無念の歴舟川!パート2

 

漕ぎたくてウズウズしていると、ガッテンが「川は当分ダメだし、せっかくだから、湖でも行こう。」と次の日に大雪山の近くにある然別湖へ行くことになった。
 ここから1時間半かかったから100qくらいは移動したかな。すごいもんですな、山を登っていると、雨雲の上に出ちゃいました。急に天気が良くなったようです。

 九十九折りの最後のトンネルを抜けるとすぐ湖で、湖畔にホテルが立っていて、土産物屋もある。普通はそこで然別湖を見たと帰っていくが、私達は急に細くなった道をさらに奥に進んだ。

 何度目かのカーブを曲がったところでキタキツネを発見。まだ子どもらしい。妙に人怖じしない。観光客から餌もらって、慣れてんだろうな。エキノコックスを媒介するので道民の方はどちらかと言えば嫌っているそうです。

物欲しそうな子ギツネ。毎日ここに通勤するらしい。

 湖畔の奥の野営場(キャンプ場ですな)にはネイチャーセンターがあり、ガッテンはここでガイドをしていた事があるという。あちこちで声がかかっている。人気者やったんやなあ。
 晴天になったので、ここのところの豪雨で湿っぽいシュラフ等の荷物を広げて乾燥させる。テントもまんべんなくひっくり返して底も側面も乾かした。

 この然別湖はサミットの時に巷で流れまくっていた安室奈美恵のネバーエンドのプロモーションビデオのロケ現場になったところである。ここへ来て初めて知った。
 あれを見ていると、絶対にカナダかニュージーランドぐらいだと思っていたけど、まだまだ、こんなにきれいなところがあるんだなあって、国内を見直した。(単純やね。)それぐらい然別湖はきれいだった。

 然別湖は全面禁漁になっており、魚影が濃い。岸から見ただけでも、あちこちでライズが起こり、ドッポンという腹に響く音も聞こえる。こ、これは堪える。たくさん魚がいるのに、釣ってはいけないなんて。イカン欲求不満になりそうだ。
 カヌーを湖面に浮かべた。静水を漕ぐのは嫌いだけど、仕方がない。やっと漕ぐことができて、嬉しい。透明度が高く、底の方まで見える。

俺にも箱メガネ貸してくれよう そろそろ起きて漕いでくれよう

 湖を縦断した後、横断することになった。うーん、やはり静水は漕いでいても面白くないなあ。やっぱり、そこそこ瀬がないとなあ。かといってすんごいのがありすぎても困るんだけど。
それに「K!いつまで寝てんねん!漕げ漕げ!」

 途中、遊覧船とすれ違った。いつものことであるが、こういう場合、遊覧船のほとんどのお客さんは
「あっ、見て見て!カヌーよ。」なんて事を言いながら、手を振ってくる。ちっちゃい子どもも、おばちゃんも、おっさんもニッコリしながら手を振ってくるのだ。カヌーには人をなごませ、癒す何かがあるのかも。
 こっちは遊覧船の立てる波に対して、バウ(船首)を直角にしなければ、波をかぶったりするので、そこそこ忙しかったりするのだが、若い女の子にはパドルを操る手を休めて、とりあえず手を振り返したりなんかする。なかなか忙しいのだ。

 縦断したところから上陸し、ナキウサギに会いに秘密の湖まで登った。ガッテンのすぐそこと言う言葉にだまされ、結構な山道を登っていく。息切れもピークに達した頃、東雲湖を望む丘に到着した。 辺り一帯はゴロゴロとした岩場で、静かにしているとナキウサギのピーピー鳴く声が聞こえたり、運が良いと姿も見えるらしい。ひろは聞こえなかったけど、メンバーの中には聞いた人も何人かいた。

 ここから東雲湖を望む眺望は素晴らしいものがある。この展望ポイントは山登りルートの一部になっているらしく、ちゃんとした山装備のおばさま軍団とすれ違いびっくりした。向こうは向こうで、
「この人達、サンダル履きに、ライフジャケット着てるなんて、何してんのん?」といった顔である。

 ふもとまで戻り、今度は横断だ。風が強くてつらかったっす。何とかゴールまでたどり着いたというのが正直なところです。やっぱり川の方ががいいよう。 

 キャンプ地へ戻り、夕食を食べた。相変わらず美味しい。これはきっと体重増えてるやろな。やや飲み過ぎたのでひろは焚き火の傍でうとうとしていたけど、ナイトカヌー組は夜の湖へ突入していった。Kはガッテンと組ませてもらってご機嫌だった。

 翌朝、撤収である。テントを畳み、キャンプ道具を片づける。カヌーは一人でかつぐと結構重い。16sぐらいかな。

お、重いぜ。K、写真とっている場合じゃな〜いって

  もうこれでツアーも終わりかと思うと悲しくなるなあ。なんか不完全燃焼感があるけど仕方ないか。天候だけはどうしようもないからなあ。
 汗を流してさっぱりして帰ろうと近くの温泉に行った。大樹町で入った温泉と違って、ここはなかなか雰囲気がありましたね。お客さんはぼくらだけで貸し切りでした。

 車に乗り込み、2時間弱。帯広の町でみんなでいっしょにランチを食べた。地ビールが売りの店でカボチャのビール等色んなビールが美味いっす。
 そのあと帯広駅でひろ&Kは降ろしてもらった。みんなはこのまま空港へ向かうが、ひろ&Kはここで別れて、帯広で一泊し、翌朝、レンタカーで釧路へ向かい、釧路から空路帰る予定なのだ。
 ガッテン達には「来年こそ歴舟川にリベンジに来るから!」と、参加者のみんなには「またどこかの川でお会いしましょう。」と別れを告げた。

ギネスにも載る帯広公園の400mベンチ

ギネスにも載る帯広公園の400mベンチ
 この後は特に書くこともない。ただ釧路の和商市場で食べた勝手丼は涙が出るくらい美味しかった事は報告しておこう。2年前に釧路へ来たときは、和昭市場は休みで大ショックを受けたものだ。海の幸が好きなので、2年間待った甲斐があるほど美味かったなあ。これまでの人生で美味かったものランキング、第一位です。

 ガッテン、さなえちゃん、橋田さん、みおんちゃん Voice of Windのみなさん色々とありがとうございました。
それから、おい歴舟川!いつかは制覇してやるからな!

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