2013年ゴールデンウィークの鉄道旅行 2013/5/12(日)公開)

 

 

今回の主なテーマは、

・東京から関西への帰省  小田急→JR東海→名鉄特急→近鉄特急→南海特急 

・大井川鐵道再訪 井川線 / 「映画/学校の怪談2」の撮影地 

・南海電鉄 加太線に10000系を初運行 / 汐見橋 / 関空特急ラピート

・関西から東京へのUターン 小田原停車の「ひかり号」 

 

 

★★★旅の構想★★★

 このゴールデンウィークは関西で用事があるので帰省しなければならなかった。428日に南海特急サザン座席指定車が加太線を走るという事を知ったので、427日のうちに東京から関西まで移動しなければならなくなった。最近疲れているので、日中の新幹線でさっさと移動しようかとも考えたが、さすがにそれはおもしろくない。せっかくの機会なので、小田急→JR東海→名鉄特急→近鉄特急→南海と乗り継いで帰省する事にした。道中に大井川鐵道に立ち寄っているが、それもこの旅程の目的の一つである。

 

 

★帰省(前編) 小田急→御殿場線→東海道本線金谷駅★

2013427日(土)

新松田での乗り換え

 小田急の新松田駅からJRの松田駅に乗り換える。松田駅にて「休日乗り放題きっぷ」を購入した。この切符は静岡地区を中心として普通列車に乗り放題なのだが、新幹線と寝台列車以外には料金券を買い足せば特急にだって乗れるのである。

 

松田8:47→御殿場9:24 2529M クモハ313-2606

 松田駅では運転再開で時刻通りに発車するとかの会話が聞こえてきた。運輸障害が発生して運転を見合わせていたみたいだ。某駅ではなかなか発車せず、駅構内には警察官らしき人々がいた。

 

御殿場9:33→沼津10:05 2649G クモハ313-3001

 前回訪れた5年前とは異なり、この区間にもう特急列車はない。

 

沼津10:19→清水11:03 1429M クハ210-5038

 沼津から先は東海道本線を西へと進む。興津と静岡の間で1429Mから757Mに乗り換えればいいので、今回は清水で下車してみた。主要駅という事でこの駅には以前から関心があった。

 

清水11:10→金谷11:53 757M クハ313-2508

 

 

★★大井川鐵道 再訪★★

 2011101日からSL急行は新金谷⇔千頭間の運転となり、金谷まで来なくなった。また、SL急行料金が2013320日に改定されて560円から800円になった。金谷駅では手書きの紙で金額表示が貼り替えられていた。

 

金谷12:17発→千頭13:31 列車番号11 3507

 元京阪特急車だ。千頭方の前面には京阪特急のマークが掲げられており、「これ、特急?」という声も聞こえた。

 「大井川ふるさと弁当」を買って乗り込み、車内で食べた。

 「映画/学校の怪談2」の撮影地の一つである家山駅は、ホームの様子が大きく変わっていた。→復路に撮影。

 駿河徳山で行き違ったSL列車は、客車がナショナルトラストトレインであった。駿河徳山では私の近くに女子高校生がたくさん乗ってきた。

 千頭駅にはC56-44の姿があった。この機関車はタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道から奇跡的に帰還できた車両であり、2007年に復活した際にはタイ仕様の装飾がなされていたが、今では日本的な姿に復元されている。

 千頭駅のトイレ洗面所には眼も洗える洗面台がある。SLに対応する設備と言ったところか。

 

千頭13:46→奥泉14:16 列車番号207 スロフ301

 現在の線路の幅こそ大井川本線やJRの在来線と同様の1,067mmであるが、軽便鉄道の印象も持ち合わせている。手動の扉、小さな車両、全てが規格外の世界である。それでいて現役の実用鉄道なのである。

 井川線は大井川鐵道の路線であるが、車両や施設は中部電力が所有しており、膨大な赤字も中部電力が補填している。何もかもが異色のダム鉄道なのである。

 今回の旅程のは、列車で行って戻るだけならば奥泉の手前の川根小山から対向列車で引き返さなければならない。しかしそこの旅程は工夫した。往路は列車に、復路はバスにしたのである。

  

 今回は編成がとにかく長い。前から6両目にも機関車を挟む10両もの編成だ。奥泉駅にて駅員氏に尋ねたところ、旅客車8両のその編成は最長との事だ。6両目の機関車より後ろの客車はスハフやスロニであった。

 案内放送がよく入る。某駅の案内が5年前とは異なっていた。個人情報に関する事だから変更されたのであろうか。

 

奥泉14:30→千頭14:40 バス閑蔵線

 奥泉では、14:30発の千頭行きのバスが2本もある。先に来た方に乗れば良い。都会の路線のように本数が多いわけではないのだから、設定する時間帯をずらせば乗車機会が増えていいように思うのだが・・・。

 乗り込んだところ、次が終点の千頭駅との事だ。鉄道で間に4つも駅があるのに一般道を走る路線バスが途中に停らないとは驚きだ。しかしバス停を見かけた。千頭駅にてバスの運転手さんに尋ねたところ、閑蔵線は奥泉と千頭駅の間には停らず、寸又峡線は乗降客があれば停るとのことだ。

 道は、山中の整備された道であり、とりわけ秘境感があるわけでは無かった。鉄道で所要30分、運賃400円。一方、バスで所要10分、運賃360円だ。

 

千頭駅

 千頭では14:50発のSL急行に乗る事も可能だ。しかし、このSL急行は新金谷までしか行かず、金谷まで行くにはこの後の普通列車を待っても同じである。

 GWの休日には電車の臨時急行も運転されている。

 予約していた指定券を発車間際になって買い求める客がたくさんいたので、14:50発のSL急行が発車を5分も遅らせていた。

 大井川鐵道にはJR東海との間に連絡運輸の協定があり、静岡近郊までの普通乗車券を大井川鐵道の駅でも購入できる。東京都区内や名古屋までなら新幹線利用の場合に限って乗車券を販売するそうだ。

 電車に乗るまでの時間に、駅の近くの「音戯の郷」へ行ってきた。この地にもダイダラボッチ伝説があるみたいだ。

 

千頭15:25→金谷16:37 列車番号20 16003

 

 元近鉄特急車だ。この車両に乗りたかった。昔、大阪で近鉄特急を見たときにびっくりしたのだが、デッキが無くて、車内に入るといきなり座席がある。扉のそばの席の乗客はなんとも落ち着かないであろう。大井川鐵道に移ってきてワンマン化されるに際して運転席側の客席が1列撤去されている。

 それにしても車内は暑く、他の乗客たちも辛そうであった。田野口駅に着いた頃から冷房が入った。

 往路と同様に、駿河徳山では私の近くに女子高校生がたくさん乗ってきた。

 地名では先程の元京阪車と行き違った。

 

 

★★「映画/学校の怪談2」の終盤で印象的な別れの場面の舞台となった家山駅。★★

20134月…普通の島式ホームの先端になっていた。ショック! あぁ、映画の名場面が…。

 

20085

20085月…柵の状態が良くないようで、触れないように注記されていた。

 

20034

20034月…映画の情景そのままで感激したのだが、もう10年も前か。

  

 新金谷では元近鉄特急車と行き違った。なんとあちらは回転クロスシートだ。こちらのようなリクライニングシートではない。後日調べたのだが、16000系は大井川鐵道にて3編成が運用されており、この16003の編成だけがリクライニングシート車との事だ。有料特急に使われていた車両に乗れただけでも嬉しかったのだが、その中でも最も良い設備の車両に乗れたのであった。

 

★帰省(後編) 東海道本線金谷駅→豊橋駅→名鉄特急→近鉄特急→南海特急★

金谷17:01→浜松17:42 795M  モハ313-2515

浜松17:50→豊橋18:24 961M  クハ312-411

 「休日乗り放題きっぷ」は、西は豊橋まで使えるのである。

 

★★名鉄パノラマSuper★★

豊橋18:32→名鉄名古屋19:21 列車番号193 快速特急 パノラマSuper1066

 この先の、名鉄線は未乗区間である。豊橋駅から平井信号場までの飯田線との共有区間はどうなんだいというツッコミは無しだ。今回は豊橋駅からの線路に乗るので、未乗区間という表現もあながち間違ってはいない。

 豊橋駅は、JRと名鉄の共同使用駅である。JR東海道本線と名鉄名古屋本線は激しいシェア争いをしているが、名鉄が豊橋駅で使っているのは3番乗り場1線だけであり、1時間に最大で6往復しか乗り入れできない事を考慮すると、公正な競争とは思えない。

 18:31に到着するJR飯田線の特急「ワイドビュー伊那路4号」は4番線に入る。ライバル企業の看板列車の発車を妨げるがごとく、本線を横断して4番線に入るのには驚いた。ここ豊橋では名鉄を応援したくなってくる。

 

 

 せっかくの機会なのでもちろん特別車に乗車する。特別車…いい名称だ。6両中2両が特別車であり、「一部特別車」という表現が適切な配分だと思う。

 後部の展望席にも行ってみた。速度計が見られるわけではなく、座席の背もたれは低い。私はあまり利点を感じなかった。

 それにしても速いし、なかなか停らない。

 名鉄名古屋駅は上下線の列車を各1線で捌いている。近鉄線と地下鉄線にはさまれた立地のために拡幅なんてできず、行き先によって乗車位置を分けるなどの苦しい運用をこなしている。まだ新名古屋駅と呼ばれていた1998年に来た事がある。

 

★★近鉄名阪甲特急アーバンライナーNext★★

近鉄名古屋20:00→大阪難波22:07 列車番号70 「特急アーバンライナー」 アーバンライナーNext21621

 希望としては、豊橋18:32発、名古屋19:30発、難波22:10発と考えていた。しかしこの場合、名古屋での乗り換えは9分間しかない。慌ただしく乗り込むのを避けたいのと、車内で食べる物を購入したいので、近鉄名古屋は20:00発の甲特急にした。実家に着くのがだいぶ遅くなるが、仕方がない。

 近鉄名古屋線や大阪線に乗るのは1990年以来23年ぶりである。23年前には「特急アーバンライナー(デラックスシート)」で往復した。

 せっかくの機会なのでもちろんデラックスシートに乗車する。私は、2席並んだ側の窓側を希望した。特急券を購入する時点では予想通りデラックスシートは空いており、私以外には2人並んでいるだけであった。しかし実際乗り込んでみると各窓側の席が埋まる具合であった。

 

 

 2席並んでいるものの、1人掛けの座席になっているところがすばらしい。リクライニングは電動式である。

 シートピッチが1,050mmのわりにはリクライニング角度が深く、フルリクライニングすると後ろの乗客は迷惑であろう。実際、私の後ろの客は通路側に移動していた。レギュラーシートもシートピッチが1,050mmだが、リクライニング角度はデラックスシートほどではない。

 

 レギュラーシートには近鉄特急の模様をあしらった枕カバーがつけられており、その点で好感が持てた。

 喫煙コーナーは、かつては136号車に設けられていたが、今は3号車だけにされているようである。

 大和八木には3分遅れ、鶴橋から先は2分遅れでの到着であった。

 大阪難波に到着した。この駅では20093月から阪神電鉄との相互乗り入れが行われている。以前からの23線の設備で運用されているので後続列車に追い立てられるような気がして、特急列車の起終点となるターミナルとしてはあまり落ち着いた感じがしない。こういうところにも私鉄駅の個性や魅力を感じる。

 

 

 私はこの日、小田急、大井川鐵道、名鉄、近鉄、南海を1日のうちに乗った。小田急や京王のような関東の私鉄と南海や近鉄のような関西の私鉄を1日のうちに乗る人は珍しくない。関東と関西の間を新幹線や航空機で移動すればそれらは一般的だからである。しかし、小田急と名鉄と南海を1日のうちに乗る人間はなかなか珍しいのではないかと思う。

 

 

 

★★★南海電鉄★★★

2013428日(日)

★★★加太線に10000 (詳細は希望者にのみ公開→2014311日より一般公開)★★★

 この企画の為に、ゴールデンウィークの予定を変更して、前日に帰省してきた。

 

 

 東松江では、1630分頃に5分ほどいてくれた。加太線に10000系がいるという事だけで大興奮だ。

 直後の16:39発の普通列車で和歌山市駅へ追いかけた。紀ノ川の河川敷にも多くの撮影者がいる。10005編成の回送を狙っているのだろう。和歌山市駅では5番乗り場に10005編成の姿があった。

 大阪方面から来たであろう参加者の多くは、17:00発のサザンで帰途についたようだ。私は、10005編成が17:03に発車するのを見送った。

 

★★南海電鉄 いろいろ再訪★★

 せっかくこの日有効の南海全線フリー乗車券があるので、汐見橋に行き、さらに「特急ラピート号」にも乗りに行った。汐見橋へは24年ぶり、「ラピート」の乗車は18年ぶりだ。

 

★汐見橋⇔岸里玉出間★

 汐見橋⇔岸里玉出間は、高野線である。しかし、岸里玉出以南の高野線とは線路が繋がっておらず、この区間だけは南海線の支線のような実態である。難解電鉄と言ったところか。

 2両編成の電車が日中は1時間に2往復している。駅の情景や利用者数は、都会の路線とは思えない程である。1本の編成が往復しているだけだが、なんと複線区間である。

 

★★南海特急ラピート★★

関西空港20:34→泉佐野20:42 「特急ラピートβ74号」 50104

 

 泉佐野⇔関西空港間は、特定特急料金100円で乗れる。18年前は関西空港から難波までスーパーシートに乗ったが、今回は乗車時間がきわめて短いのでレギュラーシートにした。それにしても、せいぜい半時間程度の乗車時間の電車ながら、座席も設備もあまりにも立派だ。

 

 

Uターン 小田原停車の「ひかり号」★

201354日(土)

 Uターンは、普通に新幹線で東京まで帰る事を考えていた。

 しかし、この日の用事の後に出発すれば、小田原に停まる「ひかり532号」があるので、せっかくの機会だからそれに乗ってみようと思った。

 往復割引切符と片道切符とでは、金額的な利点が変わってくる。東京から実家方面への往復割引切符をはじめから持っていれば新大阪から東京(もしくは品川)まで新幹線に乗るが、今回は大阪市内からの片道切符である。この場合、東京都区内まで行くよりは、小田原で小田急に乗り換えた方が、自宅まで900円安く行けるのである。

 東京行きの「のぞみ」は頻繁に走っているから、時間帯なんか気にする必要が無い。一方、小田原に停まる「ひかり」は少ないので、乗るとしたら時間を気にしなければならない。

 新大阪駅では、供用開始後の27番線ホームを初めて見た。

新大阪18:13→小田原20:35 「ひかり532号」 725-34

 「ひかり532号」は空いていた。私が乗っていた自由席4号車の様子について記しておこう。米原でまとまった乗車があった。岐阜羽島でまとまった下車があった。名古屋でたくさん降りた。新大阪から名古屋までの客も見られたが、彼らは「早得きっぷ」の乗客であろうか。なんと、名古屋でガラガラになった。横5席使ってもいいぐらいに空いていたので、E席からA席へ移った。

 小田原では各車両からたくさん降りた。小田原目当ての旅客が、小田原に停まる「ひかり」に集中するのだろう。小田原では「のぞみ」の退避は無く、名古屋から先は先着する列車である。にもかかわらず、名古屋からの乗客が少ないのには驚いた。

 小田急の20:46発の急行は、新幹線から乗り継いだであろうと思われる大きな荷物を持った乗客で混んでいた。個人的に思うのだが、小田原駅は東京圏の西の玄関口として機能しているので、「ひかり」を全列車停めてもいいように思う。

 

★★★あとがき★★★

 今回のゴールデンウィークの旅程は、私鉄三昧であった。(この際、JRも私鉄だというツッコミは無しにしてもらいたい。)

 今後も機会があれば、名鉄線や近鉄線を経由したいと思う。小田急は、箱根に行く場合なども含めて乗る機会が多いので特記事項は無い。

 南海本線や「特急サザン」には何回も乗っているので特記事項は無いが、この先長くない7000系や7100系、および10000系に乗れる機会を大切にしたいと思う。

 復路も小田急がらみという事もあって、小田原に停まる「ひかり」を選んだ。「ひかり」を小田原で降りても、「のぞみ」を品川で降りても、名古屋から先の所要時間はほとんど変わらない。むしろ、どちらが早い(速い)か正確には比較できないぐらいだ。しかし、品川駅や東京駅に着くと「着いた」という実感があるが、小田原駅に降り立ってもまだ家まで遠い感覚であった。

 旅程を少し変えれば、見えるものも変わってくる。やはり旅行は楽しいものだ。

 

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