1.マダガスカルについて | 10.観光編−アンタナナリボ |
2.肉食動物フォッサについて | 11.観光編−マジュンガ |
3.大ハプニング | 12.観光編−アンダシベ |
4.ボランティアチーム&調査活動 | 13.フォッサ&キツネザル写真集 |
5.キャンプ生活 | 14.爬虫類,両生類,植物 写真集 |
6.レクチャー:森林破壊 | 15.今後、行かれる方へ |
7.捕獲! | 16.参考文献 |
8.遭難? | |
9.フェアウェル |
’98年3月、私は南アフリカに出張し、2週間あまりを過ごした後、ヨハネスブルグの空港より帰路についた。空港を飛び立ってから3時間半、ふと窓の外を見ると眼下に赤い色をした、ほとんど木々のない丘陵の連なる大地が見えた。マダガスカルである。「なんて異様な風景なんだろう。」と思ったのが、マダガスカル行きを決めるきっかけだったのかもしれない。
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空から見た、マダガスカル中央高地の風景 |
「マダガスカルに行く。」というと、半数以上が「イグアナとか亀で有名な島だね。」と答えた。それはガラパゴス島である。日本人のマダガスカルに関する平均的なイメージはこの程度なのか? そこで、マダガスカルについて簡単に紹介します。
大きさは日本の約1.6倍。グリーンランド,ニューギニア,カリマンタンに次ぐ世界で4番目に大きい島。「第7の大陸」とも呼ばれる。人口は約1400万人。約1億6000万年前に、アフリカ大陸(正確にいうとゴンドワナ大陸)から離れていったという説が有力。ガラパゴス島の歴史は500万年以下でしかなく、スケールが違うのである。
マダガスカルはナチュラリスト達の聖地である。とにかく珍しい動植物が満載。島にある約1万種の植物の内、固有種は80%。魚類,両生類,爬虫類の90%以上、哺乳類の80%以上、鳥類の50%が固有種である。固有種というのは、地球上でその地域でしか見られない生物種のこと。
しかし、その珍しい動植物達も絶滅の危機に瀕している。原因は、人間である。約2000年前に島に渡来し、乱獲,森林伐採等により、すでに多くの種が絶滅した。例えば、エピオルニス。シンドバッドの冒険に登場する、象を運び去る怪鳥「ロック鳥」のモデルといわれる、背の高さ3mを越え、体重は400kgとも推定される。こんな鳥が、数百年前まで生存していたという。
マダガスカルで有名なのは、原猿(レムール)。日本ではキツネザルと呼ばれる。日本猿は真猿類。これに対し、もっと下等な哺乳類の間を繋ぐ原始的な猿類。マダガスカルには現在33種のレムールが生息しており、そのすべてが固有種である。歌で有名な「アイアイ」もこの仲間。
そして、原猿をはじめ、多くの動物達に恐れられているのが、今回のプロジェクトの調査対象である肉食動物フォッサである。
フォッサは、マダガスカル最大の肉食動物。1頭で約15平方キロのテリトリーを持つ。しかしながら、フォッサを始めとする捕食動物達の生息数は過去30年間調査されていなかった。今回のプロジェクトの主任研究者 Dr. Luke Doller は、1994年にマダガスカルを訪れ、ラナマファナでレムールの調査をしていて、偶然フォッサを見かけた。それ以来フォッサにとりつかれ、1997年よりマダガスカルのラナマファナでフォッサの生態調査を開始、アンカラファンチカでの調査及びアースウォッチのプロジェクトとしては2年目の年となる。
全長 | 140 - 170 cm | ![]() | ![]() |
胴体 | オス:75 - 80 cm メス:65 - 75 cm | ||
尾の長さ | 70 - 90 cm | ||
体重 | オス:6 - 10 kg メス:5 - 7 kg |
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