ゴルフィング・メソッド

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2009.3.22改訂
パッティング


要旨

ボールを意図した方向に意図した距離だけ転がすには、

インパクト時のフェイスの方向の維持と距離感を具体的に表現することが望まれます。


その一つの方法として、ボールとフェイス面とのアドレス距離を距離感に合わせて任意に採り
 
バックスイングを極少でストロークする方法
を提案します。





昨今、パターの種類は多種多様になりました。長いものから短いもの、
ヘッドの形と大きさの多様化が目に付きます。
パターはもとより飛距離を出す道具ではありません。どんなに遠くでも精々
30ヤード以下の距離のホールカップを狙ってボールを転がす道具で、
言うまでも無くボールの転がる方向性と転がる距離感が大切です。

とは言えパターといえどもストロークを行うので、クラブのA−Ms図、A−L図、A−W図が一般的にはアイアンラインの延長に位置するのが
適切であると思われます。
パターのスイング感覚も勿論
Ms/Aであることには変わりありませんが、微妙なストローク感覚が特に必要なために、その値はウエッジよりも更に
小さめにした方が良いようです。
(ウエッジ類もフルスイングではなくコントロールショットが主目的の
 クラブであるため、Ms/Aの値は他のアイアンよりも小さめが良い。)

パッティング方法も人それぞれで、そこには心技体の完全調和が要求され
ます。それらは人それぞれの感覚が多種多様であることを証明しています。

入らないのではないかという不安の払拭、意のままにボールをヒットする
技量、そしてその両方を支える身体の状態、それらが完備されていることが必要だとされていますが、それらに加えて道具の特性及びそれを生かした
パッティング方法について一例を挙げておきたいと思います。

その趣旨は心技体に出来るだけ負担を掛けないことです。単純化です。

勿論、どなたにも通用する方法であるとは言えないかも知れませんが、
一つのヒントにはなると思います。



パター

 ストロークはグリップエンドの延長を支点にしてヘッドを振り子運動させます。その時の身体への負荷はやはりクラブの回転モーメントである
スイング負荷Msです。
フルスイングをするクラブではないので、距離感感覚に合った
Ms/A
の値を確認しておくことが是非とも必要です。
私の体験では、通常のアイアンよりもウエッジが若干小さめのMs/A、
パターは更に若干小さめの値の方が良い結果でした。


 ボールをヒッティングする時のヘッドフェイスの方向はボールの打ち出し方向に直角になっている必要があります。そのためにはパターを重心点で水平に保った時(何らパターに力を加えない時に)フェイス面が水平
(重力方向に垂直)になることが望ましいのです。


もしトウ側が上っていたり、または下に垂れ下がっていれば、(フェイス面は水平でない)フェイス面を重力方向に垂直に保つバランスがパター自体に無いのであり、ストローク時にフェイス面を打ち出し方向に直角に保つためには、ボールヒット時のフェイスの傾きの他にパター自体のバランス不良の分だけ余計に負荷調整を技量でカバーする必要が生じ、パッティングに微妙な影響を与えかねないからです。



パッティングのインパクト時でもFgFb・L
1/L2の式が成り立ち
ます。
(クラブ解析その2の項参照)

ストロークする両グリップのトータルの力をFsとすると、次式と考えられ
ます。

 Fs=FFF 

   F;クラブを保持する力=クラブの質量=W (g)
     F;ボールを転がすための原動力(g) 

F(ボールがヘッドに与える力)は小さいので結局、パターの質量W
極力抑える(
Fを大きくしない)ことで、パッティングストロークの感覚はFの値だけに対応すればよく、ボールを転がす距離だけを考えればよいことになります。
一般的パターではヘッドもシャフトもグリップも重いので、先ずヘッドの質量、
次いでシャフトの質量、グリップの質量を軽減することを考えます。
グリップは質量と同時にその太さが重要で、細いとヘッドの感覚が敏感になり、
逆に太いと鈍感になります。


 ノーバックパッティング(NBP)

名の通りバックスイングをしないまたは極少にしたパッティング方法です。

 アドレス・セッティングの一つの方法

@ヘッドをボールの後方に所定の間隔を維持し、フェイスを
 打出し方向に直角にセットする。

A左足爪先をボールの位置に置く。

Bスタンス幅がボールとヘッドの間隔の2倍になるように右足を 開く。

C体重は両足に置き、両肩は水平で、打出し方向に平行とする。

注;
 1)フェイスとボールの間隔をボールとカップの距離に照応
   させ、
上りはその分プラスし、下りはその分マイナス
   とする。ただし、最大間隔は約20cm以下とする。
   (間隔が長すぎると空振りの危険がある)

  2)グリップエンドを支点とする振り子式のフォロースルー
   主体の感覚になるので、グリップエンドが固定され易い
   グリップの位置(身体中央よりもやや左側)を見つける。
 3)ボールの位置は左足爪先を標準とする。 
 ストローク方法;

  
@グリップエンドを支点とする振り子感覚で、両肩でストロークする。
     決して手首を使わない(手首固定)。

  Aバックスイングはゼロか、またはタイミングをとる位の極少とし、
   インパクトを意識しないでヘッドを、滑走路を離陸する機体の

   ように一定の速さで緩やかにストロークする。



 メリット;

    @ボールの方向性が安定する。
      バックスイングがゼロまたは極少なので、フェイス面のブレが
    皆無になる。


    A距離感を物理的に目視でセットできる。
    カップとの距離に照応させて、予めボールとフェイスとのセット
   間隔を任意に決められる。


    Bインパクトの強さ加減の必要が無い(何時も一定)。

実践

  
練習グリーンでの実践

   @ボールとの間隔を約20cmとしてボールの転がり距離を測る。

   Aボールとの間隔を10cmとしてボールの転がり距離を測る。

   Bボールとの間隔を5cmとしてボールの転がり距離を測る。

     Cそれらの転がり距離を基準にしてグリーンの速さを掴む。

   D間隔20cmにバックスイングを5cm加えてストロークして
    距離を測る。
  

  NBPの注意点

パターの振り子運動の支点(右利きでは左手首グリップ位置)の高さとボールの間隔の間には次のような相関関係があります。
グリップの左手首の高さが約78cmの場合のボールとの間隔は、

ヘッドの下辺の左角がボールの真上と右端点の中間(45度)点を
ヒットする場合約20cmであり、それ以上では空振りの危険が
あります。またボールとの間隔が16cm以下の時はフェイス面でボールの右腹をヒットすることになります。
短く握って支点の高さを低くする時はボールとの間隔は短くします。

無理して短いボールとヘッドの間隔で長い距離を打つと、二度打ち
の危険があり要注意です。

自分のパターでグリップ手首の高さとボールとヘッドの間隔を種々
変えて、フェイスがボールのどの部分に当たるかを実際に確認して
見てください。その結果により、ボールの位置を調整してください。

  NBPのポイント

   NBPは、最初は違和感がありますが、数日の練習で十分実戦で
  利用できるようになります。

@手首・肘を使わない(両腕の固定)ストローク。

Aフォローの強さを一定にするストローク。

    Bラインの上り、下りでボール間隔を微調整する。

Cバックスイングを加味する。
        グリーン面の傾斜や芝目の影響でアドレス・セット後、カップ
     まで
届かないと不安を感じた時は、約5cmのバック
     スイングを加える。

    Dグース度によりヘッドと左足の位置を微調整し、グリップの
     位置を
固定する。ただし、左足爪先はボールの左側に先行
     (
ボールがスタンスの中に入る)のは避けること。
         



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