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旧東海道餐歩記−6
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2004.12.25(土) 二宮駅入口〜(箱根湯本)三枚橋
お馴染み四人で今日も行く 箱根の東の最後旅

 前回の帰途同様、多摩センター・橋本・茅ヶ崎経由で二宮駅に9:04到着。途中茅ヶ崎で乗換時に清水氏とホームで出会う。二宮駅では村谷・滝澤両氏が先着済で、今年最後の旧東海道歩きに挑戦したのは前回同様の顔ぶれ4人。シリーズ物なのでどうしてもメンバーが固定化してくる感じだ。もう1人の田幸氏は風邪のため欠席とのことである。

 今日も予報以上に快晴で、日本橋から70キロの二宮駅から出発する。
 「旧東海道の名残」という標識から旧道に入ると、梅沢橋親柱に続き「等覚寺(藤巻寺)」。三代将軍家光公が上洛時に見たという立派な藤棚の下で仲間3人をパチリ。もうここは71キロ地点だ。一号線に戻って18番目の梅沢一里塚から再び旧道に入り、民家の庭先に建つ松屋本陣跡の名残を偲ぶ。歩いている間に暑くなってきて、いつもなら時速6キロペースで入るのだが、きょうは5キロペースぐらいでの入りだ。

 再び一号線に出て、中村川にかかる押切橋から下を見ると、鯉が沢山泳いでいる。急いでザックからラスクを取り出し投げ入れてやると、“ラッキー”と思ったかどうか、大勢の鯉が集まってきてパクつく。このあたりから富士山が見えるらしいが、雲に隠れてまだ姿はない。年末ともなったせいか、我々のような東海道歩きの人影も見あたらない。

 9:56、「ここから小田原市」となるが、暫くは以東の二宮町の標識と随分交錯している。浅間神社入口を通りすぎ、坂を下ると一気に眺望が開け、車坂。大山道の庚申塔にさしかかると正面方向にもっこりとした二子山が見えてくる。やがて左右がにぎやかになり、旧M社の営業店前を過ぎ、国府津駅前を10:28に通過。親鸞聖人旧蹟のある真楽寺や菅原神社等の史跡もあり、東海道の趣たっぷりである。

 大きな松、芸術的な松など、往時の松並木がところどころ姿を留める道を進んでいくと、日蓮上人一泊の霊跡「法船寺」。境内に建つ五重塔前でも記念撮影し、さらに進むと正月恒例の東京箱根間大学駅伝の実況中継でよく聞く酒匂川だ。橋の上からくっきりと富士山が雪を頂いた峰を見せている。時に11:20。その先にあるらしい、小田原城主が二宮金次郎を表彰したという地の標章を探すが見あたらない。

 そろそろお昼の食事処も・・・と物色していたら、山王橋左折地点でラーメン屋を見付け、11:47入店し生ビールで乾杯、全員ラーメン・餃子のライスつきを注文。小生はライスには手を付けない。30分のランチタイムで再出発し、山王一里塚跡、江戸口見附跡や小田原城址への入口を見ながら進むと、流石に小田原市内では、蒲鉾屋が軒を連ねている。

 さらに旧脇本陣であった古清水屋旅館前で記念撮影。ここは今も旅館としてやっているところで、江戸時代の風情たっぷりの建物の中で泊まれる筈だが、きょうは残念、この時間から泊まる訳にはいかない。当時は間口18間、屋敷410坪という規模だった由で、明治天皇もご宿泊されたらしいが、記念写真だけにとどめて先へ進むと、「小田原宿なりわい交流館」。ここで10分間、お茶のサービスを受けたりトイレを借りたりして小休憩。さらに進むと昔の旅人が立ち寄ったであろう有名な「ちん里う」が、当時のたたずまいさながらの風情で建っているのに出逢い驚く。

 JR東海道線を越えた先、新幹線の手前に枯れた大銀杏の古木が聳えていて、思わずカメラにおさめる。そこから旧道に入り坂を登っていくと左側の山に箱根ターンパイクが見えてくる。また、左下の早川の流れに沿って一号線に戻り、再び旧道に入る地点で日蓮上人の霊跡があった。時に1時半。鎌倉から上人が身延山に赴く途中ここを通り、両親を偲んで回向した地とのことである。

 風祭一里塚が21番目。同駅、入生田駅を過ぎて一号線に合流したり離れたりしながら「鈴廣」の先、湯本歩道橋、三枚橋を過ぎて無事に箱根湯本駅に到着。本来の旧東海道は、この三枚橋を渡って対岸へ行くのだが、きょうはここまで。

 温泉の割引券をゲットして、山歩時にお馴染みの「かっぱ天国」に到着。徒歩所要時間は30分の昼食を含めて5時間だった。例によって温泉で汗を流し、ビールと焼酎で打ち上げ、新年のカレンダーなどのサービスを受けて箱根湯本駅に帰着し、土産などをそれぞれ買い求めて帰途についた。来年は、既に3月に「箱根東坂」を歩いているため、元箱根スタートで、三島方面への「箱根西坂」からスタートすることを誓い合って、今年の旧東海道歩きの締めくくりとした。

追記・・・「箱根の東の最後旅」とタイトル書きしたが、これは以前に山歩会で箱根東坂を歩いていたために、今回の続きとなる同区間の歩きは省略しょうという仲間の多数意見だったためだが、厳密に言えば、その以前の歩きは部分的にルートを外れて自然探勝遊歩道を経由していたことに鑑み、忠実に旧東海道を徒歩で三条大橋まで繋ぎたいという小生の「こだわり」から、2005年03月16日に忠実なる「箱根東坂」歩きを単独実施した。