遥かなるエアーズロック(続き)

3/3 走行距離39km 休憩所〜エアーズロックリゾート、ウルル国立公園入り口往復

 7:00起床。午前中いっぱいにリゾートまでつく予定。朝おかゆを食べて出発。さすがに昼の日の光はきつい。しかし残り29キロ地点ついにエアーズロックが見え出す。もう少しだ。がんばれ。昼までかかってようやくエアーズロックリゾートに到着!

 エアーズロックは明日行くことにして、今日はヘリコプターでのエアーズロック見下ろしツアーとアボリジニの文化ツアーの申し込みに行った。国立公園入園証を買った。(ツアー65ドル、ヘリ65ドル、入園証15ドル、キャンプ4日40ドル)一気に金がなくなった。残り40ドル、お土産も買えん。今日は飯を食って寝るだけでしょう。リゾートはすべて周った。いろいろなおみやげがあったけど、小さい町だった。

朝:おかゆ 昼:パン 夕:混ぜご飯、味噌汁、カップラーメン


3/4 走行距離30km エアーズロック一周、往復30キロ

 朝4:30起床、自転車を飛ばして20キロ先のサンライズビューイングエリアまでかなりきつかったがなんとか1時間で着いて、朝日に映えるエアーズロックを見ることが出来た。感動!

 ぐるっと一周して登山口へ。いよいよエアーズロックを登る。日本人ばかりだ(4分の3くらい)しかしこのエアーズロックの急な傾斜の登りはしゃれにならん。毎年、何百人も落ちて死んだ人がいるそうだ。真中に鎖で一本、命綱があるだけ。足がくたくたでただでさえきついのに高くてこわい。しがみつきながら登った。40度から60度くらいはあると思われる急な坂。(実際はどれくらいかわからない)本当にしゃれにならん。きつい。足が疲れと登りの影響でがくがくする。

 ようやく3分の1くらいの平らなところで休憩。息切れ、はあはあ、大変だ、まだ半分も来てないようだ。水を飲みながら少しずつ登っていく。最後のボス、エアーズロックは強い。上のほうはわりとアップダウンが激しいだけで、急ではなかった。おばさんなんかはここらで苦戦していた。ここまできたんだからあとは根性で登るのみ!気持ちを切り替えたら元気になった。1歩1歩進む。捻挫も痛い。久しぶりの靴もなかなかしっくりこない。だんだん暑くなってくる。


 途中、がけを降りられないおばさんを3人くらい助けたあと、頂上が見える。よし。ここまでくると足取りも軽い。約1時間半かけてようやくついた。やった〜〜〜〜〜〜〜〜!ついに今回のサバイバルの最終目的地に到着。つらかった。

 富士登山のときは探検、協力。ホノルルマラソンは経験、孤独って感じで、今回はずばり試練て感じだった。肉体的にもくたくただし、精神的にもつらいことが多かった。とにかく無事にここまでくることが出来た。先輩ありがとう。自分もよくがんばった。この暑さの中逃げ出さなかった自分を誉めたい。きっとまた1歩負けず嫌いになっただろう。考える力もわかないのでよくわからなかったが、充実感だけはあった。達成感と同時にやっぱ旅のこととかいろいろ思い出した。もう一度やるか?と聞かれたらあまりにもつらいので「NO」と答えるだろう。しかし今回ここまで来れたことは、
大きな人生の収穫になったと思っている。今の自分の中にある充実感が少しおさまって、日本に帰り、現実に戻った時、つらくても今までよりもう1歩がんばれると思う。逃げ出さないと思う。今はあまりのつかれにとにかく寝たい。あまりのつらさに精神的に参って、何度もあたってしまってごめんなさい先輩。とにかく達成!やりましたね。

 日本人たちが大勢去った後、ゆっくりと写真を撮って充実感を味わいながら360度見える地平線を見回す。
遠くにぼやけるオルガはいかにも神秘的だ。陸でも地球は丸かった。ここはまるで広い高原のようなところで家や車が小さく見える。別世界気分。まるで山の頂上そのもの。これが一枚岩なんていうのがまた不思議なものだ。多少日本人が多くて異国の感じが少なかったけど、十分に満足できた。
 このエアーズロックの上から見たオルガや360度地平線は富士の上から見た景色と同じように一生忘れないだろう。天上人の気分です。




 約10:00から降り始める。あいかわらずきつい。下りのせいで膝が笑い出す。すべったら一気に下までまっさかさま。慎重にくだる。おれってあいかわらず高いところだめだなあ。途中同じように高いところの苦手な松沢君と知り合ってゆっくり降りてきた。この山は8:00に登山禁止となるので、すでにロープがはられていて入れなくなっていた。我々も最後のほうだったようだ。

 地面に降り立った時はもう腿がパンパン、膝ががくがく、足も動かない。とりあえず無事に降りることが出来た。この岩は生半可な気持ちでは登れない。何人もの人が途中や最初であまりの急な傾斜を見て、断念していた。
せっかく来たのに登れなかったらがっかりだ。だから旅行会社や雑誌などでは、この傾斜のことをしっかり教えなければいけないと思う、まあ余計なお世話だけどね。

 またゆっくりと思い出したとき、苦労したことや、がんばったことを見つめ直したい。今は終わったことの安心感と充実感でいっぱいです。

 夕方まではのんびりと過ごし、いざ夕日を見に行こうかとおもったら曇っているではないか。バイクで旅をしている松沢君の話だと、リゾートでは雨が降ったそうだ。雨が降ったエアーズロックは大変貴重らしいが残念ながらエアーズロックに雨は降らなかった。結局1時間待ったが夕日は見れなかった。その後、先輩の自転車は再びパンクした。懸命にもどろうとすると、横殴りの雨が降ってきた、しかも強烈、スコールって感じ。時間はかかったが何とか帰ることができた。雨もやんだ。寝た。

朝:カロリーメイト 昼:チップサラダ(フライドポテトのこと) 夕:パン、コーンビーフ


3/5

 午前中は疲れで寝た。午後からアボリジニー文化ツアーに参加した。予定通り昨日の大半を費やしたカルチャーセンターに行き、今度はアボリジニの人のガイドと女性の人のガイドで絵の解説を聞きながら回った。わかるかぎりだと、女性はコンヤという蛇に例えられ東からやってきて、男性はパコパコという蛇に例えられ、ブーメランや槍、盾などで、狩をしながら西から現れてお互いウルルで出会い、人間が生まれたと言われているらしい。そのあと、ウルルの壁画やアボリジニの食事などの説明を聞いた。

 最後にサンセットを見ようと立ち寄ったが今日も曇っていて見ることが出来なかった。ツアーの外人の子供と仲良くなった。子供は世界共通似た感じ。私達のツアーは外人ばかりだったが、途中出会うツアーは日本人通訳付の日本人ツアーばかりだった。アリススプリングスには日本人は全然いなかったが、ここはハワイと一緒で日本人が多いです。

朝兼昼:ホットドッグ 夕:混ぜご飯、ラーメン、りんご


3/6 サンセットポイントまで往復 30km

 とりあえず午前中はゆっくり過ごし、昼飯を先輩と待ち合わせして、軽くすませ、クーラーの効いているビジターセンターでVIPツアーの日本語説明を聞きながらのんびり過ごした。今日はたいへんに涼しい。

 5日くらい前から風が強くなりだして天気があまりよくない。とりあえず最後のイベントのヘリコプターに乗った。低空のまま飛び立ち一気に上る。おもしろい。あまりの音のためヘッドホンをつけ、無線で日本語の説明を聞いた。四人一緒で1台に乗り込んだ。
 
 私達はウルルだけを周る一番安いツアーを頼んだのだが、運がよく乗り合わせた人が申し込んだのか、カタジュタまで周った。今回見れないと思っていたカタジュタを見れたのは良かった。松沢君の行きたがっていた風の谷を捜したがどれかわからない。なんか秘宝が眠っているような
まさに聖地って感じの不思議なところだった。インドなんかにありそうな感じ。36の岩が並んでいるらしいがよくわからない。昔はこれも一枚岩だったらしい。エアーズロックよりでかかったとか…。エアーズロックは縦の線がたくさん見えた。地上から見るのとはまったく違った。見下してやったって感じで面白かった。



 帰った後今日も夕日を見るために、速攻で自転車に乗りサンセットポイントへ向かった。まだ曇っている。ヘリコプターの終わった時間から30分で日の入りになってしまう。きびしい。足もすぐにばてた。ところが19:05〜19:10のわずか5分だけ雲がとぎれ、真っ赤なエアーズロックが現れた。サンセットポイントまでは行けなかったが、途中自転車に乗りながら見ることができた。これでこの旅を完成することができる。真っ赤なサンセットポイントに7:30ごろようやく着いて、余韻に浸った。帰りの道のりも長かった。おつかれ。

朝:りんご 昼:パン 夕:チップス、サラダ、夜:サラダ、りんご

 アボリジニーの人々は砂漠の生活のため火と砂に残された足跡が重要なようだ。火は食事や煙、暗い所のサインなどに使われる。足跡は砂漠の大事な情報源のようだ。それで、動物の動きなどを読む。また壁画なども人、ワラビー、エミュー、犬などは足跡で書いている。うーん砂漠ならでは。そして蛇は毒をもっているものの、聖なる生き物らしい。


3/7 3/8 空港まで10km

 今日は10:00までに支度をすまし、空港まで自転車で行った。そして、10ドルで自転車を運ぶダンボールを購入でき、自転車を持って帰ることができた。やったー。エアーズロックに別れを告げ、シドニーへ。シドニーでご飯を食べた。今回散々食べたパイとチップス。日本ではパイといったらアップルパイばかりだが、こっちはミートパイ、カンガルーパイ、ステーキパイ、いろんな種類のパイばっか。さすがに飽きた。日本食が恋しい。今シドニーで成田行きの3時間待ち、早く帰りたい気持ちにかられる。バイバイオーストラリア

朝:りんご 昼:機内食 夕:チップス、ステーキパイ 夜:機内食


総走行距離487km

助っ人ベスト3

1、マトゥン 2人と2台を運んでくれたいい兄ちゃん

2、ティルマン 命の水オレンジジュースをもらいいろいろお世話になった。さらにジムの家ではこれからの行程の情報を教えてくれた。奥さんにも感謝。世界的な自転車旅行家(108カ国3,3000km)サンタクロースみたいなひげのおじさん

3、スーザン 偶然だれもいないキャンプ場で隣りに休んでいて、次の日突然壊れた自転車を運んでくれたやさしいおねえさん。女の一人旅中、ドイツ人、車を買って旅をしている。すごい。ここで助けてもらえなかったら旅はすぐ終わっていたかもしれない。

今回の旅必需品ベスト3

1、水 命の源、普通10リットルくらい持つらしい(車なら)我々は6リットル

2、蝿よけ帽子 予想外の敵、蝿を寄せ付けない網のついた帽子。これがなかった1日目はきつかった。

3、懐中電灯アンド電池 あまりの暑さに夜走ることになったので必需品に。しかしあまり使わないと思って替えの電池が少ししかなかった。