キリマンジャロ山登山 ('06/1)


キリマンジャロ登山:目次
1.12月27〜28日:旅立ち、カタールにて
2.12月29日:ケニア着、タンザニアへ
3.12月30日:登山第一日 モシ〜マチャメ・ゲート〜マチャメ・キャンプ
4.12月31日:第二日 マチャメ・キャンプ〜シラ・キャンプ
5.1月1日:第三日 シラ・キャンプ〜バランコ・キャンプ
6.1月2日:第四日 バランコ・キャンプ〜バラフ・キャンプ
7.1月3日:第五日 バラフ・キャンプ〜ウフル・ピーク〜ムウェカ・キャンプ
8.1月4日:第六日 ムウェカ・キャンプ〜ムウェカ・ゲート〜アルーシャ
9.1月5日:アルーシャ〜ナイロビ5〜7日: キャロラインの実家へ(作成中)
10.キリマンジャロ山写真集
11.キリマンジャロ登山について(作成中)


<12月27〜28日:旅立ち、カタールにて>

2006年度のビッグイベントとして、アフリカ最高峰 キリマンジャロ山(タンザニア,5896m)に登ってきました。これは、その記録です。
2005年12月27日、5時で仕事を切り上げ、愛知県豊田市から関西空港に向かう。地下鉄で名古屋へ行き、名古屋から新幹線で新大阪へ。新幹線が雪で遅れて飛行機に乗れなかったらどうしようかとドキドキしたが、15分ほどの遅れで新大阪に到着し、特急「はるか」に乗り換え、余裕で関空にてチェックイン。まずはカタールへ向けて飛びたちました。
今回使用するエアラインはカタール航空。2005年に就航したばかりですが、エミレーツより安く、機材は最新鋭のエアバスA330、全日空のマイルもたまる、お勧めのエアラインです。
カタールのREGENCY HOTEL
私の場合、カタールで乗り換えてケニアに向かうのですが、カタールのドーハにおいて乗り継ぎで18時間も待たなければならない。カタール到着は早朝なので、機内でスチュワーデスに「市内観光ツアーをやっているような会社はありますか?」と尋ねたら、「入国手前にカウンターがあるので、そこで訊いて下さい。」と言われた。飛行機を降りて歩いていくと、ほとんどの旅客が「トランジット」の方へ行く。日本人の団体ツアー客もたくさんいて、聞いてみると、カタール経由でエジプトへ行くそうだ。私を含め数人のみ「入国」の方へ進み、「カスタマーサービス」のカウンターで問い合わせた。すると、
8時間以上の乗り継ぎ便の乗客には、休憩用のホテルが用意され、入国ビザ,3度の食事,空港〜ホテル〜空港の送迎まで、すべて無料で提供されるとのこと。
こんな話はまったく聞いてなかったので大変驚いたが、当然のごとくこのサービスをお願いし、ホテルで休憩&周辺を散策して時間をつぶした。ホテルは、REGENCY HOTEL。すぐ近くには市場があり、とてもきれいな海岸には歩いて10分ほど。ドーハでは建設ラッシュで、いたるところで建築工事をしていた。また、ここのホテルで、遺跡発掘調査に来ている金沢大学の教授と会い、いろいろ楽しい話を聞くことが出来ました。
夜になり、再び空港へ行って(迎えのバスがなかなか来なくてあせったが)0時45分発のフライトでいよいよケニアへ向けて出発。

カタールの美しい海岸線

<12月29日:ケニア着、タンザニアへ>

12月29日朝6時にナイロビに到着。空港には1年前に来日した私の友人のキャロラインが待っていてくれました。今回のキリマンジャロ登山は、キャロラインの姉がやっているJOCKY TOURS(http://www.jockytours.com)に手配をお願いしたのです。空港から、私,キャロライン,彼女の姉,そして運転手の4人でナイロビ市内へ行き、カフェで朝食を食べながら説明を聞き、アルーシャ行きのバスがもう出発すると言われ、あわただしく私だけバスに乗せられて8時すぎに出発。タンザニアとの国境少し手前で小休憩。その後、国境へ向かい、ここでタンザニアのビザを取得。タンザニアに入国し、アルーシャでバスを乗り換えてモシへ。バスはホテルまで送ってくれる。ここでは、BUFFALO HOTELに宿泊。レストラン,バーのある、そこそこのホテル。ここに着いた時、ツアー会社の人が待っていた。早速、キリマンジャロビールを飲みながら、簡単な説明を聞く。彼は、明日また来るといって帰っていった。
日程は、翌30日にモシを出発して登山開始し、1月3日に頂上に立ち、4日にアルーシャに下山するという日程です。
元旦登頂を目指さなかったのは、人が多いのと、元旦に一番高い所に登ってしまったら、あとは下るばかりというのが嫌だったから。
登山ルートですが、私はマチャメ・ルートを選択。5泊6日で、すべてテント泊です。 最も一般的なのはマラング・ルートで、4泊5日のすべて山小屋泊。コカ・コーラルートとも呼ばれていて、多くの登山客はこのルートで登ります。
(ルート・マップをみつけたので、リンク貼らしてもらいました。ここをクリックして下さい。)

<12月30日:登山第一日 モシ〜マチャメ・ゲート〜マチャメ・キャンプ(3,000m)>

朝の9時半に迎えに行くと言っていたのに、ホテルに車が来たのは11時過ぎ。なんでも、アルーシャでもう一人客をつかまえたとのこと。この人はフィジー生まれのオーストラリア人でBABAという。オーストラリア人だが黒人で(私は最初は現地人ガイドと思っていた)、陸軍に3年いて東ティモールにも派遣され、凄惨な現場を見てきたという経験を持つ、すごく体力のありそうな人だった。

左端がガイド、その隣がBABA
ということで、私の隊は、登山者2名,ガイド1名,ポーター6名(あとで判った)という構成です。登山口のマチャメ・ゲートに着いたのは12時過ぎ。ここの管理事務所で入山許可等の登録をするのですが、けっこう登山客が多く、また一件一件の処理に時間がかかり、2時間近く待たされ、登山開始したのは2時30分。この日の行程は、マチャメ・ゲート(標高1800m)からマチャメ・キャンプ(3000m)まで、熱帯雨林のなかの道を約4時間歩く。私は登山開始30分後に大アクシデントに見舞われました。トレッキングブーツの靴底が完全に剥がれてしまったのです。靴と靴底をつなぐゴムの部分が腐っていたのですが、全然気がつきませんでした。よりによって一番大事なブーツが壊れてしまい、私のキリマンジャロはわずか30分で終わってしまうのか、、、、と思いました。しかし、一緒に登ることになったBABAが、強力な粘着テープを持っていて、これで左足のブーツは応急処置を行い、右足ブーツはテープがなくなったため、靴紐と、ポーターが持っていたタイヤチューブの切れ端で縛って応急処置をしてキャンプを目指しました。キャンプ到着は6時半頃。ポーター達は既に着いていて、テントも準備されていました。夕食のスープとパンがとてもおいしかった。

マチャメ・ゲート夕暮れ時の、マチャメ・キャンプ近くの景色

<12月31日:第二日 マチャメ・キャンプ(3,000m)〜シラ・キャンプ(3,840m)>

シラ・キャンプに到着、霧で視界悪し
この日の行程は、標高3800mのシラ・キャンプまで。朝8時30分にキャンプを出発し、途中で昼飯を食べ、1時半にシラ・キャンプに到着。応急処置を施したブーツでも大きな問題無くここまではこれた。ガイドと相談して、頂上アタックのときにポーターの誰かからブーツを借りることにしました。夕方3時頃から雨が降り出した。午後になると天気が悪くなる傾向にあるようだ。夜中、突然外が騒がしくなり、花火の音がし、「HAPPY NEW YEAR」の声や歌があちこちから聞こえる。新年のお祝いが始まったのです。でも、私とBABA はそのまま寝続けました。

マチャメ・キャンプを出発し、シラ・キャンプに向かう現地人のポーター達。登山客の荷物,テント,水・食料,ツアーによっては、テーブルや椅子も運ぶ。キリマンジャロ山登山は、極端に言えば手ぶらで登山可能。実際にそういう人達を見かけた。私は、大きいバックパックはポーターにお願いし、デイバッグにその日の食料,水,カメラを詰め込み、自分で背負った。

<1月1日:第三日 シラ・キャンプ(3,840m)〜バランコ・キャンプ(3,950m)>

6時頃に目がさめた。テントの外に出ると、非常にいい天気で、メルー山がきれいに見える。とても気持ちのいい朝だ。ところが、BABAの様子がおかしい。めまい,頭痛,寒気がするという。高山病にやられたようで、実は彼は登山というものが初めてだったのです。この日の行程は、標高3950mのバランコ・キャンプまで、かなり長い道程を歩くとのこと。シラ・キャンプ近くにはレスキュー車が来れるポイントがあるので、もし下山するならここで決断する必要があるとガイドに言われました。少し歩いてみたが、やはりとても登山を継続するのは無理そうです。遂に彼は下山を決断しました。そして、彼の履いているブーツと私の壊れたブーツの交換を申し出てくれたのです。サイズはちょっと大きかったのですが、靴下を2枚はくことで問題は無くなりました。もうBABAには大感謝です。BABAとガイド、ポーター一人が下山し、私と、ポーターがなんと5人も残って頂上を目指すことになりました。(ポーターの一人はガイドに昇格)
キャンプをでてしばらく平坦な道を歩く。はるか彼方に目指すキボ峰が見えてくる。そんなに高い感じはしないが、ここですでに標高3840mである。この日は岩場が多く、ポーター達の荷揚げは大変。3800mから4400mまで登り、3950mまで下ってバランコ・キャンプ到着は2時半頃でした。
【 朝日に染まるメルー山 Mt. MERU 4566m 】

この写真は、1月1日の早朝にシラ・キャンプから撮影しました。
メルー山は、キリマンジャロ山から西に約60kmのところにある、とても美しい山です。
マチャメ・ルートは、キリマンジャロ山を西から登るルートで、特にこのシラ・キャンプからよく見えました。
シラ・キャンプを出ると、キボ峰を目指し、メルー山に背を向け東に向かう。
マラング・ルートは東から登るので、メルー山が見えるかどうかわかりません。

【 キボ峰を目指して 】

シラ・キャンプを出てしばらく歩いた地点で撮影。
最初は、あれがキボ峰だとわからなかった。この方角は、キボ峰の西側を見ている。
シラ・キャンプ到着時は霧でわからなかったが、朝になり霧が晴れると、西にメルー山、東にキボ峰が見える。

バランコ・キャンプ。霧がたちこめる。


ホ-ムへ次のページへ