さてここまでは今回のTourについて書いてきたわけだが、
そこで終わってはあまりにも無責任だろう。
わしはしつこく持論を重ねて来たのだ。
今回のライヴだけのことを書いてそれで終わりというわけには行かない。
それがどのようなものであったかを掻い摘んでみよう。
詳しくは前回までのレポを参照されたい。
要するにわしは「Party30」以降ライヴの主旨は
「飛天」から「Party30」までの流れと相似形になるのではないかと考えており、
従ってここまでは
アコースティック | My Name is KAI | Classic KAI |
甲斐バンド | Beatnik tour 2001 | Rolling Circus Review |
実験的ライヴ | Rockument | アコギなKiller Gig |
年代別解析 | Series of Dreams | (20 Stories Tour)? |
という対応があるのではないか、そう考えてきた。
〜多少の紆余曲折があるのはそっとしておいて欲しいが(^^;;〜
はたしてこれが正しいのかどうか。
まずはセットリストを見てみよう。
1.今宵の月のように
2.歌舞伎町の女王
3.くるみ
4.ハナミズキ
5.Swallowtail Butterfly〜あいのうた
6.接吻 KISS
7.すばらしい日々
8.I.L.Y.V.M.
9.RAIN
10.マドモアゼル・ブルース
11.野獣
12.BLUE CITY
13.三つ数えろ
14.冷血
15.風の中の火のように
〜アンコール〜
16.漂泊者
17.きんぽうげ
18.HERO
19.ノーヴェンバー レイン
20.GUTS
バンド時代の曲はわずかに6曲+1曲(マドモアゼル・ブルース)。
正解!(爆)
は、冗談としても、ソロ以降を重点的に捉えたTourであることは間違いない。
ライヴ中のMCでも触れていたが、ソロデビュー20周年ということもあり、
ソロ、KAI FIVEの曲を中心に、ということだ。
バンド時代の曲もあるとはいえ、
「野獣」「冷血」はStraight Life Tourにおける重要ナンバーであるし、
「HERO」「三つ数えろ」は「BIG NIGHT」の際のアレンジだし、
「漂泊者」「きんぽうげ」にも多少のアレンジが施されていてバンドのものとはかなり異なる。
すなわちバンド時代の曲全てにおいて「甲斐バンド」のテイストは弱く
ソロ・アーティスト甲斐よしひろのテイストであると言えよう。
しかしそれは選曲だけのことではあるまい。
「10Storiee」からの曲を冒頭から7曲列べた理由についても一考すべきだろう。
ここにある甲斐よしひろのパーソナリティは驚くほどに小さい、 そう思えないだろうか。
カバー=他人が書いた曲であり、且つアレンジは西村氏がメインである。
曲に対する意見はもちろん出してはいるのだろうが、
それはおそらくイメージ、概略だけであり、
その詳細については西村氏にほぼ任せていたのではないか。
アレンジャー、プロデューサー、クリエイターの側面をわしはほとんど感じない。
感じるものといえば、ソロ・シンガーである甲斐よしひろである。
シンガーとしての側面を表に置いている、わしはそう感じる。
従ってここで演奏されているバンド時代の曲もまた、
シンガーとしての甲斐よしひろを強調するアレンジであったのではないか。
更にもう一つの側面は、既に表でも書いておいた。
「Streetに生きる者」という面だ。
Streetに生きるシンガーなのか、
Streetに生きる者を唄うシンガーなのかそれは判らないが、
ここで言えるのは「シンガー」と「Streetに生きる者」の二面が 如実に顕れている、ということに間違いなかろう。
そしてそれら二面をソロ以降という年代に区切って示した、ということになろう。
では。 次のTourでは、どうなると予想されうるか。
Seriesに倣うのであれば次も限られた年代の曲により 甲斐よしひろの幾分かを示す、ということになろう。
側面を切り取る、ということだけに重点を置けば、 あるテーマに乗った曲ばかりの選曲、ということもあるかもしれない。
いずれにしろ、何らかの条件付けの下で
甲斐よしひろのとある側面を示すことになるのではないだろうか。
こうして延々と次が楽しみになっていくのだな、これが(笑)