ゴルフィング・メソッド

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    ゴルフボールを飛ばすエネルギーの源泉は間違いなくスイングする人の
    体力です。
    その体力を有効的・効果的にボールの伝えるために、巷ではいろいろな
    スイング理論が展開されてきました。そして、それはそれで良いのですが、
    体力そのものが弱かったり、衰えていく者にとっては、いささか靴の外から
    足を掻くもどかしさを覚えます。
    靴を脱ぎ直接足を掻くために、改めて道具であるクラブの特性を味方に
    付ける方法を提案しています。

ケネス・スミスの言うバランス・ウエイトとは?

  スイングでボールを大きく飛ばすためには、クラブヘッドの運動エネルギーを
  最大限に発揮させ、そのエネルギーを効果的にボールに伝えなければなりません。

  クラブヘッドの運動エネルギーの大きさはヘッドの質量ヘッドの速度です。
  しかし、一番飛距離の欲しいドライバーでは、ヘッドの質量は約210g程度が
  有効的限界で、それ以上に大きくしてもそれ程の効果は期待できないことが
  知られています。
  
  そこで、インパクト時のヘッドスピードを加速することと、インパクト時の
  ヘッドのエネルギー損失を少なくすることが最も重要な要素となります。

   

エネルギー損失を少なくするヘッド

  ボールにヘッドの運動エネルギーを効率よく伝えるには、大地に固定した
 しっかりした支点を作り、ヘッドの重心位置でボールをヒットする必要が
 あります。
 重心位置から外れた位置でボールに当たると、ヘッドの重心点を中心にして
 ヘッド自体を回転させる力が働き、せっかくのボールを飛ばす筈のエネルギー
 の一部が無駄に使われてしまうからです。

  この問題を改善するために、ヘッドの慣性モーメントを大きくした構造が
 開発されて来たのです。
 
慣性モーメントの大きいヘッドでは、重心位置から外れたインパクトでもヘッド
 自体の回転運動はそれなりに軽減され、ヘッドの運動エネルギーの浪費を
 少なくしてより多くのエネルギーをボールに伝えることができるのです。

 
 このようなヘッドの商品化には、ヘッドの材質とその加工技術の開発が
基礎に
 なっています。
 
現在ではほぼ基本的なことは開発済みと言っていいくらいでしょう

 

ヘッドの速いインパクト速度

 実はこの問題が本題なのです。
 ヘッドのインパクト速度を速くするには、次の二つの要件を満たす必要があります。
          @長いクラブ A短いインパクト半径

  長いクラブ

   
1)スイング回転速度とヘッドスピード

いわゆる長いシャフトのクラブの方がボールを遠くに飛ばすことができることは
実感されていると思いますが、それはクラブを同じ速さでスイング回転
した場合、ヘッドの速度(クラブの円周速度)はグリップエンドから遠いヘッドのほうが
速くなる
からです。

即ち、同じ速さでスイング回転した場合には、ヘッドスピードはクラブの長さに
比例するのです。

しかし、ある程度クラブが長くなれば、体力的に通常、長くなればなるほど
スイング回転は遅くなりますから、クラブの長さとしては、スイング回転の
速さの低下の割合がクラブの長さの比に一致する所が限界なのです。
体力に見合った長さにしなければなりません。



 2)スイング回転力(身体能力)


長いシャフトのクラブではスイング回転を速くすることが難しくなるのは、
長いクラブほどスイングする体力と技量(スイング身体能力)がより高度に
必要となるからです。

クラブをスイング回転するのに必要な体力は、言い換えればクラブがスイングで
消費するエネルギーと同じです。


それはクラブの回転モーメントと呼ばれるもので、スイング時のクラブ全体の
慣性モーメントなのです。(ヘッドの慣性モーメントとは別者です)

簡易的に私はそれを“Ms”で表しました。

   MsW・(A20)・(A20  (本文に詳述)

  長いクラブほどグリップエンドから重心位置までの長さAが大きくなり、
クラブが長くなればなるほど、またクラブの重さ(W)が重いほど、
スイング時のクラブが消費するエネルギー(Ms)が大きくなり、従って、
身体に大きな負荷(Ms)が掛かるのです。

そして、スイング身体能力(体力+技量)に対応する最適なクラブの長さと
重さを究明するために考え出したのが
 Ms/A の値です。
パターを除くクラブセットをこの値で
統一することによりどのクラブも
同じようなスイング感覚が得られることを発見したのです。
   (あなたに最適なMsとAの関係は本文に詳述

靴を脱いで直接足を掻くためには、各クラブのWを測定することが先ず
必要です。そして、自身にとって最適な
Ms/Aの値にするためにはグリップ
とヘッドの質量調整が必要不可欠
なのです。(本文に詳述)


短いインパクト半径

紐の先に重りをつけて大きく振り回している時(丁度ハンマー投げのように)、
いきなり紐の途中を何かで抑える(例えば長い棒で遮る)と、重りが勢いよく
回転し(棒に巻きつき)ます。その時の重りの速度は遮る紐の位置により異なり、重りから近いほど(回転半径が短いほど)速くなります。
重りの慣性力(遠心力ではありません)が働くためです。

この現象をスイング中のクラブで考えて見ましょう。
シャフトの一部分に一定方向(スイング時のシャフトの動きの方向)に自由に
折れ曲がる回転ジョイントがあるクラブを想像してみてください。

このクラブでインパクト直前にスイングを止める動作をすると、どうなるで
しょうか?

バックスイングからトップまではヘッドは手元より遅れて左側(右利きの場合)、トップでは手元が止まるのでヘッドは手元を通り過ぎて右側に折れ、そのまま
インパクト直前で手元を止める動作までの間は手元よりもヘッドはジョイント
部分で折れて遅れていますが、スイングを止める動作をした瞬間にジョイント
部分で反対側(左側)に逆転してヘッドがいきなり速度を加速させます。
ヘッドの慣性力が働きヘッドスピードを加速させ、今までの手元の回転速度
よりもヘッドの速度の方が速くなったのです。

そして、このようなクラブをスイングする時に注意すべきことは、ゆっくり
スイングをすること
なのです。

この時のヘッドのインパクトスピードは(手元の回転速度+逆転加速速度)と
考えてよいでしょう。

このジョイント効果の特性(インパクト半径)は、シャフトのキックポイント
(曲げ剛性分布)とクラブの質量が集中する重心位置(A)の相互関係で決まる
と考えています。
そして、Aの長さを大きくすることが非常に有効に働く
ことが分かりました。


このように、シャフトの特性を有効に利用して、手元のスイング回転の速度
(体力)以上にインパクト時のヘッドスピードを加速することができるのです。



 ただし、折れ曲がる位置が短い(ヘッドに近い=インパクト半径が短い)
 ほど、タイミングによってはインパクト時のフェイスの向きが大きく
 変化し易くボールの方向性が不安定になり易くなりますので、要注意!


Msの値を変化させる要因(調整の要領)
 
 
 
スイング時の身体への負荷はいわゆる単純なクラブの重さ()ではなく、
  Msであることが分かりました。
  そのMsの値を変化させて、自身にとって最適なMs/Aの値にすることが
  できるのです。 その作業がクラブの調整なのです。
   
  Ms/Aの値の目安は男子で凡そ次の通りです。(×10g・cm)
   1.60;標準、1.65
;やや重め、1.70;重め、
   1.75;かなり重い、1.80;相当重い。
  この値が大きくなるほどスイングはゆっくりとすることが肝要です。


  Msの値は上記の式より、クラブの質量(W)はもとより、Aの大きさにより
  大きく変化することが分かります。
  グリップエンドからクラブの重心位置までの長さであるAの大きさは、
  グリップとヘッドの質量(重さ)で決まってしまいます。
  そして、更に重要なことは、グリップの質量の方の影響が大きいという
  ことです。
  そして更に、グリップはWを小さくしながらMsを大きくし、Wを大きく
  しながらMsを小さくするということです。

  以下に実施例を示します。

45.5inch
ドライバー

グリップ質量 g

ヘッド質量g

クラブ質量Wg

Aの長さcm

Msの値
×104 
gcm2

MsA
×104 gcm

オリジナル

35

203

286 

91.0

144.2

1.584
スイング感覚
=標準

ヘッド重量化

35

213

296

92.2

154.3

1.674
スイング感覚
=重め

グリップ軽量化

19

203

270

96.6

158.4

1.640
スイング感覚
=やや重め

グリップ軽量化

24

203

275

94.8

153.9

1.623

グリップ軽量化

ヘッド重量化

24

213


285


95.5


162.5


1.701

グリップ軽量化

ヘッド重量化

19

213


280


97.2


166.9


1.717
スイング感覚
=かなり重め

 上表には種々なグリップとヘッドの質量(重さ)を組み合わせてデータを
 表示しています。

オリジナルのデータに較べて、
ヘッドに10グラムの重りを付加した場合
   クラブの質量Wは10グラム増加; Aは1.2cm増加
   Ms/Aの値は5.7%増加
グリップを16グラム軽減した場合
   クラブの質量Wは16グラム減少; Aは5.6cm増加
  
 Ms/Aの値は3.5%増加
グリップを11グラム軽減した場合
   クラブの質量Wは11グラム減少; Aは3.8cm増加
  
 Ms/Aの値は2.5%増加


Ms/Aの値を余り大きくすることなくAの値を大きくして、シャフトの
しなりを効果的に効かせるには、グリップを適度に軽量化することが非常に
有効
なことが明白のです。

シャフトのしなり特性を効果的に利用するには、シャフトの剛性分布
Aの値
との相性が重要となりますが、上表のデータで読めるように、
Ms/Aの値を睨みながら、グリップとヘッドの質量調整の組合せでAの値
を調整
することが必要となります。
この時、A−Ms図、A−W図、A−L図を描きながら調整をすると非常に
良く理解できます。

インパクト時のヘッドスピードの増大を目指すには、スイング回転力を主体と
するか、シャフトしなりによる加速の最大限利用を主体とするか、または
その双方を上手く組み合わせていくか、を選択しなければなりません。

スイング身体能力の増強が難しいのであれば、ヘッドの逆転加速である
シャフトのしなりの最大限の有効利用をお勧めします。


それにはシャフトの剛性分布とクラブの重心位置(A)の組合せを
あなたにとって最適にすることが是非必要なのです。


そのためには、シャフトの硬度(及び分布)を選び、キックポイントを
確認し、クラブの質量(重さW)を量り、クラブのグリップエンドから
重心位置までの長さ(A)を測り、Msの値を計算して、A−Ms図、A−W図、A−L図を描き、試打の感触の良いクラブのMs/Aの値を基準にして
他のクラブを調整(グリップ質量;ヘッド質量)して、Ms/Aの値を統一する
ことです。

最適なクラブセットでは、上記の三つのグラフの各クラブのデータが
なだらかな曲線上に綺麗に並ぶ筈です。 (本文に詳述)

是非、トライしてみて下さい。
         あなたのゴルフライフをより満喫するために。

    


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