ボランティア編:マダガスカルの肉食動物 ('01/8)


map of madagascar
マダガスカル編目次
1.マダガスカルについて10.観光編−アンタナナリボ
2.肉食動物フォッサについて11.観光編−マジュンガ
3.大ハプニング12.観光編−アンダシベ
4.ボランティアチーム&調査活動13.フォッサ&キツネザル写真集
5.キャンプ生活14.爬虫類,両生類,植物 写真集
6.レクチャー:森林破壊15.今後、行かれる方へ
7.捕獲!16.参考文献
8.遭難? 
9.フェアウェル 

1.マダガスカルへ

’98年3月、私は南アフリカに出張し、2週間あまりを過ごした後、ヨハネスブルグの空港より帰路についた。空港を飛び立ってから3時間半、ふと窓の外を見ると眼下に赤い色をした、ほとんど木々のない丘陵の連なる大地が見えた。マダガスカルである。「なんて異様な風景なんだろう。」と思ったのが、マダガスカル行きを決めるきっかけだったのかもしれない。
空から見た風景1空から見た風景2
空から見た、マダガスカル中央高地の風景
 それから3年後の’01年8月、アースウォッチの主催する「マダガスカルの肉食動物」というプロジェクトに参加するため、マダガスカルを訪れた。

「マダガスカルに行く。」というと、半数以上が「イグアナとか亀で有名な島だね。」と答えた。それはガラパゴス島である。日本人のマダガスカルに関する平均的なイメージはこの程度なのか? そこで、マダガスカルについて簡単に紹介します。

 大きさは日本の約1.6倍。グリーンランド,ニューギニア,カリマンタンに次ぐ世界で4番目に大きい島。「第7の大陸」とも呼ばれる。人口は約1400万人。約1億6000万年前に、アフリカ大陸(正確にいうとゴンドワナ大陸)から離れていったという説が有力。ガラパゴス島の歴史は500万年以下でしかなく、スケールが違うのである。

 マダガスカルはナチュラリスト達の聖地である。とにかく珍しい動植物が満載。島にある約1万種の植物の内、固有種は80%。魚類,両生類,爬虫類の90%以上、哺乳類の80%以上、鳥類の50%が固有種である。固有種というのは、地球上でその地域でしか見られない生物種のこと。

 しかし、その珍しい動植物達も絶滅の危機に瀕している。原因は、人間である。約2000年前に島に渡来し、乱獲,森林伐採等により、すでに多くの種が絶滅した。例えば、エピオルニス。シンドバッドの冒険に登場する、象を運び去る怪鳥「ロック鳥」のモデルといわれる、背の高さ3mを越え、体重は400kgとも推定される。こんな鳥が、数百年前まで生存していたという。

 マダガスカルで有名なのは、原猿(レムール)。日本ではキツネザルと呼ばれる。日本猿は真猿類。これに対し、もっと下等な哺乳類の間を繋ぐ原始的な猿類。マダガスカルには現在33種のレムールが生息しており、そのすべてが固有種である。歌で有名な「アイアイ」もこの仲間。

 そして、原猿をはじめ、多くの動物達に恐れられているのが、今回のプロジェクトの調査対象である肉食動物フォッサである。

2.フォッサ/Fossa

フォッサは、マダガスカル最大の肉食動物。1頭で約15平方キロのテリトリーを持つ。しかしながら、フォッサを始めとする捕食動物達の生息数は過去30年間調査されていなかった。今回のプロジェクトの主任研究者 Dr. Luke Doller は、1994年にマダガスカルを訪れ、ラナマファナでレムールの調査をしていて、偶然フォッサを見かけた。それ以来フォッサにとりつかれ、1997年よりマダガスカルのラナマファナでフォッサの生態調査を開始、アンカラファンチカでの調査及びアースウォッチのプロジェクトとしては2年目の年となる。

ジャコウネコ科 ( Family Viverridae ) フォッサ亜科 ( Subfamily Cryptoproctinae )
フォッサ Cryptoprocta ferox
全長140 - 170 cmfossafossa
胴体オス:75 - 80 cm
メス:65 - 75 cm
尾の長さ70 - 90 cm
体重オス:6 - 10 kg
メス:5 - 7 kg


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