1997.08.04(日)
 6時から起きて荷物の詰め替え。07:20からたっぷりと朝食。8時半、ホテルを出発。 徒歩でコンパスをたよりにエスパーニャビルへ向かう。

Point:旅行に行くときコンパスを持って歩いています。特に、大きな街を歩く時や、 地下鉄を利用して地上に出た時に使うとすごく便利です。

 エスパーニャビルに入ったまでは良かったものの目指すJTBが見つからない。 1階ではエレベーターがたくさんあるのに、上へいくとそれぞれ独立しているのだ。「Grupo」というのを思い出して住所を再確認し、Grupo3のエレベーターに乗って何とかJTBにたどりついた。とてもわかりずらいのだ。(写真はエスパーニャ広場と右手奥にエスパーニャビル)

 JTBで旅行日程に沿って次々に確認していく。
1.アトーチャ→マラガの特急券を予約。2等でも冷房有り。
2.地方の列車やバスは予約不可。切符も現地でしか買えない。
3.グラナダ→ボビージャ→アルヘシラスは列車移動。
4.アルヘシラス→カディスはバスで2時間弱、現在9本/日。
5.セビーリャ→アトーチャのAVEは8月は運休が多い。
6.トレド観光は当日14:30発、一人6000円。
7.フラメンコは本日4人揃いそうにないのでダメ。
8.闘牛も土日のみで日程上困難。
9.右はデレチョDerecho、左はイスキエルダIsquierda。
10.スリやかっぱらいにあったらラドロン(泥棒)!と叫ぶこと。警察をよそおう
  かっぱらいもいるが、現地警察は観光客を呼び止めたりしないので無視すること。

Point:JTBにたどりつくのは大変でしたが、現地のその時点での情報を得るにはとても有用です。特急券なども確実に買えるし、VISAカードなども使えます。特に交通情報については、その月によって運休があるため、個人で旅行するときにはここで確認していくと確実です。なんといっても日本語が通じますから。

10:15、JTBでの手配終了。 まずは目の前のエスパーニャ広場に行く。ハトとスズメが印象的。(写真はエスパーニャ広場の噴水とハト)

 ついでマドリード王宮へ徒歩10分。途中イスラム風の建物があったり、かなり古い建物が立ち並ぶ。王宮では切符の買い方がわからず、外観のみ見学した。かなり暑くなってきたので日陰で水分補給。王宮前広場の出口では「子供のエイズをなくす署名」をかなりしつこくせまられた。やり方の汚さと強引さに疑いを持ち、No!を繰り返してその場を立ち去った。

Point:平日なのに観光地で強引に金を集める、そんな団体があるわけがない。ソフィア美術館では同じグループに「ジャパニーズ、心ない」とまで言われた。トレドにつきあったガイドさんはスペイン19年在住の日本人だったが、「署名集めをしているのは全て外国人(スペイン人から見て)。かなりうさんくさいので目をそらして立ち去るのが一番」と教えてくれた。ついでに言うとスペインで日本人の遭うトラブルはほとんどスリやかっぱらいで、犯人はほとんど「外国人」なのだそうだ。スペイン人以外の男性が二人以上一緒にいたらそばに寄らないことが、かっぱらいにあわないためのポイントだと教わった。

 午前の第2の目的地はソフィア美術館。オペラ駅で10回券(ディエスビアーヘス)を1枚買った。日本の回数券と違い、1枚の切符を10回使える様になっている。1枚の切符で一人が改札機を通ったあと、次の人に切符を渡せばいいのだ。なんだか不正でもしているようで変な気分だがこれでいいのだ。(写真は10回券の実物。1回券は130Ptsだが10回券は645Ptsで半額)
地下鉄の中は空いていたが、それでも一生懸命注意を払っていた。アトーチャで降りて次のトラブル。

Panic:地下鉄駅を出るとすぐ正面に素敵な建物が目についた。観光客もその方向へ歩いていく。その建物に数歩ふみいったら雰囲気がおかしい。すぐ立ち止まったら自動小銃を持った兵隊が近づいてきた。何をしていると言うのでガイドブックのソフィア美術館を示すと親切に道を教えてくれた。そういえば他の公的建造物の入り口にもたいていこのスタイルの兵隊さん(?)が立っていて、観光客が間違えないようにしていた(のだと思う)。ちなみにこの建物は農業省でした。ああ怖かった!!!。

 やっと美術館にたどりつくと今度はセキュリティチェック。さらにリュック類は全て預けなければならないという念の入れようだった。案内もわかりずらく、結局は係の人に「ゲルニカ」の所在を聞いてそのフロアだけを見てきた。出口では例の署名集団が声をあげていた。時間もなくなり、急いで地下鉄アトーチャ駅へ。(実はアトーチャの出口からソフィア美術館へは右へ歩けば本当にすぐの距離だったのだ。)
 JTBに戻って切符や時刻表を受け取り、トレド観光の集合場所へ向かう。朝から何も食べていなかったので、ガイドさんに聞いて、隣のビルでボガデイジョ(小さなフランスパンにソーセージやオムレツなどをはさみこんだ食べ物)を注文をした。できあがるのを待っているうちにガイドさんが来て、手際よくパラビアジェ(持ち帰り)にしてくれた。

 一路バスでトレドへ。途中広大という言葉がピッタリあてはまる。もちろんひまわりはもうないが、ガイドさんの話では北へいけばまだ咲いているとのことだった。ちなみに最も有名なコルドバのひまわりは6月が見頃だそうだ。(写真は展望台からみたトレド全貌)



ビサーグラ門からトレド旧市街へ入る。(写真は城門の双頭の鷲の紋章)


 トレドはやはりすばらしい。街の外観、建造物、カテドラルの中の装飾、展示してある装飾品など、どれも「超」のつく一級品だった。飾ってあるグレコの絵もその説明もすばらしかった。このツアーに組まれていたのはカテドラルとサントトメー教会のみ。それだけでも当時は十分堪能したが、帰国してみるとまだまだ見たいところがたくさんあった。意外だったのは猛暑の中で石の建造物の中は涼しかったこと。残念だったのは旧市街地で買い物をさせてもらえなかったことだった。みやげものが安くて手頃なのがいっぱいあったのだ。(写真はカテドラル)

Point:行きも帰りもトイレタイムで寄ったみやげ店は値段が高かった。日本でもそうだが観光バスの立ち寄るような土産店は値段が高く設定されている。バックマージンでかせいでいるツアーも多いと聞く。自分の見たいところを見て、おみやげを安く買おうと思ったら、自分の足で歩くのが一番のようです。

 マドリードへもどり、まずラサルテ(リャドロ人形を扱う有名な専門店)へはいる。地下にかなりの品揃えがある。まず無い物はないくらいなのだがお目当ての「貴婦人」は無い。それでもかわいい時計はあったし、新製品も見たし、いっぱい値段を教えてもらった。ラサルテのご主人は気さくで英語がペラペラ、こっちのペースに合わせて何回でも説明してくれた。

Point:今回の旅行の目的の一つがリャドロ人形。すばらしい陶器人形が地元スペインでは日本の半額で購入できる。特に家族会議で家に残る事になった妻のリクエストは「貴婦人」の名の人形だったので、行く先々で探しまわった。

 帰り道、セブンイレブン(スペインにもあるのだ!、そして便利)で買い物をし、 部屋に戻って仮眠のつもりで横になったのが朝になってしまった。


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