高台から見下ろす13号棟
「さらば 思い出の軍艦島/別れ惜しむ最終便/小雨の中、汽笛むせび」
 白い航跡を残して野母商船の定期最終便が西彼高島町端島(軍艦島)を後にした。二十日午後四時五十分、端島発高島経由長崎行きを最後に五十八年間続いた高島―端島航路は閉鎖され、軍艦島は同日最終便で全員“総退艦”、無人島同然になった。(中略)最終便には軍艦島の最後の姿を見ようと住民が詰めかけ、それぞれの思い出をかみしめるように名残を惜しんでいた。
(昭和49年4月21日 長崎新聞より抜粋)
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