キリマンジャロ山登山 ('06/1)


<1月2日:第四日 バランコ・キャンプ(3,950m)〜バラフ・キャンプ(4,600m)>

この日も6時起床。足が冷たくて寝てられない。テントの外に出ると、あたりは霧で覆われている。朝食を食べ、8時50分に出発。4600mのバラフ・キャンプまで、約6時間の行程。この日の前半は特に崖のようなところを登る場所が多く、ポーターは大変でした。特にカランガ・キャンプ手前の崖の下りと上り。途中、最後の水場のカランガ・キャンプで昼飯。ここをすぎてしばらく行くと、雲が切れたときにキボ峰が姿を現します。雲の切れ間に見えるキボ峰の美しさに見とれてしまいます。私の体調はまったく問題なく、高山病どころか、ますます快調になっていくようで、ポーター達には抜かれるが、他の外国人登山客をいつのまにかぶっちぎってしまい、バラフ・キャンプには、登山客一番乗りを果たしたようです。バラフ・キャンプからのキボ峰の眺めは最高で、神秘的でもあります。雲の動きにより、その時々で表情が変わっていきます。私達がテントを張った場所は、マウエンジ峰(5149m)がとてもよく見える場所で、新しく建てられたトイレにも近いのですが、もの凄い強風にさらされる所でした。早めの夕食をとり、頂上アタックに備えて寝たのですが、強風でテントごと吹き飛ばされそうでとても怖かった。結局一睡もできませんでした。

【 崖を登るポーターと登山者 】

バランコ・キャンプから途中のカランガ・キャンプ(3,963m)に行く途中の険しい崖。
頭に荷物を載せて登っているのがポーター。身軽そうなのが登山客。
ポーター達は自分の荷物に加え、登山客のバックパックを背負ったり、食料を運んだり、テントを頭に載せて運ぶ。
写真のポーター達の頭の上にある白い大きな袋はそれである。
豪華ツアーのポーター達は、大型テント,テーブル,椅子まで運んでいた。


カランガキャンプへの登り【 カランガ・キャンプへの上り道 】

バランコ・キャンプから3時間あまり歩くとカランガ・キャンプ(3963m)に着く。
この写真は、カランガ・キャンプに行くには、急斜面を下って川を渡り、また急坂を登らなくてはならない。
カランガ・キャンプにはたくさんのテントが張られていた。豪華ツアーで昼食のためにテントを張るケースもあるとか。
私達は岩場の陰で昼食を食べた。
私がいたときは雲がでていたためキボ峰は見えなかったが、ここに一泊して朝の雲の無い時にキボ峰を見れば素晴らしいと思う。


【 バラフ・キャンプへの上り坂 】

カランガ・キャンプで昼食を食べた後、約2時間ほどでバラフ・キャンプが見えてくる。
カランガ・キャンプは標高3963m。バラフ・キャンプは4600mで、差は637m。
特にこの最後の急坂を越えるのが大変だった。


【 マウエンジ峰 MAWENZI 5149m 】

1月2日の午後、バラフ・キャンプに到着後に撮影。
私達がテントを設営したのは、バラフ・キャンプでも最も東寄りの場所で、このマウエンジ峰が真正面に見える。
しかし、東からの強風をまともに受ける場所でもあった。
マウエンジ峰は3つのピークを持ち、それぞれ
HANS MEYER PEAK : 5149m
PURTSCHLLER PEAK : 5120m
SOUTH PEAK : 4958m となっている。

【 キボ峰 KIBO 5895m 】

同じくバラフ・キャンプにて撮影。
キボ峰のピークがウフル・ピーク UHURU PEAK : 5896m である。
ほんのわずかな時間で、雲が沸き立ってきたり、無くなったり、目まぐるしく変わる。
私は高山病の兆候があらわれるどころか、美しい景色とおいしい空気で体は快調、キャンプ内を動き回って写真を撮った。

<1月3日:第五日 バラフ・キャンプ〜ウフル・ピーク〜ムウェカ・キャンプ>

夜の12時に、ガイドと2人で出発。ヘッドライトの明かりを頼りに歩く。道は急斜面のところをジグザグに登っていくが、砂地で歩きにくい。そして強風のため、呼吸が大変、体感温度は下がる、砂埃が舞って目が痛くなる(コンタクト使用)という三重苦に見舞われながらも、ゆっくり歩いていく。ヘッドランプの明かりが上の方から下の方に点々と見え、上の方のに近づいたり、下からのライトが接近してきたり。こうやって他の登山客グループに追いついたり追いつかれたりすると自分のペースが乱れるので、他のグループと極力距離を置いて登るようにした。しばらく行くと、上の方から凄い勢いでヘッドランプが3つ駆け下りてくる。高山病にやられた登山者が、ガイド2人に両脇から抱えられて下りて来たのだった。私はというと、ケニア山に登った時と比べると、ここまで4日かけて高地順応できている為かけっこう楽に感じて、5000mをあっさり越え、高度障害の心配はまったくない。ただ、とにかく強風で寒いのにはまいった。5500mあたりで、水を飲もうと思ってバッグ横に入れたペットボトルを出したら、なんと水が凍っていたのです。
そして、だんだんとまわりが明るくなり始めたと思ったら、ステラ・ポイント(5745m)に到達したとのこと。ここは頂上ではないが、ここまでくれば登山証明書がもらえる。急斜面はここまでで、頂上のウフル・ピークまでは緩やかな斜面で距離もあとわずか。さすがに軽いめまいや頭痛を感じるが、深呼吸ですぐに治る。空が明るくなってヘッドライトも要らなくなり、頂上手前で完全に太陽が出てしまった。周囲の氷河が見えたと思ったら、あっというまにウフル・ピーク(5895m)へ到達。頂上付近は以外と広くてフラット。頂上を示す看板のところでガイドと記念撮影。次から次へと登頂者がやって来て写真を撮っていく。

【 ウフル・ピーク 】

2006年1月3日午前6時30分、遂にキリマンジャロ山の頂上、ウフル・ピークに到達。
アフリカ大陸で一番高い所まで来た。

ガイドのダニエルと共に撮影。

【 頂上の氷河 】

ウフル・ピーク周辺は氷河で覆われており、それぞれの氷河に名前がついている。
おそらくこの写真は、ウフル・ピークに最も近い KERSTEN GLACIER と思われる。
間近で見ると、青白く光って迫力があった。

登頂の余韻にあまりひたることなく下山開始。とにかく寒かったので。下るのはあっという間で、振り返ると頂上ははるか彼方で、いつものことですがちょっとむなしさを感じます。登りはジグザグに登ってきた砂地の道を、下りは真っ直ぐに駆け下りるように下っていく。無事、テントに戻り、朝食、仮眠を1時間ほどして出発。登る時は、キボ峰を回り込むようなルートでしたが、下山はまっすぐ降りるルートで、この日は3100mのムウェカ・キャンプまで下ります。何時に着いたかよく覚えてませんが、かなりの距離を下り、けっこう膝にきました。さすがに疲れて8時には寝てしまいました。 私の感想ですが、ほとんどの人は山頂付近で日の出を見るために夜中にスタートします。しかし、それよりは、朝の4時頃からスタートして、途中の氷河の景色を楽しみながら頂上を目指したほうがよいと思いました。また、頂上到達の達成感は、ケニア山のほうがありました。ケニア山の頂上は三角形の頂点という感じ。それに対し、キリマンジャロ山頂はなだらかで、いつのまにか来たって感じでした。

<1月4日:第六日 ムウェカ・キャンプ〜ムウェカ・ゲート〜アルーシャ>

朝6時半ごろ起床、10時間以上寝ました。疲れと、寒さがそれほどでもなかったので、ぐっすり寝られました。8時半に出発し、ひたすら下り、途中でコロブスモンキーの群れに出会い、11時過ぎにムウェカ・ゲートに到着。ここで山頂まで行ったことの証明書をもらい、迎えの車が待っているところでポーター達にキリマンジャロビールをおごって、登山の成功と無事の帰還を祝いました。BABAのリタイヤは残念でしたが、私は念願の登頂を果たし、最高の正月をすごすことができました。非常に幸運に恵まれた登山でした。また、このような機会を許してくれた家族には本当に感謝しています。 BABAのことですが、ツアー会社のマネージャーが下山後のアルーシャのホテルに現れ、彼は無事下山し、サファリに行ったと教えてくれました。ブーツはどうしたかって? このマネージャーに彼のブーツを渡し、必ず届けてくれとお願いしました。

ムウェカ・ゲート近くにいたコロブスモンキームウェカ・キャンプからのトレイル

【 私達のクルー 】

1月4日、ムウェカ・キャンプにて、出発前に撮影。
1月1日にBABAがリタイヤした以降、一緒に行動したメンバー。
ERINSTI MAGHIYA
BENSON GORSON
DANIEL KIHIYO
YUSUFU HOS SENI
MAGAMBO MGETA

私が履いているのがBABAがくれたトレッキングブーツ。


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