないません。


「ワイルドスワン」など少し前の中国の話って
きっついなぁ、っていう実話が結構あったりするのですが、

日本軍に追われて、逃げる途中双子の娘を手放してしまう話。
金持ちの第四夫人になった母が自殺する話。
腹黒い第二夫人のやりかた。
嫁は召使以下の扱いの田舎の結婚。

女性の人権なんてなかった昔の中国の生活から
自分の力で抜け出して
海を渡ってきてしまうそのバイタリティがすごい。。

迷信や逸話も多く語られているけど
娘たちは、より印象の強すぎる母親たちが

人生って・・・て福も喜もあれど、、と
感じさせられる一冊でした。

そんな波乱のあとにも
今は美味しい料理をつまみながら麻雀しながら
なんでも話せる茶のみ友達がいるっていいわぁと。

投稿者 hisui : 23:15 | コメント (0)

2008年04月02日

「手紙」 東野圭吾

先月、いつも行っている美容院で
本の話題になりまして。

なぜか美容師さんが貸してくれたんです。

読まないと次髪きりにいけない・・
と思いつつ、暖めていたのですが、

やっと読み終わりました。

彼の小説は2冊目ですが、
読みやすくて、どんどん読めちゃいます。

犯罪を起こしてしまうと、
どれだけ家族が辛い思いをするかって話です。

罪を反省し
律儀に届く兄から弟への手紙の
屈託のなさが、また・・・。

映画にもなってたこの本、
さくさく読める&やっぱり泣かされるんですが

やはり読まれてる小説は、こうでないと!?


これでやっと髪を切りにいけます(笑)

投稿者 hisui : 11:55 | コメント (2)

2008年03月02日

「おばあさん」 ボジェナ・ニェムツォヴァー (チェコ)

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ボジェナ・ニェムツォヴァー 著
栗栖 継 訳
岩波文庫

最近、このblogも、「食べログ」みたいに
食のレポートばかりになっていましたので(笑)

久々に本の話題でも。

お正月明けに読んだ、「すてきなあなたに」に紹介されて
読みたくなったので、

古本屋さんから取り寄せました。

公爵夫人の館に勤める
娘一家のところに移り住んだ

パン1つ焼くのにも、材料を混ぜるときに十字をきって、丁寧に焼く
昔かたぎのおばあさんと

孫たちとの日常、村のいろんな身分や職業の人々
(森番から、粉屋、公爵夫人、伯爵令嬢まで)

を描いたものです。

おばあさんは、自分の習慣は守るけれど
ほかの人には押し付けず、
賢さと、経験と敬虔な信仰で

村の老若男女から信頼されていろんな相談を受けます。

率直で的確なアドバイスを与えるおばあさんは
領主の公爵夫人の信頼さえもあつく、

孫たちにも愛されています。

これは、作者の祖母をモデルにした
実際の経験をもとに描かれたものらしいです。

チェコでは誰もが読む文学らしくて
日本でいえば、「坊ちゃん」? とかにあたるのかな。

チェコや周辺の国々とのからみ
戦争、村の娘と兵士の悲しい話
それがもとで、狂ってしまい森の洞窟でくらす美女ビクトゥルカのくだりは
なんともいえません。

当時の徴兵制度は、14年!

徴兵がきまった恋人同士のミーラとクリストラが
嘆きかなしむのも無理はないです。。

なんか、童話を読んでいるような、
読み終わるのがもったいないような本でした。

チェコの本、もっと読みたいです。

投稿者 hisui : 10:01 | コメント (0)

2007年10月21日

「南仏プロヴァンスの12ヶ月」

まずは、タイトルとは関係なく。今日のまるーです。
遊びに来た初対面の弟にも、慣れたものです。誰でもいいのかしら。。^^;

カーディガンを噛んで遊んでいたと思ったら・・・↓
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↓手の上で、寝ちゃいました。。 ウットリ。
mru1020.JPG

さてさて、続編「南仏プロヴァンスの木陰から」と合わせて読みました。
ピーター・メイル著
ずいぶん前に、全世界的にベストセラーとなったそうですね。

なんかの映画を観にいったときに、予告編で
このあたりが舞台の映画の紹介をされていて、
そういえば、と読みたくなったのでした。

ピーター・メイルは、イギリス人の元広告マン。
南フランスの田舎に、古い家を購入して移り住むところから、
何事も一筋縄ではいかない 文化の違いに翻弄されつつも
楽しい日常が描かれています。

フランス人は食にうるさいと 聞いてはいたものの、
ここまで、食事にこだわるとは!

まず、ワインやレストランの描写がとってもひかれます。

サラリーマンも昼食に2時間。ありえない・・・。
田舎にもぽっと珠玉のレストランがあったりすると
どんな遠くからでも人はやってくる。

食事をしながら、さらに食について熱く語るのがフランス人。

トリュフ、パスティス、マール酒、ワイン。

多分この本を読んだ人の例に漏れず、
子育てする前から、早く老後をこんな風に迎えたいと
思う私でした。。^^ゞ

行きたい。南フランス。

イメージとはうらはらに、
冬はミストラルという冷たい乾燥した嵐が吹きつけ
あまりの厳しい曇天続きに
自ら命を絶つ人も多いらしい極端な気候だそうですが。。

今、さらに続編の「どうぞ召し上がれ」を読んでいるところです。


投稿者 hisui : 10:59 | コメント (0)

2007年06月28日

「日輪の遺産」

浅田次郎 の小説です。

夕食後、おやつとコーヒーとのんびりする時間に、
最近絶え間なく、本ばっかりよんでます~。
節操のない、選びっぷりですけどね。
現実逃避には、もってこい。

さすがに、きのうは、チェーザレ、今日は浅田次郎、
って一日で読んだわけではありませぬ。

南と北の窓を開けると、風が気持ちよく通ります。

さてさて、

日本軍が盗み出したマッカーサーの2兆円の遺産を
敗戦前にかくす任務を拝命したがために、
苦労する少佐と、中尉、軍曹。

密命にかりだされた女学校の生徒たち34人のなぞの死。

スケールは壮大だけど、やっぱり浅田次郎、
人間を描くのがうまいです。

たまたま生き残った老人から 真相を書いた手帳を
うけとってしまった、品の無い不動産屋とさえないボランティア中年。

言葉遣いが悪すぎる、もと軍曹と、不動産屋の
人柄と、
真剣なのに、大爆笑させられる一節が、さすがです!

それにしても、マッカーサーは日本人にそんなに敬意を
もっていたのか・・・?

投稿者 hisui : 00:10 | コメント (0)

2007年06月26日

「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」

塩野七生さんの有名な小説。
「ルネサンスの女たち」と合わせて読みました。

何に触発されたかは、「モーニング」をご愛読の方なら
ご存知かも・・・^^;

あの惣領冬実の「チェーザレ」です。

http://www.e-1day.jp/morning/manga/cesare.html

ローマ法王アレッサンドロ6世の庶子として生まれ
僧籍で活躍するもその地位に満足せず、
武力を手に入れて、イタリア統一の野望をいだく。
しかし志半ばで31の若さで倒れた、
「美しい将軍」と呼ばれていたらしいスペイン系のオトコの一生です。

一番ゾクゾクするのこの一説。
チェーザレの母、ヴァノッツァが三人の息子たちを
招いて催した宴の帰り道に、
チェーザレの弟のホアンが何者かによって惨殺されティヴェレ河に
遺体が浮かんだ。

犯人探しに奔走する、父法王。結局犯人は見つからず。

しかし、数ヵ月後突如、
この犯人に実兄チェーザレの名が浮かび上がる。

ローマ法王の書記官の記録にも、この前後数日の記録だけ
すっぽりぬけている、と。そしてその理由がまた・・・。

以前に読んだものをまた読み返した感じですが、
スパッとした男らしい文章は、やっぱり塩野さんでした。

ところどころ、いかにも小説なのか、史実なのかっていう
くだりはあるとしても。

名前だけは世界史でよく聞く、「君主論」のマキァヴェッリも
フィレンツェの一大使だったのね。。

さらに美しい妹ルクレツィアの肖像がもっと
残っていればなぁ・・・

投稿者 hisui : 21:46 | コメント (0)

2007年05月27日

「ひとり日和」

青山七恵

第131回芥川賞受賞作品です。

母が祖母から借りたという「文藝春秋」をまた借りし^^;
そこに掲載されていたのを読ませていただきました。

芥川賞ってのは、
「なんか、私にも、書けそう」って
大胆不敵にも思ってしまうのですが
書けませんよね、勿論 そう簡単には。

感想としては、
雰囲気はぜんぜん違うんですけど、
なにかが前回受賞作「蛇にピアス」(金原ひとみ)
に似ているような。。。

毎日をなんとなく生きてるフリーターの若い女性が主人公。
コンパニオンのバイトをやってるってところも似ている。
近くにいるのは、ダメオトコ。


でも、結構面白かったです。
主人公は、それでもちゃんと成長していて、
最後、ふとしたことからそうなった居候先を出て行くとき、
同居人の老女が、
ばれてないとたかをくくっていた、主人公の悪癖を
実ははじめから知っていたと告白する
ふたりの掛け合いが見事でした。

そういえば、しばらく「小説」に熱中することは
少なかったけれど、(エッセイとかはあっても)
コレを読んで
読みたい熱が再燃しました。


投稿者 hisui : 22:54 | コメント (0)

2007年05月04日

「その日を摘め」 carpe diem

gogo2.jpg

GW2日目。

明日あるかもしれない来客にそなえて、

南と北の部屋のどちらの窓も開け放って、掃除をしていると、
気持ちよい風が吹き抜ける、あまりにもいいお天気だったので、

遅めの昼ごはんに、掃除を中断して

バナナトーストと、サラダとカフェオレを作って、
ベランダで食べてみょう、と思い立ちました。

うちから見える公園の、新緑を眺めつつ。

ぬるい風とBBQを楽しむひとたちを遠くにみながら、
とても快適な気分でした。
これぞ、休日~ですな。

そのあと、飲み残したカフェオレを飲みながら、
(まだ読み終わらない)須賀敦子さんの「本に読まれて」
を読み始めると、

「古典再読」のホラティウス(紀元前65年)の章の誌の最終行
「その日を摘め」という一言がでてきました。

「未来など頼みにせず、今日のこの日を摘み取れ。」

須賀さんも感嘆するこのひとこと。 [carpeカルペ] =ぐずぐずしないでさっと摘め。

・・・・・・・(!) 結構ヒビイタ。


投稿者 hisui : 22:33 | コメント (0)

2007年04月08日

不在乎走多遠。走多遠。

先日から、読んでいてまだ読み終わらない本があります。

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「本に読まれて」
須賀敦子
中央公論新社
-------------------
読み終わっていないのになぜかくの?
ですが。

四月は、環境変化の季節。
満開の桜を見ると、なぜか切なくなるのは
変化に弱い心の矢印が 下向きになっているからでしょうか(笑)

そんなときに、
著者の須賀敦子さんが、読んだ本を深い切り口で
紹介するこの本に、
何度も読み返した一文があったからです。

「バスラーの白い空から」 佐野英二郎
の紹介文。

須賀さんは仕事の帰り道、
都心の墓地を抜けて帰るということがあったらしい。

「日によって小さかったり大きかったりするよろこびやかなしみの
正確な尺度を、いまは清冽な客観性のなかで会得している
彼らに、おしえてもらいたい気持ちで墓地の道を歩く。」

きっとどんな人でも、日々浮き沈みながら暮らしているはず。

いろんな人に、自分の気持ちを話しては、
疲れた先週。
もちろん話してよかった、と感謝することもありながら。

悩みや愚痴は、言う人を選ばないと何のプラスにも
ならないどころか、余計なストレスも招く。

いずれ 自分で完結することがわかっているならば
時がたつのを待てばよい。

何事も率直に、真正面から向かうのが
がいいことだと思い込んでいたけれど、
これからは、ちょっとおとなしく、
流れに身をまかせてみよう、と思った。

投稿者 hisui : 23:34 | コメント (0)

2007年02月05日

「インド夜想曲」

アントニオ・タブッキ
須賀敦子訳

ひさびさにまた、須賀敦子さんがらみの本が
読みたくなって検索していたら、面白そうだったので注文してしまいました。

インドを旅行している気分になる、ミステリー調(?)の小説です。
主人公は失踪した友人を探してインドを旅しているけれど・・・
最後に不思議に、あぁ、やられたーという気分になります。
タブッキとは、そういう作風らしいです。

奇形の占い師の兄と目の澄んだ弟が、
主人公の正体をさりげなくいいあてるところが、
あとから私はすごい、と思いました。

むせ返るような、インドの病院の情景。
のんびりとした時間、不思議な空間。。。
いろんな人との出会い。

こんな、旅してみたい。
主人公が何のために、したのかは置いといて。

投稿者 hisui : 00:00 | コメント (2)

2006年08月26日

「赤い指」


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東野圭吾
講談社


torukoishiさん経由で五キロな黒猫さんから借りました。

ひさびさにサクサク夢中で読める小説でした。
普通に、日常生活を送っていると思っていた
サラリーマンが、自分の息子が起こした殺人事件のために、
犯罪に手を染めることになる・・・

という話なのですが、見所は殺人ではなく、
家族関係。。。
最後にどんでんがえしがあるんですが、
子供は甘やかすとロクナ人間にならない。。(?!)
こういう事件て、「起こしてやる!」って人が
おこすわけではなくて、どうしようもない
流れで、気づかないうちに巻き込まれていく
誰にでもありうることなんだな、ってのがコワいと思った。

投稿者 hisui : 18:26 | コメント (0)

2006年07月05日

「熱帯魚」 吉田修一

朝日新聞の夕刊の連載小説「悪人」が面白い。
夜のひそかな楽しみであります。
タイトルからして、「あくにん」ですよ。
束芋の不気味なイラストがまた好いです。

それでその作者、吉田修一のこの本、買ってみました。

1つ目、「熱帯魚」。
大工の大輔と、子連れ美女、義理の弟の奇妙な同棲生活。
順調に見える前半、途中、ふとしたことから、いろいろ狂い始める。
そんな展開も彼らしいかも。

そして、主人公の大輔、いい人すぎて、切ないなー。
自分は親切にしてるつもりなのに、相手には負担だったり。
相手が寂しいと思って相手をしていたら、
実は自分がそのひとに、依存していたり。

家族が喜ぶと顔が浮かべて
プーケットのパンフレットを取り出したのに・・・

ってとこが一番寂しい。なんでかな。

2つ目の小説「グリンピース」。
失業中のくせに文句ばっかりで利己的な「僕」。
彼女の千里のことも見下している。
けれど、千里にグリンピースを投げつけたら
出て行ってしまったあと、彼女のすごさを知る。

千里のほうが、「僕」のことを好きなのか、
「僕」は気づいてないだけで千里のことを好きなのか。

でも、あやまるのは千里。大人のほうがまけなのかなー
好きな気持ちに素直なほうが負けなのかなー
負けも勝ちもないか。

キャリアウーマンでばりばりやってるなら、こんな男やめちゃいなょっ
って言ってやりたいが、、、好きなんだろうなぁ。

吉田修一の小説は、「やさしさ」について厳しい気がする。
やさしくされることに傷つく人もいる。
やさしくする相手が善人だと、余計に始末が悪い。と。

そして、
小手先の生きるワザを持たない
不器用なまっすぐな人に冷たい。

話の中でいつも冷めて、利己的な人が勝つのは、
今の世の中を反映しているからかも。

投稿者 hisui : 00:43 | コメント (0)

2006年05月29日

「国家の品格」


藤原正彦
新潮新書
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torukoishiさんにお借りして読みました。
数学者が語る、「日本ょ、もっと自信をもちなさい」
って話?でした。
なんかどっかの誰かに文章がにてるなーって思ったら、
「バカの壁」でした。

そうそう、「武士道精神」回帰みたいなことを
言っていますが、ある意味、ちょっと共感できる部分はありました。
「だめなものはだめ」って、だいじですよね。

自分が「お局」目線になったのかもしれませんが、
最近 習い事先の 年配の方の
「気遣い」や「礼儀」がとっても
新鮮にうつります。
人にもよりますが、自分も含め新しいものたちが
そういうものをどんどん失っているのはたしか。
そういうものって、日本人のよいところだったはずなのに。

投稿者 hisui : 10:47 | コメント (2)

2006年05月05日

「いい言葉は、いい人生をつくる」


斉藤茂太
成美文庫
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著者のこの方、精神科医にして斉藤茂吉の息子なんですね。
ちょっと立ち読みして、おもしろそうだったので買ってみました。
流行っているのか、「その2」も出ていました。

この本とはあまり関係はないけれど
最近世の中「うつ」が蔓延しているみたいで、
大きな本屋さんにいくとその手のコーナーがよく目に付きますね。

この本にはとてもたくさんの言葉が載っていて
それに斉藤茂太さんが体験談とともにコメントしています。

私の心に留まったのはこんなもの。
どんな人間か、バレますか。

自分を気づかうことだ。自分には自分しかいないのだから。(喜劇俳優・グルーチョ・マルクス)
  - 人の目ばかりきにして生きてきたところがあったなーって最近思うので。
     自分を大事にしないと、アトピーもなおらない。

他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ。
ふりかけるときに、自分にも数的はかかる。
(ユダヤのことわざ)
  - 情けは人のためならず って思ったことがあるので。

ろくな晩じゃねぇや。寝ちまえ、寝ちまえ。寝て起きりゃ別の日だ。(江戸文化研究家杉浦日向子)
  - 気分を引きずってしまうタイプなので、これは名案だ!と。寝逃げですな。

習慣は変えようとしなければ、すぐに悪習となる。(カンタベリー大司教聖アウグスティヌス)
  - とことん夜型の生活に。朝に夜やっていたことをやろう、と。ここで書いとけばやるかな^^。

最も欲望の少ない者が最も豊かな者である。(ローマの喜劇作家プブリリウス)
  - あれもこれもやりたいことがありすぎて。あいかたに「はばたきすぎ」と言われたし…。

ほめ言葉をもらえれば、それだけで2ヶ月間、幸せに生きられる。(作家マーク・トゥエーン)
  - おぉ、その通り。うそでも誉めて欲しい。ホントになる気がする。やる気も出るし♪
     人にもなるべく誉めるようにしている。子供もぜったい誉めて育てようとおもっている。


あと、「できる」と思っていなければ、できることもできない。
自分に「○○となれー」と念じて、言葉にしていれば、それが真実になる。
らしいですが、最近読んだ別の本にも同じことが。
そういうもんですかね、これ実践してみることにします。

思考が停滞して、ドウドウ巡りしてしまぅ。こんなときは、
「解決せず」も、立派な解決なんですって。
そいえば、最近気分によってふっとなぁんだ、って思うときありました。

煮詰まったときには気分転換を。
そういえば、今日は実家の母と弟とあいかたと祖母宅に遊びにいきました。
お庭のつつじがとってもきれい♪♪

hana.jpg

投稿者 hisui : 20:27 | コメント (1)

2006年01月09日

「今日の猫村さん」


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ほしよりこ著
マガジンハウス出版
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なんかの書評で読んで気になっていて、
同僚のひめさんに、お借りして読ませていただきました~(*^_^*)アリガトウ。
(ひめさんのブログにも紹介されています)

ねこの家政婦猫村さん、なんとも不思議で超素敵なコミックです。
絵はヘタウマで、字ははっきりいってヘタなのに、
引き込まれるこの魅力♪♪

猫村さんどーして、そんなに違和感ないの?猫なのに??
私は、猫村さんと、派遣先の不良娘「尾仁子」と、その仲間たちのカラミがツボ ^^
あったかい気分になれました。
次の巻がでるのは遠そうだけど、続きが楽しみだなぁ。

投稿者 hisui : 19:21 | コメント (1)

2005年10月12日

「蝉しぐれ」


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投稿者 hisui : 16:54 | コメント (0)

2005年08月27日

「遠い朝の本たち」


book.jpg

須賀敦子さんのように生きたい~
なーんて、三十路も手前にして、
ナニ言ってんだかって話ですが、
ともかく理想の女性です。

選び抜かれた文章、あったかくて、懐かしい。
今から何十年も前に、フランスに留学して、
イタリア人の夫とイタリアで暮らすけれど
数年で死別。

新婚旅行で訪れたミラノは表面だけだったけれど
一本路地を入ったら須賀さんが暮らしてたんだなぁ。
かかわった人間を客観的に、けれど暖かく
みる文章は日常のささいなことも、
年月の渡った話でも、
飾り気がないようでとっても心に残ります。

その文章、生き方は
場所が日本であってもまったく同じ。
地に足がついた生き方はどこでも
通用するんですな。

身の回りでも
海外で暮らして、ちゃんと溶け込んでがんばってる
友人達は、みんなそんな気がします(*^_^*)

そんな須賀さんも、少女時代はいろいろ考えて
悩んで、ってな時期もあったわけで
学校にとけこめず本の世界にこもったり
って、どういう道を進むか迷った時期もあったり。
家族が多くて家族の行事の様子が、
この世代の私が読んでもなんだか懐かしく感じるものが
あります。

登場する本の内容について書くのを忘れてましたが、
中で私が読んでみたいのは、
「人間のしるし」(クロード・モルガン著)です。
夫と妻、夫の友人の人間関係。
でも、
これそのものではなく、私は他の
人間関係に置き換えて読みたいんです。
いつか読んだら、またUPします~

毎日毎日、あっという間にすぎてしまうけど
時々を誠実に生きなきゃねーと
須賀さんの本はそう思わせてくれます。

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投稿者 hisui : 21:15 | コメント (0)

2005年04月17日

立ち読み


今日はあいかたと地元でご飯を食べた帰り
とおりかかったレンタルビデオやさんが1本¥80だったので、
寄ってみることに。結局3本借りました。
感想はのちほど「観劇・鑑賞記」にupしようと思います。

そこのレンタルビデオ屋さんに古本が置いてあったので
「ギャラリーフェイク」と「ガンダム(ORIGINとかいうやつ)」立ち読み。
久々の「ギャラリーフェイク」はやっぱり学芸員フジタ、ミステリーと人情がたまらんです。
「ガンダム」はシャア少佐がなんとかいう女ボスに尋問されているシーンのある巻だったけれど
全体の流れがつかめていないので、よくわからず。。。また続きを読みにいこう(買えよ)と決意。

さらに立ち読みの勢いがついた私は雑誌を物色して、
良ければ買おうと本屋による。
そこでファッション誌と韓流スター誌を読んだ後に、
なんと、「チャングムの誓い」のガイド本を発見!!
(そういえば、昨日も「チャングム」の料理本を見かけたなぁ・・・。)

ドラマ「チャングムの誓い」公式HPはこちら→http://www3.nhk.or.jp/kaigai/chikai/

読み出したらはまってしまい、買おうか散々迷ったあげく、その場で熟読(^_^;) 
見逃した回のストーリィをチェックし、特集の当時の韓国王朝の風習にうなずいて、
最後は、主人公チャングム役のイ・ヨンエ(李英愛)とハン尚官役のヤン・ミギョン(梁美京)の
インタビューに、私服と素顔も素敵♪と(いつもチマチョゴリの女官服なので)
大満足で立ち読み終了~。
ちなみに結局ぜんぜん違う雑誌を購入しました。

そうそう、「チャングム-」は、今度9話分を収めたDVDが出るそうで。
まだBS2の放映も26話、全54話中やっと半分にきたところ。
木曜夜の楽しみはまだまだつづきそうです♪

投稿者 hisui : 00:13 | コメント (0)

2005年04月03日

『供述によるとペレイラは・・・・・・』(SOSTIENE PEREIRA)


作:アントニオ・タブッキ(イタリア) 訳:須賀敦子

~ネタバレあります~

不思議な雰囲気につつまれる。
文章は一貫して「~とペレイラは供述している」型式で
登場人物同士の会話にはかぎカッコはいっさいない。
そして、
いったいペレイラはこの話を誰に供述したんだろう?
これが最後までなぞである。

1938年、ファシスト政権下、
ポルトガルの新聞「リシュボア」の文芸面担当記者ペレイラは
ふとしたことから ある快活な若者に知り合う。
この若者モンテイロ・ロッシは反体制主義で、この若者と恋人マルタにかかわったことから
ペレイラの人生が大きく変っていく。

中年太りで心臓もわるいペレイラさんは
妻に先立たれて以来、部屋に飾ってある
妻の写真にばかり話しかけるさえない生活を送っている。
そして一日10杯あまりの(砂糖たっぷりの)レモネードと
香草入りのオムレツを主食にしていて
医者にはダイエットを勧められる。
けれど、彼の担当面に載るフランス文学訳は毎回好評で
以前は大新聞の記者をしていたという、栄光もあり、
水泳は得意、とさえないだけではなく、魅力的な面もある。
カトリックを信仰していて教会はさぼっているが
思いやりも常識もある男性である。

そんな彼がよせばいいのに、ロッシにかかわったことで
ポルトガルの公安ににらまれてしまうのだが
「・・・とペレイラは供述している」という文章から
そんないいひとの彼が いつかつかまって
尋問されている場面がいつでてくるか、いつでてくるか、
と、私は心配しながら読んだ。けれど、ついに…。

この本で私が一番好きなのは、
ペレイラがかかりつけの医者にすすめられて
一週間パレーデに海洋治療にしぶしぶ出かけたとき、
パレーデまでの切符を買って乗り込んだ汽車窓から見たおだやかな海で
たまらなく海水浴がしたい誘惑にかられて
サント・アマーロで途中下車してしまう。そしてあんたに合う寸法はあるかなぁといやみを
いわれながら水着をかりて海水浴をするところ。
そのとき 彼の人生で一番よかったと思わせる
コインブラの学生時代の回想がでてくるのだ。

そんな寄り道をしながらたどりついた海洋療法の施設で
担当医のカルドーソ医師に会い、自分の中に「主導的エゴ」がいることを
指摘されロッシと会って自分は変りたがっているが、古いエゴが
過去の栄光はどうするんだと邪魔をしている心理を指摘される。
ペレイラは海洋療法のプールで海草を首にからまらせたりしながら、
医師といろいろ話し合い、一週間後クリニックを後にするころには
気分がすっきりし4キロやせて帰っていく。
ここら辺から ペレイラがほんとに変っていく。

それにしても 話に何回もでてくる、「レモネード」。
ペレイラがカフェ・オルキデアで注文するたびに
私もさわやかなレモンと砂糖の飲み物を想像し飲みたくてたまらなくなった。
そして ペレイラがコレしか食べない「香草入りのオムレツ」。
これも同じくだ。
カルドーソ医師と会ってからは「魚介類のサラダ」に取って代われるが…。

村上春樹の小説もそうだったが、食べ物や飲み物の表現が
うまいなぁって作家が 私は印象に残るようである。(~_~;)
食い意地張ってるようですが、
そういう食べ物はどれも話に欠かせない要素であるんですよ~それぞれ。

投稿者 hisui : 20:29 | コメント (2)