あるある大問題 マスコミの中立性



  フジテレビ系列の関西テレビ製作の「発掘!あるある大事典U」のデータ捏造が問題となっているが、最近、マスコ
ミの信頼性が薄くなっているように思う。

  テレビ神奈川(TVK)が早朝に繰り返し放映している「健康キノコ最前線」、「ヒアルロン酸とコラーゲンの秘密」等
は番組としてはじまるが、途中から広告となる。同局にこれは番組かそれとも広告か問い合わせたところ、「テレビショ
ッピング番組」だという。放送法第51条の2[広告放送の識別のための措置]が規定する「一般放送事業者は、対価を
得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することがで
きるようにしなければならない」に違反しないのか? こうしたプログラムはテレビ局ではなく、広告代理店等が作成し
て、持ち込まれるらしい。テレビ局は表現に誇張はないか等の審査はするが、そこでのデータの信憑性はチェックしな
いのだという。事実これらの番組はテレビ神奈川以外でも放映されているようである。

  こうした放送は地方局ばかりが行なっているのかと思ったら、ついに在京キー局でも放映がはじまった。テレビ朝
の「ちい散歩」(平日午前9時55分〜10時30分)である。地井武男、村上裕子アナウンサーが出演し、地井がお勧め
の散歩コースを紹介するものである。2月14日の放映では 淡路町が紹介されているのだが、いつのまにか漬物のお
いしい蕎麦屋の話しとなる。そこの蕎麦屋ではセラミックの漬物壺(野菜漬器)で作っていて、短時間で美味しく漬かる
のだという。結局番組はその漬物壺のテレビショッピングとなる。

  新聞でも記事と広告の区別がなくなっている。先日、広告代理店から突然電話がかかってきた。「先生の研究内容
を新聞で紹介したい」というのである。何で広告代理店が紹介記事を作成するのか理解できなかった。依頼内容を書
面で取り寄せた。朝日新聞地方版の1ページ全面「企画広告」だった。あるテーマで研究する学者の紹介記事が紙面
の上半分を埋め、下半分はその学者の研究に関連する商品製造者等の広告である。研究内容紹介文を自分で書き、
広告主も自分で探せというのである。マスコミ、学者、企業のトライアングルができあがっている。そこで蚊帳の外に置
かれているのは読者・消費者である。

 マスコミはこのようなことをしていると信頼を失い、行政介入を許すことになるであろう。

細川幸一

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