20162月の旅行記 「急行はまなす号」惜別乗車の旅  2016/2/21 公開)

 

 ブルートレインの車両に惜別乗車したくて、「急行はまなす号」のB寝台車に乗ってきた。

 今回の主なテーマは、下記のとおりだ。

北海道新幹線の開業と引き換えに引退する「急行はまなす号」

北海道新幹線が開業する直前の「木古内駅」

北海道新幹線が開業する直前の「奥津軽いまべつ駅」

 

★旅程の構想★

 北海道新幹線開業と引き換えに引退する「急行はまなす号」は、最後の14系・24系定期列車であり、最後のJR定期普通急行列車でもある。

 私は212日(金)から3連休だ。3連休を利用して「急行はまなす号」で往復してみたいと考えた。しかしながら、13日札幌発の青森行きは北海道新幹線準備のために運休だ。よって、往路しか乗れない。しかし、「急行はまなす号」は3月のダイヤ改正での廃止が決まっているので、もはや日付を選んでいられる余裕はない。

 そもそも、「はまなす+東北新幹線」の旅程は、つい昨年まで走っていた「寝台特急北斗星号」と比べるとそれほど魅力的とは言えない。寝台料金を出すならば「北斗星 B寝台」の方がいいし、同じ料金ならば「北斗星 設備が良い方のソロ」に乗らないと損な気がする。それらよりも「北斗星 ツインDX」に乗りたかった。という具合に、「北斗星」があった頃にはまずは選ばないような旅程であった。

 しかし、無いものや無くなったものと比較しても意味がない。「急行はまなす号」はブルートレインの車両で運転される最後の列車であり、今はもうここでしか体験できない。

 では、「全車14系座席車」だったら乗りに行っていたか、あるいは「14系・24系寝台車+12系座席車の座席車」だったら乗りに行っていたか? それは何に別れを告げたいのかにもよるだろう。そう、「ブルートレインの車両」…すなわちB寝台車がこの旅の希望なのだ。もしも九州の「日南」や「かいもん」が最後の存在ならば、九州寝台特急が無いことに不満を抱きながらも九州まで乗りに行くであろう。「はまなす」だからという理由ではなく、14系・24系のハネに乗りたいのだ。

 主な目的は“寝台車内の光景”と“ハイケンスのセレナーデ”であり、車窓は昼行特急でじゅうぶんだと思っている。

 一応記しておくが、「急行はまなす号」自体がブルートレインかどうかというのは見解が分かれている。ブルートレインという語を辞書で引くと“青い車体の寝台特急”と書かれている場合がある。つまり、“急行だからブルートレインではない”という見解があるということだ。しかし、金帯のオハネは「寝台特急北斗星号」と共通運用だったので、「ブルートレインの車両」という言い方に間違いはない。もっと言えば、「北斗星」のヒルネ用にスハフ14が連結されていた時代もあったぐらいだ。何をどこで区切るかというのは、難しくもあり、おもしろい問題でもある。

 

 

 29日、キャンセル待ちをお願いしていた駅から6号車の券が取れたとの連絡が入った。これにより、行くこと自体は決定した。寝台車か、それが無理ならばドリームカーを希望していた。

 同日、留萌本線の留萌-増毛間が気温上昇の影響により212日から運休することが報じられた。これにより、「みなみ北海道フリーきっぷ」を使うことに決めた。

 5日間有効の「北海道フリーきっぷ」を使うには日数が短すぎるし、このきっぷならばせっかくだから他に行きたいところもある。

 復路だけ航空機にしようかとも考えていた。しかし、留萌本線の運休で、「みなみ北海道フリーきっぷ」に決まった。なお、「北海道フリーきっぷ」も「みなみ北海道フリーきっぷ」も北海道新幹線の開業に伴って廃止される。

 

 前述のとおり13日札幌発の「はまなす」が運休なので、13日のうちに東京へ戻ってくることにした。きっぷは3日間有効だが、わざわざ宿泊したところで14日は東京への移動だけになる。それならば、13日のうちに速い東北新幹線で自宅に戻り、快適な自宅で気が済むまで寝た方がいい。

 

 13日の主な目的は、木古内駅と奥津軽いまべつ駅だ。

 江差線の木古内-江差間は20145月に廃止されたが、新幹線開業を待てば新たな需要が見込まれたかもしれない。と言いたいところだが、整備新幹線は並行する在来線の廃止と引き換えだから、五稜郭-木古内間とともにJRから離れたであろう。

 

 北海道内を他にどのように楽しもうか考えた。

 今春の廃止を免れた有名な秘境駅、小幌駅を訪問しようか。長万部で「スーパー北斗2号」から乗り換えれば順調に着くが、小幌駅に停車する列車の本数が少なく、2時間も滞在しなければならない。さすがに待合室どころか屋根すら無いマイナス4℃の中で放置されるのは危険だ。見送ることにした。

 今春廃止される鷲ノ巣駅を訪問しようかとも考えたが、時間が合わないので見送ることにした。

 旧型特急車の惜別乗車もいいだろう。「キハ183系 特急北斗4号」と「485系 特急白鳥22号」がそれだ。

 

 フリーエリア内では東室蘭-室蘭間の支線が未乗だったので、ここも旅程に組み入れることにした。室蘭といえば、観光案内所になっている旧駅舎が有名である。また、胆振総合振興局所在地である。

 

 

2016212日(金)

 自宅を出発し、近くの旅行会社にて3192021日の「急行はまなす号」の事前受付をお願いした。さらに今夜の寝台に空がないか尋ねたところ、1席だけ空いていた寝台が取れた。これはうれしい。寝台車は外から見るだけになると思っていたが、これで寝台車内へも行ける。しかも増21号車という、JR北海道らしい号車に当たった。

 前述の通り、寝台車を希望していた。ドリームカーもいい車両だと思うが、あの形状の座席は2010116日の「特急はまかぜ6号」で別れを済ませた気持ちがあるので、なんだか旅の主要目的がはっきりしない気持ちを抱いたまま自宅を出てきたところだった。これにより「ブルートレインの車両への惜別乗車の旅」というテーマに揺らぎが無くなった。

 さて、「みなみ北海道フリーきっぷ」はフリー区間外では途中下車できない。つまりどういうことかというと、下りの「はまなす」に乗り込む前に青森で入浴できないということだ。よって、このきっぷは夏ならば避けていた。また、今回は出発直前に入浴してきた。

 

★東北新幹線盛岡以北初乗車★

東京1720→新青森20:40 「新幹線特急はやぶさ29号」3029B E526-113 17連→10

 これより後の「はやぶさ31号」でも「はまなす」に間に合うのだが、「はまなす」の入線から見たいので「はやぶさ29号」にした。

 

 1時間以上早く東京駅に着いた。いっそ「はやぶさ27号」に変更しようかとも考えた。明るい時間帯の乗車時間が増えるし、旅先での滞在時間も増える。しかし、縁あってやっと取れた窓側のきっぷなので、1時間待つことにした。

 東京駅からJR東日本の新幹線に乗るのは20043月以来だ。北陸新幹線開業後や北海道新幹線開業直前ということもあってかなり華やかであり、東海道新幹線のホームとは雰囲気が全く違う。

 大宮までは110km/h程度だ。

 東京駅で購入した「北海道新幹線開業記念弁当」を食べた。満腹にはならず、持ってきたものを追加で食べた。

 宇都宮を過ぎたら320km/hを楽しもうと考えていたが、少しまどろんでいるうちにもう那須塩原だ。郡山駅を320km/h近い速度で通過した。

 

 世間では、東京-新函館北斗間が最速4時間を切れなかったことに対してなんだかんだ言われているようだが、大宮以南や盛岡以北をスピードアップすればいいではないか。貨物列車と共存する青函トンネルでの140km/h走行だけが問題ではない。盛岡以北は最高速度が260km/hに抑えられるが、これは整備新幹線だからだ。全国新幹線鉄道整備法で規定される整備計画には営業最高速度が時速260キロメートルと記され、この数字に縛られているのである。新しい路線の方が遅いなんておかしいではないか。

 

 東北新幹線といえば、大好きだった215形車両R31形リクライニングシートはすでに無い。R31形リクライニングシートが並んでいる車両ならば、グランクラスより高くても乗りたいぐらいだ。おっと、もう無くなったものについて考えるのはよそう。

 ところで、グランクラスといえば、アテンダントが乗っている列車とそうでない列車とで料金が異なる。その差額は、言い方は悪いが「お姉さん料金」ではないか。1本前の「はやぶさ27号」のグランクラスのアテンダントを一瞬見たけど、美人だったように見えた。乗務員がどういうシフトでグランクラスや車内販売に乗務しているのか知らないが、「はやぶさ29号」の車販氏の一人はすごく美人だった。あのような美人が対応してくれたら正直言ってうれしい。

 

 仙台から盛岡まで隣のB席に人が来た。わがままな発言で申し訳ないが、座席車では隣に人が来ないことが快適だ。今夜も満席のドリームカーでなくて良かったと改めて思った。

 

 車内では、私の後ろと通路を挟んだ数席がクラブツーリズムの団体らしく、添乗員が時折案内していた。彼らも「急行はまなす号」に乗るみたいだ。

 

 まとまった下車が見られた八戸では、「はやぶさ38号」と並ぶ。それは24時間後に乗っている予定の列車だ。24時間後の「はやぶさ38号」ではどのような思い出を乗せているのだろうか。

 

新青森2049→青森2055 687M クハ700-24 4

 クラブツーリズムの人たちは青森駅でひとまず解散らしい。

 

★★★「急行はまなす号」★★★

青森2218→札幌607 「急行はまなす号」201レ オハネ25-11 9

 青森駅入線は2136頃。

 DE10-1765に先導されて「急行はまなす号」の編成が入線してきた。

 

函館までの牽引機はED79-4

1号車…スハネフ14-551B寝台車。「はまなす」のエンブレムが付く。オハネフ25-200に電源を付けた改造車。

21号車…オハネ25-11B寝台車。車体はピカピカ。

2号車…オハネ24-503B寝台車。オハネ14からの編入車。化粧室や寝台側のトイレは女性専用。車体の痛みが目立つ。

3号車…スハフ14-551…この夜は指定席。オハフ15に電源を付けた改造車。座席形状は14系オリジナル。

4号車…オハ14-515…カーペットカー指定席。私が過去2回乗った当該車両。

5号車…オハ14-505…ドリームカー指定席。

6号車…オハ14-510…ドリームカー指定席。

7号車…スハフ14-502…自由席。781系電車の座席を転用。

8号車…スハフ14-501…自由席。781系電車の座席を転用。

 スの付く4両全てがサービス電源用のエンジンを動かしていた。

 

 増21号車と2号車の車体の艶の違いを話題にしている女性達がいた。

 2号車オハネ24-503には、いすまで供えられた立派な化粧室(更衣室)がある。女性専用だと撮影後に知った。また、この車両の寝台寄りのトイレも女性専用だ。

 1号車スハネフ14-551の客室内の車掌室寄りはとても暑かった。

 

 自由席での4人未満での座席の回転はご遠慮くださいとの放送がなされていたが、再三の放送にもかかわらず、1人で4席使っている人が散見された。満席のドリームカーよりも、隣に人が来ない自由席の方が快適かもしれない。

 私が手放したドリームカーの席を見に行くと、隣には男性用と思われる大きな荷物が置かれていた。寝台車を取れて本当に良かったと思った。

 

 56号車ドリームカーは、キロ182形グリーン車のR27B形リクライニングシートを改造した座席が設置されている。リクライニング角度を5度増し、背もたれの幅を広げる改造がなされている。車端には談話室もある。

 普通の座席車の座席は、実は原形だけではない。781系電車から移された座席があり、前方へせりあがったひじ掛けと、モコモコした座面と背もたれが特徴である。

 

 案内では満席とのことだが、増21号車の場合、5上、6上、17上下には人がいなかった。17上下には人がいなかったように見えたが、道中ではカーテンが閉まっていた。

 誤解の無いように記しておく。私は青森駅入線後に車両を見て回ったが、発車する頃には自席にいた。客室内での撮影をご遠慮くださいとの放送がかかった。

 

 13日に自宅へ帰れずに宿泊する場合に備えて肌着を一組持ってきていた。座席車ならば着替えが困難だが、せっかくの寝台車なので、着替えることにした。冬でも意外に汗をかく。

 

 木古内で運転停車。まだ2356頃だ。下り「はまなす」だけでも停車すれば需要はあるだろう。尤も、夜行列車の乗客としては深夜帯に停車駅は無い方がいいが…。

 

2016213日(土)

 木古内を出てすぐに泉沢でも運転停車。007頃。普通列車136Dと交換する。まだ函館圏の終列車の時間帯なのだ。

 

 函館で進行方向と機関車が変わる。機関車交換は旅の名場面の一つだが、見送った。せっかくここまで来たのだしに見に行こうかとも考えた。普通の服装で座席車に乗っていれば見に行ったであろう。しかし、浴衣を着ているし、寝台の上段だし、DD51は編成の反対側の端だし・・・。

 深夜に進行方向が変わるゆえに、座席の方向転換を巡ってのトラブルもあるらしい。寝台車で良かった。

 函館を発車する頃に眠りに落ちた。

 

 苫小牧到着時に目が覚めた。

 2008年にカーペット車に乗った際に気付いたのだが、毛布には「北斗星」の刺繍がなされている。今回の寝台車でもそれを見つけた。

 終点札幌に到着。北海道の寒さをなめていたら危険だと言われていたが、厳しい寒さは感じない。

 函館からの牽引機はDD51-1143だ。

 去り行く青い車列に寂寞の思いを禁じえなかった。

 

札幌駅

 札幌駅では「特急スーパー北斗2号」に乗り込むことと「急行はまなす号」の撮影を最優先にし、食品を調達できなかった。

 駅のスタンプの台には、「冬スタンプ 始めました」と表示が出ていた。

 

札幌636→東室蘭800 「特急スーパー北斗2号」5002D キハ281-6 7

 車内はとにかく暑く、34℃以上もある。もしかして、暖房を効かせ過ぎたのか。

 車内に流れる案内によると、春頃の陽気で、雪崩に要注意とのことだ。

 車内放送では、棚の上の荷物が落ちないことと、急ブレーキへの注意、および○○線に入るとの旨が印象的であった。

 

 長万部で「かにめし」を積み込むので、東室蘭到着までに予約を取るとのことだ。しばらく食べられないことが確定した。

 苫小牧の手前、千歳線と室蘭本線が長く並ぶ部分が印象的だ。

 

★東室蘭→室蘭間 初乗車★

東室蘭815→室蘭826 4456M モハ789-2004 5

 この列車は室蘭到着後に、折り返し841発、東室蘭から「特急すずらん3号」に変わる列車だ。よって、座席は進行方向とは反対向きだ。指定席・自由席の表示に関わらず全車自由席との案内があった。

 7891000番台は、普通の普通車の座席も好きだが、せっかくの機会なので、普通車特別席のuシートに乗った。

 優先席の案内があることに驚いた。当該の5号車を見に行ってみると、「快速エアポート号」では優先席とのこと。20163月のダイヤ改正で「特急スーパーカムイ号」と「快速エアポート号」の直通運転が無くなるので、この車両は「快速エアポート号」の運用から離脱する。この優先席も無くなるのではなかろうか。

 東室蘭-室蘭間は、「特急すずらん号」が普通列車として乗り入れている。北海道としては駅間距離が短くて列車本数が多く、不思議な区間だと思っていた。この辺りは室蘭の市街地で、無人の原野ではない。現地を見て納得した。

 

室蘭

 気になっていた室蘭駅の旧駅舎も胆振総合振興局も室蘭駅から400500m程度だ。急げば車で行けなくもないだろうが、15分間の滞在時間に見に行くのは危険だ。8:41発に乗り遅れると後の旅程が全滅だ。主要目的でない部分で危険なことはやめておこう。

 室蘭駅から胆振総合振興局が見える。胆振総合振興局は旧国鉄用地を取得して建てられた。

 

室蘭841→東室蘭852 1433M モハ789-2004 5

 uシートには私しかいなかった。

 この車両の大部分の座席のセンターアームレストは跳ね上げられるのだが、2AB席にはテーブルが内蔵された固定式のセンターアームレストが設けられている。これは、1番席が前になる場合に前方のテーブルが使えないからである。

 

東室蘭856→函館11:13 「特急北斗4号」5004D キハ183-1505 5

 基幹の特急列車なのにわずか5連で間に合うとは…。さっぽろ雪まつりで利用者が多い26日から14日までは函館-札幌間に臨時特急を運転するとのことだが、この「北斗4号」の乗客の少なさには驚いた。

 キハ183(一部を除く)といえば、運転席の右側から後部展望(札幌行き「北斗」ならば前部展望)が可能だ。その席を考えていたが、先客がいた。

 余裕のある走りに見えたが、実際は120km/h近く出ていた。風景の違いなのか防音効果の違いなのかわからないが、JR四国の2000系が120km/hで走行する時のような迫力が感じられない。言い換えれば快適な乗り心地だ。

 洞爺では「寝台特急カシオペア号」と並んだ。あちらは前夜に上野を「はやぶさ29号」より1時間ほど早い16:20に出発した列車だ。乗客達は楽しそうで、何人かはこちらに手を振っていた。

 

 空腹だ。車内販売が来たので尋ねてみるとアイスクリームだ。弁当はワゴン販売を利用下さいとのこと。しかし、それがなかなか来ない。長万部を過ぎないと来ないかもしれない。そう思っていたところ、小幌を通過前に車内販売が来た。小幌駅は見たいし、弁当は買いたいし・・・。

 

 秘境駅として有名な室蘭本線小幌駅を通過。

 JR北海道が廃止を持ち出したところ、豊浦町は観光資源として存続を要望。まずは1年存続するが、1年ごとに見直されるとのこと。今回の旅行で訪問を検討してみたが、車窓だけにとどめた。雨だし、行かなくて良かった。

 

 先程購入した「北海道三昧冬御膳」を食べたが満腹にはならず、持ってきたものを追加で食べた。

 

 20163月ダイヤ改正で廃止される函館本線鷲ノ巣駅を通過。

 函館本線鷲ノ巣駅は20163月ダイヤ改正で廃止される。特急停車駅八雲の隣の駅。八雲といえば、新幹線の新八雲駅も計画されているぐらいだが、近隣はそんなにも閑散としているのか…。

 

 五稜郭に停車。かつて、海峡線の特急との乗り換えのために停車が開始されたのだが、五稜郭に停車しない「特急白鳥22号」とは函館での乗り換えだ。

 

 函館駅では北海道の基幹特急と青函連絡特急が並ぶ。津軽海峡の乗換駅としての役目をもうすぐ終える。

 時代の流れとはいえ、青森駅と函館駅が津軽海峡の主役の座から下りることが何ともさみしい気がする。

 

 

函館1119→木古内1159 「特急白鳥22号」4022M モハ484-3031 8

 名車485系の最後の定期特急列車だ。たしかに名車485系だが、3000番台はあまりにも変わりすぎていて、側面にかつての面影が残っている程度である。

 海峡線を行く「特急白鳥号」も「特急スーパー白鳥号」も北海道新幹線の開業と引き換えに引退する。

 なんと、この「特急白鳥22号」は青森までJR北海道の車掌が乗務するみたいだ。

 

★木古内★

 

 「道の駅 みそぎの郷 きこない」ではレストランが満席で食事ができない。かなりの賑わいだ。土産を購入した。

 この日は新幹線試乗会があるらしく、受付の時間帯になると木古内駅ではJRの社員や警備員の姿が目立ってきた。

 

木古内1248→蟹田13:43 「特急スーパー白鳥24号」4024M サハ789-104 6

 青函トンネル内のみならず、その前でも140km/h近く出ている。

 空腹だ。美人車販氏に尋ねてみたが、残念ながら弁当は売り切れだ。

 車窓の着眼点は新幹線開業直前の「奥津軽いまべつ駅(現・津軽今別駅)」だ。

 津軽今別駅は新幹線工事のため、2015810日から全列車が通過する。2016326日には北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅へと生まれ変わる。貨物列車は、この特急列車のように新幹線駅の外側を通る。

★蟹田★

 海峡線の旅客列車が無くなった後の変貌が気になる蟹田もこの旅の主要着眼点だ。

 駅前には無料休憩所の他、「ウェル蟹」という市場がある。「ウェル蟹」には食堂もあるが、次に乗る列車の時刻の都合で見送った。

 この先フリー区間から外れる中小国-津軽二股間の、往復乗車券を購入した。

 

蟹田14:19→津軽二股14:44 337D キハ40-558 2

 地元の女子高校生たちは、青森からの列車が到着後に三厩行きが入線するまで待合室にいた。津軽線は海峡線の開通によって蟹田で運用が分断され、蟹田以北は青森駅との直通が激減してかえって不便になったらしい。海峡線の旅客列車が無くなった後、津軽線の利便性は向上するのだろうか。

 津軽二股では同業者が3人ぐらい下車した。

 

★★津軽二股駅 / 津軽今別駅 / 奥津軽いまべつ駅 / 道の駅いまべつ(半島プラザ「アスクル」)★★

 私は1998年夏に津軽二股駅から津軽今別駅への乗り換えを行った。ここに降り立つのはその時以来だ。昔は新幹線の奥津軽駅の計画地だと表示されていたが、周囲に何も無いので悪い冗談にしか思えなかった。しかし、それから18年の時を経て、新幹線の駅が現実のものとなる。あまりの変貌ぶりが気になっていて、訪問したくて仕方が無かったのだ。

 

 津軽二股駅と津軽今別駅を結ぶ通路は、それ自体は残っているが、入口は閉鎖されている。その通路へと続く踏切も消えているが、踏切の警報音の装置は今でも稼動しており驚いた。

 

 奥津軽いまべつ駅は新幹線駅として開業直前だが、駅前には案内板の通りに、津軽二股駅、町営無料駐車場、道の駅いまべつ の3つしかない。商店どころか民家も見当たらない。

 

 雨の中での一通りの撮影も済んだので、「道の駅いまべつ」で食事しようかとも考えたが、食堂は15時までだ。りんごが安く売られていたので購入した。傷があるから安いみたいだが、大きいのが5個で200円だ。日頃りんごは自分で買うことは無いが、せっかくなので購入した。かばんの収納に余裕があればもっと買いたいところだが、1袋だけ買った。

 

津軽二股15:35→蟹田1559 340D キハ40-558 2

 この列車は三厩発で唯一の青森行きだ。

 海峡線と北海道新幹線の接続部分は、津軽線から見ることができる。

 

 見たいところは全部見たので、このまま青森、新青森と進んで早い時間の新幹線に変えてもよさそうだが、復路のきっぷを購入した210日の構想では津軽二股へはもう1往復遅い時間帯での訪問を予定していたので、蟹田→新青森間の特急券を買ってある。せっかくの機会なので、津軽海峡をもう1往復だ。

 

再び蟹田

 前述の「ウェル蟹」の食堂も15時までだ。大きなおにぎりが2個売られていたのでそれを買った。

 少なくとも、特急列車が通らなくなる蟹田駅が静かなローカル駅へと急激に戻るとは考えにくい。なぜなら、いろんな意味でこの地域の拠点なのだろうと察するからだ。乗務員休憩所の他、駅前には鉄道建設関係の独立行政法人などもある。また、駅の西側の駐車場は賑わっていた。

 西口駐車場から駅を利用するにはステップロードを通らなければならないが、それは駅の跨線橋と一体になっている。

 

蟹田16:25→木古内17:13 「特急スーパー白鳥19号」4019M モハ788-104 6

 函館からの札幌方面の接続列車に車内販売が無く、この列車内で買い求めるように案内があった。

 先程買ったおにぎりを食べた。

 

再び北海道へ渡って木古内

 道の駅はまだ営業している。夕方遅くに閑散としていないのがすばらしい。

 駅の売店で「いかめし」が売られている。2002年夏にもここで「いかめし」を食べた。真空パックだけの包装なので、箸がないかと尋ねてみたが、夏以外は暖めないと食べられないとのことであった。「いかめし」の購入を見送って、水だけ買った。

 それにしてもこの木古内駅やその周辺は、2002年に初めて訪れた時から随分変わったものだ。

 

木古内17:45→新青森19:19 「特急スーパー白鳥38号」4038M サハ789-102 6

 青森や新青森に着くのは19時台なので、食品を調達できるか不安だ。この車内で「十和田バラ焼き重」を購入した。

 竜飛定点を通過してから3分でトンネルを出るなんて、本当に速い。

 この列車は青森18:57着で19:13発だ。19:00に奥羽本線普通列車弘前行きが発車する。つまり、終点を目前にして普通列車に先行されるというわけだ。2015年夏頃にはこの普通列車から乗り継げる臨時の「はやぶさ」があったが、今回はその普通列車に乗り換えても「特急スーパー白鳥38号」にこのまま乗っても「はやぶさ38号」への乗り継ぎだ。

 青森駅15分程の停車の間に、売店にて「はまなす」関連商品を購入した。

 終点新青森到着時の放送では、自動放送の声の主の自己紹介があったのが印象的であった。

 

 新青森駅の売店の方が好みの商品があった。

 

新青森1944→東京2304 「新幹線特急はやぶさ38号」3038B E525-25 10連→17

 今回の旅程では、2016322日から25日までの海峡線の旅客列車運休のお知らせがいろんなところで見られた。東北新幹線の車内でもこのとおり。

 

 「十和田バラ焼き重」を食べた。満腹にはならず、持ってきたものを追加で食べた。

 八戸では「はやぶさ29号」と並ぶ。旅の期待感に満ちていた24時間前に思いを馳せる。

 八戸、盛岡、仙台など乗車の多い駅では気にかけていたが、仙台発車の時点で隣に誰も来ず、大宮到着のアナウンスがあるまで快適に眠って帰ってきた。

 それにしても東北新幹線は速い。夕方北海道や青森にいたのに、その夜のうちに東京の自宅に帰れるのだから。

 

2016214日(日)

 自宅の最寄駅には0時過ぎに着いた。雨が降っているし、風も強くなってきた。早く帰ってきて良かった。

 

★★あとがき★★

 JR北海道は全路線が赤字だ。世の中にはJR北海道や北海道を蔑むような発言が見られるが、なんか違うと思う。JR北海道は人がいない無人の原野にも長い距離の鉄路を有し、一企業に営利を追求させるにはあまりにも過酷な環境だ。加えて、暖房費や除雪費も巨額にのぼるし、動力車の種類も多い。北海道新幹線も赤字が予定されている。だからといって北海道をいらないだのどうだのと言うのは違う気がする。国土の端の部分に人が住んでいるというだけでソフトな国境警備になる。経済を都道府県内完結で考えるのは妥当ではないと思う。

 洞爺で並んだ「寝台特急カシオペア号」は、どうやら遅延していたみたいだ。様子がおかしかったので調べてみたのだ。3番線に停車していたが乗降扉は閉まっており、すぐ後には貨物列車が迫っていたのであった。

 

 3192021日の「急行はまなす号」は取れなかったみたいだ。10時打ちをお願いしてでも乗りたいような列車は、この「14系・24系 急行はまなす号」が最後だろう。キャンセル待ちを頼もうかと思う。

 

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