巧妙になっていくTVの広告放映


  この正月はTVをゆっくり見る時間があった。大型ドラマや企画番組も数多く組まれていたが、改めてコマーシャルの
番組途中での挿入の仕方に怒りを感じた。


  まずは、1月5日夜9時からテレビ朝日で放映された、三島由紀夫の戯曲「鹿鳴館」。2時間ほどの番組であったが、
終盤に近づくとやたらにコマーシャルの回数が増える仕組みである。ドラマのはじめにコマーシャルが入ると、飽きられ
てチャンネルを変えられてしまう可能性があるからだろう。視聴者がドラマにのめり込んでくるころを見計らって、コマー
シャルを10分間隔くらいで挿入しているのだ。


  さらに呆れたのが1月6日夜7時から3時間放映されたテレビ東京日曜ビックバラエティ「完成!ドリームハウス」。
世田谷の29坪の土地に日差しが室内に良く入る家と、埼玉県内の99坪の土地に子どもが走り回れる回廊のような家
を作る(設計・手塚貴晴・由比氏)という話しである。視聴者としてはこうした夢のような家がいったい幾らで建つのか知
りたいところだが、番組の中で、「建築費用は後で公開」とナレーター役の谷啓が言う。
  番組の最後になって、再度「この後、建築費公開」と言って、再びコマーシャル。そして番組が始まるが、簡単な2軒
の家を映像が入り、さらに「この後、建築費公開」となって再びコマーシャル。そして再度番組が始まるが、これも簡単
に家の映像が入り、また、「この後、建築費公開」と言って再びコマーシャル。ようやく最後の最後に簡単に2軒の家の
建築費用の総額が映って終わり・・・。 これには怒りを覚えた。不快感を持つ視聴者の多いことだろう。


  最近、夜の大型のドラマについては、前日やその日の昼のバラエティ番組で1時間近くにわたって予告編を流すこと
も行なわれはじめている。前にも指摘したが、テレビの番組、予告編、広告の境がなくなってきている。

細川幸一

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