第42回 龍馬暗殺
“新選組が屯所としていた西本願寺。寺の中で盛大に訓練を行い、大砲まで放つ新選組に、困り果 てていた。” 伊東参謀・土方・島田と、お坊さんとの打ち合わせシーンを思い出しますねぇ。あの時、やっちゃえ!やっちゃえ!だった土方&島田と、慄いていたお坊様たち、呆れていた伊東参謀。(苦笑) あれから2年半の月日が経ちまして・・・。 西本願寺侍臣西村兼文さんから、要は出て行ってくれと言われる近藤・土方。 「私としては、おってもろうても構わんのですが、坊さんらが・・・。やはり、寺の敷地でこれ(切腹)や これ(斬首)はちょっと・・・。」 さすがの西村さんも、口には出さず身振り手振りで伝えます。(苦笑) 「お気持ちはわかりますが・・・。」 困惑する近藤さん。 「急に出て行けと言われてもなぁ。」 文句をつける土方さん。しかし、 「ここからちょっと南に下がったとこに、不動堂という村があります。そこに新たに屯所をお造りします ので、そちらに移ってはもらえないかと思いましてね。もちろん、お金はこっちで出します。」 と西村さんから提案されると、 「わかりました。引っ越しましょう。」 あっさり了解する土方さん。近藤さんが呆れて見てますよ。(笑) 近藤さんはきっと、費用を負担させるなんて申し訳ないと思っているのでしょうが、出て行けと言うからには寺側が移転先を用意して当り前・・・と、ビジネスライクに考えている土方さんが素敵です。 「ええ頃合いとちゃいますか。あんさん方も晴れて御直参。いつまでも寺を間借りしていては格好が 付かんでしょう。」 にっこり微笑む西村さん。これであなたも、厄介な交渉役から開放されますね。 ・・・と見ていたら。 突然のクラクションと車の行き交う街の映像にビックリ〜〜!!(@o@) えっ?CM?とか訳わかんないこと考えちゃった。 不動堂村屯所があった、現在の京都市下京区堀川通の様子です。現代の映像を差し込むのはよくある手法ですが、このドラマでは初めてですよね。 “しかし、近藤たちがそこで暮らしたのは、わずか半年。” ナレーションが胸に突き刺さります。もう、先が無いのだなぁ。(涙) 慶応3年(1867年)10月14日、徳川慶喜は大政奉還を行い、政権を天皇に返上しました。倒幕を謀る薩長に対して先手を打ち、自ら徳川幕府をなくしてしまったのです。 会津藩本陣金戒光明寺にて、容保公から佐々木只三郎・近藤・土方へ、大政奉還の件が伝えられます。突然徳川幕府がなくなったと聞かされて、混乱する3人。っていうか、容保公もよくわかっていらっしゃらないご様子だし。(苦笑) 「徳川幕府は、これからどうなるのですか。」 容保公が将軍慶喜に尋ねたところ、 「今頃、朝廷も政権を渡されて立ち往生しているはずだ。今に必ず泣きついてくる。」 と、慶喜公はとっても強気なお答え。 「泣きついてこなければ、どうするのですか。」 「心配はいらん。必ず、そうなる。」 「しかしその時、幕府はもう無いのです。」 「幕府など、もう要らん。」 うぅ〜ん、確かにこれじゃぁ、容保公にも訳わからんよなぁ。 なんといっても相手は一筋縄ではいかない薩摩だし、岩倉卿なんて胡散臭いのもいるし、とっても強気な慶喜公が不安です。 「薩長が王政復古を盾に取る前に、なんとしてでも、政権返上だけはお取り消しいただかねばなるま い。」 容保様の苦悩、お察し致します。m(_ _)m 左之助が“お多福”の前を箒で掃いています。なんて優しい旦那さんなのかしら〜と思ったら、おまさちゃん、身重の体でいらっしゃいましたか。お汁粉の鍋を焦がしたと、おまさちゃんに叱られる左之助。しっかり尻に敷かれてます。(笑) 斎藤さんからもらったお祝いのこけし(?)が、柱にちゃんと飾られているのを発見!しかも、赤フンつけて。(爆) 島田「王政復古って、何なんだい?」 永倉「俺に聞くな。」 島田「何がどうなっちまったんだよ。新選組は、どうなるんだい?」 原田「大丈夫、心配ねぇ。何も変わりゃしねぇよ。」 島田「だけど徳川幕府は無くなっちまったんだろ。」 原田「無くならねぇよ。」 島田「だけど、無くなっちまったって言ってたよ、みんな。」 原田「無くならねぇつってんだろ。」 庶民はみんな、こうだったんでしょうねぇ。 「ご公儀のために新選組は頑張ってきたんでしょう? そのご公儀がのうなったら、これからどうする んですか。」 おまさちゃんの疑問に答えてあげられない永倉は、 「昔はこういう時に、解説してくれる人が必ずいたんだがなあ。」 とつぶやきます。 新見さん、山南さん、伊東さん・・・・。みんな、いなくなってしまいましたねぇ。(淋) 容保公が下がられた後、こちらも大政奉還について話す、佐々木様・近藤・土方の3人。 「気になるのは、今後我らの手当が、どうなるかってことだ。」 さすが土方さん、現実的です。地に足が着いてます。 「幕府が無くなっても月々の手当はきちんと出るはず・・・と思うが。」 こればっかりは佐々木様にもわからないらしい。 「気にするところが違うだろ。」 近藤さんは突っ込みを入れますが、これには突っ込み返したくなったなぁ。 給金をはじめ、隊士の一切を管理している土方の立場からすれば、今後幕府からの手当てがどうなるかは新選組の死活問題であって、気にしない方がおかしいですよね。壬生浪士組の頃と違って、たとえば相撲の興行の上がりでみんなが食べていける規模ではなくなってますし・・・。 外担当の近藤は、政局の方が気になって足元が見えなくなっていて、内担当の土方は、政局だ時勢だより目先のことの方が大事。立場の違いによって、二人の考え方に隔たりが出てきているようですね。なにか、仕事一途で家庭は妻任せの旦那と、家計と子供の教育ばかりに追われている専業主婦を想像してしまった私は、士道不覚悟により切腹でしょうか。(苦笑) 大政奉還は土佐の山内容堂公の入れ知恵、そしてそもそもそれを考えたのは坂本龍馬だと、佐々木様。 「私は坂本を斬る。今やあの男は、徳川の最大の敵である。」 おぉ〜、やはり龍馬暗殺は見廻組説を取るのでしょうか〜。佐々木様、今日はかなりブラックです。 「坂本に付いて300人の海援隊が京に入った、という噂を耳にしました。今、坂本を斬れば、彼らが 黙ってはいない。」 心配する近藤に、 「それゆえ見廻組としてではなく、佐々木只三郎として斬るつもりです。」 と佐々木様。 「私はご公儀に命を捧げた男です。それを無くしたあの男、許す訳には、いかんのだ。」 佐々木様の覚悟は半端じゃないようです。 あら、今日から岩倉卿は公家装束に戻ってます。復帰されたのですね。しかし、一段と胡散臭さが増したような・・・。(苦笑) 岩倉「なんちゅう男やろか、徳川慶喜。どうせお前らには政はできんやろて、鼻で笑ろうてるあいつ の顔が目に浮かぶわ。腹の立つ。」 西郷「せっかく討幕の勅命まで手に入れたとに、全て無駄になってしもうた。」 岩倉「むこうはわしらが泣きついて来るのを待ってるんや。意地でもこっちで新しい仕組みを作らな あかんなあ。」 ほらほら、やっぱり甘く見てたら大変なことになりそうですよ。>慶喜公。 大久保「やっかいじゃっとは、坂本龍馬。」 岩倉 「あの男も、そろそろなんとかした方がええんとちがうか。余計な事ばっかりしよって。」 西郷 「なんとかしもんそ。徳川を潰し、おいどん達が次の時代の頭になるためには、あん男にいて もらっては困る。なんとかしもんそ。」 岩倉 「なんとかするにしても、わしらが疑われるようななんとかは、ちょっと困るぞ。」 大久保「幕府方には、坂本に恨みを持つもんもおおかち聞きもした。そん筆頭が見廻組の佐々木 只三郎。」 岩倉 「使えるな。」 陰謀が大渦を巻いてます。饅頭を頬張りつつ悪事を企む3人が、腹黒でいい感じです。えっ?ってことは、龍馬暗殺は薩摩黒幕説? ん〜、わからなくなってきたぞ。 醤油商「近江屋」。坂本龍馬と中岡慎太郎は、ここに潜伏していました。そして、伊東先生が護衛にと置いていった平助も。 坂本「おぅ、海援隊が京に入ったいう噂は広まったがかえ。」 中岡「あぁ、300人と流した。」 坂本「こじゃんと太う出たにゃあ。」 中岡「おまんが言うき。」 坂本「これでしばらくは、わしらの身の上も安心じゃき。」 藤堂「本当は、何人京へ入ったのですか?」 坂本「3人じゃき。」 龍馬さん・中岡さん、最高です。(*^o^*) びっくり〜〜な平助が可笑しい。 そして一ヶ月後。 不動堂村の新選組屯所では、周平が総司を相手に猛稽古中。 それを見ながら、 「王政復古だっていうのに、よく稽古なんかしてられるなぁ。」 と島田さん。あれからずっと、大政奉還に王政復古と悩んでいたのかな?(笑) 土方「ずいぶん張り切っているな、周平。」 井上「はい、実は、これには訳があるんです。今夜、試合があるんです。」 源さんの説明によれば・・・。 10日前、周平がお多福でお汁粉を食べていると、後ろからちょっかいを出してきたのは、相変わらずの鍬次郎。見かねた左之助の提案で、剣術の試合で決着をつけることになったとのこと。 周平は源さんに、剣術を教えてほしいと頼みにきます。 「お前の口からそんな言葉が聞けるとは、思わなかった。」 と嬉しそうな源さん。周平もそれを聞いて、照れたように笑います。可愛い♪ 「強くなる近道は、強い人に習うことだ。」 そう言って、源さんが周平を連れてきたのは、総司のところ。 沖田「寝る暇なんて、無くなるぞ。」 周平「覚悟は、出来てます。」 沖田「途中で止めたは、無しだぞ。」 周平「はい。」 でも、総司、あなたこそ大丈夫なの〜? 部屋の中には布団が敷いてあるというのに・・・。(^^;;; 井上「で、今日がその試合の日なんです。」 土方「これは、見物だな。」 と言った土方さんですが、一旦休憩を言い渡します。 稽古を中断されて総司は文句を言いますが、 「ちょっと休め。島田、水持ってきてやれ。」 と土方。 道場の中で休む、息の上がっている周平に視線をやりながら、総司のところへ行って、 「あまり根詰めすぎると、試合まで持たないんじゃないか。」 と心配する源さん。それに対して、 「周平は自信が無い分、力で押そうとする。多少疲れていた方が、いいんですよ。」 と答える総司。 源さんは納得して、周平の方へと去っていきます。 そして源さんと入れ替わりに、土方がやってきました。 土方「息が荒くなっているぞ。」 沖田「あれぐらいでだらしないな、全く。」 自分の息が上がっているのをごまかすように答えた総司に、 土方「お前だよ。」 とずばり指摘する土方。総司は言葉を失います。 さすが兄さん。無理矢理休憩を入れたのも、周平のためというより、総司のためだったのかもしれませんね。 道場の中では、島田が周平にと、手桶に水を入れてもってきました。それを覗き込みながら、 「えぇ〜っ、何、それ。馬じゃないんだから。」 と呆れます。快活に笑う島田。周平を扇いでやる源さん。 そんなほのぼのムードの3人を見遣りながら、 「ゆうべも一晩中か。」 と土方が問います。 「周平のやつ、どうしても参ったと言わないんですよ。」 「気持ちもわかるが、ほどほどにしとけ。お前の為だ。」 総司はじっとなにかを思い詰めています。それは、周平のことかな。自分のことかな。 近藤は、永井尚志の屋敷を訪問していました。 大政奉還が成って、この先自分たちは何をすればよいかと訊ねる近藤。永井様はそれには答えず、夕べ坂本龍馬がここへ来たと話します。 坂本「わしの考えでは、この国を動かす新しい仕組みは、まず帝が一番上に来る。その下を薩摩、 長州、土佐の力のある藩の者たちが固める。その中心におるがが徳川慶喜公じゃき。かならず、 薩摩をうんと言わせてみせますき。薩長との戦だけは、どういても避けて欲しいがじゃき。」 「ひょっとするとあの男、大罪人どころか、今、我々にとって、最も大事な人物かもしれん。」 と永井様。そして、坂本を内々に守るようにと近藤に命じます。 「薩長を押さえられるのは、あの男しかおらん。ここで死なせる訳にはいかん。」 屯所へ戻った近藤の自室に、お孝さんがお茶を運んできます。 えぇ〜っ? えぇ〜〜っ? 休息所じゃないの〜? 屯所で生活しているの〜? そりゃ、お孝さんの言う、 「周りは男ばっかりやし。かなり危ないんやないやろか。」 という心配も尤もだ。 「あなたに手を出す者は、うちにはいない。」 いや、近藤さん、そういう問題じゃ・・・。(^^;;; 「お稽古事はどうですか。踊りや三味線や、生け花でも何でもいい。お姉さんはどれも実に上手でし た。」 寺田屋大騒動の時も思ったけど、ほんとに女心のわからんお人ですな。>近藤さん(呆) 「姉ちゃんと比べられても、困るんです。」 あぁ、もう、じゃんじゃん言ってやんなさい。>お孝さん べーって、思いっきり舌出して、最高!! 「そやなぁ、習うんやったら、馬か、弓矢か、長刀にしようかな。」 この性格、結構気に入りました、私。(^^) 障子を開けっ放しのまま出て行ったお孝さんへ、 「閉めていって下さい。」 と呟く近藤さんが笑えます。いや、なかなかいいコンビかも。近藤さんは振り回されそうですが。(笑) イカ焼き食べながら、ぶらぶら歩く坂本さん。 「先生!」 裏返った平助の声。 「こんなところを一人でふらついていては危険です。お願いですから、うろうろしないで下さい。」 どこへ行っても振り回される平助。(笑) そして、同じくイカ焼きを食べながら、龍馬の後をつけている捨助。二本差しが様になってきたね。 そしてさらに、その後をつけている山崎。おや、山崎さん。どうせならそこで、あなたもイカ焼き食べながら探索しないと。(笑) 近江屋に戻った平助は、伊東先生から預ってきた鎖帷子を龍馬に渡します。 「あの、坂本先生に一つお聞きしてもよろしいですか。近頃、日本の行く末について、関心を持つよう になったのです。正直、新選組にいた時は、先の事は考えずとも、ご公儀の事さえ思っていれば良 かった。しかし、今は違う。」 平助〜。楽しかった試衛館のみんなの元を離れて、ずいぶん成長したんだね。 藤堂「坂本さんの考えておられる新しい世の中の仕組みについては、良くわかりました。慶喜公を 総裁に、雄藩の総代が評議にて国を動かす。」「あの、一つ判らないのですが、この先慶喜公が お亡くなりになったときは、徳川の方々が代々総裁を引き継がれて行かれるのですか。」 坂本「ほいたら、今までと同じじゃいか。そんときは、入れ札で決めるがじゃき。」 藤堂「入れ札?」 坂本「あぁ。そういう時、メリケンではそうするがじゃき。皆の中で一番人気のあるもんが、皆の上に なるがじゃ。殿様とは限らん。平助ち、選ばれたら、総裁になれるがぜよ。」 龍馬の話に、目を丸くする平助。そこへ・・・。 「じゃ、俺も、総裁になれるのかな。」 と飛び込んできたのは、「呼ばれてないのにやって来る」捨助でした。 「おいおい、どういて、ここがわかったぜよ。」 訊ねる龍馬に、 「見かけちゃった。」 答える捨助。ちょっと可愛い。(笑) 藤堂が大刀をどんと畳に突き立てると、慌てて龍馬の背後に隠れたりして。 でもさすがの龍馬も、そんな捨助にちょっと呆れてますが・・・。 龍馬は「これは重うて動きにくくて、かなわんき。」と言って、着てみた鎖帷子を脱ぎながら、捨助に告げます。 「おい、捨助。おまんも運が悪いのう。わしは昼間、伏見の寺田屋に行ってきたばかりぜよ。女将に 会うて、話を聞いたき。わしが伏見奉行所に襲われた時、居場所を教えたがはおんしらしいの。 全部、筒抜けじゃき。何しに来たぜよ。」 龍馬に問われて、 「見廻組の佐々木様から、あんたの居場所を探れと言われました。」 正直に答える捨助。いい奴じゃん。(^^) 「斬りますか?」 護衛平助、なかなかかっこいいです。 捨助は慌てて、「お許し下さい。」と土下座。 龍馬はそんな捨助を、「行けや。」と許してしまいます。 藤堂「いや、坂本さんがここにいる事を見廻組にしゃべってしまいますよ。」 坂本「こいつはしゃべらん。わしは、おまんを見逃しちゃる。ほんで、おまんもわしを見逃せ。これで あいこじゃき。ええかえ?」 捨助「はい。」 藤堂「信じるんですか?」 坂本「人は信じることから始めんといかん。国を動かすにしても、そうぜよ。まずは相手を信じる。 それからじゃき。」 藤堂「いや、しかし・・・。」 坂本「それで裏切られた時は、自分に見る目が無かったということぜよ。裏切りなよ。」 捨助「ありがとうございます。」 なにか、龍馬の人間性が感じられるやり取りですね。そして捨助も平助も、龍馬の言葉にすごく感化されることになりそう。 まずは人を信じる・・・。それが、3人の命取りにならなければ良いですが。(涙) 見廻組の屯所に戻り、坂本はもう京を出たらしいと報告する捨助。 実は私、龍馬を裏切るんじゃないかと疑っていました。ごめんよ、捨助〜〜。でも、 「残念でした。一歩違い。」 とぼけ方がちょっとわざとらしくて、不安なんですけど・・・。>捨助 そこへ隊士の一人が、手紙を持ってきます。そこには、“さの字、近江屋”の文字が・・・。 「今、薩摩の使いからこんな手紙をもらった。さの字、近江屋。」 と手紙を見せながら、捨助に冷たく告げる佐々木様。 「坂本は今、近江屋にいる。そういう意味ではないか? さすがは薩摩だ。私が坂本を追っているこ と、既に知っているらしい。恐ろしいのう。」 捨助、佐々木様には信じてもらえなかったね。 「それ、お信じになるのですか。そっちをお信じになるんですね。」 佐々木様は、もはや答えません。 「はい、結構です!」 言い捨てて出て行こうとした捨助を、追ってきた佐々木様が抜き打ちに斬りつけます。 背中を切られて、「ひでぇー!!」と叫びながら、逃げ去る捨助。 おいおい、斬られたんじゃなかったのかよ!と突っ込み入れてたら、龍馬さんから鎖帷子をもらってきてたのね。(^^) 龍馬に呼び止められたのは、これだったのか〜。 それにしても、今日の佐々木様はかなり冷酷無情です。 屯所の道場では、周平vs大石鍬次郎の試合が始まろうとしています。 審判は総司。立会いは、近藤・土方・源さん以下、幹部の面々。 緊張気味の周平。余裕の笑みの鍬次郎。 そこへ山崎がやってきて、近藤に何事かを耳打ちしていきます。 近藤「坂本さんの居場所を山崎に探らせていたんだ。」 土方「わかったのか。」 近藤「こっちが終わったら、行ってみる。」 「始め!」 総司の合図とともに、試合が始まりました。 互角の撃ち合い・・・と思って見ていたら、周平の面が見事に決まります。 「それまで!」 周平の勝ちを宣言する総司。 立ち会っていた幹部たちが周平に駆け寄ります。みんなの祝福を受けて、周平は本当に嬉しそう。 「すみません。もう一度お願いします。」 鍬次郎は訴えますが、誰も聞く耳持ちません。悔しそうに座り込む鍬次郎、ちと哀れ。(苦笑) 近藤はまず総司に近づくと、 「見違えるようだったな。」 と、その指導を労いました。それを受けて、 「徹夜で叩き込みましたから。まだまだこれからですけど。」 とにこやかに答える総司。 第39回で周平に怒りをぶつけた総司。近藤の養子として立派な剣士になってもらいたい、先のない自分の代わりにしっかり道場を継いでもらいたいと、周平に託すものがあったのではないでしょうか。 だから、周平が自分に指導を頼みにきてくれたこと、そして頑張って剣の腕を上げて試合に勝てたことは、嬉しさと誇らしさと、達成感もあったかもしれませんよね。 近藤も総司の言葉に満足そうに頷いてから、今度は周平の方へと歩み寄ります。 その近藤を見送っていた総司に、突然異変が・・・。 掌に吐き出した血。さらに胸の奥から次の塊が込み上げてくる。 みんなに気づかれまいと走り出した総司は、口から大量の血を噴き出しながら、床に倒れ込みます。 気がついて駆け寄る近藤と土方。 必死に総司の名を呼びますが、既に総司は気を失っています。 喀血する総司の藤原くんも、本当に血を吐いて倒れていくように、その込み上げてくるところからの演技が自然で上手いのですけれど、総司の病気を知っているとはいえ、初めて喀血を目の当たりにして色をなくす土方と近藤の、その取り乱し方がね、山本くんと慎吾くん、胸に迫ってくる感じです。 佐々木様たち見廻組は、近江屋の向かいの2階から、坂本襲撃の機会を窺っています。 坂本の部屋の明かり。 流れてくるこの美声は・・・、やはり伊東先生でした。(爆) 後ろには、護衛として付いて来た斎藤さん。そして、ずっと龍馬の元に派遣されている平助。 部屋の中には、中岡慎太郎もいます。 伊東先生はこれから、岩倉卿を囲んでの会合に顔を出してみるとのこと。 「薩摩の大久保も来る。良い機会ですので、私の唱える大開国策を聞いてもらおうと思っています。」 そんな伊東先生の話を聞いて、 「おまんも行ってきたらどうぜよ。」 と平助に声をかけてやる龍馬さん。優しいなぁ。 平助はびっくり。伊東先生の前で恐縮してしまいます。 「この者は、先生の警護の為に付けたのです。」 伊東先生、やっぱり平助のことは、まだまだだと思っていらっしゃるようですね。 「わしのことは心配いらんき。近頃、日本の行く末に関心を持つようになったらしいき。そういう所に は、出来るだけ足を運んだ方がええき。話を聞くだけでも、為になるぜよ。」 伊東先生、龍馬の口添えに驚いています。師匠の自分が気づかなかった平助の成長に、龍馬が気づいたことは少しショックだったでしょうか。でも同時に、弟子の成長は素直に嬉しかったのでしょう。優しく微笑んで平助へと振り返ります。 「是非、お供させて下さい。」 まっすぐな視線で、伊東先生を見つめる平助。 やがて伊東先生は、提灯を持つ平助の先導で、近江屋を出て行きます。。 藤堂「先生、お気を付け下さい。」 伊東「おう。」 なにか二人の師弟関係が緊密になったように感じられて、ちょっと嬉しいです。 坂本が徳利を抱えて、部屋に戻ってきます。 部屋の隅には、平助の代わりに居残りを命じられた斎藤。でも、 「中岡もおるき。心配せんでもええ。というか、おんしがおると、場が硬うなっていかん。」 と、龍馬は帰るように勧めます。龍馬の言葉に、笑う中岡。 まったりと飲み始めた二人を見て、斎藤は部屋を出て行こうとします。 その斎藤に問いかける龍馬。 「新選組におった斎藤一というたら、名だたる人斬りじゃき。今まで一体何人殺したぜよ。」 「いちいち数えてない。」 かわす斎藤に、龍馬と中岡は、斎藤が土佐の人斬り・岡田以蔵に似ていると話します。 「わしはそいつをずっと見てきたき。ほんで、人斬りの事は大体わかる。はじめの二、三人は夢中で 斬る。それからだんだん、何とも思わんようになる。それが過ぎると、斬った奴らの思いが、心の中 に澱のように溜まって、斬るががだんだん怖ぁなってくる。」 うわぁ、今の斎藤さんにはズキンとくる話だ。 「おんしは、今どの辺ぜよ。」 と訊ねる龍馬に、平静を装って、 「教える義理は無い。」 と答える斎藤。でも去り際、振り返って、 「その先はどうなる。」 と龍馬に問い返します。 「先は以蔵も知らん。首斬られて、死んでしもうたき。」 一瞬、固まる斎藤。そして襖を閉めて出て行きます。 斎藤さんは、自分の先をどう思ったのかな? そして、これから始まる戦いの中で、どうなっていくのかな? 斎藤を見つめる龍馬と中岡の視線が温かくて、二人の、人に対する優しさが、すごく伝わってきました。それと同時に、これから起こる悲劇にやるせなくなったり・・・。(涙) 新選組屯所には、孝庵先生が往診にみえていました。 昏睡状態で、ぴくりとも動かない総司。 隣室では近藤が、「総司の望みでみんなに隠していた。すまん・・・。」と頭を下げています。 「労咳...。しかし、なんで総司が・・・。」 何も知らなかった源さんは、ショックだよなぁ。 島田さんも泣いてる。 「ゆっくり養生しろと医者から言われたらしいが、それ以来、総司の奴はむしろ無理を重ねるようにな った。」 近藤さんは全部わかった上で、黙って見てきたんですね。 池田屋での喀血を見ていた原田と永倉が、 「俺は、もうてっきり元気になったと思ってたんだけどさ。」 「私もだ。」 と呟きます。総司が必死に隠していたというのもあるけど、信じたくない、元気だと思い込みたい・・・という気持ちもあったんでしょうねぇ。 そこへ障子を荒々しく開けて、孝庵先生が入ってきます。 厳しい顔で近藤を指さし、「あれ程言うたのに、医者の言う事を聞かんからだ!」と怒鳴りつける孝庵先生。 近藤は言葉もありません。 「私のせいだ。」 落ち込む周平の肩を抱いてやる島田。 原田「なあ、死んじまうのか。」 孝庵「先の事はわからん。」 永倉「治してもらわんと困る!」 孝庵「それは沖田に言え。」 そして、 「これからは、本人が何と言おうと無理はさせるな。半年・・・半年は、布団の上で暮らしてもらう。」 と言って、孝庵先生は部屋を出て行きます。 半年・・・半年かぁ。半年後には・・・。(泣) そこへ、「ちょっといいか。」と、土方さんが近藤さんを呼び出し。 屯所には捨助が訪ねてきていました。 「今頃、佐々木たちは近江屋に向かっているはずだ。すぐに行った方がいい。」 と近藤に教える捨助。 「良く知らせてくれた。」 と近藤に言われて、 「初めてかっちゃんに褒められたよ。」 捨助は喜びます。京都でずっとうろうろしているのも、すべてはかっちゃんに認めてもらいたいからなんだものね。 近藤「すぐに俺たちも行こう。」 土方「見廻組の野郎に、手柄を独り占めされちゃたまんねぇからな。」 それを聞いて、慌てる捨助。 「ちょっと待ってくれよ。そういう事じゃないんだよ。坂本を助けてやって欲しいんだ。」 近藤も、 「捨助の言うとおりだ。トシ、俺たちも坂本さんを救いに行くんだ。」 と、捨助に同意します。 「何、言ってんだ?」 訳がわからず、呆れる土方。 近藤さ〜ん、永井さまからのお話を、土方さんに知らせていなかったのね? いくら内々に・・・と言われたご指示でも、少なくとも土方さんだけには伝えておかなければ、すぐに動きが取れないじゃないの!!(呆) 近藤「あの人は今、この国になくてはならぬお人だ。」 土方「正気なのか。」 近藤「坂本さんをここで死なせてはならん。」 土方「おかしいだろ、新選組が坂本龍馬救うなんて。」 近藤「何が悪い。」 捨助「何が悪い。」 土方「どうかしてるぞ、お前ら。」 この辺、近藤と捨助にやり込められつつ、しっかり突っ込みを入れてる土方が可笑しいのだけど、やっぱり「なんだかな〜」と思ってしまいます。 先週もそうだったけど、近藤さん、自分の意思や方針をきちんと仲間に伝達しておかないと、組織は思うようには動かないと思うのですが・・・。あなたは容保様や永井様に会い、時には薩摩の西郷にも会ったりして、政治的な流れが多少なりとも掴めているかもしれないけれど、新選組の内務をこなしている土方さんには、わかる訳がない。でも、実際に隊士たちを動かしていくのは土方さんの役目な訳で、二人の間で情報を蜜に交換しておかないと、素早く的確に新選組を動かしていくことができるはずもなく、それは軍隊として致命的な欠陥になるのではないですか? それと、近藤は龍馬の敵だと認識していたはずの捨助が、新選組に助けを求めるというのも訳わからなかったりして・・・。 ん〜。どうかしてるぞ、お前ら!!!私も突っ込んでおこう。(苦笑) 呆れ返っていた土方ですが、近藤から説明を受けたようで、永倉と原田に出動の指示を出します。 といっても、障子の開け方からして、納得してないのがバレバレですが・・・。(笑) 土方「すぐに近江屋へ行ってくれ。」 原田「なんで、また。」 土方「局長がな、坂本龍馬を助けたいんだそうだ。」 そんなに嫌そうに言わんでも・・・。(^^;;; 原田「あぁっ?」 永倉「しかし坂本龍馬といえば、お尋ね者ではないか。」 龍馬救出の指示に驚く二人に、 「今、坂本が死ねば、戦になるって話だ。喜ぶのは薩摩だけらしい。」 と説明する土方。 「わかんないけど・・・わかった。急ごう。」 とにかくすぐに行動に移せる左之助の、こういうところが好きだなぁ。 「新選組だってことがばれると、事が大きくなる。これはあくまで、お前らが勝手に動いたってことにさ せてくれ。隊服も着るな。」 さらなる指示に、 「承知!」 と引き受ける永倉。 二人とも男前だ〜。 隣室から出て行く近藤に気がついて、 「局長!」 土方が後を追います。 土方「ちょっと待ってくれ。」 近藤「すまんが、止めても俺は行く。」 土方「行っては困る。」 近藤「坂本さんを死なす訳にはいかん。」 土方「だから永倉と原田に頼んだ。いくら何でも、近藤勇が坂本龍馬を助けに行っちゃまずいだろ う。あとは奴らにまかせろ。」 駄々っ子のような近藤を、冷静に引き止める土方。たとえ納得はできなくても、近藤の意に添い、しっかりと動ける土方さんです。(^^) さて、斎藤が近江屋を出て行った後、龍馬の元を訪れたのは板倉槐堂でした。 私はこの方は知らなかったのですが、公卿醍醐家の家臣であり、尊攘派の志士として龍馬や中岡と親交のあった、板倉筑前介。結構新し物好きだったようで、早くからカメラを取り寄せて写真を撮ったりしているんですね。要は、好き者? この時持参した掛け軸は、龍馬の遺品として重要文化財に指定されています。 このあたりから、かなり史料に忠実に話を進めていっている三谷さん。 龍馬の部屋にはまだ中岡が残っていますが、 「これではいくら待ってもキリがない。坂本は才谷梅太郎と名乗っている。才谷先生と呼んで、返事を した方が坂本だ。」 踏み込むことに決める佐々木様。 一方、自分が今まさに狙われているとは知らない、龍馬と中岡。 板倉からもらった掛け軸を床の間に飾り、鍋でも食べようと、可愛がって連れてきていた峰吉に、軍鶏を買いに行かせます。 その峰吉の後ろ姿を見送って、近江屋に入って行く佐々木様と見廻組。 坂本「軍鶏鍋は、この季節、たまらんぜよ。」 中岡「おんしは、鶏は嫌いがじゃなかったかい。」 坂本「そんなことないぜよ。大好物じゃき。皮が苦手なだけじゃき。」 中岡「あの皮が美味いがじゃなかえ。」 坂本「やめちゃぁ。あのぶつぶつ見ちゅうだけでわしはもう、食いとうのうなるき。」 二人がのんびり鶏談義をしている時、階下では佐々木様が取次ぎを頼んでいます。 そして階段を上がって行く、店の者の背中を、グサッと一刺し。 恐いよ、恐いよ。佐々木様〜〜。 足音を忍ばせて、龍馬の部屋へと向かう佐々木たち。 聞こえてくるのは、龍馬と中岡の鶏談義。 ほのぼのとした会話に、おどろおどろしいBGMが被さって、さらにカメラは佐々木の視点で階段をゆっくりと上っていきます。 「しっかし皮を食べんで、よう鶏好きと言えるの。」 「ほんなら、おんしは、みかんの皮食うかえ? 栗は皮ごと食うかえ? どういて鶏の皮だけ食べんと いかんがぜよ。」 格子越しに見える血刀。佐々木の張り詰めた表情。 「そんながは理屈にならんき。」 「どういてぜよ。皮いうもんは元来捨てるもんと、相場が決まっちゅうがじゃき。」 「けんど、大の大人がこんまい事で騒いで、あほらしいのう。」 「わしはこんな馬鹿話だけして、一生送りたいぜよ。」 あぁ、忍び寄る恐怖。でも本人たちはその瞬間まで、日常の馬鹿話に興じてる。そして望みどおり、馬鹿話をしながら、その一生を終えることになる訳ね。(涙) 「才谷先生。お久しぶりでございます。」 襖をわずかに開けて、声をかける佐々木。 龍馬が「なんじゃ。」と答えたとたん、襖は勢いよく開けられ、佐々木たちが駆け込みます。 龍馬は慌ててピストルを構えるも、佐々木に叩き落され、刀を取ろうとする背中を斬られます。 他の見廻組隊士たちと斬り合っている中岡。 龍馬は掴んだ刀で鞘ごと、振り下ろしてくる佐々木の刀を受けますが、力及ばず、頭を斬られてしまいます。板倉の掛け軸に飛び散る返り血。佐々木の荒い息遣い。 刺客たちは無言のまま、部屋をあとにします。 残されたのは、倒れている龍馬と中岡。 口から血を流しながら、中岡は 「どこをやられた?」 と龍馬に訊ねます。 「わしゃ、頭をやられたき。こりゃ、いかん・・・。」 額に深い傷を負い、瀕死の龍馬。 そこへ、永倉と原田が駆けつけます。 部屋の中の惨状に、立ち止まる二人。 「こなくそ!」 と叫んで龍馬たちに近づこうとする原田を永倉が止めて、 「我らが疑われる。行くぞ。」 二人は引き上げていきました。 その声に、頭を持ち上げようとする中岡。 龍馬は、床の間にある地球儀を見つめます。だんだんとぼやけていく視界。やがて龍馬はゆっくりと目を閉じます。 屯所で近藤は、永倉と原田から報告を受けています。 篝り火の向こう、見上げた空には、落ちて行く流れ星が一つ。 近藤は涙をこらえて、じっとそれを見つめているのでした。 仲間たちの死と違って、淡々と描かれた龍馬の死。 重さはないものの、言いようの無い悲しみが後に残りました。 龍馬が暗殺され、いよいよ幕府は終焉を迎えていく訳ですね。 そして、追い詰められていく新選組。 堪りませんね。 |
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