大河ドラマ「新選組!」のツボ

 

第37回  薩長同盟締結!  

冒頭いきなり、平助が舌びろ〜ん。両目をあかんべぇ〜。
なにかと思ったら、良順先生による隊士の健康診断でした。(笑)
良順先生はこの時、屯所があまりに不衛生なのと、具合の悪い隊士が多いことに驚いて、新選組に衛生指導をしてくださるんですよね。風呂を設置するように言われて、あっという間に土方が手配し、良順先生を驚かせたというエピソードはとても有名。この話、やってほしかったなぁ。

監察の山崎さん、良順先生から刀傷の縫合の仕方を教えてもらうことになりました。
「これから山崎くんは新選組のお抱え医師ということですね。」
と嬉しそうな源さん。
山崎さん、本当に役に立つ男です。(^^)
「いよいよ長州攻めが始まる。あなたも行かれるんですか?」「おやめなさい!よからぬ企みがあり
 そうだと言うだけで、なんの証もないまま一国を攻め滅ぼそうとしている。こんなことがあっていいの
 ですか?」
良順先生、そのお言葉、現代に来て某国のトップにも言ってやってください。(苦笑)
もしも長州征伐をしていなかったら・・・、もう少し徳川幕府は存続できただろうか。

西郷と桂を下関に呼び出す坂本。
しかし西郷は京へ行ってしまい、坂本と桂は振られてしまいます。
「これ以上の屈辱を受けた覚えはないっ!!」
プライドが高いだけにすぐキレて、結構小物なんだよなぁ、桂さん。(笑)
西郷はもちろん、代理で来た黒田了介も食えないヤツみたいだし、間を取り持つ坂本さんと中岡さん、大変ですねぇ。
今日はオープニングに二つもシーンが入って、びっくり。

おはつさんの家でお手伝い中のまっちゃん。おや、河合さんもいる。
何か言いたげで言えないお初さん。
「いろいろとおおきに。ありがとうございました。」
なんとか言葉にはなったけど、複雑な表情が気になりますね。
まっちゃんはその言葉だけで舞い上がって、気合い一声、屯所に向かって駆け出します。振り回されてる河合さんが可笑しい。

西本願寺の屯所で、近藤さんが手にしているのは・・・。
そうです。左之助が破いちゃった掛け軸。(^^;;;  そして、職員室(笑)に呼び出されているのは、やんちゃ三人衆。
 原田「なんでバレてんだよ。」
 近藤「他に誰の顔も思い浮かばなかった。」
 沖田「読まれてる。」
 藤堂「(こっくり)」
笑える・・・。
西本願寺侍臣、西村兼文・・・。彼は、初期の頃から新選組に接触して取材を続け、明治になってから「新撰組始末記」を発表しています。西本願寺に身を置く立場から、多少批判的な記述だったりもするようですが、隊士たちの細かいエピソードなど、彼の記録のおかげで研究が進んだことも多いとか。「私は元来の変わり者でして、京を守るために関東からおみえになった新選組の皆さんには、前々から感心はありました。」 まさに、そんな感じだったのかな?
その西村さんがおっしゃるに、この掛け軸の件、「敢えて言うなら、金で解決するしかないでしょう。」
50両は大きいですよねぇ。そう、ポンと出せる金額じゃないような・・・。
「金は払います。ただ、ちょっとだけ負けてくんないかなぁ。」
値切る左之助。近藤の嫌そ〜うな顔が可笑しい。
「50両というのは気持ちです。気持ちをケチったらあきません。」
良いことをおっしゃる、西村さん。

左之助はさっそく、勘定方の河合さんのところへ50両を無心に・・・。付き添いは永倉。
二人からお願いされて困っている河合さん。
「私が貸してやりたいが、コレ(小指立てて)がいるもんで余分な金は無いんだ。」
「俺はさ、コレはいないんだけど、余分な金は無いんだよ。」
左之助、理由になってないってば。
河合さん、悩んだ末、左之助のお給料から50両前渡しすることに。
「あ、一度に返してもらうのは原田さんも大変でしょうから、毎月5両ずつ返してもらうというのはどうでしょう?」
いい人だなぁ、河合さん。(感涙)
左之助、借りたお金を包んだ赤い布、まさかアレじゃないよねえ?(苦笑)

そこへ松原登場。
原田と永倉がいるのをわかっていて、河合にお初さんの話をし始めます。
「あなた、聞いてほしくて喋ってるでしょう。」
河合さん、ナイス突っ込み。(笑)
「飛びっきりの美人らしいじゃないか。」
と永倉にからかわれて、
「綺麗は綺麗です。」
満更でもない様子のまっちゃん。
「なんだよ、なんだよ。ここは後家倒しの溜まり場かよ。ちきしょう!」
と永倉を肘で突っつき、
「話したいくせにぃ〜。このっ。」
と松原に絡み、羨ましさ半分、仲間の幸せを喜ぶ気持ち半分の左之助がいいね。
・・・と和んでいたら・・・。

「もとは長州の浪士のかみさんだったらしいな。」

出た〜〜っ!鬼〜〜!!

思わず叫んじゃったよ。(爆)
そして、美しいと思ってしまった、鬼副長。
色が白くて無表情で、まるで能面のようなんだもの。
修羅の道を行く緊張感によって、土方のすべてが研ぎ澄まされていってるような・・・。触れただけで、こちらの皮膚が切り裂けてしまいそうな・・・。そんな張り詰めたものを感じます。くぅ〜〜。

土方の一声で、固まる一同。
「旦那を斬ったのはこいつだ。かみさんに手を出したんだ。それを自慢げにぺらぺらぺらぺら・・・。どういう了見だ。」
こういう言い方をされちゃ、まっちゃんも堪らない。
「手は出しておりません。」
「松原さんは斬った男に頼まれて、奥さんに金を届けに行ったんです。」
すかさず松原をかばってやる河合さん、やっぱりいい人だ〜。
「忠司。法度の第一条、言ってみろ。」
土方が法度を口にしたとたん、土方を見る永倉。
「てめぇのしたことは、士道に背いてるとは思わねぇか?」
これは土方の警告だ。今すぐ法度に照らしてどうこうという訳ではない。しかし事情はどうあれ、斬った長州浪士の奥さんのところに通い、そのことを嬉しそうに喋っている松原。女を自分のものにしたいから旦那を斬ったという噂まで流れていては、土方としては放ってはおけない。
・・・が、まっすぐな性格の松原にとって、疑われるのは辱められることと同じだろう。
「わかりました。腹を切ればいいんですね。」
その場で脇差を抜く松原。必死で止める永倉と原田。土方は眉一つ動かさない。
「こんなやり方は間違っている。いったい何人仲間を死なせれば、気が済むんだ。」
批判する永倉に、
「隊の規律を守るのが俺の役目だ。」
土方は言い捨てて去って行く。
大きくなる組織。その中で、土方は自分の役目を、隊内を厳しく律していくことと心に決めている。法度を遵守することで、統制をとる。不器用なまでに真っ直ぐな決意。

屯所の廊下を歩いてくる土方。談笑していた隊士たちが、さっと脇に寄って礼をする。逃げ出す隊士たちもいる。
「土方さんが厳しいからですよ。」
庭で剣術指導をしていた沖田が、声をかけてきました。
「みんな、避けてるじゃないですか。」
土方にこんなことを言えるのは、総司くらいだろうな。(笑)
ちょっと周囲を見回して、
「気がつかなかった・・・。」
と土方。確かに気づいていなかったのかもしれない。自分の役目に真っ直ぐで、夢中で・・・。
「誰かが締めていかねぇと駄目なんだ。」
「可哀想だよ、忠司さん。」
「可哀想なもんか。身から出た錆だ。」
たぶん土方は、松原を買っていたんじゃないかと思う。ああいう真っ直ぐで潔い性格は、嫌いじゃないんじゃないのかな? 「忠司」って呼び方にも、それが表れているような・・・。
だからこそ、気に入っていたからこそ、今回のことは歯がゆいだろう。悔しいだろう。
それでも自分は、法度を守り、新選組を守っていかなければならない。
ふと足を止め、誠の旗を見つめる土方。・・・溜め息が一つ。

近藤の休息所に来ている総司。
「よくわからないけど、厳しいだけじゃ駄目なんじゃないかなぁ。」
土方のことを心配してくれています。
「一番損するのは土方さんだと思いますよ。どんどん一人になっていく気がするし。」
「そんなことはない。俺もいるし、お前もいるし、それに源さんだっている。」
やっぱり、本当に支えられるのは、試衛館生え抜きだけですか?
お幸さんにもてなしを受けて、慌てて帰っていく総司。やっぱり、つねさんへ義理立てしたい気持ちなんだろうか。
「うち、まるで後添えみたいやなぁって。沖田はんは先生の息子はんや。」
笑って言えるお幸さんに感心。

斎藤は河合から、松原がお初に呼び出されて出掛けたと聞かされます。
「馬鹿でしょう〜?土方さんに知られたら、またなんて言われるか・・・。」
心配している優しい河合さん。
「俺が心配してるのは、そんなことじゃない。」
斎藤さんには悪い予感が・・・?
そんな斎藤を見て、不安になる河合さん。

あ、広沢様、お久しぶりですぅ〜。(*^^*)
「薩摩と長州の動きが怪しい。」
広沢様から渡された不審者のリストには、坂本さんの名前が・・・。
「見つけ次第、捕らえろ。」
本当に敵になってしまったんだねぇ。(しみじみ)

お初さんにもてなしを受けている松原。
「松原さんがうちの人を斬ったと知った時は、殺してやりたいほど憎みました。本気で仇を討とうと思ったこともありました。でも、今は違います。」
淡々と打ち明けるお初さん。えっ?かまどのところにあるのは、短刀の鞘ですか?
「今はむしろ、夫を斬ったのが松原さんで良かったと思ってます。」
「俺はただ、あなたが不憫に思ったから・・・。」
松原の言葉に、一瞬動きを止めるお初さん。
「ひょっとしたら、夫があなたを引き合わしてくれたのかもしれませんね。」
一瞬その目に、決意が走ったような気がするのだけど・・・。
お初さんは障子を閉める。
「私たちはもう会わない方がいいと思うのです。」
別れを切り出す松原に、慌てたようにお初さんが振り返ります。
「いやや、うちを見捨てんといて。」
松原の胸に寄り添うお初さん。そんな風に縋られたら、別れようと決めてきた心も揺らいでしまう。
けれど、お初は懐からそっと短刀を取り出して・・・。
一瞬、何が起こったかわからないでいる松原が憐れだ。

そこへ斎藤が駆け付けました。
お初を斬ろうとする斎藤を、松原は必死に縋り付いて止めます。やるせなさに顔をゆがめる斎藤。
お初は無表情で松原を見下ろしています。
斎藤へ目で介錯を訴える、甲本さんの演技が素晴らしい。
斎藤は頷いて、松原にとどめを刺してやります。
そして、お初を斬る斎藤・・・。
お初はきっと、松原への憎しみと愛情との間で揺れていたんだと思う。惹かれ始めてしまったことで、殺してしまわなければと思ったのかもしれない。

土方が島田を連れて、検分に来ています。
届けに何と記すかと訊ねる島田に、自分が二人の仲を咎めたことで、松原は女と心中したことにすると土方。
あぁ、そんなに何もかもすべて、背負い込まなくても・・・。(涙)
「それではあんたが悪者になる。」
斎藤さん、気遣ってくれるのね?
それなのに、
「願ってもない筋運びだ。」
きっぱりそう答えて、出て行く土方。だけど強がって言ってるように聞こえて、胸が痛むんですけど・・・。

屯所に戻って、土方は近藤に報告しています。
土方はこうなることの予感もあって、松原に警告したのかもしれない。気をつけろよ、と。お前は旦那の仇なんだぞ、と。情に流されていると痛い目を見るぞ、と・・・。
斎藤さんにも土方さんにも忠告されたのにね、まっちゃん。まぁ、二人とも喋る方は得意じゃないから(苦笑)、上手く伝わらなかったのかもしれないけど・・・。心配していた通りの結果になってしまって、二人はさぞかし悔しいでしょう。

で、自分のせいにした筋立てで報告した土方に、近藤は、
「俺が聞いた話とは少し違うが・・・。」
そして、呼ばれて現れる斎藤。
「近藤さんも人が悪い・・・。」
後ろの髪を払う土方。動揺すると思わず、その癖が出るね。(^^)
斎藤さんはやっぱり、局長には真実を伝えた方がいいと思ったんでしょう。新選組のためにも、土方のためにも。
苦虫を噛み潰したような顔をしてる土方が可愛い。
「時代は訳のわからないところへ進もうとしている。いったい誰が敵で誰が味方なのか。だからこそ、俺たちは今まで以上に一つにならなければならない。そのために大事なのは、鉄の結束と人を思う心だ。これから何が起ころうとどんなことがあろうと・・・。」
近藤さんは、厳しい法度と人間の情、その二つのバランスを上手く取ろうとしているのかな?かなり難しいことだと思いますが・・・。
そして、ここにこの三人がいるというのは、やはり意味があるんでしょうね。幹部の中で、流山で投降する最後まで、局長についていくのはこの二人ですから・・・。

伏見の寺田屋へ御用改めに行く、近藤・沖田・原田。けれど、おかみのお登勢にとぼけられてしまいます。
「これで借りは返した。」
つねさんとお幸さん鉢合わせの時に世話になったお礼に、今日だけは見逃すということなんでしょう。
おや、寺田屋の前には、易者姿の山崎さんが・・・。前を通りながら、さりげなく扇子で「凶」の文字を指していく沖田。山崎の表情に瞬間緊張が走る。目立たないけど、いい仕事してますね。

実は寺田屋にいた坂本は、薩摩の大久保一蔵(利通)と会っていました。傍には長州から護衛として派遣されてきた三吉慎蔵と、「こいつはわしの女房みたいなもん」と言われて嬉しそうなおりょうちゃんが。
桂も西郷も意地を張って、なかなか話し合いが進まないらしい。
坂本が自ら薩摩藩邸に出向くことになり、大久保とお登勢は、周囲を警戒しているであろう新選組の目をくらますため、捨助を囮にすることに。自分がいいように使われているとは気づかず、100両という褒美に釣られて、捨助喜び勇んで寺田屋を出て行きます。
「捨助に本当のことを教えんでも大丈夫かい。」 坂本が心配してくれているけど、これで捨助は坂本にも薩摩にも騙されたと思うんだろうなぁ。(^^;;;
そしてあっさり新選組に見つかり、追い詰められる捨助。そりゃ、そんな大きな笠をかぶってりゃ、見つけてくださいと言っているようなもの。(笑) 人違いだとわかって、捨助は大石鍬次郎たちにボコボコにされます。鍬次郎、周平にもさんざん蹴り入れてたけど、欲求不満ですか?(爆)
さらに託された手紙が白紙なのがわかって、「ちくしょう。騙しやがったな、坂本。許せねぇ。」と捨助。あ〜ぁ、やっぱり。

薩摩の言い分に怒り心頭の桂、改め木戸貫治。金平糖をばくばく口に放り込んでます。(笑)
「水戸さん。」
「木戸だ。」
歴史に残るこの面子・この場面で、このボケ突っ込み、最高です。
長州はこれ以上処罰を受ける謂れのないことを、薩摩に認めてほしい木戸。薩摩は、幕府に刃向かって長州と組む大義が欲しいと西郷。坂本は両者の言い分を汲み取って、上手にすり合わせていきます。
「お互い様ぜよ。みんな自分のところが一番大事じゃきに。それでええがじゃ。それが大人の付き合いいうもんじゃき。」 坂本さん、ほんと大人だ〜。
薩摩と長州は、帝のため日本のために志を一つにする・・・ということで、交渉成立。
「これで一件落着じゃき。難しい話をまとめるがは、面白いのう。」
あぁ、坂本龍馬に惚れそうだ。(笑)
西郷と桂、もとい木戸を中庭に呼び出す坂本。握手をさせ、さらには頬擦りを促す。
うっ、凄い絵なんですけど・・・。ってか、面白がってませんか?>坂本さん
「よっしゃ!!」
これで、薩長同盟成立です。

桂・西郷会談があったことを、容保公に報告する近藤。大河ドラマの新選組は、会津藩より情報通らしいです。(爆)
動揺を隠せない容保様。
「300年の時を経て、再び毛利・島津とあいまみえることになろうとは。」
歴史とは本当に不思議なものですね。
「これからが正念場だ。頼むぞ、近藤。」
会津藩も新選組も、こうして引き返せないところへ行ってしまう。これからの展開が辛いです。

 

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