遥かなるエアーズロック
これはオーストラリア:エアーズロックまでを先輩と二人で内陸にある都市アリススプリングスから自転車で旅した日記です。

2/23

 7:00駒沢集合に少し遅れる。箱崎からシャトルバスに乗ったが、時間がぎりぎりだったらしい。先輩ごめんなさい。

空港で、ガスが危険物として没収される。
ピーンチ、ガスがなかったらメシが食えん、捜さなければ。カンザス航空11:00発ケアンズ行に乗る。先輩はずっと寝ていた。私もほとんど寝ていたが非常に退屈だった。19:05ケアンズ着。缶詰持ち込み禁止でまた没収される。

その日は居心地の良さから空港で寝ることに。3:00ごろ起きたがひたすら5:00まで退屈。大雨が降っていた。6:10アリススプリングス行のチャーター機みたいな小型機の国内線で8:30アリススプリングス着。


昼:機内食、夜:軽食 翌朝:機内食


2/24

 非常に日差しが痛い。昼が42℃、夜は17℃。42℃もすごいが気温差が25℃というのもすごい。すぐにだらけた。

 バックパッカー向けのメランカという2人で30ドルの牢屋みたいなホテルにチェックイン。
毛布すらない。自転車を捜しにいく。親切なお姉さんに教わり、ようやく発見。これまた親切なお姉さんのおかげもあり280ドルくらいで非常にいい自転車をゲット。

 昼はピッコロスパゲッティ、うまい。食料調達し準備
OK。夜はケンタッキーに。肉はうまいが、どろどろのポテトにベジタブルソースのかかったようなやつが非常にまずい。オーストラリア人は味覚があるのかな?と余計なお世話だけど。夜は寒かった。長袖長ズボンをはき、寝袋にくるまって寝た。日が20:00くらいまで落ちない。日が落ちないから暑いんだけど、19:00か19:30には大抵の店が閉まり町は静かになってしまった。う〜ん不思議。だいたい8:00から20:00は35℃以上。しゃれにならん。
 
昼:ピッコロスパ 夜:ケンタッキー


2/25 走行距離60km アリススプリングス〜休憩所

 いよいよ出発。8:00スタート、15キロくらいまでは順調。しかし蝿がすごい。蝿とこの半端ではない熱さが今回の一番の敵になるだろうと思った。すぐにバテる。おそらく熱射病と思われる状態に陥る。本当につらい。正直あきらめようと思った。

 昼、同じような自転車旅行者のプロ、待井さんと出会う。自転車旅行ベテランの彼にいろいろ聞くことができた。その後、午後5:00までがんばるも、もう行けないと思った。そこに、ある夫婦が助けてくれ、冷たい水とオレンジジュースをくれた。最高!この味は一生忘れられない。ありがとう。少し力が出てくる。

 午後6:00すぎ、涼しくなりだしてようやく休憩所につく。むりやりご飯と味噌汁を飲む。きつい。夜は非常に涼しいので顔を冷やすために外で寝た。夜は蝿もでない。最高の夜空、
南十字星もきれいに見える。結構、無計画な旅にチャレンジしていることを反省した。
 
朝:サンドウィッチ油っこい 昼:軽食カロリーメイト 夕飯:味噌汁

参考になった待井さん 初めての日本人なんとダーウィンから来た。


2/26 走行距離90km アリススプリングス〜スチュワートウェル

 なんと起きたら自転車がパンクしているではないか。修理道具でも効果がない。一緒の休憩所で休んでいたスーザンに頼み込んで、自分だけアリススプリングスに戻る。先輩と打ち合わせし2日くらいは30キロ先のスチュワートウェルで待っているという約束で別れた。

 自転車を修理し、昼動くのは不可能だと思い、メランカで寝ようと思ったのだが、熱すぎて眠れない。とにかく体を休め、一緒の部屋にいた高木君(英語しゃべれないのに1人で旅していた。友達と来るはずがみんなおじけづいたらしい。)と買い物とかしたあと、別れを言って、19:30再び旅に出る。

 なんとか今日中に追いつくつもり。しかし真っ暗で何も見えず、懐中電灯のわずかな明かりだけでひたすら走る。もうだめだという
絶望感と孤独感で気が狂いそうだった。何台か車を止めて乗せてもらおうとしたが、自転車があるので無理と断られた。本当につらかった。ずっと南十字星を見ながら走ったけど、東の空から南の空に消えそうになるまで一人で走りつづけた。

 9時間かけて、朝4:00ついにスチュワートウェル到着。
ほんとおぅぅぅーーーにきつかった。でも着かないことには砂漠の真中に、1人“ぽつん”といるという現実から逃げられない状況だった。やめたくてもやめられない状況だった。よくがんばったと思う。泣きそうでした。

昼:カルボナーラ 夕:ピッコロスパ


2/27 スチュワートウェル〜アールデュンダ 約10km(ヒッチハイク100km)

 予定より2日遅れのため予定変更。しかし、今日は昨日の無理がたたってか、体調不良のうえ、バテ気味。飯ものどを通らず。昨日のオレンジジュースおじさんに会う。ティルマンという人。彼はスチュワートウェルの隣の店を経営している人だった。世界108カ国を回ったことがあるなど、かなりの達人。

 そのあと、疲れをとるためにプールにつかる。外は40℃。最高!気持ちいい。その後寝ようと思ったが熱くて眠れず、予定に追いつくには、今日107キロ走らなければならなくなった。(この時点では最後まで行けないかもと思った。)

 疲れのとれないまま18:00スタート。無理して10キロくらい進む。そこでやっとヒッチハイクした車が止まる。ついに乗せてくれることになった。やった。これでエアーズロックまで行ける希望が出てきた。乗せてくれたマトゥンはドイツ人のきままな一人旅。かなり無理言って乗せてもらった。私は荷台だったが、先輩は助手席でずっと話していたらしい。いい人だった。マトゥンは乗りのいい兄ちゃんて感じ。今回の旅の中で究極の助っ人の1人だった。もう少し南まで旅をするそうだ。

 アールデュンダに21:00くらいに着き、彼も同じキャンプ場に泊まる。でも朝早くに出るそうだ。おかげで今夜は精神的にも肉体的にも余裕を持って眠れそうだ。しかし、
この旅は何がおこるかわからない

朝:ソーセージパイ、ホットドック 昼:チーズバーガー


2/28 走行距離57km アールデュンダ〜Mt、エバンザー

 朝起きるとマトゥンは消えていた。「see you heaven,next」が彼の最後の言葉だった。ああ、もう2度と会えないんだなあーと実感した。出会いを大切にしようと考えた。一期一会だね。

 朝おかゆを食った。うまい。昼はハムパスタサラダ、うまい、夜はチーズエッグサラダ、チーズがでかくて食えん。久しぶりのまともな食事。とりあえずシャワーを
5回くらい浴びながら夕方までだらけていた。

 夕方
600スタート。最初はずうっと緩やかな上り坂。あと244キロ。精神的にもずいぶん楽になった。今日は体の調子も良さそうだ。今日は目的地まで57キロしかないし、いい感じ。先輩と2人で走ってるから初めて楽しいと感じた。途中、動物の鳴き声が暗闇の中にして二人でびびったが、逃げるように通過した。

 後半は平らな道と、なだらかな下り。ラッキー、今日は楽々。途中心配してくれたキャンプカーが止まってくれた(今日は
5台くらいしか車が通らなかった。)。問題はなかったが、心遣いに感謝。いい人たちが多い。今回時間がなくて見ることのできなかったレインボーヴァレーやキングスキャニオンをまたいつか見に来たい。22:10到着。57キロ4時間最短記録。明日は100キロ。とりあえず寝よう、おやすみ。

朝:おかゆ、カロリーメイト、ソーセージ 昼:ハムパスサラダ 夕:エッグパスタチーズサラダ


3/1 走行距離104km Mt.エバンザー〜カートゥンスプリング

 荷物を運んでいて軽いねんざした。バカだなおれ。シップを貼ってなんとか処置。痛いがここは我慢。昼はドイツ人ライダーのトムさんといろいろ話をした。彼女と一緒にダートコースとかも走っているそうだ。

 夕方6:00ごろいよいよスタート。今日は長丁場。放牧している牛(足が速い)たちがいっぱいいた。真っ暗になって横に並んで走る。車もほとんど来ない。今日はゆっくり走った。星は相変わらずきれい。
50キロ地点で少し休憩。先輩と価値観や人生、将来のこととかをいっぱい話した。
時間はたっぷりあった。しかし約70キロ地点で看板と見間違えてライトをつけてみる(替えの電池があまりなかったので、真っ暗な中を走っていた。)と、なんと!らくだに周りを囲まれていた。恐怖のあまり鳥肌がたって、とにかく急いで逃げた。怖くて休めなくなった。途中少し食事のため休みをとって、そこからほぼ休憩なしで走行。さすがに100キロは長くてきつい。ようやく3:45到着。よくやった、ぐっすり寝た。

朝:パスティー 昼:まぜご飯、味噌汁 夕:カンガルーパイ


3/2 走行距離57km カートゥンスプリング〜無人休憩所

 今日は1日半ここに待機する予定だったが、何もなく退屈であまり人と身近に接することが出来ない場所なので出発することにした。いつも通りのだらだらした昼。

 夕方いよいよ出発。体が重いうえに上り坂が続く、きつい。昨日のようにのんびりと話も出来ない。でも今日乗り切ればあと
30キロだ、がんばれ。ももに相当の疲れがきていたが23:15(1830出発)到着、よかった無事着けた。明日は朝早くに出発する。1日目のようになにもない休憩所。先客がいたがあまりのつかれに何も気にしないで寝た。ついにここまで来た。
あと少しだ

朝:ソーセージ、カロリーメイト 昼:ご飯、味噌汁 夕:卵のサンドウィッチ