大河ドラマ「新選組!」のツボ

 

第30回  永倉新八、反乱  

キリキリキリキリ・・・
これは全国の土方ファンの胃が痛む音です。(苦笑)
ついに始まってしまいました。土方歳三・修羅の道。
でも今回はまだまだ序の口。32話までは、とことんシビアで非情に描かれるらしいですから。
演じる山本くんが不安になったり、総司役の藤原くんが「(30〜32話の)土方、好きじゃない。」と言ってしまうほどみたい。くぅ〜〜〜っ!!
まぁ、鬼じゃない副長は副長じゃないし、33話で三谷さんが救いの手を差し伸べてくれるらしいので、どんなに孤独で非情な土方であろうとも、しっかり見守ってまいります。(誓い)


さて、本編。
龍馬とおりょうちゃんのシーン。
「みんな、おらんなってしもうた・・・。」
こんな淋しそうな坂本さん、初めて見るなぁ。
屈託のないおりょうちゃんが救いになってるような気がする。
川瀬の音と三味線の音色がしっとりとしていて堪らんねえ。

「なんとかしてくだはいな。」
と言われて、坂本さんがおりょうちゃんを連れて来たのは寺田屋でした。
「日本を洗濯?」
ゴシゴシしてみせるお登勢さんとおりょうちゃんのやりとりが、いかにも三谷さんらしいです。

会津本陣、金戒光明寺。幕府から新選組に、池田屋事件の恩賞金が出ました。
「まずはめでたい。」と喜んでくださっている秋月様に、「頂戴することはできません。」って、おいおい近藤さん・・・。当然のことながら、後ろの源さんと土方さんも驚いて顔を見合わせてる。
「ありがたく頂戴いたします。」土方さん、あっさり。
禁門の変ではさしたる働きもしていないから、受け取ることはできないと思う近藤と、それはそれ、これはこれ、池田屋の働きを認めてくださるというのだから、ありがたくいただきますという土方。二人の性格の違いが上手く出ていますねえ。
広沢様も嬉しそう。満面の笑顔だわ〜〜。(*^o^*)

薩摩の西郷さんに会いに来た坂本さん。優れた人材のいる長州を今潰さないでほしいと訴える。
これがゆくゆくは薩長同盟へと繋がっていくのね。
宇梶さんの西郷も、なかなかハマってます。

近藤の部屋で、局長副長2人がまったりと・・・。
いいですねぇ、こういうシーン。
「いろいろ苦労はあったが、ここまでこれればたいしたもんだ。」
素直に嬉しそうな土方がかわいい。
嬉しいよ〜。嬉しいけど、これからの茨の道を思うとこの笑顔が見てらんないよ。
「かっちゃん、喜べ!」
この口調、久しぶりだな〜。多摩の頃に戻ったみたいだ。
でも、かっちゃんは単純には喜べないみたいだけど。
これでよかったのか?とか、これからどうなるんだ?とか、またいろいろ考えちゃっているんだろうなぁ。それで、とりあえず大声を上げてみる。(笑)

総司と源さんが来ました。
井上「山南さんも来たがっていました。」
土方「今日は試衛館生え抜きの4人で飲むんだ。」
この頃は同門意識とか同郷意識とかって強かったらしいですね。試衛館の多摩繋がり4人。
あ〜、懐かしいなぁ、多摩の頃。彦五郎さんや鹿之助さんや林太郎さんや、おのぶさんにおみつさん、周斎先生・・・。みんなで飲んで騒いでたっけ。
新選組として走り出して、緊張を解く隙もなかっただろう日々。
今夜ぐらいは心から気を許せる仲間たちと、ゆっくり寛ぎたいって思ったんだろうな。

ところが、乾杯!ってところで、うわっ、山南さん、来ちゃったよ〜。
あまりの間の悪さに、思わず目を覆ってしまいました。
もうちょっと時間を置いて、少し盛り上がったところで入ってくればいいものを・・・。
その辺が、いかにも山南さんなんだけどね。(^^;;;
せっかく、自分が素を曝け出せる仲間だけで飲もうと思っていたのに、邪魔された土方。
山南さんの言葉を遮って源さんに話し始めます。
露骨だよ〜。露骨過ぎるよ〜〜。そんなに嫌わんでも・・・。(苦笑)
山南さん、仲間に入れてほしかっただけなんだからさ〜。
そういえば、江戸の頃から土方の山南に対する態度ってこうだったな。
最近仲良しだったから忘れてたけど・・・。
山南にとっては慣れてるように見えて、内心結構傷ついてると思うよ、この人。

さらに山南が恩賞金の使い道に意見したことで、態度を硬化させる土方。
仕事モードで源さんにばりばり指示出してるし。
土方「池田屋に関わったみんなに手当として分け与える。ただし屯所に残った者は省く。」
屯所に残った者は省く・・・。
まぁ、実際には、屯所に残ったほとんどは体調不良で動けない者ばかりだったらしいから、いいんですけどね。山南さんには役付き手当くらいあげたって・・・と思う私はやっぱり甘いですか?>副長

沖田「じゃぁ、山南さんはもらえないんですか?」
総司らしいストレートな訊き方だ。(笑)
土方「いいよな?」
山南「私は別に・・・。」

山南さんっ!どうしてそこで一言くらい突っ込んでおかないの〜!!
あの時、土方に「屯所を守ってくれ。」って言われて、それであなた残ったんだから・・・。
「私も出動すれば良かったなぁ。」とか「じゃぁ、次回は土方くんに屯所を守ってもらおう。」とか、冗談めかして少し突っ込んでおいてもいいじゃないですか〜。
穏やかな笑みを浮かべて、そんな優等生なお答えして・・・。だからあなたはいろいろ煮詰まっちゃうんでしょっ!!・・・って、三谷さん、それを書いているんだろうな。
近藤が「本当にいいのか?」って感じで、不審そうに山南の顔を見ています。
笑みを崩さないけれど、じっと土方を見つめる山南。
あ〜、思ってることがあるんなら、言って〜。
でも頭のいい山南のこと。土方の決めた恩賞金の分け方に、一理あることはわかっているんだろうな。だから口を噤んじゃったんだと思うけど・・・。
その横で、源さんに「勝った!」と無邪気に喜んでいる総司との対比も上手いですね。

勘定方から隊士たちに恩賞金が渡されています。
河合と尾形が口を揃えて「おめでとうございます。」って言うの、おかしい。
相変わらず気合い入ってる松原さん。
屯所組の尾関さんは、もらえなくてクサってます。
「だけど、私らと一緒にされては困りますよ。」って、浅野、それをお前が言うか〜〜!!(怒)
返せ!20両!! でもあの晩、浅野が池田屋の植え込みに隠れて震えていたのは、視聴者しか
知らない訳ですが。(^^;;;
襖の陰からそっと現れる永倉さん、恐いです!!ひじょ〜に恐いです!!

ひでちゃんの誘いを断って、医者に行く総司。
疲れてそうな表情と喋り方が、藤原くん上手いなぁ。
孝庵先生の毒舌、今日も冴えてます。
総司「で、どうなんですか?」
孝庵「ひとの体のことなんか知らん。」
総司「医者だろ?あんた。」
孝庵「言うとくが、それはわしが訊くことや。」
・・・確かに。ごもっとも。(笑)
総司「変わり映えしないです。」
孝庵「それはなによりや。」
総司「なにより・・・だ・・・じゃないでしょう。」
総司、振り回されてる。かわいそうだけど、ちょっとかわいい。(*^^*)
孝庵「とにかく、無理はするな。ジジイになったつもりで暮らせ。な、ジジイ。」
って、最高です、孝庵先生。
診察室から出てきて「この年でジジイかよ〜。」と総司がボヤくと、「はぁ?」と問い返すおじいさん。
これ、山崎だったんですね〜。最初、気づかなかった・・・。さすが監察。

「どうも俺は納得いかん!」
永倉さん、怒ってます。恩賞に差をつけるのも、左之助を謹慎させたのも気に入らないらしい。
って、左之助、謹慎してるのね? いつもと変わらないからわからなかった。(笑)
永倉「戦場を離れたのはいかん。しかし、お前がそういう男だということは、近藤さんも土方さんも
    わかっているはず。」
原田「おまさちゃんの店が危ないってのに、誰も助けに行かなかったってのは、俺はいまだに許せ
    ねえ。」
永倉「俺たちは雇われ者ではない。同じ思いで集まった同志。このところ、息苦しくてかなわん。」
ん〜、確かにね〜、二人の気持ちはわかるんだけど・・・。

隊士の数も増え、社会的にも認められるようになってきた新選組。
そりゃぁ、いつまでも試衛館の延長という訳にはいかないでしょう。
大きな集団になれば、組織を整える必要も出てくる。規律も要れば罰則も要る。
隊士のすべてがあなたたちと同じ志を持って集まってきている訳ではないんだから・・・って、その辺のとこ、わかってもらえないのかなぁ。
恩賞に差をつけるのだって、確かに俸禄制だったこの時代、理解し難いかもしれないけれど、戦国時代は手柄に応じて褒美をもらえていた訳だし、そう突拍子もないことじゃないと思うんだけれど。

そこへ、おまさちゃん登場。
自分のために謹慎している左之助を気遣って、差し入れを持ってきました。
あんなに嫌っていた左之助だけど、ちょっと気持ちが動いたみたい。
それでも、「お店、一緒に建て直そうね。」と言われて、「ええんや。自分でやりますから!」って答えるあたり、もうちょっと時間がかかるかな?
「かわいい〜〜!!(はぁと)」って、左之助、あんたの方がかわいいよ。(笑)

きゃ〜〜!!
トシさんです!! 三味線、爪弾いてます!!
山本くん、ギターが弾けるそうだけど、三味線も様になっているあたり、ほんと芸達者ですねえ。
合いの手に入る鹿威しの音がまた絶妙です。
呼ばれて、総司くん登場。
「急に用ってなんですか?」
「それを見てみろ。」
言われて総司くん、置いてあった書き付けをパラパラ。
「うぐいすや はたきのおとも・・・。」
出た〜〜!! 豊玉発句集!!
このシーン、美味しい!美味し過ぎる〜〜。
今まで澄まして三味線弾いていたのに、
「あ、ばか!お前、どこ読んでんだよ。」
と、慌てて総司の手から取り上げる土方さん、可愛い。(^^)
「開いて置いてあるんだから、開いて置いてあるとこ見るだろう、普通は。」
って、手振り交えて文句言ってるし。(*^^*)
照れてたくせに、「これはな。」って得意そうに解説始めるし。
で、「そのまんまじゃないですか。(コーン!)」って、総司と鹿威しにも突っ込み入れられてるし。(*^o^*)

 『うぐいすや はたきのおとも ついやめる』(豊玉)
土方さんの句って、情景を素直に詠み込んだ発句が多いんですよね。

総司にはなかなか理解してもらえなくて半分キレて、
でも「一番自信があるのは?」ときかれて「好きなのでいいか?」と吟味し始めて、
でもどの句を披露するか迷っているうちに、総司に「もういいですよ。」って言われちゃって・・・。
鬼副長がこんなに愛嬌があっていいのか〜?!(爆)
怒ったり照れたり嬉しそうだったり拗ねたり、表情をころころ変える山本くん、本当に上手いです。
そして、喋っている途中でさりげなく咳き込んでみせる藤原くんも上手いよなぁ。

「俺は新選組を変える!」
「いいですね〜。変えてくださいよ。」
にこにこ嬉しそうな総司。でも、土方の説明を聞きながら、表情を微かに曇らせる。やっぱり、自分の体のことが不安になるよね。新選組を日本で一番にするという土方に、どこまで自分はついていけるのか・・・って。
「そのためには仕組みがしっかりしてねぇといけねぇ。近藤さんが真ん中にいて、その脇を俺たちががっしりと固めるんだ。」
「いいんじゃないですか。」
「これからは忙しくなる。」
「頑張りますよ。」
・・・と、新選組の話だったはずが・・・。
「だから今のうちに・・・体治しておけ。」
ストレートに土方に言われて、絶句する総司。
「元気な奴は、血なんか吐かねぇ。あの医者はあてになんのか?」
さすが副長、すべてお見通しでしたね。さらに山崎さんを使って調査済み。
観念して一度目を閉じて、
「あの先生は口は悪いけど、腕は確かですよ。」
と立ち上がる。
総司、いつも生意気な口叩いてるけど、孝庵先生の腕はきちんと認めてたのね。
っていうか、先生を認めてるから言いたいことを言ってるのかな。
縁側に佇む総司の背中が切ないなぁ。
「労咳みたいです。」
黙って目を伏せる土方。
「悔しいです。なんで私が・・・。」
総司の言葉に、土方がきゅっと口を引き結ぶ。
総司の後ろに立って、でも特に慰めの言葉を口にしないところに、かえって土方の思いやりを感じます。そうたやすく、慰めたり励ましたりできることじゃないものね。死病に罹ってしまったんだもの。それも、自分より9歳も年下の総司が・・・。
「近藤先生には言わないで下さい。心配かけたくないんで・・・。あと、おひでちゃんにも・・・。」
喋りながら潤んでくる総司の瞳。
土方の表情もやるせなさそう。
最初が発句集の楽しいやりとりだっただけに、言葉少ない二人が切ないです。

一波乱ありそうな幹部会議。
新しい編制表を永倉が恐い顔をして見ています。
一方、武田は満足そう。
「戦において最も大事なのは、上からの指図がいかに迅速に全軍に伝わるか。これだけ指揮の系統がしっかりとしていれば、その点はまったく問題ない。さすがは副長。」
甲州流軍学を修めただけあって、土方の意図が読めている。最後は余計だけどね。(苦笑)
「これならば新選組もますます磐石となり、さらなる繁栄は間違いございませんな。ひゃ〜っひゃっひゃっひゃっ・・・。」
何度聞いても谷のこの笑いはウザい。こっちの方が喉締められてるようで、苦しくなってくるんですけど・・・。
「私は承服できん!」
と永倉。あぁ、やっぱり〜?
「これでは、近藤局長と土方副長の力が増すばかりだ。」
いつまでも同志でいたい永倉からすれば、こういう組織図見せられちゃうと疑問に感じるだろうねえ。
「近藤さんの出世に利用しているだけではないのか?」
そこまで信じられなくなってきてますか。
「さらに訊くが、ここに山南さんの名前が無いのはなぜだ?」
確かにそれは思う。あくまでも命令の系統を図にしたものと言っても、最後に“総長 山南敬助”とあってもいいような気がするのですけどね。山南さんだって、局長の指揮下に入っている訳だし。
「山南くんにはこれまでどおり、相談役としてみんなの力になってもらう。」
・・・山南さん、いつのまにか相談役になってましたか・・・。
軍師やら養子の兄やらがやってきて、いつのまにか、そんなお立場に・・・。(T_T)
目を閉じたまま、黙って聞いている山南さん。あぁ、その胸中は・・・?
「自分たちの言いなりになる、訳のわからん連中を傍に置いて、意見の異なるものを遠ざける。そういう魂胆ではないのか?」
「訳のわからぬ怪しげな連中とは、我々のことですかぁ?!」
あぁ、武田観柳斎、いい味出してます。わざわざ自分で、形容詞一つ付け足してるし。(笑)
「失礼ではないか!」
谷三十郎も突っかかっていくと、
「お前らは口を挟むな!!」
と副長が一喝。

たぶん土方は、自分の言いなりになるならないで、人事を行っているんではないと思う。
ただ役に立つから、相応しい役職を与えているだけ。
情に流されないから、誤解されるのかもしれないけれど。
山南についても、土方は彼の性格を考えて、敢えて実戦部隊に入れていないんじゃないだろうか。
池田屋事件でもわかるけど、現場では機を見て突っ込むことも時には必要になる。
しかし山南はそういう冒険が出来ないタイプ。常にしっかり足場を固めて、成功を確信できてからじゃないと動けない。でも、それでは実戦部隊は動かせない。
だから敢えて、総長にしたんじゃないのかな。
あるいは・・・と、芹沢暗殺の時を見ていてなんとなく考えている理由があるのですが、それについては33話で語られるみたいなので、その時に・・・。

「新選組の方針は土方くんに一任してあります。」
あぁ、そんな・・・。
頭脳の山南・実戦の土方、二人が絶妙なバランスで支える新選組が見たいのに・・・。(泣)
「ただし、これだけは言わせてください。我らがなぜ、ここまで固い結束でやってこられたのか。それ
はひとえに近藤さんの人柄です。」
うんうん・・・。こういう時の山南さんのソフトヴォイスは胸に沁み込む。
「それをあまり局長局長と持ち上げ、近藤さんに力が集まるやり方は、なにより近藤さん自身が辛いとお感じになるのではないですか?」
確かに大河の近藤は、なによりそれで悩んでいるよね。
時代に引き上げられ、土方に持ち上げられて、いいんだろうか、いいんだろうかっておろおろしてる。
でもね、山南さん。
池田屋事件の前、「私はそれ(歴史の表舞台に出ていくこと)を望んではいない。」と悩む近藤に対して、「あなたが望んではいなくても、周りは望んでいるのです。それをお忘れになりませぬよう。」って言ってませんでした?
あの時あなたは、今自分で言っているのと同じことを局長にしていたと思うのだけど・・・。
それに気づかず言っているのか。それとも総長という立場になって、新選組を少し離れたところから見るようになった時、気づけるようになったのか・・・。

「土方くん、この件に関してはもう少し考えてみよう。俺はこんなことで揉めたくない。」
近藤に言われて、一瞬目を伏せる土方。
近藤が「この案はやめよう」ではなく「もう少し考えよう」と言ったところに、土方への労わりが感じられます。土方、反論せずに従おうとしたのだろうけれど、みんなにわかってもらえない悲しみを堪えてるって横顔ですね。
「言っときますけど、土方さんは欲得尽くで動くような人じゃありませんよ。」
総司も優しい。(涙)
前のシーンで土方の気持ちや考えを聞いていたから、誤解を解いてあげたくなったんだろうなぁ。
でも・・・。
「もういい、総司。やめとけ。」
居たたまれないように立ち上がると、あ〜ぁ、キレちゃった。ビリビリに破いちゃったよ。
総司に庇われて、逆にヤケになってしまったのか、それとも、年若い総司でさえわかるのに、なんで永倉も山南もわからないんだという苛立ちか・・・。たぶん両方だろうな。土方の表情、泣きそうだよ。
溜め息ついてそうな近藤、見上げる総司、堪える源さんが順に映る。やっぱりこの3人だけが、土方の気持ちをわかっているということか。

「早いとこ、そのくだらねぇ仲間ごっこ、やめてくれ! 芹沢を斬った時から俺たちは変わったんだ。
そのことに早く気づけ!!」
あ〜ぁ、言っちゃったよ、土方さん・・・。
「とりあえず、お茶にしますか・・・。」
源さんの取り成しで収まる訳がなく、
「ちょっと待ったぁ!!」
そりゃ永倉さん、聞き捨てる訳にはいかないよな。
近藤さんにわざわざ問いただしてるんだもの。
「やはり長州の仕業ではなかったのか。」
「そんなこと本気で信じてたのか。」
売り言葉に買い言葉だ。喧嘩上等!
「もういいっ!私は新選組を抜けさしてもらう。」
はぁ・・・。やっぱり近藤さん、あの時正直に永倉さんに、事後報告しておくべきだったと思うよ。
平隊士とは違うんだから。
足音も荒く立ち去る永倉、島田。
土方さんも苛ついたように後ろの髪を払う。この仕草、久しぶり〜〜。
「ここは私が・・・。」
と、仲介を申し出る山南。
「はぁっ」って嫌そうに溜め息つく土方もいい。
近藤さん、また苦悩の表情。これでは胃にいくつも穴があいていそうです。

「俺は土方さんのやり方が許せない。気に入らない奴を退け、新選組を意のままに動かそうとしている。」
うぅぅ、やっぱり、わかってもらえないのね。(T_T)
「ごもっとも。しかしあなたがやめて収まることではない。」
あぁ、いかにも山南流の説得だ。
「やめるのは容易いことです。ここは踏み止まって、新選組を中から変えていきませんか?」
ちょっと待った〜〜。山南さん、何を考えてる?
「松平容保公に連名で建白書を提出するのです。」
おいおい、自分で仲介するんじゃないのかよ〜。それも、かえって大事(おおごと)にしようとしてるし。(^^;;;
「私が表に出ると、土方くんがまた何を言うかわからない。代わりに、筆の立つ男を紹介します。」
この辺が山南の限界なんでしょうか。事を荒立てまいとして、かえって事態をややこしくしている。
自分が動かずに誰かを代わりにっていうのは、ちょっとずるいと思うし・・・。
「仲間を募ってください。多いに越したことはない。」

八木家の縁側で木を掘る斎藤。為三郎くんとすっかり仲良し♪
そこへ、島田さんがお誘いに。
斎藤さん、台詞が無いけど、表情がいいですね。

島田についていったと思ったら・・・、斎藤さん、幹部に報告しちゃってるよ。(爆)
武田「誰の入れ知恵だ?」
土方「だいたいの察しはつく。」
武田「山南総長だ。間違いない。くそっ!!」
くそっ!まで言うか、あんたが・・・。
「斎藤、お前に頼みがある。」
「・・・(こくん)」
密偵の指令ですな。
斎藤、頷いたあとに近藤に視線を移すと、近藤は苦悩の表情です。
このシーン、最初は、斎藤、チクってる〜〜と思ったのですけれど、彼は彼なりに事態をなんとか
収拾したくて、敢えて近藤たちに報告したのかな?と。
永倉たちの動きを報告することによって、上手く対応してもらえないかと、そう考えたんじゃないので
しょうか。恩ある近藤のためにも・・・。
最後に近藤の表情を窺うのを見て、そんな風に感じました。

反乱組の会合、えっ?屯所でやってるんですか?
大胆というか、何というか・・・。(苦笑)
「もっと集まるかと思ったのにな。」
確かに・・・。(笑)
島田に脅されてる尾関さんがおかしい。
斎藤はやっぱり、ちょっと離れたところのポジション。
「芹沢さんを斬ったヤツを許す訳にはいかない。」
斎藤の言葉にドッキリの左之助。
「近藤さんは会津藩に認められ、いささか調子に乗ってしまった。」
と永倉。あれ?主語が土方から近藤に変わっている。
ん〜っ、やっぱりこの展開で史実の建白書騒動に持っていくのは、いささか無理が・・・という感想は最後にでも。
「この度のことは、近藤さんに目を覚ましてもらうことが目的だ。」
「覚めなかった時は?」
斎藤、しっかり突っ込み入れてる。(爆)
さらに、
「俺も・・・芹沢殺しに絡んでるんだよね。」
という原田の告白に、永倉もびっくり!!
しかし左之助、「土方」って副長だけ呼び捨てかいっ!!
「よしっ、これから会津公に届けに行く!」
「これからか?」
永倉と他の5人の温度差が面白いですね。

斎藤は再度幹部に報告。
あれ?沖田と井上がいなくなってる。巡察にでも行ったかな?
「新選組を思ってのことだ。大目に見てやろう。」
「俺は忘れねぇよ。」
土方さ〜ん・・・。どう忘れないのか、恐いですぅ。
でもそれだけ土方は、傷ついてるんだよね。自分の考えを理解してもらえなかったばかりか、誤解
までされたことに・・・。まぁ、子どもみたいだとは思うけれど。
「座を外してもらえますか?」
「(谷に)外せ。」
「あなたも。」
こういうシーンでも、笑いポイントを入れてくる三谷さん。
観柳斎、袴の裾、踏んづけてるし。(笑)

「俺が頭を下げて済むんだったら、いくらでも下げる。」
「あんた、新選組の局長なんだぞ。」
「だからこそ、頭を下げるんだ。」
こういうところは、近藤の器、大きいんだよね。
だから、土方は何も言わない。やっぱり、かっちゃんだ・・・って、きっと感心してるだろう。
そして、「俺も行こう。」
近藤だけに頭を下げさせる訳にはいかないと思ったね?
ここが土方の強いところでしょう。
負けず嫌いの土方のこと、ほんとは頭なんか下げたくないに決まってるけど、かっちゃんのためだったら頭だって下げる。泥だってかぶるんだ。
自分を捨てて鬼にもなれるそういうところが、山南と対照的に映る。
でも、「俺にまかせろ。」
近藤、一人で行っちゃった。近藤さん、それ、まずいよ〜。やっぱり土方も連れていかなきゃ。
永倉たちが反発してるのは、近藤さんにだけじゃないんだから。
っていうか、もともとは土方さんに対してなんだから。
大丈夫かな?この先がちょっと不安だ・・・。

土方が入ってきたのは、前川邸の土蔵。古高俊太郎を拷問したところです。
拷問の道具が増えてる・・・。(^^;;;
土蔵のシーン、好きです。薄く差し込む光がとても綺麗で・・・。
土方は何を考えているのかな?
「修羅の道に踏み込む」と宣言してからの出来事を思い返しているんだろうか。
自分のやってきたことに間違いはないはずだと、自分で自分に言い聞かせているのかもしれない。
そしてこれからも自分は鬼でいようと、改めて覚悟を決めているのか。
それにしては、確固たる表情じゃなくて、すごく寂しそうなんだ。不安そうなんだ。
熱い眼差しではなくて、透きとおるような瞳。揺れてる瞳。
だからかな?見ているこちらまで、孤独になるんです。

土方が土蔵からそっと出てくると、またいいタイミングで現れる山南。
すっと縁側に立つ山南の表情は・・・。
うわ〜〜っ、こんな恐い山南さんは初めてだ〜〜。
睨んでるよ、睨んでるよ〜。
だけどその目を伏せて、きちんと会釈するところはやっぱり山南さんだ。
お互い胸の中でバチバチ火花散らせながら、表面上は静かにすれ違う。
その瞬間、スローモーションになるのがすごく効果的。
すれ違ってゆく二人は、もう二度と同じ方向を向いて、ともに歩いていくことはないのだと告げられているようで、めちゃくちゃ切ない。
目の前を通り過ぎた山南の、去っていく背中を睨みつける土方。っていうのも、これから先の展開を象徴しているのだろうか。
交差する地点を目指して歩いてくる土方は、まだ山南とコンタクトを取ろうとしているように見える。
確かに祝杯上げるシーンとか、つれない態度は取ったけど、土方に他意は無かったかもしれない。
それに対して、山南は土方を拒絶するように、表情の読み取れない目をして、土方の前を通り過ぎ、去っていく。
取り残された土方の横顔が寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。
ゆっくり視線を上げていって、山南の背中を横目で見つめる。でもこの瞳は、けして山南を睨んではいなくて、憎らしいというより恨めしいという感情を見せてはいないか。
土蔵のシーンからすれ違うシーンにかけて、台詞がまったくないのだけれど、二人のその微妙な表情や視線・仕草だけで、痛いほど胸にずっしり残る。二人の演技に完全にやられました。(崩壊)

会津本陣、容保公のお出ましです。
「面を上げよ。」と言われて、真っ先に顔を上げる左之助。(笑)
「そちたちと同じ覚悟でこの場に来ている者がおる。」
容保公の言葉とともに開く襖。そこには近藤局長が!!
さらに永倉たちより下座に着いて、頭を下げる近藤。
一本気な永倉たちは、こういう態度に出られると弱いよなぁ。
島田さんなんか、既にうるうるだし。
しかし、「己の気づかぬところで、慢心した末の、あらぬ疑いをまねくような言行。心から恥ずかしく思います。」って、近藤さん、“慢心した末の言行”なんてあったっけ?(苦笑)
近藤のもとに駆け寄る6人。一応同じ行動を取る、一番後ろの斎藤さんが微笑ましい。
「お気持ちは痛いほどわかりました。私ども一時の気の高ぶりから無礼の数々、お許しください。」
あぁ、こういう真っ直ぐで単純な永倉さん、好きなんだけど、いいのか?本当にいいのか?
「土方のことをわかってやってくれ。あいつの胸中には新選組のことしかないのだ。理不尽なことも言うだろうが、それはけして己の欲のためではない。」
ありがとう、かっちゃ〜ん!!
正直、こんなにフォローしてくれると思わなかったよ〜。
容保公の優しさにも感動の6人。号泣してる島田とニッコリする左之助が可愛い。

建白書を破いてみせて、「これにて一件落着!!」
容保様、今度は“遠山の金さん”なんて、お茶目です〜〜。(*^o^*)
同じ破いたのでも、建白書は一件落着だけど、編制表の方はちっとも落着してなさそうで、恐いな。


最後に、少しだけ書いておきたい。

 永倉新八たちによる実際の建白書の提出は、近藤勇の慢心と専横を訴えてのことでした。だから、
 近藤本人が頭を下げればよかった。近藤が自ら頭を下げることで、永倉らの怒りは収まったので
 す。
 だけど大河の近藤の描き方では、とても慢心して殿様気取りになったとは思えない。
 そこで三谷氏は芹沢暗殺に絡めたり、恩賞金や隊士編成についての不満も理由に加えたりしたの
 だと思いますが、そのために今度は逆に、最後の決着の仕方にあまりにも無理が出てしまったよう
 に感じます。
 だって、近藤は永倉たちの不満に対して具体的な対応は一切していないのに、永倉たちは頭を下
 げる近藤に感動して許してしまった・・・。あんたたち、それでいいのかい?って感じですよね。
 まぁ、永倉らしいっちゃ永倉らしいし、それをしこりとして残しておいて、後に繋げていくのかもしれ
 ませんが・・・。
 ちなみにあの隊士編成は、次回31話で近藤たちが江戸に下り、隊士を募集してきた後のもので
 す。
 この時点では、あのような編成にするほど隊士はいませんから、あの提案は考えられません。
 (土方の頭の中には、すでに原案くらいはあったかもしれませんが。)
 もちろん、建白書提出を山南が裏で唆したという事実もありません。これは完全に、今後の話の
 展開に繋げていく三谷さんの創作でしょう。

 あと、芹沢暗殺の件を建白書に絡めるため、土方が会議の席でキレて、暗殺したことをポロッと
 喋っちゃいましたよね。
 キレる土方さんを見られたのは嬉しいのですが、ファンとしてこの展開はちょっと許せないなぁ。
 芹沢暗殺はトップシークレット。
 それを、たとえカッとなったとしても、島田たちもいる前で土方が口を滑らすなんてありえない。
 永倉の、土方への不満を近藤への不満にスライドさせていくためとはいえ、あれはちょっと・・・。
 土方さん、おバカ丸出しじゃん。(T_T)

 まぁ、最後の容保公の“遠山の金さん”に免じて、ここはひとまず流し、今後の展開に期待すること
 に致しましょう。


あ〜、それにしても、土方さんと山南さん、どうなっちゃうの〜〜!!
今回二人は同じように、「新選組を変える」と言っている。
それなのに、まるで対立しているかのように見えるんだ。
さらに、対立しているように見えるだけで、明確な対立の構図は見えてこない。
というより、山南の意図が全然読めないんだよね〜〜。
池田屋の前の「軍議ではないかぁっ!」の時もそうだったけれど、なにか唐突に感じる二人の不協和音。そして、この後の展開を知っている者さえも、不安にさせる二人の表情。
キリキリキリキリ・・・
あぁ、全国の山南ファンと土方ファンの胃が、ただれるように痛んでいます。(泣)


追記
この感想を書きながら放送を何回も見返して、なんでこんなにみんなの気持ちがバラバラになってしまったんだろう・・・と、考えているうちにふと思い当たった。

みんな違う方向を向いてしまったように、また対立しているように見えて、実は、永倉も原田も山南も土方も近藤もみんな、お互いを大切に思い、信じていることに変わりはないのかもしれない。
そして信じている仲間だからこそ、意見がすれ違ってしまった時、なんでわからないんだ?わかってくれないんだ?と相手を責めてしまうのかもしれない。それも、みんなが大切にしている新選組のことだからよけいに。
あいつらならわかってくれるはずだ・・・という絶対的な信頼があるからこそ、逆に理解してもらえなかった時の悲しみは大きくなり、相手を責める気持ちも強くなる。

まだまだ彼らは信じている。信じ続ける。それによって、さらに悶々と悩むだろう。
その苦しみに耐えきれなくなった時、諦めの境地に達してしまった時、彼は・・・
あぁ、いずれにしても辛い展開だなぁ。(T_T)

 

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