鉄道旅行記 ウィークエンドフリーきっぷ 19991218日(土)〜19日(日) 2004/10/10日公開)

  

 この旅行はウェブサイトを開設する以前のものである。この当時は、フィルムカメラと購入直後のデジタルカメラを併用していた。ウェブサイト開設以前は、どちらかというとフィルムカメラを主に用いていた。しかし、せっかくデジタル写真があるし、時間が取れたので、5年近く前の旅行記だが記憶を辿りながら作製する事にした。

 

今回の主なテーマは、ガーラ湯沢駅・八戸市・寝台特急はくつる号個室A寝台車・岩手県である。

 

★ウィークエンドフリーきっぷ★ 

 この旅行でお世話になったのは、JR東日本の「ウィークエンドフリーきっぷ」である。このきっぷは16,000円でJR東日本管内の全列車の自由席が土曜・日曜の2日間乗り放題なのである。非常に魅力的なきっぷだったが、一度しか使う機会が無かった。

 この当時は、旅行当日に購入する事も可能だったし、寝台特急の始発から終点まで乗れる範囲が利用可能だったので、非常に魅力的だった。このきっぷは、東北地方では週末帰省に重宝されていたと聞く。しかし一方で、プチ家出の温床になる、新幹線の混雑が激しくなる、あるいは、行楽客が東北方面に逃げるから発売をやめて欲しいと熱海伊豆の観光関係団体から要望されるなど、いろいろ叩かれるきっぷでもあった。

 現在も似たようなきっぷが売られているが、利用範囲の縮小や当日購入不可など、何かと制約が多くなっている。もちろん使う気になれない。

 さて、この旅行記では、「寝台特急はくつる号」以外は全て自由席である。

 

1999/12/18(土)

東京8:32→ガーラ湯沢10:09 東北・上越新幹線/上越線「特急MAXたにがわ435号」 E112連 E158-204

 指定席車にも充当される車両の2階席に乗った。自由席専用車とは異なり、横5列の快適な座席である。

 

★ガーラ湯沢駅初訪問★ 

ガーラ湯沢駅…1990年に、保守基地に駅を設置して登場した。駅そのものがスキー場の一部であり、冬季限定で営業している。

 越後湯沢⇔ガーラ湯沢間は新幹線直通の特急列車しか走っていないが、戸籍上は在来線の上越線である。特定特急料金が課せられている。

 

 スキー客の中で一人だけ違う服装をしていた為、かなり場違いな感じがした。

 ここで、今夜の「寝台特急はくつる号」の特急寝台券を購入した。青森発のきっぷを依頼したので驚かれてしまった。せっかくなのでこの駅で購入したかったのだ。

 

ガーラ湯沢11:10→東京12:44 上越線/上越・東北新幹線「特急MAXたにがわ438号」 E112連 E158-204

 私がホームに向かうと、私の存在を見た車掌さんが列車の扉を開けてくれた。優等列車の始発駅にしてはおかしな光景である。もちろん私が一番乗りの乗客であった。

 大宮駅では、北隣の駅を熊谷と高崎の2つを併記していた。

 

東京1325→盛岡15:46 東北新幹線「特急やまびこ(こまち)15号」 E36連+E28連 E223-3

 この列車は、東京を出ると仙台・盛岡の順に停車する。275km/h初体験である。

 それにしても、東京駅での乗車位置はわかりにくかった。また、仙台からの乗車も多かった。

 

盛岡15:54→八戸17:02 東北本線「特急はつかり15号」 4856連 クハ481-346

 

八戸17:05→鮫17:25 八戸線 キハ40-592 3

 

17:28→本八戸17:41 八戸線 キハ40-591 3

 

★八戸市★ 

 東北本線の八戸駅は昭和46年まで尻内駅を名乗っていた。また、八戸線の本八戸駅は昭和46年まで八戸駅を名乗っていた。実は、八戸市の中心地に近いのは八戸線の本八戸駅の方である。

 私は主要幹線の駅と市街地の離れた町にも興味がある。つまるところ、町の構成や発展の方向性にも興味があるのである。だから八戸市を探険したのである。

 八戸市は東北本線の盛岡⇔青森間で唯一の人口10万人を越える都市である。イカの水揚げ高でも有名である。市内には市日にちなんだ地名が多数存在する。市街地ではバス路線が充実しているように感じた。

 本八戸駅→(バス)→八戸駅

中央通りまわり是川団地行き 三日町下車(だったかな?) 130

六日町乗車(だったかな?) 司法センター経由八戸駅行き 1839(だったかな?) 310

 

八戸18:58→青森2000 東北本線「特急はつかり19号」 4856連 クハ481-1508

 青森に到着した「特急はつかり19号」の後部である。ヘッドライトが点灯しているが後部である。写真のクハ481は、北海道用に開発された4851500番台である。4851500番台は、北海道では厳しい自然状況に耐えきれずに北海道専用の781系にすぐさま交代したが、本州に移ってからも厳寒地方を走る事になった。

 

 

青森駅は雪の中、とはよく言ったものである。駅前で郷土料理を食べた。

 

★個室車初体験★ 

青森21:05→(翌朝)上野6:39 東北本線「寝台特急はくつる号」 A寝台個室車 オロネ25-702

 先程の「特急はつかり19号」を降りて駅から出る時に、「寝台特急はくつる号」の入線時刻を確認しておいたのだが、食事を終えて駅に向かう頃には既に入線済みだった。せっかくA寝台個室車に初めて乗るのだから、少しでも長く乗りたかったので、ちょっぴり残念であった。

 「寝台特急はくつる号」が青森駅を発車すると、大阪行きの「寝台特急トワイライトエクスプレス号」が入線してきた。しかし、その列車は青森駅での客扱いを行わない。

 A寝台車の乗客は私一人であった。さて、私は何度もグリーン車に乗ってきたが、“乗客は自分一人だけ”という事態を経験する機会を得る事が無かった。特別車両で乗客は自分一人だけというのは初めての経験でうれしいのだが、個室車両なのでほとんど違いは無い。

 おばさん2人組が、上だの下だの言って私の部屋のドアを激しく開けようとしていた。それは隣のレディースカーの2段式B寝台であり、ここは個室のA寝台である事を教えてあげた。

 先程の「特急はつかり号」とは異なり、ほとんど揺れなかった。「特急はつかり号」に乗っている時には、凍上現象が原因で揺れるのかと思っていたのだが、そうでもないらしい。“さすがに客車”と言ったところか。あるいは、「特急はつかり号」のような高速で飛ばさないからなのか、いずれにせよほとんど揺れなかった。

 

20011月頃記)オロネ25-700は、オロネ25-0を「殿様あさかぜ」用にグレードアップ小改造を施した車両である。オロネ25-0は、改造によって生まれたその後の車両とは異なり生まれながらの個室A寝台車である。この車両は、私が子供の頃には日本一贅沢な車両であった。また、これは私が鉄道に嵌まっていった憧れの対象の一つでもある。これに乗ったときの喜びは新鮮であった。それにしても最近のブルトレ全般に言える事だが、肘掛けカバーぐらいケチらないで欲しい。せっかくの個室A寝台なのにマジックテープがむきだしのままだと手抜きの感がある。マジックテープは使わないのならば外した方がマシである。「はくつる号」は、同じ東北本線寝台特急「北斗星号」や「カシオペア号」のような華やかさはないが、個室A寝台車ぐらいはフル装備で走らせてもいいだろうが。それにしても、厳しい自然環境と整備の優先度の為なのか編成全車車体は痛ましい程ボロボロだった。しかし、少なくともオロネ25-702の車内は最高に美しかった。

 

痛ましい程の車体外装(写真右上など)

 

 

1999/12/19(日)

(昨夜)青森21:05→上野6:39 東北本線「寝台特急はくつる号」  EF81-135 + 2410

 朝起きると、私以外に2部屋が埋まっていた。少なくとも、青森→八戸間は私一人だったことになる。

 寒いので暖房のつまみを回したのだが、暖房が強くなる気配が無かった。室内が18.6℃、通路が15℃になっていた。ちなみに隣のオハネフは17℃だった。車掌さんに寒い事を告げれば電源を入れてもらえた。A寝台の個室内にはスイッチがあるのだが、これも元の電源を入れないと使えないみたいだ。

 大宮ではサロを開放している185系普通列車と並んだ。185系普通列車は高崎線からやってきたものだが、この先は同じ線路を走る事になる。特急列車のこちらが先行する。

 今回乗車した「寝台特急はくつる号」は、89号車が減車されており、機関車とカニ24-109を含めて11両だった。先頭の電気機関車は、庇が付くEF81-135だった。

 終着駅の上野では、「うーえの〜 うーえの〜」という独特のアナウンスが迎えてくれた。「寝台特急あけぼの号」が到着する時にこの放送を録音しようかとも考えたのだが、「新幹線特急やまびこ・こまち3号」に乗るために東京駅へ急いだ。

 

東京7:40→盛岡10:19 東北新幹線「特急こまち(やまびこ)3号」 E36連+E28連 E322-7

 ガーラ湯沢や八戸で買ったみやげ物をコインロッカーに入れて、新幹線ホームに上がった。

 この列車は、東京を出ると上野・大宮・仙台・盛岡の順に停車する。今回はせっかくなので「こまち」に乗ることにした。

 意外と乗客は少なかった。これならば、急いで東京駅に来なくても、折り返しにこの列車となる「新幹線特急なすの号」で上野→東京間を移動してもよかったわけだ。

 仙台到着直前に、仙台駅で非常装置が発動された影響で、仙台到着は9分遅れとなった。 275km/hいっぱいでの回復運転を行った為か、北上辺りでは遅れは5分にまで縮まっていた。

 盛岡到着前には、「はつかり号への乗り換えは急がなくても結構です」という旨の車内放送が流れた。盛岡駅構内でも同様の放送が流れていた。

 

盛岡10:50→釜石13:06 東北本線・釜石線「急行陸中3号」 キハ112-1 3

★釜石線初乗車★ 

 すっかり少なくなってしまった「JRの急行列車」である。リクライニングシート装備の急行仕様車が充当される。

 東北本線を100km/hで駆け抜ける。花巻で進行方向を変えて釜石線に入る。この先は最高でも85km/hしか目撃しなかった。

 新幹線連絡駅の新花巻は、釜石線部分は1面1線となっている。

 

 民話のふるさと遠野では、7分停車の間にいろいろと楽しんだ。

 宮守と陸中大橋では乗降が皆無であった。釜石の一駅手前の小佐野では下車が多かった。

 この列車には車内販売があった。このようなところに優等列車らしさが息づいていた。

 さて、内陸部は雪が積もっていたのだが、太平洋側では雪が無かった。

 

釜石13:15→宮古14:36 山田線 キハ112-1 3

★山田線初乗車★ 

 釜石駅では、以前は三陸鉄道は別ホームだった様子に思えた。

 本州最東端の駅、岩手船越ではスタンプを押せた。

 宮古駅前で海産物を食べた。

  

宮古15:43→盛岡17:52 山田線 キハ52-110

★手動ドア車初体験★ 

 古豪キハ52 手動ドア車初体験である。 

 

盛岡18:01→東京20:26 東北新幹線「特急やまびこ(こまち)24号」 E28連+E36

 この列車は途中、仙台・大宮に停車する。「特急はつかり号」接続待ちの為、2分延発となった。

 仙台からは多くの立ち客が出るほど混んでいた。

 

新宿21:00→ 中央本線「特急あずさ69号」 18318911連 クハ189-10

 かなり混んでいて空席が無く、乗車を躊躇ったのだが、せっかくなので特急列車に乗ることにした。

 緩行線の電車と同じ速度で並んで走る場面も見られた。まぁ、都市部では仕方が無い事だ。

 八王子や立川までの特急券を検札時に買う乗客が多かった。

 

 

 さて、5年近く昔の旅行を思い出しながら記していたのだが、上記の旅行に関する状況もすっかり変わってしまった。この旅行時には、八戸駅では東北新幹線の早期延伸を願う表記が見られた。しかし、200212月に東北新幹線は盛岡⇔八戸間が開業した。これと引き換えに、東北本線伝統の2大名門特別急行列車「はつかり号」と「はくつる号」が役目を終えて、時刻表からその名前が消える事になった。また、「急行陸中号」は別名称の快速列車へと転じた。「特急あずさ号」は183189系からE257系へと姿を変えた。

 

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