200712月の旅行記からのシングルカット   2008/1/23(水)公開

★★★南九州におもしろい列車たちを訪ねて…★★★ 

 

20071230(日)

★★★九州新幹線全線と肥薩線全線 初乗車★★★

 

テーマは、

九州新幹線つばめ号

キハ47 特急はやとの風号

肥薩線観光列車 しんぺい号

キハ186 特急九州横断特急号

 

 

新八代11:49→鹿児島中央12:29 九州新幹線7F「特急つばめ7号」 6連 826-105 822-105

運転区間 新八代11:49→鹿児島中央12:29

 

★★内装が立派な800系新幹線★★

 20043月のダイヤ改正で九州新幹線(新八代⇔鹿児島中央間)が開業した。それまでは単線が残る鹿児島本線において在来線特急で2時間10分程度かかっていた区間が、複線の新幹線でわずか40分程度で結ばれるようになったのである。

 新八代駅の新幹線のりばは、「新幹線特急つばめ号」と「在来線特急リレーつばめ号」が同じホームの向かい側に停車し、それぞれ3分で連絡する。新幹線の博多⇔新八代間は未開通なので、この区間は在来線特急でリレーしており、それは新八代駅北側の連絡線を通って新幹線のプラットホームに乗り入れているのである。それにしても、新八代での乗り換えが必ずあるわけなので、「つばめ号 博多行き」や「リレーつばめ号 鹿児島中央行き」といった表記は明らかにやりすぎではないかと思う。

 この九州新幹線のように既存の新幹線に接続せずに端から先に開業させるやり方はいかがなものかとも思えるわけだが、今回はその事には触れずに素直に乗車を楽しむ事にする。

 

 11:16発の「つばめ39号」に乗っても良かったのだが、新八代駅でいろいろ取材しているうちに「リレーつばめ39号」が到着してしまい、「つばめ39号」の車内をゆっくり取材できそうにないので1本見送る事にした。旅程に余裕を持たせるという事はこういう事だ。なお、この区間は何かと時間調整が効きそうだったので元より自由席にしておいた。

 

 「6号」の乗り換えをじっくり見た。

 写真左の「新幹線特急つばめ6号」から写真右の「在来線特急リレーつばめ6号」への乗り換えである。この光景は鉄道雑誌などで何度も報じられている。

 

 写真左が発車間際の「787系リレーつばめ6号」であり、写真右が到着した「800系つばめ6号」である。乗り換えが完了するとプラットホームは元の静けさを取り戻す。

 

 「6号」として到着した800系編成は回送列車として駅を出て行った。「7号」となる列車は駅の熊本側から入線してきた。

 

 800系新幹線車内を楽しみにしてきた。全車普通車ながら、座席は横4列でとてもゆったりしている。しかも、背もたれが高いので豪華な印象も強い。さらに、座席の肘掛や背面が木材なのが斬新だ。また、桜のすだれの他にイグサののれんなども付けられており、いかにも九州の車両らしい。

 5号車は赤系の座席(826-105

 

 6号車は青系の座席(822-105

 私は国鉄グリーン車時代からの思いがあって赤系の座席が好きなので、新八代から5号車に乗車した。

 それにしてもこの座席は素晴らしい。心配なのは、「800系つばめ号」から「787系リレーつばめ号」に乗り換えた乗客達の落胆振りである。新幹線規格で横4列の普通車から在来線規格で横4列の座席に乗り換えると窮屈に感じるであろう。見劣りを確実に感じるに違いない。しかしながら、787系特急形電車は「(名門特急)つばめ号」の名にふさわしい車両としてJR九州が威信をかけて世に送り出した名車両である。九州新幹線開業前夜までは787系こそがJR九州の看板特急「つばめ号」だったぐらいである。なにやら栄枯盛衰を感じずにはいられない。

 

 「在来線特急リレーつばめ7号」からの多くの乗客を迎え入れると、「新幹線特急つばめ7号」は発車した。この「7号」のように号数の小さい列車は速達タイプであり、途中川内にしか停車しない。なお、ノンストップの列車が上下1本ずつ走っている。

 それにしてもすごい加速だ。駅を離れるとそのまま一気に高速域にまでいってしまった。東海道区間の多くの新幹線の駅の場合は駅構内を抜けるまで一気に加速するような事は無いのだが、ここ新八代ではそのまま直進で発進できるのである。すごい加速の理由はそれだけではない。この800系電車は営業最高速度こそ260km/hと高くはないが、勾配区間に対応する為に牽引力すなわち起動加速度が2.5km/h/sと高く設定されているのである。今回は停車駅の少ない列車に乗ったのだが、各駅に停車する列車を選んで加速を楽しむのもおもしろいだろうと思った。

 

 川内で多くの下車があった。なお、在来線の鹿児島本線についてだが、新幹線の開業と引き換えに八代⇔川内間はJR九州を離れて肥薩おれんじ鉄道という第三セクター鉄道へと転換された。

 せっかくなので、2種類の内装を楽しむべく川内から6号車へ移った。私は青系の座席が嫌いというわけではない。この車両のように落ち着いた色調は好きである。なんと、常時目につく座席背面は、6号車の方が落ち着いた色である。私の自宅の内装と同様に、木材の色としてはこちらの方がいい。6号車の配色をえらく気に入った。なお、乗車した時には勘違いしていたのだが、座席の配色は奇数号車・偶数号車で分かれているわけではないみたいだ。3種類あるらしく、14号車(緑系)、25号車(赤系)、36号車(青系)という組み合わせになっている。

 

 新幹線の開業に合わせて西鹿児島から改称された鹿児島中央に到着した。この駅へは、西鹿児島駅時代に来た事があった。

 2008年のNHK大河ドラマが「篤姫」という事で、その舞台となる鹿児島ではそれに関連する宣伝も盛んであった。鹿児島が勢いある良い時期に訪れたものだと思う。

 雨の中、駅前も取材した。また、みやげと黒豚カツ弁当を購入した。

 

 

鹿児島中央13:16→吉松14:46 鹿児島本線・日豊本線・肥薩線7024D「特急はやとの風4号」 2連 キハ47-8092

運転区間 鹿児島中央13:16→吉松14:46 

 

★★★特急なのにキハ47★★★

 キハ40系という普通列車用の気動車がある。キハ40系には、デッキが無くて乗降扉が車両の中央寄りについたキハ47という車両がある。これが2003年にJR西日本の「急行つやま号」に使われるようになった時には鉄ヲタ界に激震が走った。

 しかしその後、更なる衝撃が鉄ヲタ界を駆け巡った。JR九州ではキハ40とキハ47を改造したキハ140とキハ147が「特急はやとの風号」という現役の特急列車として20043月から活躍するようになったのである。洗面所も無い車両なのに、すごいぞキハ40系!

 なお、キハ140とキハ147はそれぞれキハ40とキハ47の機関を換装したJR九州の系列である。

 

 ロイヤルブラックが映えるきれいな車体であるが、車体中央の展望コーナー以外の窓配置や顔つきは普通列車時代から変化が無い。

 キハ47-80921号車指定席であり、キハ147-10452号車自由席となっている。キハ47-8092は「特急はやとの風号」専用車としては2006年に増備された3両目の車両であり、従来の2両に比べて内装が明るくなっている。なお、キハ140-2066は多客時の増結用となった。

 

 専用編成が2007年秋の事故で走行不能になった際には予備車で運転されたわけだが、自由席車には一般のキハ40系が充当されて特急料金不要という扱いになった。JR九州には「ソニック号」のような本当に速い特急が運転されている一方で、普通列車と大して変わらないような走りっぷりの特急もあるのである。特急という種別も整理する必要があるであろう。

 所定では2連のワンマン特急である。これも20043月に登場したJR九州名物のワンマン運転の特急である。原則として車掌は乗務しないが、実際には案内や車内販売を行う客室乗務員が乗務する。

 

 ところで、鹿児島中央発着の観光列車としては指宿枕崎線の「特別快速なのはなDX号 座席指定車」がある。あちらは新鋭のキハ200系による普通列車だが、一方の「特急はやとの風号」は特急列車でありながら古いキハ40系の改造車である。しかもキハ47…。おもしろすぎる。

 

 

 キハ47やキハ147は乗降扉が車両の中央寄りについており、当然ながらデッキは無い。特急料金を徴収する特急列車でありながら、乗降扉から入った所がすぐ客室である。

 

 木材がふんだんに使われた観光仕様の車内になっている。手前の横向きの椅子は展望コーナーである。ここで弁当を食べた。便所の前の赤いのれんはかなりの工夫だと感心した。

 

 座席は同時に運転を開始した九州新幹線800系に似た感じのリクライニングシートに交換されているが、窓配置や扉は普通列車仕様のままである。

 

 初めに速度計を見たところ70km/hであった。並走する国道10号線の自動車より若干速い程度である。日豊本線内で私が目撃した最高速度は85km/hであった。「はやとの風」は疾風というわけではなさそうだ。

 重富では下りの特急通過待ちの為に運転停車があった。

 

 日豊本線を走行して隼人に到着した。ここまでは客室乗務員は1人だけであったが、ここでもう1人乗り込んできた。なお、この列車は「つばめ号」ではないが、客室乗務員達は「つばめ」の制服を纏った「つばめレディ」達である。

 隼人からは肥薩線に入る。実はこの肥薩線は、1927年までは鹿児島本線であった。鹿児島に至る鉄道を建設するにあたっては、国防上の理由により、海沿いではなく山中の経路が選ばれたのであった。

 

 嘉例川で「特急はやとの風号」は5分間停車する。

 嘉例川駅は駅舎が105周年との事だ。100年を超える歴史を持つ木造駅舎の駅だから観光特急を停車させる、というのもよくわからないが、それなりに好評らしい。駅前には観光バスやその団体が来ていた。停車中に雨が強くなったので駅舎の撮影はできなかった。私としては使われなくなって放置されたプラットホームにも関心がある。

 霧島温泉では特に列車交換など何も無いが4分間停車する。

 なお、長時間停車の間の暖房効果を高める為に扉を閉める、というような事は行われない。デッキが無い車両なので、落ち着いて乗っておきたい乗客にとっては辛いかもしれない。

 嘉例川や霧島温泉での乗降も見られた。大隈横川には螺旋状のタブレット受けが残っている。栗野で行き違った普通列車はキハ40であった。

 肥薩線内で私が目撃した最高速度は約90km/hであった。日豊本線内と変わらないほどの走りっぷりはなかなか立派であった。

 

 吉松では吉都線が分岐しているが、ここ肥薩線が旧鹿児島本線であったのと同様に吉都線は旧日豊本線であった。つまりここ吉松は二大本線の分岐点として交通の要衝だった時代があったわけである。本当ならばじっくり見たい駅ではあるが、今回の旅程では乗り換えが2分なのでそれは叶わない。

 

 

吉松14:48→人吉16:03 肥薩線1256D「しんぺい4号」 2連 キハ47-9082

運転区間 吉松14:48→人吉16:03 

 

★★つばめレディのサービスがうれしい観光列車★★

 吉松→人吉間は再び青春18きっぷの旅となる。また、この区間は「いさぶろう号・しんぺい号」の2往復をあわせても1日に定期列車が5往復しか走っていない。

 隼人から「特急はやとの風4号」に乗り込んだつばめレディさんが引き続きこの「しんぺい4号」に乗り込んだのではないかと思う。女性の顔をじろじろ見るわけにはいかないので確信は持てないがそのような気がした。この列車には客室乗務員(つばめレディ)が2人乗っていた。

 

 実際に車両に乗り込んでみて思ったのだが、普通列車用の「いさぶろう・しんぺい」仕様車と特急列車用の「はやとの風」仕様車では、同じキハ40系の改造車でありながらあきらかに接客設備が異なる。「はやとの風」仕様車は座席や展望コーナーが立派であり、特急仕様車としての優位性があると感じた。そうは言うものの、「いさぶろう・しんぺい」仕様車も観光向けの特別仕様車であり、古代漆色の車体が美しい。

 たった7席の自由席にも旅行者らしき乗客がいた。

 

 この区間はスイッチバックやループなどの見所が多く、この列車ではいろんな案内がなされる。名所案内が主体であるが、不幸な事ながら鉄道大惨事の現場も案内される事になる。山ノ神第二トンネルでの復員列車惨事の案内もあった。

  

 真幸駅は肥薩線内唯一の宮崎県内の駅である。宮崎県内で真っ先にできた駅でもある。真幸なだけに真っ先というわけではないのだが・・・。ここで5分間停車する。ここで列車はスイッチバックをし、さらに山を登る。

 スイッチバックの説明がおもしろかった。蒸気機関車を休憩させて元気を取り戻してから再び出発させたとの事だが、「元気を取り戻す」って・・・。

 

 日本三大車窓の一つではしばらく停車した。

  

 この路線が難工事の末に全通した事によって青森県から鹿児島県までが線路で繋がったのである。線内最長の矢岳第一トンネル出入り口には石額が掲げられいる。そのトンネルの入口側には工事の最高責任者である逓信大臣・山縣伊三郎氏の「天険若夷」とあり、出口側には鉄道院総裁・後藤新平氏の「引重到遠」とある。下り列車が「いさぶろう」、上り列車が「しんぺい」を名乗っているのはここから来ているのである。

  

 肥薩線内最高所に位置する矢岳駅、ここから先の駅は熊本県内となる。ここでは激しい雪であった。

 SL展示館が案内され、8分停車であった。さすがに観光列車というだけあって、定期観光バスみたいに乗客のほとんどが同じ行動をとっているのがおもしろい。SL展示館にてつばめレディさんが私の写真を撮ってくれた。

 私は傘を持って車外へ出た。運転士さんであろうか、男性乗務員が車内の傘を持ち出して子供連れの乗客達やつばめレディさん達に渡していた。この列車、というよりJR九州の乗務員の皆さんは親切な感じだ。杓子定規ではない旅の案内や心遣いがなんとも素晴らしい。録音による案内放送の他に肉声放送による案内もあるのだが、さらに言うと、座席まで来て案内してくれる事もあった。素晴らしい。感激した。

 

 有名な大畑のループやスイッチバックへと向かう。ここでも線路配置が見える場所での停車があった。

 大畑では特に停車時間の案内は無かったが、3分程度の停車があった。

 

 私は、ものすごい高揚感を得られるような路線乗車の旅はもうできないのではないかと思っていたのだが、そんな事は無かった。肥薩線のこの区間はおもしろかった。このおもしろさを上回る路線はそう無いであろう。スイッチバックあり、ループあり、駅周辺に人家らしきものは見当たらないので秘境ムードも満点である。線形の不利を観光要素として逆手にとって成功した事例と言えよう。

 また、つばめレディさん達の旅の演出も見事であり、大変素晴らしかった。人吉で下車する際には軽くお礼を述べて下車したわけだが、彼女達2人はなんと私と同様に人吉から「特急九州横断特急8号」に乗るようである。吉松から一緒だったつばめレディさんと再び話したところ、彼女達は新八代まで向かうらしい。もう1人の人は「特急はやとの風4号」で隼人からずっと一緒だった気がする。

 

 人吉駅では駅弁の立ち売りのテレビ取材が行われていた。

 

  

人吉16:09→熊本17:34 肥薩線・鹿児島本線1078D「特急九州横断特急8号」 3連 キハ186-5

運転区間 人吉16:09→別府20:40

 

★★隠れた特別車両 キハ186★★

 

 写真右側が「しんぺい4号」として到着した編成であり、1番線に停車中の列車が「特急九州横断特急8号」である。

 所定では2連のワンマン特急である。これも20043月に登場したJR九州名物のワンマン運転の特急である。原則として車掌は乗務しないが、実際には案内や車内販売を行う客室乗務員(ここでもつばめレディ)が乗務する。

 かつて、私には「九州横断急行」という構想があった。それが特急として実現したのであるからこの列車名称自体には多大な関心がある。

 

 なんと3連だ。もしやと思って近寄ってみると、中間車はキハ186だ。しかも自由席ではないか。

 私は指定席特急券を持っていたが、迷わずキハ186にした。車掌さんが検札に来た際にはこの席で良いと伝えておいた。キハ185系はJR四国から購入した車両だ。キハ186JR四国時代にはキロハ186というグリーン席と普通席の合造車であった。この旧グリーン席に乗りたかったのだ。

 見てのとおり、内装を木材中心の仕様にした事にあわせて座席背面のテーブルや肘掛にも木材が使われている。正確に言うと、肘掛については木材部分が上乗せされているのである。ここまで改造しているにもかかわらず、グリーン席時代のフットレストやフルリクライニング機能は残されているのである。

 この車両はJR九州に移ってきてからは普通車として運用に就いているわけだが、JR九州管内の非電化区間で御召列車が運転される場合にはキハ186が御乗用車両として運用される。言わば隠れた特別車両なのである。実は、この「特急九州横断特急8号」については、積極的に選択したというよりは、時間の都合で選んだという感じであった。しかしながら、キハ186の登場によって旅の主役級へと一気に躍り出たのであった。

 渡にて「特急九州横断特急3号」と行き違ったのだが、あちらはキハ1853連であった。とても得した気分だ。

 ひとつ気になったのだが、キハ186-5の旧グリーン席のうち、旧普通室寄りの座席はリクライニング角度が浅かった。あれが仕様なのか不具合なのかは判別できなかった。

 

 鹿児島中央を出発してから洗面所の付いていない列車ばかりだったので、そろそろ歯を磨きたいと思ったのだが、「特急九州横断特急8号」では洗面所が無くなっていた。全席禁煙になったのと引き換えに、洗面所をつぶして喫煙コーナーを設置したのだ。今時カード式公衆電話の為の部屋まで丁寧に設置されている。喫煙室と電話室という不要な設備があって、洗面所が無いのはいただけない。私の不便を察した美人つばめレディさんがおしぼりを2つくれた。これはありがたかった。キハ185系は純正の特急形車両なのだから、下からつまみを押して水を出すような便所内の水道しかないのはいくらなんでもよろしくないだろう。

 

 それにしても走るのが遅い。球泉洞から坂本まで20分以上無停車なわけだが、エンジン音が響き続ける事は無い。ほとんど惰行運転である。なんと55km/hであった。時折速度を見る為に1号車まで行ってみたが、肥薩線内では最高でも70km/hしか見かけなかった。もしかするともっと出していたのかもしれないが。こちらはキハ40系とは異なり、純然たる特急形車両なのだが…。

 日本三大急流である球磨川の水面近くに沿って走る車窓を楽しみにしていたが、キハ186の登場によって更に素晴らしい旅となった。

 

 八代から複線電化幹線の鹿児島本線に入るが、速度は上がらない。新八代では、「発車時刻であるが信号待ち」との案内が入った。おそらく鹿児島本線上り線を横断する「特急リレーつばめ51号」が遅れているのであろう。

 新八代では先ほどの「しんぺい4号」でお世話になったつばめレディさん達と目が合った。この2人を「特急九州横断特急8号」の道中で見かける事は無かった。私はあまりしつこく付きまとうような事はしたくないので、車窓越しに軽く会釈するだけで済ませておいた。

 鹿児島本線を約110km/hで疾走する。熊本から進行方向が変わるので、先ほどおしぼりをくれたつばめレディさんが空いている席を回転させていた。私は自分がいた席を回転させてから下車した。キハ186の車体には“ASO(「特急あそ号」)”の表記が残っていた。この車両がいかに定期運用に就いていないかよくわかるであろう。

 この時季、東京だと17時でも外は暗い。ここ九州ではまだまだ外は明るく、この列車の熊本到着まで車窓を楽しめた。

 

 

  

 今回の旅は「キハ40系 特急はやとの風号」を主な目的としてやってきたわけだが、「豪華新幹線 特急つばめ号」、「特急はやとの風号」、「観光列車しんぺい号」、「キハ186 特急九州横断特急号」と主役級が4つも立て続く極めて豪華な旅程になった。

 

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