
ウエッジ類は飛距離を求めるクラブではありません。
100ヤード内外からピンをデッドに攻めるクラブです。
そのためには、距離の感覚とスピン性能が求められます。
スピン性能はクラブのフェイス面の機能が基本的ですが、距離の感覚は
スイング感覚と連動していなければなりません。
例えば、50ヤード先のピンに向かってグリーンエッジに落としてから
転がして寄せたいとか、40ヤードふわりと上げて、転がりを抑えたいとか、
最初から転がして寄せたいとか、の感覚です。
これらの感覚はパターの感覚の延長であるべきだというのが、
私の感覚なのです。

下記のデータは直近の私のウエッジのもので、上段がオリジナル、下段が
自己調整後のデータです。
調整の趣旨はパターのスイング感覚値に近づけながら、
インパクト力を大きくすることです。
49度はほぼAW、53度はPS相当でしょう。
49度のもはオリジナルのスティールシャフトをカーボンに、グリップは
全て自己製グリップに、ヘッドの軽減は長いネックの部分の一部切断除去と
ソールのトウの部分の一部研磨をした結果です。
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L cm |
W g |
H g |
S g |
G g |
A cm |
Ms/A
g・m2/cm |
Ms・A/(L−A)
g・m3/cm |
49° |
91 |
441 |
295 |
96 |
50 |
70・5 |
1.60 |
3.87 |
92 |
371 |
284 |
64 |
23 |
77.7 |
1.59 |
7.21 |
53° |
90 |
411 |
304 |
55 |
52 |
73.4 |
1.60 |
4.42 |
91 |
393 |
292 |
60 |
41 |
74.7 |
1.57
|
6.09 |
L;クラブ全長、W;クラブ質量、H;ヘッド質量、S;シャフト質量
A;バランスアーム長、Ms/A;スイング感覚値、
Ms・A/(L−A);インパクト力
調整後のクラブは手に持った時とスイングした時に軽く感じます(Wと
Ms/Aの軽減)が、インパクト力{Ms・A/(L−A)}は増大
しています。
これらの調整が可能になったのは、バランスアーム(A)の増長に起因し、
その基礎はグリップの質量軽減調整とヘッドとシャフトの質量調整です。
最近は、2〜4アイアンの代わりにウッドやユウティリティを入れることが
普通になりましたが、これらの調整の方法は勿論1WからPtまで可能で、
14本のクラブのそれぞれのデータの関連がグラフ(A−W,A−Ms/A,
A−Ms・A/(L−A),A−Ms,A−L)で視覚的にチェックでき、
異常値を示すクラブを容易に発見できるのです。
新しく追加するユウティリティやウッドを既存のクラブと関連させる
には、どの部分どのように調整したら良いのかが一目瞭然に分かります。
先ず、基本はアイアンのスイング感覚値Ms/Aを統一し、ウエッジ類は
それよりも小さめ、ユウティリティ、ウッド類は徐々に大きめにすると
良いでしょう。
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