無念の歴舟川!パート1

 

 9月1日〜5日まで北海道の歴舟川に行ってきました。しか〜し、台風12号くずれの低気圧が前線を伴って直撃、むっちゃ大変でした。
 今回はVoice of Windの皆さんにお世話になり、「歴舟川、海まで行っちゃうツアー」に参加したものです。初めての川を自分達だけで下るのは、むっちゃ不安ですが、詳しい人と一緒だと安心ですね。

 帯広空港へ着いたときから、既に雨。帯広空港にはボーディングブリッジが無いんで、乗客はタラップを下り、滑走路の横を空港建物まで歩いていくんです。タラップを下りると、おっちゃんが立っていて、一人一人に傘を開いて渡してくれるんです。すごいサービスやなと思うけど、なんとなく可笑しい。
 初めて帯広空港に来たけど可愛い空港ですね、女満別とどっちが小さいやろ。

 名物の豚丼を食べた後、Voice of Windのさなえちゃんと再会。「久しぶり〜。」2年ぶりだけど全然変わってへんなあ。それから初めましての道人君とスタッフのみおんちゃん。
 早速、車に乗り込み、歴舟川のベースキャンプに向かう。今回は他の人は1日先に現地入りしていて、後発組はひろとKだけである。

 道の両側が、いかにも北海道的な風景でキョロキョロしてしまう。どこまでも続くトウモロコシ畑、牛が散らばっている牧場、所々に並んでいる防風林。いいっすねー。これで天気が良ければもっといいんやけどな。
 今やすっかり有名になった、雪印乳業大樹工場の横を過ぎる。さらに進んで、道からはずれ、牧場風の建物に向かう。
 えっ、これって人の庭やん‥っていうか、人様の庭そのものを通り、ジャングルのような原生林を通り抜け、ポンと河原に出た。
 うーん、さすが過去何度と水質日本一の清流の座に輝く歴舟川、水がきれい!透明だ!こんなにきれいな水はマジで見たことがない。清流の代名詞になっている四万十川よりも格段にきれいなのは確実だ。
 しか〜し、この清流がこの後、豹変する事になるとは、ひろ&Kはまだ知る由もなかった‥

 ベースキャンプに荷物を運んでいると、上流からいくつかカナディアンカヌーが下ってきた。ガッテン達がミニツーリングに行ってたようだ。
 ガッテンとスタッフの橋田さんと挨拶を交わす。2人とも元気そうだ。他の参加者達とも挨拶を交わす。みんなリピーターらしい。口々に天気が悪いのを呪う。こればっかりはね〜。

 メンバーはひろ&K、うーやん、松本さん、ナカヤさん、ナース高木さん、助産婦近ちゃんとスタッフのガッテン、橋田さん、さなえちゃん、道人君、みおんちゃんである。

 

 早速テントを設営し、夕食まで時間があるので、釣りをすることにした。ルアーで試してみる。
なんでも釣行記 のネタにしようと思っていたのだが、ここは、あまり良いポイントではないらしい。な〜んにも釣れなかった。腕が悪いって話もあるが… 
 ツーリングスタート地点は渓流魚のグッドポイント、下流部はトラウトのグッドポイントとガッテンに聞かされ、明日に闘志を燃やす。しかし、超増水のため以後釣りはできず、結論から言うと1匹も釣れませんでした。よって釣行記は書けませんでした。残念。

 その後、夕食をとった。話題は当然天気のことである。夕食後に焚き火を囲んで色々話をしていたが、雨が降ってきたので寝ることにする。天気が良くなることを祈りつつシュラフに潜り込んだ。

 テントに当たる雨音を聞きながら、「う〜ん?なんか足音がするなあ。」と寝ぼけ頭で考えていると、「川が増水してきたんで、撤収するよ〜」とテント越しにガッテンの声が聞こえた。時計を見ると朝の4時半!
 テントから顔を出し川を見ると、「げげっ、そこまで増水しているやん。これはイカン!」昨夜より1.5mくらい増水している。

 こんなところで、遭難・救出騒ぎになって新聞なんぞに乗りたくないので、眠たい目をこすりながら、速攻でテント・荷物を撤収。車で10分くらいの高台にあるキャンプ場へ移動した。
「川が増水してきたのが、なんでわかったん?」とガッテンに聞くと、
「やばいかもって思って、ずーっと起きてた。いよいよ危ないと思ってみんなを起こした。」とケロッと言うんです。「えっ、そしたら徹夜なん?」絶句しました。さすがやなあ、プロ精神に感動です。

 高台のキャンプ場にベースキャンプ場を移し、各自のテントを張り直した。ここなら大丈夫だろうと思ったら、去年の水害の時は、10m以上も水位が上がって、大樹町の家々は水に浸かったらしい。恐るべし歴舟川!
 増水している流れを見ているとジリジリと水位が上がっていくのが良くわかる。結局、2mくらい増水しました。昨日の透明な水とうってかわって、波が逆巻く濁流である。
 写真では今ひとつ判りにくいが、実際は大きな音を立てて流れていて、すごい迫力である。街路樹くらいの大きさの樹木が枝や根っこを付けたまま、すごい速さで何本も流れていく。こ、怖すぎる。これでは川下りなんぞ絶対できーん。

 

荒れ狂う歴舟川、川下りなんか、絶対できーん!

 逆巻く濁流を眺めていると、なんと上流からカヤックが数隻くだってきた。根性があるのか無謀なのか?この状況では後者の方なんやろうな。
 聞けば、某大学のカヌー部の人たちで、国体クラスなんだけど、一人が流されて中州に取り残されているそうな。えー、そんなん大丈夫かいな。どうすんねん?とか思っているうちに、また数隻下ってきた。
 よく見るとカヤックの後ろの流れの中に頭が一つ見え隠れしている。なんとかここまで泳ぎながらたどり着いたらしい。
 「増水しているけど、せっかく練習に来たんだし、行っちゃおうか。」となったのが事の真相のようだ。いやー、まだまだ若いねー。学生さんたら、抑えが効かないんだから。
 よかったよかった。と言っているうちに、流されたカヤックを探して2人が流れに乗り出していった。貴重な部費で買った貴重なカヤックということらしい。うーん、カヤックは無くしても、命は無くすなと思うんだけどなあ。

 でも、このへんのところが難しいところだと思う。最近は水難事故にたいして社会的批判が集まっているが、ちょっとヒステリックな感じがしないでもないなあ。
 「ではどうするんだ?」と言われると、ひろとしては「止めろ!」とはやっぱり言えないかなあ。「危ないから止めといたら。」とは言うけれど。「それでも俺は行く!」と言われたら、「気を付けてね。」と言うだろうな。
 そんなこんなの事を考えていたら、「自己責任」、「自己判断」、「危機管理」などの言葉が頭の中をグルグル回って、頭も回ってきた。
 危険なことを行うことが「勇気」かも知れないが、ひろはそうは思わない。「せっかく来たんだから…」という状況で、あえて止めることの方が「勇気」がいると思う。

 結局、この日は近所の温泉ツアーに変更となった。温泉好きのひろ&Kとしては嬉しいが、なんとなく複雑な気もする。
 この温泉の建物はすごくきれいでモダンな感じだ。でもなあ、きれいなんだけど、これじゃそのへんの健康ランドと同じやん。ひろ&Kとしてはもっとひなびた、例えば木造りの趣のある温泉なんかに入りたかったんだけどなあ。そこまで言うと贅沢ってもんか。

 Voice of Windは食事が美味しくて嬉しい。こんな大人数の食事をガッテンや橋田さん、さなえちゃん、みおんちゃんがテキパキと準備してくれる。ありがたいことや。
 橋田さんが言うには、Voice of Windでは「バーベキューは禁止」とのこと。「バーベキューは料理では無い!」
確かに出てくる料理はどれも一ひねりして、凝っている。

 ひろが一番印象に残っている料理はミンチの変わりに鮭を使った、鮭バーグ。Kは「軽く焼いたサンマとクラッシュした柿の種をトッピングした特製サラダが美味しかった、大阪に帰ったらひろさん作れ。」と言ってます。
 鮭バーグの鮭はガッテンが釣ったものだそうです。くー、羨ましい!結局ここで1日停滞して、食っちゃ寝三昧でした。太りそう。

 

パート2へ漕いでいく

かぬー漕行記へ戻る