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酷暑の四万十川 2日目

朝、5時半に起床。朝まずめで雑魚を爆釣(釣行記参照)。6時のサイレンでKも起きだし、雑炊で朝ご飯にした。

早く出発しないと釣り人が増えるので早めに出発することに。広瀬の橋の下はやらしい浅い瀬になっていて苦労するのだ。
だが、そこまで行くともうすでに釣り竿が乱立していた。

鮎釣りの竿は10mくらいある。釣り糸も10mくらいある。つまり釣り人から20mは離れないと引っ掛かってしまうのだ。しかもおとりの鮎は数百円、釣り糸は数千円、竿は数万円〜10万円する。引っ掛かったらトラブル間違いなし!
ルートが無くて悩んでいると左岸のおっさんの仕掛けが絡まったようだ。川の中で立ったままライントラブルを直している。今だ!そのおっさんの後ろをそそくさとライニングダウン。なんとかクリア。ここは非常に苦労した。神経を使うなあ、もう。

河原での朝食 完全防備の怪しいカヌーイスト
今回はここから半家(ハゲ)を抜けて、江川崎まででゴールの予定である。江川崎から下流は人が増えて、混むのだ。相変わらず川は蛇行を繰り返しながら流れている。

半家はそこそこの難所が多くて、気が抜けない反面、面白い。
半家の沈下橋の手前で流れの中央部に豪快なスタンディングウェーブがおっ立っていた。波が移動せずに一定の位置にあるもので、高さは1、2mほどのものが4、5個連なって壁になっている。
避けて通ることもできるが、こんな面白い所を避けるのはもったいないのでもちろん波の一番高い中央部に突っ込んだ。ここは水深もあり、嫌な隠れ岩も無いので、沈しても流れるだけで危険は少ない。

突っ込んだら、バウのKの頭上高くに波がある。頭からざっぱーんと波をかぶる。すぐ次の波が来て今度はその波に跳ね上げられた。バウが天を向き、Kを見上げる形になり、空が見えた。すぐに波の頂上から谷底へ落ち込む。また頭から波をかぶる。
波のすごいパワーに翻弄されながらもクリア。あー面白かった。でも船内は水浸しで沈寸前。手動ポンプで腕がだるくなるほど排水が必要だった。
水に浸かりながら昼食

この辺は、川は道路からも離れて陸にアクセスしにくくなる。言い換えれば釣り人も少ないってことだ。左岸には道が無いので、右岸にだけ釣り人がいる。
それでも右岸に釣り人が増えてきた、結構な数である。2,3百mの間に20人くらいいるか。四万十川では人口過密地帯だ。でも大丈夫、左岸側を通ればいいのだ。

地元のおんちゃんが声を掛けてきた。
「上にも人は多かったかの?」
「結構いてましたよ。」
「そうか、どこも一緒か。今日は人が多いな。気ぃー付けてな。」
「は〜い。」

崖の下に上陸して、昼飯にした。陸からは絶対行けない所だ。あんまり暑いので水の中に座って食事を取った。付近に小魚が集まってきて、ご飯粒を落とすと、すぐ近くまで来て食べている。のどかなもんだ。

昼食後はあんまり漕がずにのんびり流れて行った。Kと2人だけなので、全くのマイペース。
ゆらゆらと流れていく。あちこちで鳥が鳴いている。水面で魚が跳ねる。ビールは美味い。言う事なしだな。これで鮎釣師がいなければ完璧なのにな。まぁ世の中そこまで上手くいかないか。


そうこうしているうちに江川崎に着いてしまった。河原でキャンプしている人が10組ほどいた。観光用の屋形船がやってきて、観光客が手を振ってくる。「ほら見て!カヌーよ。」
手を振り返すと、嬉しそうにもっと手を振り返してくる。何人かには写真を取られてしまった。ビデオを写している人までいる。珍獣じゃないって。

あまりの暑さにライジャケを着たまま、流れに飛び込み、ぷかぷかと流れて行った。これがなかなか面白い。100mくらい上流まで歩いて、また水に飛び込み、ぷかぷかと流れる。妙に気持ちが良く、極楽である。

この後はカヌーを乾燥させ、パッキング後、宅急便で家に送る。風呂に入って、河原でキャンプして、翌日早朝に江川崎から予土線に乗って帰途に着いた。
余談だが、列車の時刻はきっちり確認するべきだと言っておこう。列車の本数が極端に少ないのだ。駅まで荷物を背負ってのダッシュはしんどかった。

 

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