見掛視界

見掛視界とは双眼鏡を覗いて見える像の面積です。
前項の実視界は実際に見えている範囲ですから
同じ視界でも別物です。

まぁ、“百聞は一見に如かず”と言いますし下の絵を見てください。

    1図 50°5°10× 2図 50°7°7×

    3図 60°6°10× 4図 42°5°7×



3図の像が1番大きいですね。
この円の大きさが見掛視界です。
1,3を比較すると分かるように、見掛視界が広い方が広範囲が見えます。
また、同じ実視界であれば高倍率の方が見掛視界は広くなります。
この様に、見掛視界は倍率と実視界に密接な関わりがあります。
一般的に見掛視界との関係式は次のようになります。
[見掛視界]=[倍率]×[実視界]
しかしながらこの式は角倍率を基準とした式になり
矛盾が生じてくるのですが、話が難しくなるので今はお預け。
>>角倍率か横倍率か


見掛視界は50°が標準と言われますが、
最近の双眼鏡は拡大する傾向にあるようです。
65°を超えるものは「広角」「広視界」「ワイド双眼鏡」などとも
呼ばれます。

この見掛視界、勿論広いほうが迫力があって良いに決まってるんですが
広くすると周辺像が悪化してしまいがちです。
また、後述するアイレリーフという値も短くなってしまう傾向にあります。
そういう欠点もありますがやっぱり広い見掛視界はいいものです(^^

*もうちょっと突っ込んだ話

見掛視界を決定付けるのは接眼レンズです。
倍率や実視界よりも先立つものは見掛視界なのです。
接眼レンズの設計で見掛視界が決まり、
そこに任意の倍率と実視界の比を割り当てるのです。

    図    図
    図    図


又、天体望遠鏡のアイピースは80°超のものもありますが
手持ちの双眼鏡の場合正立プリズムの全反射の臨界角の
制限によって扱い難いのでそのような製品は殆どありません。
双眼鏡で超広角を実現するには倍率を上げたりプリズムに
鍍金を施したりしなければなりません。
そうすると結局性能が落ちてしまったりします。
そういうモノだと割り切れば面白い品ですが。
ビクセンのアスコットスーパーワイドとかね。