
今まであれこれと言ってきましたが、
理想のクラブとは一体どのようなクラブでしょうか?
それは、クラブは軽くてもヘッドが重くて、初心者から強力プロ級
までのプレイヤーに夫々に適応してスイングすると充実感があり、
飛距離が出てしかも曲がらないクラブではないでしょうか?!
私なりに今までの仮説を基に検討・試算を試みました。
シャフトの剛性(曲げ応力、捩じれ応力等)は質量(重さ)に関連していますが、もしも
それらの剛性が質量に関係なく任意に設計・製造できるとしたら次のような緒元の
クラブが設計できます。 正に、理想のクラブです。

非力初心者用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114 cm とすると
グリップの重さ Gw= 15 g
シャフトの重さ Sw= 1 g
ヘッドの重さ Hw= 146 g
クラブの重さ W= 162 g
シャフト硬度 LまたはR2
一般アマチュア用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114cm とすると
グリップの重さ Gw= 15 g
シャフトの重さ Sw= 10.6 g
ヘッドの重さ Hw= 195 g
クラブの重さ W= 220.6 g
シャフト硬度 R、SRまたはS
強力プロ用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114 cm とすると
グリップの重さ Gw= 15 g
シャフトの重さ Sw= 19 g
ヘッドの重さ Hw= 235 g
クラブの重さ W= 269 g
シャフト硬度 XまたはXX
グリップの重さを一律15グラムとしたのは、私が試作した最軽量の
グリップが15グラムであったためです。
ここで、問題なのがシャフトです。
シャフトは軽い方が良いのですが、剛性を得るためにどうしても質量(重さ)
が必要なのです。しかしその重さは出来るだけ低く抑えたいのです。
剛性を確保した軽いシャフトの技術はまだまだ発展途上です。
因みに、強力プロ用の一番重いクラブ(短くて重いクラブ)のウエッジ
の試算の例では、
Gw=15g,Sw=77g、Hw=352g、W=444g
と出ました。
シャフトは、剛性が確保できれば77グラム以下で足りるのです。
しかし、現状のシャフトの技術を踏まえて現実的な限界までの質量を勘案すると
当座の目標としてのドライバーの諸元は次のように試算出来ました。

非力初心者用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114 cm
グリップの重さ Gw= 20 g
シャフトの重さ Sw= 20 g
ヘッドの重さ Hw= 143 g
クラブの重さ W= 183 g
シャフト硬度 LまたはR2
一般アマチュア用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114 cm
グリップの重さ Gw= 20 g
シャフトの重さ Sw= 30 g
ヘッドの重さ Hw= 192 g
クラブの重さ W= 242 g
シャフト硬度 R、SRまたはS
強力プロ用ドライバーの緒元
クラブの長さ L= 114 cm
グリップの重さ Gw= 20 g
シャフトの重さ Sw= 60 g
ヘッドの重さ Hw= 223 g
クラブの重さ W= 303 g
シャフト硬度 XまたはXX
クラブの決め手は剛性のある軽いシャフトです!!
皆さんはどう思われますか?
注) 飛距離に対するヘッドの質量の関係については、河村龍馬工学博士
の著書「ゴルフの科学」(光文社;KAPPA BOOKS)ご参照。
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