寝台急行銀河号A寝台車 オロネ24-6 純正オロネ24形  2007815日乗車 2007924日 公開)

 

2007815()816()

大阪2222→東京642 東海道本線102レ「寝台急行銀河号」 24系客車9連 オロネ24-6

102レ 運転区間:大阪2222→東京(翌朝)642 )

 

 

 この夏は青春18きっぷで帰省とともに九州旅行をしようかと思っていたが、事情により旅行をやめて単に帰省だけする事にした。今回のUターン時に乗車する「寝台急行銀河号」はA寝台下段に乗りたかったのだが、決心するのが遅かったようだ。乗車1ヶ月前の715日の時点では下段全席空いていたのだが、翌16日には下段は全て埋まってしまった。「寝台急行銀河号」は逃したくないので、とりあえずB寝台下段を確保しておいた。その後、8月上旬時点ではA寝台は上段が1席しか残っていなかったのでそちらに変更した。私は「寝台急行銀河号」においてはA寝台の上段が最も居住性が低いと思っているのだが、いろいろ考えがあってそちらに変更した。余談だが、旅行会社の新人さんにとっては「寝台急行銀河号」の発券はやや難しいみたいであった。それだけ急行や寝台が一般的ではなくなっているという事なのだろう。

 

 

★★★上りの「寝台急行銀河号」のA寝台車に今まで乗らなかった理由★★★

 上りの「寝台急行銀河号」のA寝台車に乗るのは今回が初めてである。その思考回路はこうだ。「はじめに、B寝台料金に追加してA寝台車に乗るぐらいならば出発時刻を遅くして0時過ぎに大阪駅を発車する寝台特急に乗った方いいと思う。 ⇒⇒ しかし、同じ寝台料金を出すならば長く乗っていられる寝台急行の方がいいと思う。」 以前はこのように考えていたので、上りの「寝台急行銀河号」のA寝台車に乗った事が無かったのである。

 東京行きの寝台特急には乗った事がある。そうは言うものの、ブルートレインの相次ぐ削減により、「瀬戸」、「あさかぜ」、および京都から乗車の「出雲」という客車寝台特急が無くなった今となっては、大阪圏から東京方面へと使える客車寝台列車は「銀河」しか無いのである。なお、今回の場合は上り列車ということもあって、「銀河のA寝台」と大阪駅を後から発車する「サンライズのB寝台個室」とをどうしても比べてしまった。

 

 

★★★大阪駅にて★★★

 大阪駅はまだまだ工事が続いており、10番乗り場までしかない。910番乗り場は電車優等列車と新快速電車とで停車位置をずらす対応が取られている。10番乗り場では、810日には24系客車の甲子園臨時を見たし、815日の「銀河」乗車前には「能登」編成の489系初期車編成を見た。

 余談だが、実は今回の帰省においては出発前から乗車列車を公表していた。これは新居の警備が万全だからできたである。乗車列車を公表しておけばネット上で私を応援してくれている誰かしらが駅や車内に会いに来てくれるのではないかと期待していたのだが、残念ながら810日の「新幹線特急こだま551号」においても、15日夜の大阪駅においても、私に会いに来るような人はいなかった。15日夜の「寝台急行銀河号」乗車直前に友人からメールが来ただけであった。

 

 いよいよ10番乗り場に「寝台急行銀河号」の入線だ。ピカピカのB寝台車が7両続いた後に1両だけ色あせた車体のA寝台車がやってきた。もしかして…、ついにめぐり合えた。オロネ24-6だ。

 ところで、トワイライトエクスプレス色のカニ24が「寝台急行銀河号」に充当される場合がある。新潟県中越沖地震の影響で「寝台特急日本海号」や「寝台特急トワイライトエクスプレス号」が運休している事だし、もしかするとトワカニが連結されるかもしれないと少し期待していたが、それは無かった。

 

 

★★★「寝台急行銀河号」プルマン式A寝台車 オロネ24-6 乗車記録★★★

 「寝台急行銀河号」のA寝台車においては多くの場合オロネ24-102オロネ24-103が充当され、オロネ24-6の出番はあまり多くないような感じがする。オロネ24100番台は、車両運用の需要の関係で、オロネ14形が24系へと編入改造された車両だ。オロネ24-101は北国方面の寝台特急用に用意されたわけだが、オロネ24-102オロネ24-103は、「寝台急行銀河号」を14系から24系に変更する際に編入改造された車両である。今回のオロネ24-6への乗車により、純正24形寝台車に初めて乗った事になる。また、「寝台急行銀河号」に充当されるA寝台車全3両を制覇した事になる。実は、このオロネ24-6にめぐり合える機会が来ないものかと狙っていたのである。ここ数年、「寝台急行銀河号」に乗る機会にA寝台車を優先的に選んできた理由はここにあったのだ。

 

 プルマン式A寝台車オロネ24形は、戦前の一等寝台車からの寝台構造を踏襲している二段式の開放寝台である。戦前からほとんど変わらない居住空間で今なお優等寝台車として運用されているのである。この車両はB寝台車が三段式だった頃のA寝台車であり、後に二段式B寝台車が登場した当初にはプルマン式A寝台車と二段式B寝台車が同一編成に組み入れられる事は無かった。つまり、プルマン式A寝台車は、寝台幅が広くなって更に二段式になったB寝台車との間にさほど大きな差は無いと言えるぐらいなのである。開放型のA寝台車は定期列車では13往復しか残っておらず、もはや一部のマニアの為に走らせていると言っても過言ではない状況なのである。 

 上掲の写真のように頭上がR部にかかるような上段寝台でも9,540円のA寝台料金がかかるのである。さて、乗り物の寝台料金とホテルなどの宿泊料金とは性質が異なるものである事は理解しているが、よく考えてみると、一泊9千円以上だとかなり上級のホテルに泊まれるのではないだろうか。私はA寝台料金よりも高額なホテルに泊った事が無い。

 

 

 禁煙の寝台車は全て満席との案内が入った。前述のとおり寝台車を8両連ねたフル編成である。

 夜行列車では深夜帯において車内放送を休止する。しかし、車掌によって休止する時間帯の扱いが若干異なるようである。今回の「上り銀河」では大津発車後から大船到着前までが車内放送の休止時間帯であった。私の経験では京都発車後から横浜到着前までが休止時間帯という方が多かった。

 なお、今回の乗車時においては、車内放送時のチャイムは電子音とオルゴールの2種類を聞く事ができた。それぞれの音の主はオロネ24なのか、あるいは3両のオハネフ25のいずれかなのか、聞き入りながら考えるのも一興であった。ちなみに、車掌室は6号車とされていた。

 

 

 A寝台車上段は静寂性が高いと思っていた。私は過去全て9番しか乗った事が無かったのでそのように感じていたが、客室端寄りの寝台はそうでもなさそうだ。乗降扉側は、車輪の真上なので結構音がする。また、静岡辺りでは喫煙コーナーからの話し声が聞こえてきた。さらに言うと、整備の関係なのか寝台の小窓の扉やその他の設備が小刻みな音を立てていた。耳栓が必要であった。

 

 

 寝台の向きによっては、このように腕時計が寝台の枠にぶつかる方向になる。実は、今までオロネ24に乗車した時は全てこの向きであった。腕時計ROLEXに傷を付けたくないので以前はこの寝台の枠の辺りに厚手の上着を置いていたが、今回は夏なので厚手の衣類は持ち合わせていない。

 しかし、寝台の窓側の壁とふとんの間にはこのような空間がある。携帯電話やメガネなども置いておく事ができる。この写真では撮影の為に愛用の腕時計ROLEXを置いているが、原則として貴重品は身体に着けておかなければならない。

 

  

 往路の810日の「新幹線特急こだま551号」と同様に、復路の「寝台急行銀河号」においても悪臭の害を被った。近隣の乗客が香水か整髪料か汗ふきシートだか知らないが、就寝時と起床時にヘビーな匂いを漂わせていた。往復ともに優等車両なのに勘弁してくれよと思った。上段は下段の悪臭を被りやすいという事を初めて知った。全ての居住性を総合的に考えると、「寝台急行銀河号」ぐらいの乗車時間の場合は、今後はよほどの事情が無い限り上段寝台は避けたいと思った。

 

 今回乗車したオロネ24-6では、冷水機は使用停止中になっていた。

 私は夏に寝台車に乗るのは初めてである。客室内の温度計は23℃に保たれていた。ふとんを着ているとちょうど良いぐらいであった。

 

 

★★★東京駅にて★★★

 東京駅においては、最近では珍しいであろう独特の節回しの構内放送が「寝台急行銀河号」を待ち受けていた。

 列車が到着後、機回しして回送されるまでを見送った。下車した時にはすでに、車体側面の表示機は「寝台急行銀河 大阪」になっていた。

 オロネ24-6の網干総は「14-5」となっていたが、確認できたオハネ25全車の網干総は「17-○」や「18-○」になっていた。寝台の小窓の扉やその他の設備が小刻みな音を立てていた事も、編成内においてオロネ24-6だけ車体の退色が目立つ事も納得がいく。…と言うより、古い優等車両なのだから高頻度に整備してもらいたいものである。

 それにしても、最近のブルートレインの車体の帯の巻き方はむちゃくちゃだ。回送されて行く編成を見送って驚いた。昨年の年末に見たオハネフ25-47だが、妻面の下側にまで帯が回り込んでいた。まるでスハネフ14みたいな顔だ。この夏の写真と昨年冬の写真を並べておこう。 

  

 

 「銀河」の回送編成が有楽町方面で見えなくなるのとほぼ同時に「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号」が姿を現した。「銀河」も「サンライズ」も、どちらも東京駅9番線に着くのである。「銀河」の到着から「サンライズ」の到着までの間に10番線を使う列車は「銀河」の機回し以外に皆無であり、この時間帯の910番線は両長距離列車の到着に備えられているようである。

 

 

★★★あとがき★★★

 私は「寝台急行銀河号」にすでに10回以上乗っているので、乗る度にわざわざ乗車体験記を公開したいと考えているわけではない。しかしながら、今回はオロネ24-6にやっとめぐり合えたので公開する事にした。結局、私は何度でも語りたいほど「寝台急行銀河号」が大好きなのである。

 

  

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