大河ドラマ「新選組!」のツボ

 

スペシャル(総集編)  

大河ドラマ総集編・・・といえば、普通は一年間の放送の単なるダイジェストなのですが、今年は“総集編”ではなく“スペシャル”だそうで。
脚本三谷幸喜氏がそのために新たにシーンを書いて撮影し、一年間の放送を“スペシャル”という一つの作品として楽しめるように編集し、池田屋事件の時のように各隊士バージョンのCMまで作って流し・・・とくれば、嫌でも期待は高まる訳で。
さらに出演者の座談会付きとなれば、見る方も気合いが入ろうというもの。
本編同様、録画設定も怠りなく、年の暮れだというのに夕方からテレビの前にしっかり座って、トータル3時間45分。良かった〜。面白かった〜。そして泣いた〜〜。

一つの作品として編集してあるから、すごくまとまりが良くて無理がないし、本編が近藤一派9人の群像劇だったのに対して、スペシャルは近藤勇の話として近藤を中心にしっかり据えてある分、流れが自然でとてもわかりやすかったですね。
第一部はとにかく懐かしくて、みんな若くて、もう何年も前の放送のような気がしてしまいました。
農民として生まれた近藤や土方の鬱屈した心情が、やっぱり胸にきます。義母であるふでさんが初めて勇に心を許し、京へ上る勇にエールを送ってくれるところでは、思わずうるうるしてしまいました。
第二部はすごく勢いがあって、近藤たちが芹沢鴨に翻弄され、対立し、そして乗り越えていくという流れが、話としてとてもよくまとまっているなぁと思いました。かっちゃんをなんとしてでもトップにするんだ!という、土方さんの必死さがいじらしくて良いですよねぇ。W副長が新見を陥れるところもカットにならなかったし、嬉しかった。
第三部は半年分の放送を1時間強にまとめているので、ちょっとめまぐるしかったかなぁ。2時間か、せめて1時間半は欲しかったところ。でもよくこの時間にまとめ上げましたよね。特に、池田屋事件をオープニング前に突っ込んでしまったのには、感動〜。だって普通の新選組ドラマだったら、どんなに余裕が無くても、ある程度の時間は割きますよ、池田屋に。それをここまでコンパクトにしてしまうなんて、三谷さんがこの大河で新選組の何を描きたかったのかがわかるような気がしました。本編では一つ一つ丁寧に描かれていた、仲間たちの死はほとんど端折り、急展開する時代に翻弄される新選組という感じで、気がついたら近藤さん斬首されてました。(苦笑) あ〜、やっぱりあと30分欲しかったかなぁ。
座談会は、雑誌などで読んでいた、役者さんたちの仲の良さが見られて、楽しかったです。衣装着けてないのに、どこかドラマのまんまなのが可笑しくて・・・。もっと見たかったなぁ。もしかしてこのスペシャルの放送は、DVDを買わせようとするNHKの策略ですか? 完全版第弐集とともに、スペシャルのDVDもしっかり予約してしまいましたよ。(苦笑)

それにしても、本当に終わってしまったんですねぇ。寂しい・・・。(涙)
改めて、三谷さん&出演者の皆さん&スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、素敵な新選組をありがとう。
また続編でお会いできるのを、楽しみにしています。←いつ続編が決まったんだ?(笑)

 

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