大河ドラマ「新選組!」のツボ

 

第23回  政変、八月十八日

芹沢の大和屋焼き討ちの件で、守護職本陣に呼び出された近藤・土方・山南。
怒り心頭の広沢様を前に、言葉も無い近藤。
山南が後ろから、「騒ぎを起こしているのはごく一部の隊士だけ。」と必死にフォローするもすぐに、「それが筆頭局長というのが重大なのだ。」と返されてしまいます。
「芹沢をなんとかしろ。おぬしたちのためだ。」と広沢様。
その言葉に近藤は逡巡しますが、ここで土方の目がキラリ〜ン☆
・・・というのは映りませんが(オイッ)、たぶん彼の目は一瞬鋭く光ったことでしょう。
「それは会津様のお考えと取ってよろしいのですか?」と、広沢様を見据えて土方が確認します。
そんな土方を山南が横目でチラリ。「かまわぬ。」と、今日はダークな広沢様。
ふっふっふっふっふっ・・・。この遣り取り、堪らんわ〜〜。(爆)
今年の大河に出演の皆さん、ちょっとした表情の変化とか視線を移すとか、とても細かく演技してくださるので、見ていてゾクゾクしてしまいます。

さぁ、ついに会津藩から引導を渡されました。
「なんとかしろ」と言われて、芹沢のもとに向かう近藤。ほんと、真っ直ぐだなぁ。(苦笑) 「じゃぁ、なんとかすりゃぁいいじゃねぇか。」と本人にまで言われてるし・・・。
芹沢たちはなんでも、これから湯治に行くらしい。旅支度をしています。そこへ、これまた旅支度をした総司登場。釣竿持って、なんだか浦島太郎みたいだ。かわいい。(*^^*)
誰かが責めを追わなければならないとしたら・・・と芹沢は少し考えたのち、新見に「お前、腹切れ。」とあっさり。突然のご指名に、思わず目を剥く新見の中で、一気に湧き上がる芹沢への不信感。この辺の表情が、相島一之さん、お上手ですね〜。
結局、焼き討ちは新見が責任を取る形で、副長に格下げ・謹慎となりました。新見さん、ヤケ酒を呷ってます。今までずっと片腕としてやってきて、時には芹沢の尻拭いまでしてきたのにこの仕打ち。芹沢のことは自分が一番知っていると自負し、また芹沢も自分のことをわかってくれていると信じてきたであろうからよけいに、腐るよなぁ。(同情)

一方、近藤はこの結果を土方・山南に伝えますが、「そんなんでいいのか。それでお終いか。」と土方に食い下がられて、逃げるように立ち上がります。「あんた一人で組を引っ張っていく覚悟がねぇんだ。」と詰られて、それでもまだ芹沢を処分する気にはなれないでいる近藤。
あ〜、私までイライラする〜。「ダメだ、こりゃ。」 土方さんと一緒に吐き捨ててやりたい気分だ。多摩で「一緒にデカいことやろうぜ!」って言ってくれた近藤さんはどこへ行ってしまったんだ〜〜?!
口を真一文字に引き結んでいる山南さん、何を考えているのでしょう。

守護職本陣はただならぬ様子。藩士の皆さんが集団で“山南走り”。(笑) 
一部「新選組!」ファンの間ですっかりこの名称が定着してしまった“山南走り”ですが、一斉にこの走り方をしているところを正面から見ると、緊迫したシーンのはずなのになんか笑えます。(オイオイ)
長州藩が画策している天皇の大和行幸を、会津藩は薩摩藩と協力していよいよ阻止することになりました。新選組にも呼び出しが掛かります。
いったい誰が真の尊王攘夷なのか、長州だって自分たちと同じ尊王攘夷を唱えているのではないのか・・・と今も政治情勢にとまどいながらも、会津藩お預かりである以上、会津藩の敵はすべて自分たちの敵とみなし、突き進むしかない・・・と言う近藤に、力強く頷く山南と土方。新選組の立場と未来をすごく良く表しているシーンですね。

守護職本陣の軍議にて、長州を御所から立ち退かせ、御所を守るための陣割りが発表されます。けれど、壬生浪士組には割り当てがない。公用方の筆頭、小森様は、浪士組を快くは思っていない様子。容保様が「近藤たちの力が求められる時だ。」ととりなしてくださって、ようやく“御花畠”の守備を命じられます。「そこには何か大事なお花が・・・?」って真面目な顔で訊く近藤さんが可笑しい〜。そして自分もわかっていない広沢様もかわいい。(笑)

容保様に拝謁する近藤。容保は、孝明帝から受ける信頼と、自分が近藤に寄せる信頼とは同じものだということを説き、帝と上様のために命を捧げるとの自分の覚悟を伝えるとともに、「お前もだな。」と近藤の気持ちを確かめます。近藤が「いいえ、私は、帝と上様と殿の御為にこの命を捧げる所存!」と答えると、満足そうに微笑む容保様。そして感動とともに容保様を見つめる近藤。自分の進むべき道をずっと見つけられずにいた近藤さん、これで確認することができたでしょうか。

戦支度をする壬生浪士組。永倉さんにすりすりする左之助がちょっとかわいい。(^^)
隊士たちに気合いを入れる左之助に、「あのー。」と手を上げる河合さん。小学生じゃないんだから。(笑) 
私も「出陣しなければならないのでしょうか。」との河合さんが訊ねると、「あたりまえだろ。“戦う勘定方”として雇ったんだ。」と左之助が答える。“戦う勘定方”って、“戦う勘定方”って・・・。(爆) 「え〜?」と情けなさそうにビビる河合さん。

そこへ土方・山南・島田が登場。だんだらの羽織を肩に引っ掛けただけの土方さん、かっこいいです〜。(*^^*)
「追い詰められた鼠は何をしでかすかわからない。」と、最悪の事態を予想してドキドキしている山南さん。一方、「ようやくあの桂小五郎を京から追い出すことができるんだ。考えただけで笑いがこみ上げてくる。」と、ワクワクしている様子の土方さん。上手く二人の性格の違いを表わしてますね〜。
嬉しそうな土方を見て、山南は呆れるような嫌悪感さえ感じるような表情を浮かべます。そしてそのやりとりを背中で聞いている斎藤・・・。

あ、近藤が屯所に帰営しました。源さん、すっかり近藤さんの付き人と化しています。(^^;;;
「下知があり次第出陣する!」との近藤の言葉に、みんなドキドキわくわくの表情に・・・と思ったら、山南さんだけ一人、ちょっと目を伏せてる・・・。
近藤は八木源之丞さんに出陣のご挨拶。源之丞さん、甲冑姿を褒めてくれます。屋敷に居座る浪士組、迷惑以外の何物でもないんだけど、それでもだんだん情が移ってきているんでしょうねえ。

町の様子を探っている斎藤。
そして、こんなところに捨助がいた〜〜!!(@o@)
かっちゃんが京の町でまだ案外知られていないのを知って、嬉しそうに笑ってます。殴ってやろうか。(苦笑)

夜食を差し入れてくださる八木家の皆さん。隊士たちは、ひでちゃんの握ったおにぎりの方に殺到します。真っ先に立ち上がった中に斎藤さんもいて、思わず「あんたもかい!」と突っ込み。(笑)
山南・新見が薩摩の動きを警戒しています。もしかしたら会津は薩摩と長州の勢力争いに巻き込まれただけかも・・・と危惧する二人に、「そうなった時は今度は、薩摩をやっつければいい話じゃねぇか。」と割り切る土方。時勢を読み取っている山南・新見に対して、時勢はお構いなしで、喧嘩と変わらぬ理論の土方。でも、この一見単純な思考が、土方さんの強さじゃないだろうか。

大好きな沖田のことを心配するおひでちゃん。慰める平助のおにぎりを、左之助が横からちゃっかりいただいちゃってます。(笑)

一方、こちら湯治場。浴衣姿の沖田がなにやら物思いに耽っています。芹沢さんとお梅さんについてはきたものの、やっぱりそこには自分の居場所は無いんでしょ?
開けっ放しの鴨さんのお部屋を覗くと、そこには寝ているお梅さんの白い肩が・・・。うきゃぁ、純情青年には刺激が強すぎるってば〜。お姉さんとしましては、思わず総司の目を手で塞いでしまいたい気分です。そっと障子を閉める総司。お梅さんのこと、大切に思っているんだね。

孝明帝に拝謁する容保様。そっと顔を上げると、帝がゆっくりと頷いてくださいます。
三条実美ら急進派の公卿が退けられ、会津・薩摩による御所の守備も完了しました。桂小五郎は一旦京を離れることを決意します。

 ん〜、この辺ね〜、本当は御所の中での公卿たちの駆け引きが、まさに手に汗握る感じで凄かっ
 たはずなんですよねえ。主役が新選組だから仕方が無いんだけど、なんか政変を外からぼーっと
 見ているだけの感じで、あまり緊張感が感じられなくて残念でしたねえ。っていうか、もしかしたら、
 何が起きているのかわからないまま御所へ向かうこともできず、会津藩からの下知をただ待つだ
 け・・・の新選組に、視聴者が気持ちを重ねるための狙いだったりしたのかな?


壬生で待機のまま夜を明かした新選組。みんな腰掛けたまま仮眠を取っている様子。土方さんの目を閉じた横顔が美しい〜〜。(爆) 片膝立てて床見つめてる斎藤さんも素敵。(*^^*)おいおい、左之助、夢まで見てるんかいっ。首が後ろへガクッとなる源さん。近藤さんだけは眠れないらしい。いや、眠る訳にはいかないと思っているのかも・・・。
そこへ、芹沢・お梅・沖田が帰営。屯所のただならぬ様子にビックリ!!
芹沢に説明しながら「会津藩は、一番どうでもよい場所を我らに割り振ったのではないか。」という新見の言葉に、複雑な表情の近藤。

人を斬ったことがないと島田に打ち明けている藤堂。「いざとなったら俺が守ってやるよ。」って、島田さん優しい〜。その横で木刀を振っていた沖田が、「躊躇わず斬るべし。」「いちいち相手のことなんか考えてたら、こっちがやられちゃうぞ。」と藤堂にアドバイス。でも総司、そう言いながらあなたこそ、今でも斬ってしまった力士のこと、考えてるんでしょう〜?
すると、「局長が言ってたこと、まだ気にしてるのか?」と、さすが斎藤さん、お見通し。
「だったら悔やめばいいんですか?」「(斎藤さんは)何も感じないんですか?」と突っかかる総司に、「お前は飯を食うたびに一々何か感じてるのか?俺にとっては(人を斬るのは)そういうことだ。」と言って立ち上がり去ってゆく。斎藤さん、かっこよすぎ〜〜。

そこへひでちゃん登場。わざわざ取っておいたおにぎりを沖田に渡そうとするが、断られる。ショックを隠して、島田さんに差し出すと、「いいの〜?」と受け取る島田さん。いい人だ〜。
そしてさらにひでちゃん、お守りを渡そうとするも、また沖田に拒絶される。「私はいい。誰かにあげて。平助は?」って、ひでちゃんにも平助にも失礼だよ、総司。
「どうして沖田さんはそうなんですか。どうして人の気持ち考えようとしないんですか。」と、さすがにキレるひでちゃん。でも、「何言ってんだろう。」って、総司にはひでちゃんの言葉も気持ちも理解できない。自分の気持ちだけでも持て余してる状態だもんね、仕方ないけど、ひでちゃん可哀想に・・・。ヤケになってお守りも島田に差し出すと、「いいの?」と気にしつつ受け取ってしまう。島田さん、いい人過ぎ。(苦笑)
ハラハラしながら見ていた平助が総司を、「ひでさんが言いたかったのは、そういうことじゃないと思いますよ。」とたしなめます。平ちゃんの方がずっと大人だ・・・。(^^;;;

いまだ壬生にて待機の浪士組。会津藩から貸し出された具足に虫が湧いているらしく、痒がる芹沢。だんだん苛々してきます。「このまま待ってたら終わっちまうぜ。」と近藤に告げ、下知を待たずに出陣を決めます。
「皆の者、出陣だ!!」 芹沢さん、かっこいい〜。
少し躊躇った後、近藤も芹沢に従います。四角四面に考えて決断できない近藤、芹沢との差が見えてしまいますね。
ところが、出陣したはいいけれど、御所の前で会津藩に門前払いです。軍議で無視されていたくらいですからねぇ、上から現場にまで指示が出されていないらしい。
「ここを通ること罷りならぬ。」一点張りの小隊長に、キレる芹沢。鉄扇で槍を払いながら門の前に進み出ると、小隊長を鉄扇一本で脅し、門を開けさせてしまいます。近藤に見せつけるように、「誠忠浪士組筆頭局長芹沢鴨、会津候の命により御花畠に罷り通る!!」と告げる芹沢。見ていて確かに器が違う・・・。近藤さん、あなたもこれくらい大きくならんと。

さてさて、御所の中に入れたのはいいけれど、おのぼりさん状態の浪士組。「みんな迷子にならないように。」と近藤さん言う傍から、「こっちです。」と地図を持った山南さんに呼び戻されてるし。で、実はその山南さんも、地図をあっちから見たりこっちからみたりしながら、なんとか確認してる状態だし。(笑)

降ってきた雨の中、長州藩は撤退。会津藩は勝利の勝ち鬨をあげます。が、御花畠の浪士組には一切の報告が来ないまま、みんな雨にぐっしょり濡れて佇むしかない。キョロキョロうろうろしている総司と平ちゃんの無邪気さに、なんとか救われる感じです。
「結局俺たち、何もやってねぇじゃねぇかよ。だいたい、なんなんだよ、ここは。」とボヤく左之助に、「・・・御花畠・・・。」と飄々と答える斎藤さんが可笑しい。
雨に濡れて座る近藤の背中を見つめながら、「会津藩はいつになったら俺たちを認めてくれるんだよ。」と呟く土方。山南も並んで近藤の背中を見つめます。この時は一緒のものを見つめているんだよね〜、この二人。それが嬉しくもあり、先のことを考えると寂しくもありますね。(;_;)
「歴史が動いても、相変わらず我らは蚊帳の外。」と答える山南に、「山南さん。」と振り返った土方の目が据わっています。
「腹は決まったぜ。俺は壬生浪士組を変える。」 宣言する土方の目を、「どうします?」 山南も真剣な目で見つめ返して・・・。
「まずは会津藩の信用を勝ち取る。」「そのためには俺は・・・喜んで修羅の道に踏み込んでやる!」
雨の降り続ける空を睨みつけるように見上げて、ついに土方は覚悟を決めます。修羅の道へと踏み出す覚悟を。鬼となる覚悟を。
そしてその土方を同じ厳しい目で見つめる山南。彼もまた、土方と同じ覚悟を決めたのでしょうか。
ここに近藤がいないということは、何を表わしているのでしょう。不安を感じるのは考え過ぎ?(;_;)
でもその代わり、斎藤がしっかり見届けてくれているのが嬉しい。
濡れそぼる3人の瞳だけが妖しく輝いて・・・。いや、“水も滴るイイ男”とは、まさにこの人たちのことですね。(爆)

すると、浪士組の前を容保様一行が通過していきます。雨の中、膝をついて控える浪士組。けれど、容保公は気づかないのか、視線を向けることもなく通り過ぎていきます。降りしきる雨の音、何かを堪えるような近藤の横顔。彼らの無念さが伝わってくる今回の放送でした。

 

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