タテハチョウ科 2
ボタンで目次に戻れます。
途中
雌の前翅先端が黒紫色なのでその名がついた。カバマダラに擬態しているといわれているが、翅の紋様を比べただけではよく分からない。しかし飛翔する様子を観察すると成る程と頷ける。カバマダラは毒蝶なので天敵である鳥から忌避されている。従って天敵から慌てて逃れる必要がなく、いつもふわふわふらふらと舞っている。雌のツマグロヒョウモンは翅の紋様と相俟って飛びかたが実にうまくカバマダラに擬態している。雌が毒蝶に擬態しているのは、勿論種族維持の戦略であると考えられている。
幼虫の食草はスミレ科で、沖縄ではリュウキュウコスミレによく卵や幼虫が観察される。
➡
冬でも外気温が昆虫の活動限界となる10度を下まわることが殆どない亜熱帯の沖縄では、一年を通してさまざまなチョウが観られる。なかでも最も馴染み深いのがツマグロヒョウモンだ。豹の紋様を持つヒョウモンチョウの仲間は日本に約20種生息しているが、本種は八重山諸島に生息が確認されているウラベニヒョウモンやタイワンキマダラと共に数少ない南方系の蝶である。
池の平 Jul 22 2008
池の平 Jul 22 2008
もう20年以上前になるが、神奈川県の鶴見に住む友人が自宅の花壇に雌のツマグロヒョウモンを見つけて吃驚したと語っていた。それもそのはず、一昔前は紀伊半島辺りが生息の北限であった。ところが幼虫がビオラやパンジーなどの栽培種も好むことや暖冬の影響と相俟って、今では筆者の住む埼玉県新座市でも定着し、年々個体数が増加している。地球温暖化は確実に進んでいるようだ。
軽井沢 Jul 22 2008
軽井沢 Sep 12 2005:雌
軽井沢 Sep 12 2005:雌
雌雄で翅表の紋様も色彩も異なる。雌は遺伝子多型の表現型(フェノタイプ)が表翅の色彩に表れ、橙色を基調とするものと暗緑色が強いタイプが知られている。
埼玉県新座市 Oct 14 2000:雌
埼玉県嵐山町 Jun 5 2005:雄
軽井沢 Sep 12 2005:雄
軽井沢 Jul 13 2006
神代植物公園 10.10.2016:雄
埼玉県新座市 Aug 8 2008:雄
沖縄本島本部町 MAY 20 2005:雄
沖縄本島那覇 MAY 21 2005:雌
コヒョウモンモドキとアサマシジミ:軽井沢 Jul 14 2006
コヒョウモンモドキとウラギンヒョウモン:軽井沢 Jul 15 2006
池の平 8.2.2021
池の平 8.2.2021
池の平 8.2.2021
池の平 7.18.2017
長野県白馬村 Aug 17 2001
池の平 Aug 2 2021
池の平 Aug 2 2019
軽井沢 Jul 22 2008
軽井沢 Jul 24 2006
軽井沢 Jul 14 2006
メスグロヒョウモン Damora sagana
(英名:)
成虫は紫や白の花が好きで、林縁の草原で虫の観察をしていると、どこからともなくアザミやヒメジョウオンなどの花を訪れて忙しく吸蜜し、5分も経つと去っていく。林縁を好むのは幼虫の食草が雑木林の林床を好んで生息するスミレ科だからだと考えられる。特に武蔵野では普通に観られるタチツボスミレを好むので、ミドリヒョウモンの個体数が維持されているのだろう。
池の平 8.2.2019
池の平 7.26.2018
池の平 Aug 11 2009
池の平 Aug 11 2009
池の平 Aug 2 2021
秩父 10.08.2011
埼玉県武蔵横手 May 7 2004
長野県白馬村 Aug 17 2001
さいたま市(秋ヶ瀬公園) Oct 9 2006:雌
埼玉県新座市 Jun 28 2008:雄
ギンボシヒョウモンとキアゲハ (池の平) 長野県白馬村 Aug 2 2019
埼玉県嵐山町 10.8.2011:雌
埼玉県嵐山町 10.8.2011:雌
そんななかで、武蔵野の平野部を代表するヒョウモンチョウがミドリヒョウモンである。ヒョウモンチョウの幾つかの種と同様、成虫は初夏に発生して夏に休眠し、秋に産卵のため再び姿を現す。但し、山地や寒冷地では夏眠の記録は殆どないそうである。
子供の頃はよく些細なことに憧れたものだが、蝶では豹紋という意味のヒョウモンチョウという名前に強く引かれたことを覚えている。豹とか龍とかは子供心になんとなくかっこ好いと感じていたからだろう。武蔵野の平野部ではヒョウモンチョウの仲間は生息する種類も個体数も少ないので、滅多に観られなかったことも理由の一つかも知れない。
軽井沢 Jul 14 2006
沖縄本島本部町 MAY 20 2005:雌
軽井沢 Jul 13 2006
浅間牧場 7.19. 2017:雄