馬の知能 ('97/8)


97年8月4日から16日の間、アースウォッチが支援する「ホースセンス:馬の知能」というプロジェクトに参加しました。 私の初めての海外ボランティアプロジェクトです。 100ほどあるプロジェクトのなかから「ホースセンス」を選んだのは、馬好きの人間にとって大変魅力的で、初めての海外プロジェクトでもそれなりの知識はあるのでなんとかなるだろうと思ったからです。

「馬の知能」編のコンテンツ
1.ボランティアメンバー2.研究所について 3.ボランティアの仕事
4.研究所での体験 5.興味のある方へ

2週間チームのメンバー
1.ボランティアメンバー
集合場所は、サンフランシスコからバスで約2時間ほど南へ行った所の、アプトスというとてもきれいで静かな町でした。
ボランティアは、アメリカ人4人,イギリス人1人,日本人1人の計6人で、2週間チームが4人、1週間チームが2人です。私以外みな女性で研究者のエベリン博士も女性、アシスタントスタッフも女性でした。
このプロジェクトは女性ボランティアが圧倒的に多いとのことだそうです。また今回のボランティアは6人中3人が10代でありとてもにぎやか(さわがしい)でした。 全員なんらかのかたちで馬と関わっている人たちでした。


エベリン博士
2.研究所について
この研究所には5頭の馬がいます。エリー,ココ,キャッシュ,テキーラ,ティンケットという名前がついています。
ここでは馬の知能,記憶力,認識力について調査しています。同じ物合わせ,異なる物合わせ,ルールを決めてそれを馬がどのくらい複雑で抽象的な概念や規則を理解できるかを調査します。イルカやチンパンジーなんかの研究でやっていることと同じです。
例えば、異なる5つの形の物を用意しA>B>C>D>Eというルールを決めます。そして馬に2つの物を同時にみせ馬がどちらを選ぶか観察します。 不等号の大きい方を馬が鼻でさわれば褒美のえさがもらえ、間違えるとなにももらえません。
こうして何をすると正解か(餌がもらえるか)ということを理解させていきます。 これを20回繰り返して1回の実験が終了です。AとBならAが正解、CとDならCという具合に。ではBとDは、というと人間には簡単ですが馬には・・・・ という気がしますが、何回目かの実験でココはこれをほぼ完璧にこなしました。エベリン博士も驚いていました。
また、馬は色盲だということを昔、本で読んだことがあったのですがここの実験によると7色ぐらいまでは識別できるそうです。

研究所の放牧地と厩舎

3.ボランティアの仕事
ボランティアの仕事は、まず朝は放牧地の馬糞拾いから始まり、厩舎掃除、実験機器のセッティング、実験に使う馬のブラッシングを行い、実験中は行動の記録、ビデオ撮影、実験機器の操作、馬が正解したときの餌供給、データ入力等です。実験は1日3〜4頭行います。
アースウォッチの仕事は肉体的にハードというイメージがあったのですが、ここの仕事は驚くほど楽でした。2週間目はボランイアは4人になりましたが十分こなせる仕事量でした。

参加期間中はずっと研究所にいたわけではありません。下の写真は、近くにある乗馬クラブのような牧場を訪問したときのものです。
2本の棒を使って馬を操ったり、ハミはつけず頭絡につけた綱で馬を自在に動かしたり、初めてみるものでした。

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