200712月の旅行記からのシングルカット   2008/1/12(土)公開

★★★さようなら関西発着の九州ブルートレイン 惜別乗車「寝台特急なは・あかつき号」★★★ 

 

 

20071229日(土)

 今回の旅の最主要テーマである南九州に向けて出発するわけだが、その前に「寝台特急なは・あかつき号」の惜別乗車を行う。この「寝台特急なは・あかつき号」については、九州から帰ってきた後で京都行きに乗っても良いわけだが、九州へと向かう方向性を重視したいので下り列車に乗る事にした。

 かつて夜の新大阪駅18番のりばから踵を接するかのように立て続けに発車していった「なは号」・「明星5号」・「あかつき3号」・「彗星3号」といった関西発着の九州ブルートレインは、今では「なは・あかつき」の併結運転1往復を残すのみになってしまった。その「なは・あかつき」も20083月のダイヤ改正で姿を消す。

 私が鉄道を好きになり始めた1980年頃、関西発着の九州ブルートレインは客車全列車が2段式B寝台だけの単調なモノクラス編成であり、しかもヘッドマークが付かないので、東京発着のブルートレインに比べて幾分見劣りした。ちなみに、当時の「なは号」は581583系の電車特急であり、私の関心の対象ではなかった。

 「あかつき号」という列車名称はいくつかの過去を持つわけだが、1965年に登場した初めての関西発着の九州ブルートレインでもあった。一方、「なは号」とは、沖縄県の本土復帰を願って登場した列車名であり、長らく鹿児島を目指す特急列車にその名称が与えられてきた。沖縄県の本土復帰から30年以上が経ち、さらに「寝台特急なは号」が2004年に熊本止まりになった後にも「なは号」の名称は継続された。

  

 

新大阪20:35→三ノ宮21:10 東海道本線31レ「寝台特急なは・あかつき号」 11連  オハ14-302 EF66-51

「寝台特急なは号」31レ 京都20:02→熊本(翌日)7:36    JR九州24系客車5

「寝台特急あかつき号」31レ→33レ 京都20:02→長崎(翌日)8:55    JR西日本14系客車6

 

 新大阪駅のすぐ南側の歩道橋では撮影目当ての数十人がいた。この時間帯には大阪発青森行きの「寝台特急日本海3号」が12番線から2022に発車するが、「寝台特急日本海号」も2往復中のうち1往復が20083月のダイヤ改正で姿を消す。この日の「寝台特急日本海3号」の最後尾は引戸仕様車であった。

 さて、「あかつき号」は三ノ宮までの短区間の乗車なので、座席車に乗る。この座席車があるから惜別乗車が果たせたようなものである。

 

 新大阪駅:九州方面ブルートレインのりば…ここから九州へと旅立つブルートレインは20083月に姿を消す。

 新大阪では、次の大阪が終点となる「特急サンダーバード44号」に道を譲る。また、大阪では格下の新快速3305Mに道を譲る。この「寝台特急なは・あかつき号」は、京都、新大阪、大阪の各駅で実質的に始発駅のようにじっくりと停車するわけである。飲食物は大阪停車中に買い求めるように案内される。

 この日は、千里丘通過中に緊急停止信号が発せられたとの事で新大阪到着が4分遅れた。また、新大阪→大阪間を走行中に新快速3305Mに追い抜かれた。

 

 「なは号」の3号車から乗車し、最後尾の10号車座席車へと向かって進んで行った。

 ソロやデュエットの車内の実物を見るのは初めてである。ソロは列車系列による居住性の差が大きく、天井が低い所へ入り込む事に苦痛を感じる私としては「なは号」のソロは乗りたくない。しかしながら、これらのソロも6,300円のB寝台であるが1万円級のプルマン式A寝台と同じ程度の占有空間があり、これらを目の当たりにしてしまうとプルマン式A寝台に乗るのがもったいなく思えてくる。

 木製の枠が付く鏡が付けられていたり、絵画が飾られたりしており、内装に潤いが感じられる。所属基地によっていろいろな演出の違いがあるようだ。なかなかすてきではないか。

 寝台特急といえば寝台車だけで編成された列車が主体であるが、「あかつき号」には高速バスと対抗する為に1986年から座席車が連結された。オハ14300番台は「あかつき号」専用の特別な座席車として1990年に登場した。普通車扱いながらグリーン車の設備をも凌駕するような全席1人掛けの電動フルリクライニングシートが装備されており、「レガートシート」と名付けられている。

 この車両は、中央の列の座席番号がわかりにくい。私の前に居た全員が1列ずつずれていたので場所を移ってもらった。また、女性専用席ならぬ女性専用区画が設けられているわけだが、カメラを持った男性客1人がそこに入っていくのを多くの乗客が軽蔑の眼差しで振り返っていた。

 私は「レガートシート」にこだわりがあるわけではない。むしろ、開放2段式B寝台車の方が「あかつき号」の印象が強いわけだが、短い距離ながらも乗車できるので「レガートシート」を選んだのである。

 

 

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