やはりおかしい燃油特別付加運賃


 燃料費上昇分を別料金で上乗せする国際空路の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)がまた4月から値上げさ
れる。長期に上昇を続ける燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の料金が広告やインタネットで本運賃とともに表
示されていない問題を指摘してきたが、3月9日付読売新聞上の全日空(ANA)の広告では燃油特別付加運賃(燃油サ
ーチャージ)も示されていた。あるいはあまりにも高くなりすぎて批判に耐えられなくなったということであろうか。

              


 
 何と29,000円の運賃に対して燃油特別付加運賃が28,000円である。私はこれを見たときに、運賃の29,000円が安す
ぎると思った。タクシーに乗ってメータ運賃が2,900円のときに、2,800円を加算されて計5,700円支払わされたら消費者
はどう思うだろうか?
 
 同社のHPでは以下の記載がある。

<2008年4月1日購入分より> 
路線 燃油特別付加運賃(1旅客1区間片道当たり)

日本=欧州・米国本土・カナダ・中東            20,000円 180米国ドル
日本=ハワイ・タイ・シンガポール・マレーシア・インド  14,000円 126米国ドル
日本=台湾・香港・グアム・ベトナム             8,000円 72米国ドル
日本=中国                           6,500円 59米国ドル
日本=韓国                           2,500円 23米国ドル
 

 燃油特別付加運賃については、「 シンガポールケロシンの市況価格が3ヶ月間平均して1バレル当たり50米ド
ルを下回った場合、本運賃は廃止します」となっている。ということは、上記の燃油特別加算運賃の28,000円(往
復)という金額は、50米ドルを超えた燃料費の利用者負担ということとなる。同社の運賃決定基準によれば、14,000円
(片道)という設定は燃油価格が1バレルあたり100米ドル以上110米ドル未満の場合である。

 仮に100米ドルだとすると、50米ドルまでの燃料費は本運賃に含まれ、それを超える50米ドル分が特別に加算された
28,000円ということになるから、本運賃29,000円のうちの燃料費は燃油特別付加運賃と同額の28,000円ということにな
る。差はわずか1,000円である。これはどう考えてもおかしいのではないか。本運賃を構成するものは燃料代に加え、
航空機購入代、飛行、地上業務にかかる費用、パイロット機長や客室乗務員・地上係員の人件費、食事代等のすべて
が含まれる。燃料費を除いたそうした経費にあてがわれる運賃はわずか、1,000円ということとなる。
 
 燃油特別付加運賃を不当に高額にすることによって本運賃を安く表示している疑いはないでろうか?

細川幸一
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