“盲ろう者”には、盲から聾(ろう)になった人、聾(ろう)から盲になった人、健常から盲聾(もうろう)になった人、生まれつきの盲聾(もうろう)の人などがいます。

盲ろうの障害区分とコミュニケーション手段の関係

盲ろうの障害には、微妙に異なるさまざまなタイプがあります。
また環境やその障害の種類により、その盲ろう者の求めるサポートやコミュニケーション手段は
異なりますので、ここではいくつかの仮定をあげて、盲ろうとはどういう障害か、どのような
コミュニケーション手段が有効で、どのようなサポートを必要とするかを考えてみましょう。


(ここで言う「生まれつき」とは先天性の人だけではなく、乳児期〜幼児期に盲ろうの障害を負った人を含みます。)

障害の区分 考えられる現在の状況 考えられる主な
コミュニケーション
手段
盲ベース 全盲 → 聴覚障害 生まれつきの全盲(まったく目が見えない)。
後に耳が聞こえなくなる。

盲学校で点字を習得している可能性が考えられる。

耳が聞こえていた時代に十分な日本語を身につけていると考えられる。

声を使って話すことができる。聞こえなくなってから、かなりの時間が経っている場合、自分の声が聞こえないため、聞き取りにくい発語に変わる場合がある。

白杖を使って、盲の時代に一人で外出をしていたことが考えられるため、手引きの人がいれば歩行のスピードなど健常者と変わらない可能性が考えられる。
指点字点字など
弱視 → 聴覚障害 生まれつきの弱視(やや見える)。
後に耳が聞こえなくなる。

現在も文字が読める可能性が考えられる。
文字を見たことがある可能性が考えられる。

点字がわかる場合が考えられる。

耳が聞こえていた時代に十分な日本語を身につけていると考えられる。

声を使って話すことができる。聞こえなくなってから、かなりの時間が経っている場合、自分の声が聞こえないため、聞き取りにくい発語に変わる場合がある。
パソコン通信
要約筆記など
弱視 → 全盲 → 聴覚障害 生まれつきは軽度の弱視(少し見える)、
後に視力が低下し、全盲(まったく見えなくなる)。
その前後に耳が聞こえなくなる。

耳の聞こえていた時代に十分な日本語を身につけた可能性はあるが、軽度の弱視だったため点字を身につけていない場合が考えられる。

文字を見た経験があると考えられる。

色の認識などの視覚的な情報が、言葉からたやすく想像できると考えられる。

声を使って話すことができる。聞こえなくなってから、かなりの時間が経っている場合、自分の声が聞こえないため、聞き取りにくい発語に変わる場合がある。
手書き文字など
聾ベース 全聾 → 視覚障害 生まれつきの全聾(まったく聞こえない)。
後に目が見えなくなる。

聾時代に手話を身につけていた可能性が考えられる。

日本語を聞いたことがないため、日本語を十分に習得していない可能性が考えられる。

音を聞いたことがないため、擬音語・擬声語が理解しがたい。

声を使っての話ができないことが考えられる。
ろう学校などでの発語教育によって声で話せる場合も少なくないが、聞き取りにくい場合が考えられるので、その人が手話を使う場合、その手話を読み取る技術が必要になる。
触手話指文字など
難聴 → 視覚障害 生まれつきの難聴
(補聴器などを使って聞き取りができる)。
後に目が見えなくなる。

日本語が身についていると考えられる。

普通学校に通っている場合が多いため、手話ができない人が多いと考えられる。

声を使って話すことができる。

音声通訳など
難聴 → 全聾 → 視覚障害 生まれつきの難聴(補聴器などをつかって聞き取りができる)、後に聴力が低下し、全聾(まったく聞こえない)になる。
その前後に目が見えなくなる。

日本語が身についていると考えられる。

手話ができない人が多いと考えられる。

声を使って話すことが出来る。聞こえなくなってから、かなりの時間が経っている場合、自分の声が聞こえないため、聞き取りにくい発語に変わる場合がある。
手書き文字など
その他 先天性盲ろう 生まれつき視覚・聴覚に障害がある。 状況は障害の程度によって幅が広い。

重度の場合は更なる他の障害が重複している場合がある。
障害の程度と環境による。
中途 健常者から、病気などで視覚・聴覚のそれぞれの障害を持つ。 十分な日本語が身についている。

声を使って話すことができる。
聞こえなくなってから、かなりの時間が経っている場合、自分の声が聞こえないため、聞き取りにくい発語に変わる場合がある。

手話・点字ができない。

成人後の障害は本人がそれを受け入れるまでに時間を必要とする。
精神的フォローも重要と考えられる。

手書き文字など


盲ろう者のコミュニケーション方法

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