アフリカの妊婦と健康 ('99/8)


'99年8月、私はジンバブエで行われるアースウォッチのプロジェクト「アフリカの妊婦と健康」に参加しました。まず、ジンバブエを簡単に紹介します。

11世紀頃から、ショナ王国として栄えましたが、他のアフリカ諸国同様、ヨ−ロッパの植民地になります。
19世紀にはイギリスの植民者セシル・ロ−ズが権力をにぎり、彼の名をとってロ−デシアという国名になりました。しかし、1960年代からの独立闘争で、長きにわたった植民地政策や人種差別政策と戦い1980年に独立を勝ち取った新しい国です。
「ジンバブエ」は、「石の家」という意味です。

私達を出迎えてくれた、村の人達
このプロジェクトは、ジンバブエの田舎に住む女性と子供の健康,栄養の改善、病気予防や栄養に関する教育を行っていくことを目的としています。
なぜ、田舎の女性と子供なのか?・・・「All for Health by Year 2000」というWHOのスロ−ガンがありますが、まだほど遠いのが現実です。発展途上国の子供の死亡原因は、栄養不良が非常に多く、伝染病や、飢餓で亡くなるのはわずかだそうです。
ジンバブエでは、女性の多くが妊娠に関連する疾病により亡くなっています。さらに、田舎の女性は、伝統的に朝早くから夜まで、食事,水汲み,洗濯,畑仕事,子供の世話等の重労働をこなします。男はというと、昼間からビールを飲んで時間をつぶしています。もちろん全員ではありませんが。
以上のような状況に加え、無教育のため食事と栄養は関係無いと思っている人がたくさんいます。これに干ばつなどが追い討ちをかけます。
しかし、これらの多くは予防できることです。これらについて主任研究者のプリスカ博士が中心になり、現地の人々を指導したり、いっしょになって改善方法を考えていこうというのがこのプロジェクトです。

私がこのプロジェクトを選んだ理由は、主に以下の3つです。
@アフリカで行われること。(昨年、ケニアのプロジェクトに参加しアフリカの魅力にはまった。)
A現地の人々と交流する機会が多いプロジェクトであること。(環境,動物生態調査等では、日常生活がチーム内で完結してしまう。)
B主任研究者プリスカが6月に来日するので、その時に話が聞けると思った。
実際、チームメンバー以外のたくさんの人々に会うことができました。

右の写真は、研究者プリスカ博士とボランティアメンバ−です。この他、現地スタッフが2〜3人、さらに通訳が各ボランティアに1名つき、ペアを組みます。現地語(ンデベレ語)と英語の通訳で、もちろんジンバブエ人です。ボランティアは、私以外は米人女性で、看護婦,栄養学を専攻している大学生,衛生学を昔学んでいた人等、それなりに関連する知識をもっていました。私はそんなものとは一切関連のない仕事をしているので大丈夫かなあと思いましたが、杞憂でした。唯一の男性ボランティアとして、それなりに貢献できたと思います。これは、主任研究者プリスカのオープンな人柄によることも大きかったです。
今年の調査対象地区は南部ジンバブエ Matabeleland Southで、私達のチームは、Mtshabezi Missionという村で活動を行いました。ジンバブエ第2の都市 Bulawayoから車で1時間半のところに Guwanda という町があり、チームはここに滞在しました。ここから車で1時間走ったところにMtshabezi Missionはあります。
ボランティアの仕事は、
レクチャ−をしているところ
@村人にインタビューし、現在の状況把握,なにが必要かの吸い上げ。
A村人へのレクチャーとその手伝い。(ボランティア自身の知識,経験によるもの。健康,栄養,衛生,他なんでもO.K)
B家庭訪問し、現在の状況把握,なにが必要かの吸い上げ。
C健康診断のお手伝い。
でした。
この他、小学校や病院を訪問したりもしました。

村人の住居訪問した学校の生徒達


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