悪鬼(あっき)

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■説明

 身長2メートル弱の中型の鬼です。黒ずんだ肌、額に1 本か2本の牛の角を持ち、鋭い牙や爪で人 を引き裂き食らいます。特殊な能力は無いものの、もっともメジャーな魔物として、多くの逸話に登場します。通常出現数は主に1 匹です。普段は地獄にいますが、気が澱めば人界にも現れます。

 ここでの悪鬼とは、童話に出てくるトラのパンツを穿いた鬼の元となった鬼のことです。平安時代後期以降に仏教が広まるにつれ、仏敵として形成されてきた鬼です。平安中期以前の、鬼は「鬼」と書いて「モノ」と発音し、霊的な要素を持ち憑依など行う魔物のことで、こちらはここでは「魍魎」としています。
 悪鬼が出現するケースは、昔に封印されたものが解かれた場合や、悪鬼の源である人の悪意などの陰の気が多量に集まると、そこから悪鬼が生まれる場合などがあります。後者の場合、個人で強く怨んだ場合、その心の中に鬼が生まれ、その鬼に心が食われ悪鬼になるケースも多く、人の悪しき面を現したものが鬼であり、悪鬼も人であるのかもしれません。

出展:『退魔鬼行』

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