「臨時快速ポートトレイン横濱号」・・・お座敷電車「せせらぎ」で貨物線を行く 2009725日(土)  2009726日公開)

 

西国分寺917→石川町1009 「臨時快速ポートトレイン横濱号」 お座敷電車「せせらぎ」4連 クロ485-5

武蔵野貨物線/高島貨物線

9842M9721M 運転区間:高崎723→鎌倉1045

 

 私が「臨時快速ポートトレイン横濱号」の存在を知ったのは、719日に時刻表を買ってからであった。私は、お座敷電車をはじめとする近年のジョイフルトレインにはほとんど関心が無く、そのようなわけで、鉄道ダイヤ情報誌に目を通しているにもかかわらず、JR東日本の電車ジョイフルトレインの運転予定には着目していなかったのであった。

 「臨時快速ポートトレイン横濱号」は、西国分寺の次は横浜の隣の桜木町まで客扱いを行わない。もしかすると桜木町駅の横浜駅側から東方向に出ている貨物線(東海道本線貨物支線:高島線)を通るかもしれないと考えた。調べてみると私の予想どおりであった。私は臨海貨物線のような産業鉄道も好きであり、また、久しぶりに武蔵野貨物線にも乗りたいと思っていたので、この列車に乗ろうと考えた。なお、貨物線だと認識されている多くの路線も、国鉄からJRへと移行する際には旅客会社へと継承された。武蔵野貨物線も高島貨物線も東日本旅客鉄道が第一種鉄道事業者である。

 200961日から同年831日まで「横浜・神奈川デスティネーションキャンペーン」が行われており、この期間には横浜方面指向のおもしろい列車がたくさん運転されている。「臨時快速ポートトレイン横濱号」もその一つであり、運転される週末毎に運転区間と使用車種が異なる。私が知りえる限りにおいて土曜日の午前に西国分寺から桜木町に向けて乗れるのは725日と88日である。用事は早く済ませておきたいので、できれば725日に出かけたいと思った。725日は高崎始発で、88日は宇都宮始発である。両日程における使用車種の違いには関心が無い。

 725日も88日も指定券は1回では取れなかった。722日にようやく725日の指定券が取れた。8号車と記されているが、乗車希望者が多くて増結でもしたのであろうかと思った。

 

 

 西国分寺では、「快速 917 鎌倉」と表示されていた。列車は58号車の4連であった。

 

 

 お座敷車両については、一般公開時に車内に入った事はあるが、営業運転中の列車に乗るのは初めてである。こういうのは全車グリーン車扱いである。確かに定員が少なく特別装備の車両であるが、背もたれが低くて座席の位置も不安定なので居住性は良くなさそうだし、旅情を誘うような設備でもないので、私はあまり関心が無い。この車両の座席には肘掛けすら無いみたいだ。

 

 私の指定席は両隣に人がいたし、貨物線を見る事が主な目的なので、後部の展望席に行った。最後尾車両の指定券を持っていたので展望席へ行きやすいのがうれしかった。この展望席の居住性はロングシートの普通電車と大して変わらないが、特殊な光景を行く特別な電車なので、これはこれでいいだろう。

 

 

 この列車は府中本町から鶴見までは武蔵野南線ともいわれる武蔵野貨物線を行く。なお、配線の関係で府中本町には停車できない。今回は貨物線に乗る事が目的なので、私は「鉄道ピクトリアル誌 19973月号(特集:大都市の貨物線)」に載っている「東京周辺のJR線線路図」を暗記してから今回の乗車に臨んだ。

 20019月に「臨時ホリデー快速鎌倉号」でこの武蔵野貨物線を通った事がある。その時には一般人の乗客が多くて、「どこを走っているのだ?」と車内のあちらこちらでどよめきが起こっていた。今回は同業者ばかりなのでそのような混乱は無かった。配線図や鉄道ダイヤ情報誌を所持している乗客も多く、みんな同じような地点で車外にカメラを向けていた。

 この武蔵野貨物線は南武線に平行する形で存在する貨物線であり、そのほとんどが長大なトンネルの中にある。新鶴見⇔府中本町間は1976年に開通したとされるが、なんとその一部は米軍基地「多摩サービス補助施設(旧・日本陸軍多摩火工製造所)」の真下を通っている。米軍基地には日本の法律が及ばないので、米軍に接収される前から鉄道用の地下空間が確保されていたと考える事も可能である。この鉄道路線にはさまざまな軍事的な噂があるわけだが、それらの噂の一部はあながち否定できないと私は考えている。おっと、詳述は避けておこう…。

 

 

 長大トンネルを60km/h台前半の速度で走行した。長大トンネルの間にある梶ヶ谷貨物ターミナルを40km/h台前半の速度で通過した。

 再び長大トンネルを抜けた後、新川崎駅の手前で「特急スーパービュー踊り子3号」に圧倒的な速度差で追い抜かれた。新川崎駅の側を通過するが、この辺りは変わった列車が頻繁に通るので、駅にいる一般人がこちらに関心を示す様子は無かった。

 鶴見で乗務員交代の為に2分間の運転停車をする。この停車位置は今月乗車した「臨時特急リゾート踊り子91号」と同じだ。なお、ここから列車番号が変わる。

 

 いよいよここから初乗車区間の高島貨物線に入る。臨海鉄道や産業鉄道の雰囲気があって実におもしろい。こういう路線は廃線跡が目に付くのも興味深い。

  

 

 高島貨物線では、貨物駅や信号所で貨車等を見かける事は無かった。どうやら東高島駅での貨物列車の発着は設定されていないようである。

 

 根岸線の上下線の間を通って根岸線桜木町駅に到着する。貨物線に乗るだけならば桜木町までで目的を果たせた事になる。しかし、次の停車駅の石川町までの指定券を用意していた。なぜなら、西国分寺から石川町までが50kmまでのグリーン料金にぎりぎり収まる距離だからである。

 

 

 石川町で「臨時快速ポートトレイン横濱号」を見送った。この列車は、次は大船に停車する。根岸線内は桜木町と石川町にしか停車しない。かつて臨時特急が発着した磯子にさえも停車しない。他にも、臨時特急が停車した関内や新杉田にも停車しない。石川町は「臨時快速ポートトレイン横濱号」の他に今月運転された臨時急行も停車したが、何か特徴がある駅なのだろうか? 「臨時快速ポートトレイン横濱号」は、運転路線や停車駅選定などおもしろい列車であった。

 

 

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