南海電鉄主催ツアー 「ありがとう『
10005編成』特急サザンが加太線を初運行!」 2013年4月28日(日) (2013/5/11(土)公開)
表題のツアーの事を知ったので、ゴールデンウィークの旅程を変更した。
★★ツアーへの申し込み★★
2
種類のコースが設定されていた。・
Aコース 大人8,000円難波→和歌山市 当該団体列車の
和歌山市→加太 加太線定期列車
加太→和歌山市
10005編成指定席車
・
Bコース 大人6,700円難波→和歌山市 当該団体列車の通勤形車両
和歌山市→加太
上記の違いはあるが、他に昼食や記念品、および部品のオークションがある。
オンライン販売が開始となる
4月13日0時の前、私はパソコンの前で待ち構えた。希望通りBコースを申し込めた。0時2分の時点でAコースのオンライン販売分は完売になっていた。Bコースの売れ行きはやや鈍く、0時10分頃に完売になった。その後キャンセルが出たらしく、Bコースは後々まで販売されていた。「もちろん
Aコースを」と言う人が多かったが、私はBコースが良かった。指定席車両に乗れる時間はAコースの方が長いが、はたしてその差額ほどの利点であろうか。Bコースは、加太線に初めて入線する10000系に乗れるし、加太で解散するので加太線内を行く10000系の姿を外から見る事もできる。いい事だらけではないか。ただ、自宅→難波→和歌山市の行路が無駄に思えて仕方が無かった。
★★ツアー当日★★
2013
年4月28日(日)
難波駅に
難波へ渋々向かった。
集合時間前から多くの参加者が集まっていた。難波駅
6番線の降車ホームから団体臨時列車に乗り込んだ。
難波
9:27→和歌山市10:39 7193当初は
3号車の運転席の真後ろの席を狙っていたのだが、当日になって3号車は業務用にすると伝えられたので、最後尾の6号車にした。南海本線に何回も乗っている私にとって景色なんてどうでも良い。今回は、当該団体列車がどこをどのような速度で走るかを見たいのだ。9:45頃 浜寺公園で運転停車してラピートを先行させた。
泉佐野までは駅間を
40km/hで走行する場面も見られた。高架に差し掛かる直前には加速していた。泉佐野を過ぎると、それよりまでは速度が上がった。定期特急なら110km/h程度で通過する羽倉崎付近でも速度が上がらない。樽井を通過後には80km/hに達した。その後、箱作通過後にも80km/hに達した。紀ノ川駅を通過する時の90km/hが最高速度であった。特急停車駅を全て通過しての運転であった。これだけでも特別な感動であった。
3号車は入札箱の設置や制服での撮影に使われていた。4号車と6号車には程よく人が乗っていたが、5号車には4人しかいなかった。
一度降車する和歌山市駅では、なんと
6番乗り場に到着した。6番といえば2012年3月まで長年にわたって加太線専用だった乗り場だ。私は6番線に10000系が停車しているという事だけでも興奮した。
10:39着 11:20に改札外に集合だ。たった40分しかなく、何が自由行動だ。散策するほどの時間なんて無いではないか。和歌山市駅からの参加でいいではないか。参加者の多くは駅構内で撮影していた。
和歌山市
11:36発→加太12:02 10005紀ノ川駅に停車した。特急専用車の
10000系が紀ノ川駅に停車しているという事だけでも興奮する。いよいよこの先、10000系が初めて加太線に入る。梶取信号所での列車交換をはじめ、
1線しかない西ノ庄駅をも含め、全ての駅に停車した。この道中だけでも大満足だ。沿線はカメラを持った人たちがたくさんいた。
★撮影会★
参加者のみが立ち入れる
2番乗り場で行われた。
方向幕の転換等も行われて大変盛り上がった。ツアーゆえか、みんなマナーが良かった。
それにしても、どうしてみんな外観ばかりを撮影するのだろうか。私には断然こっちだ。誰も来ないので座席の写真が撮り放題だ。
★昼食および部品オークション★
昼食のためにマイクロバスに分乗して吾妻屋シーサイドホテルへ向かった。食事の席には名前が記されているとの事だが、私の名前が見当たらない。奥側に「お一人様」というコーナーがあった。二人以上で申し込んだ客だけには名前が記されているとの事だ。「お一人様」って鉄ヲタを刺激しかねない言葉ではないのか。参加者達から苦笑が漏れたのは言うまでもない。
昼食の後、同ホテルの大広間にて部品のオークションが行われた。私はオークションには初めから関心がなかったのだが、これが意外にも盛り上がった。南海電鉄の職員による司会も笑いを誘う面白いものであった。常識的に考えればゴミみたいな物でも高値で落札されていた。持ち帰りができる物だけが出品されており、残念ながら客室の座席は無かった。
★★加太線内にて
10000系を待ち受ける★★Aコースの人たちはこの後に撮影会がある。落札した大きな荷物を抱えての撮影会なんてご苦労な事である。
10000系臨時列車が加太を発車するのは16:08との事で、私はそれより早い電車に乗るべく加太駅へ徒歩で向かった。
Aコースの撮影会の最中の10000系車内では、既に着席して何もしていない人たちがいた。これでは車内の写真を撮りにくい。ここでもBコースを選んで良かったと思った。
15:47発の電車で先行し、東松江駅で10005編成を待ち構えた。なぜに撮影者が多いのかを通行人に尋ねられたので、説明してあげた。
なんと東松江では列車交換が済んでもすぐには信号が変わらず、
16時30分頃に5分ほどいてくれた。加太線に10000系がいるという事だけで、もう大興奮だ。
★★ありがとう、さようなら
10005編成★★直後の
16:39発の普通列車で和歌山市駅へ追いかけた。紀ノ川の河川敷にも多くの撮影者がいる。10005編成の回送を狙っているのだろう。和歌山市駅では5番乗り場に10005編成の姿があった。大阪方面から来たであろう参加者の多くは、
17:00発のサザンで帰途についたようだ。私は、10005編成が17:03に発車するのを見送った。姿が見えなくなるまで見送った。この編成が和歌山まで来る事はもう無いであろうと思うとさみしいものであった。今回のツアーは10000系が加太線を走るという華やかなものであると同時に、10005編成のお別れ会でもあるのだ。そういう意味もあり、楽しさだけだはなく、さみしさも感じたのであった。今回のイベントは、いわば
10005編成にとっての葬式である。かつての2連を再現したと言われても、長年の4連での正装を解かれて中間車は既に解体に着手されているのである。オークションに出された部品だって車両の形見なのである。
さて、
10000系「特急サザン」が登場した1985年、私は小学生であった。その後、私は12歳の時にグリーン車の座席に強い関心を抱くようになったのだが、よくよく思い返せば、美しい内装への関心を抱くきっかけとなった車両は、この10000系ではなかろうか。新製間もなく就任前の
10000系8両を、初めて和歌山市駅6番乗り場から見た時の事をよく覚えている。「なんてきれいな電車なんだ。乗りたいな。」と思った。営業運転に就いた10000系を駅でよく眺めたものであった。白いカバーがついた赤い座席が眩しかった。
改めて思うに、南海電車が好きだ。南海電鉄よりももっとたくさん乗った私鉄もあるが、どういうわけかそれらにあまり親しみを感じなかった。子供の頃に親しんだ事や、華のある特急形車両の存在が私を惹きつけるのであろうか。この先長くないであろう
10000系や7000系、7100系に乗れる機会を大切にしたいと思っている。本稿の最後に、今回のツアーを企画していただいた南海電鉄の皆者に感謝の意を表しておきたい。