大和魂にちょっとホロり、の巻

 そして親父のいうとおりの道を通ったつもりがどこかの学校の門についてしまって、そこからは行き止まりになってる。うそ〜。当然、Uターンせねばならないシチュエーション。いつも乗っているスポだし、スポにのってからは一度も立ちゴケをしていないおれも、慎重に、左回りで。Uターンをおっかなびっくり決めた。

 で、無事Uターンにも成功し、ダイヤモンドヘッドをぬけ、ハナウマ・ベイへ。ここまでくると交通量もぐっと少なくなり、きれいな太平洋がきらきらと輝いて視界に飛び込んでくる。うわぁ〜といちおう、感慨に浸るも、おれの心の中では別の感想が湧き上がっていた。それは「夏の積丹と、そう変わらないな」ということである。もちろんここはハワイ。「ラーメン」とか、「民宿」とか、まして「休憩3800円」なんて看板はないが、それにしても、北海道の夏の海は、そう捨てたモンじゃないな、と一人、悦に入った。しかし、海とは逆サイドのほうは、層雲峡の切り立ったがけのような岩が延々と続いていて、なかなか迫力がある。途中、景観のいいところに駐車場があったが、意外と路面が砂まみれでスリッピーそうだったため、そのまま通過しちゃった。 

この頃にはすっかりおれも右側通行に慣れた気分で、思いっきりガニ股で、ハーレー・ダビッドソン・スポーツスターをころがしていたわけだ。
 しかし、ここでまた、問題が。「あ、やばい」と思うまもなく、道を間違えてしまった俺は、しょうがないから左折して、そのあとUターンをし、オアフ島をさらに北上すべくルートを取ったのだが、しょぼいことに、ぜんぜん反対の、島の西側へのハイウェイH2にのっかってしまったのだった。ここからは日本のように途中下車するインターもなく、ひたすらパールハーバーまで、ノンストップを余儀なくされる。しょうがないので大声を出して自分を励ましながら運転。しかし、廃材をつんだ12トンほどのトラックなんかにガンガンあおられながら、約一時間、恐怖のライディングをしたわけだ。
 
 やっとこさパールシティーに着くも、まだ北へ向かう意欲は捨てていなかった俺は、近くのショッピングセンターで馬鹿話をしている好々爺と、デブの黒人に話しかけてみたわけだ。もう、このころになるとおれも、現地人に長島イングリッシュで聞くことにヘジテイトしなくなっていたのさ。
で、こいつらに聴くと黒人のほうが「へっ、おまえ、ぜんぜん方角違うぜ」といって馬鹿にしたように笑った。「てめえ、日本に来てバイクってみろよ、ヴォケ!」と思いつつ、ここは人生経験も豊かなじじいの方に甘い期待を寄せた。しかし、いい加減な地図から読み解く以上の情報は得ることが出来ず、熱だれ気味のエンジンを再始動させて、とりあえずは、パールハーバーの、戦艦アリゾナが沈んでいる記念館に行くことに。

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上)魚雷、です。ブキミだった、、、。

右〕)
とっても向こうに
アリゾナが沈んでいる