2009年年末から2010年年始にまたがる帰省

2010116(土)公開開始、2010131(日)全面公開) 

2010116日(土) 「急行能登号グリーン車」公開

2010123日(土) 「700系ひかり526号グリーン車」公開

2010131日(日) 「豪華寝台特急トワイライトエクスプレス」公開

 

 諸般の事情により、2009年は2008年とは異なって旅行の楽しみが低下していた。そのようなわけもあって、2009年年末から2010年年始にまたがる年末年始の帰省は新幹線で単純に往復するだけの予定であった。しかし、旅程に凝ってみて、引退間近の「急行能登号」のグリーン車に乗り、さらに「寝台特急トワイライトエクスプレス号」に乗り継いで帰省する事にしたのであった。

 

【帰省往路の旅程】

20091229日 新宿23:10→大宮23:40 「臨時快速ムーンライトえちご号」

20091230日 大宮0:01→高崎1:03   惜別乗車「急行能登号」グリーン車

20091230日 高崎1:13→新津4:36   「臨時快速ムーンライトえちご号」

20091230日 新津4:40→大阪12:52  豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス号」シングルツイン

 東京→関西間の移動としては一般的ではない道のり…、一晩に3本もの夜行列車…。まるで鉄道マニアみたいだ。

 

 

【帰省復路の旅程】

201013日 新大阪17:13→東京20:10 「新幹線特急ひかり526号」グリーン車

 速さや値段に利点があるので、「ひかり早特きっぷ」にした。「ひかり早特きっぷ(グリーン車)」は東京都区内⇔大阪市内のみの設定であり、乗継割引等の適用も無い。しかし、設定区間の乗車だけを考えればずいぶん得なきっぷなのである。

 

 

 

20091229日(火))

★「快速ムーンライトえちご号」 前編★

新宿23:10→大宮23:40 「臨時快速ムーンライトえちご号」 485系特急形電車6連 モハ485-1021

 新宿駅の、やたら遠い5番線からの発車である。

 この列車は、一度大宮で降りて、再び高崎から乗り込む事になる。

 全行程が普通乗車券なので、できればグリーン席にしたかった。しかし、グリーン券が取れなかった。高崎から先を普通車で行くのであれば青春18きっぷを利用する時でもいいぐらいだ。そうは言うものの、「快速ムーンライトえちご号」のグリーン席が取れなかったからこそ後述の「急行能登号」の惜別乗車に踏み切れたわけだ。 

 高崎からの乗車が主要となる場合、指定券は高崎からにしておいた方がいい。なぜなら、「急行能登号」が何らかの理由で遅れて「快速ムーンライトえちご号」への乗り継ぎが危なくなった場合でもなんらかの都合をつけてもらいやすいからである。一方、新宿からの指定券だと、単なる乗り遅れとみなされて相手にされなくなるのである。そうはいうものの、今回の旅程の場合、もしも「快速ムーンライトえちご号」に乗り損ねたとしても「急行能登号」に乗り続ければ直江津で2時間以上待って「寝台特急トワイライトエクスプレス号」を捕まえる事ができるのである。

  

20091230日(水))

 普通乗車券については、大宮や高崎でも途中下車はしない。なぜなら、日本海側や北日本では、大雪や強風による列車の遅延や運休が多発しており、「寝台特急トワイライトエクスプレス号」が運転打ち切りとかになれば、途中駅ではなく発駅まで戻してもらいたいからである。この旅程が無事にこなせるのかどうか不安があった。

  

★★★惜別乗車 「急行能登号」★★★

大宮0:01→高崎1:03 高崎線611M 「急行能登号」 489系電車9連 サロ489-27

611M601M 運転区間:(前日)上野23:33→金沢6:29 

★★惜別「寝台特急北陸号」/「急行能登号」★★

 上野と金沢を結ぶ夜行列車「寝台特急北陸号」と「急行能登号」が2010年春に廃止される事が、200912月に公式発表された。利用の減少と車両の老朽化が理由との事である。

 夜行列車がすごい勢いで消えていくこのご時世、よくもまぁ、運転区間とその時間帯が近接する夜行列車が2往復も今まで残っていたものだ。新幹線が北陸に達するまではどちらかが残るだろうと思っていたのだが…。

 2009年夏、「寝台特急北陸号」を利用する旅程を考えていた。20109月にその旅程を実行しようと予定していたのに残念な事になってしまった。一方、「急行能登号」には2009年年末の帰省の際に惜別乗車する事にしたのであった。

 「急行能登号」は、ボンネット型先頭車両を使用する最後の定期列車として熱い注目を浴びている。1958/昭和33年から形状が受け継がれてきた国鉄ボンネット型特急先頭車もいよいよ終焉が近いのである。

  

 さて、ここでおもしろい比較をしてみよう。

・「寝台特急北陸号」 (運転区間:上野23:03→(翌日)金沢6:26) 寝台客車

・「急行能登号」    (運転区間:上野23:33→(翌日)金沢6:29) 特急形座席車

 30分も後に上野を出た定期急行が、終点金沢では定期特急の3分後にまで迫っている。

 金沢発上野行きも同様に、「寝台特急北陸号」よりも「急行能登号」の方が所要時間が短い。「急行能登号」は特急形車両で運転されており、特急とは何なのであろうかと思わせる現象である。実際は、変遷の過程の中で今のような運転形態になったのである。

 「北陸号」と「能登号」は歴史的に見ても兄弟列車である。しかし、この件について触れだすと、「はくたか号」や、今はなき「白山号」や「越前号」、更には「妙高号」についても言及したくなるので、ここでは現行の「北陸号」と「能登号」の所要時間の話だけに留めておこう。

 

★★489系特急形電車 初乗車★★

 489系電車は、私にとっては“国鉄在来線で最も優秀な電車”という印象があった。3つの電源方式に対応できて全国的に活躍した485系電車に、更に碓氷峠専用の機能まで加えた系列である。この上ない万能な電車として憧れさえ抱いていた。その489系電車に初めて乗車したのであった。

 

★★国鉄特急形グリーン車 サロ489形★★

 車内は満席であり、しかも私は途中駅での乗降という事もあって、座席を撮影できなかった。なお、大宮→高崎間において、この列車のグリーン車の残り1席を獲得したのは私であった。

 R27形を改造した座席である。背もたれの幅が広く改造されており、R27形の美しさは感じられない。大好きなR27形がこのような形で残っていた事は知っていたが、改造されたこの座席への熱い思いはない。ただし、白い肘掛カバーは特筆に価する。

 典型的な国鉄特急形グリーン車であり、乗降扉側のデッキから扉を2枚隔てた所から客室である。防音構造の車体であるが、2枚の扉の間にある車掌室にて若い車掌同士が大声で会話していてグリーン車客室の前の方の席まで丸聞こえであった。検札の進め方について会話していた。

 

★ラウンジ★

 6号車のラウンジにも行ってみた。普通に自由席として使われていた。このラウンジは、比較的長距離を走っていた「特急白山号」のフリースペース用として1989年に登場した。

 

 高崎にて先ほどの「快速ムーンライトえちご号」に追いつく。

 1時過ぎだが、撮影者が多くいた。写真左が「489系ボンネット型/急行能登号」、写真右が「485/快速ムーンライトえちご号」。

 高崎停車中に「急行能登号」の車掌氏に尋ねてみたところ、この列車では基本的に全席検札を行うらしい。しかし、この夜は乗客が多くて通常通りにいかないとの事であった。また、高崎停車中には制服を着た警官が車内を回っていた。

 

 

★「快速ムーンライトえちご号」 後編★

 ここでは車掌氏に「寝台特急トワイライトエクスプレス号」に乗り換える旨を伝えなければならない。なぜなら、遅延等が発生した場合に連絡を取り合ってほしいからである。

 私が事前に用意していた乗車券は高崎線・上越線・信越線・北陸線・湖西線経由である。飛び出し乗車区間となる宮内→新津間の乗車券を買い求め、「寝台特急トワイライトエクスプレス号」に乗り換えるゆえに遅延が発生した場合に連絡いただきたい旨を伝えた。長岡到着まで案内放送は行わないと聞かされた。

  

 運転停車の越後湯沢で顔をあわせた上りの「急行能登号」の先頭車両は、クハ4895011であった。「急行能登号」は本当に古い車両で運行されているのである。

 

 新津では、すでに「寝台特急トワイライトエクスプレス号」が停車中である。

 

★★★豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」★★★   →別コーナー

新津4:40→大阪12:52  「不定期寝台特急トワイライトエクスプレス号」シングルツイン オハネ25-523

8002レ 運転区間:(前日)札幌14:05→大阪12:52

 

主なテーマは、

★ 豪華寝台特急の車両への思い

★ 「トワイライトエクスプレス」は札幌行き下り列車が主体

★ 「急行きたぐに号」と所要時間を比較

★ シングルツインは上段の補助ベッドを選択

 

★ 朝の6時台からの案内放送

★ 食堂車 ダイナープレヤデス

 

 車両、サービス、運転技術、全てにおいて「トワイライトエクスプレス」に対するJR西日本の強い意気込みが感じられた。車両としても列車としてもかなり良かった。また乗る機会を得たいと思う。

  

 

★★★大阪駅 新11番乗り場★★★

 大阪駅では、新しい11番乗り場が20091220日に供用が開始された。

 大阪駅11番乗り場で発車を待つ「485/特急雷鳥91号」

 20103月のダイヤ改正では、「特急雷鳥」は1往復だけに減ってしまう。大阪駅新11番乗り場と485系電車の組み合わせもあと何年見られる事か…。

 

20091231日(木))

 大晦日に始発駅を発車する予定であった日本海側の夜行列車は、強風により軒並み運休が告げられた。「急行能登号」や「寝台特急トワイライトエクスプレス号」に運良く乗れたものだと思った。「恐怖の強風」と言ったところか…。

 

 

 

201013日(日) Uターン 関西→東京)

★★★「700/ひかり526号」「ひかり早特きっぷ(グリーン車)」利用感想★★★   →別コーナー

新大阪17:13→東京20:10 東海道・山陽新幹線01526 「新幹線特急ひかり526号」 719-39

01526 運転区間:新大阪17:13→東京20:10 、 停車駅:京都・米原・岐阜羽島・名古屋・豊橋・新横浜・品川)

 

毎年大混雑の、正月のUターンラッシュ (新大阪駅にて)

 2324番乗り場には、新大阪始発の東京行きに乗る自由席客が溢れかえっていた。8月の盆や、5月のGWUターンラッシュはあまりたいしたものだと思えないが、正月のUターンラッシュは毎年強烈だと思う。

 

JR東海の700系グリーン車

 

 近年の新幹線グリーン車に対して熱い思いは無いが、正月のUターンは「ひかり早特きっぷ(グリーン車)」がいいと思った。これからも、帰省が続く限りは、年始のUターンにおいては「ひかり早特きっぷ(グリーン車)」にしようと思ったのであった。

 

 

★★あとがき★★   

 13日にUターンする際の「ひかり早特きっぷ(グリーン車)」を124日に購入した。さらに12月中旬からは急遽、帰省往路の旅程にも凝ってみて、上述のような旅程にしたのであった。

 今回の帰省の往路の旅程は、惜別列車や不定期列車をうまく組み合わせた見事な旅程だったと思う。特急よりも速い急行に惜別乗車したり、急行よりも遅い豪華特急に乗ったり、面白い旅程であった。

 「寝台特急トワイライトエクスプレス号」には再度乗ってみたいと思うが、その車両は車齢が高く、あと何年活躍してくれるのかわからない状況である。

 

 

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