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夏といえども泳げば冷たいっす

 

息子が初めて熱を出したりして、今月は1回しか釣りに行けなかった。まあ行けるだけありがた
いと思うべきですな。

 今回も若とホームグラウンドへ。前夜発で2時半頃に現地の車止めへ着くと、なんと先客がいて、テントを張ったり、なにやら準備をしているではないか。
 この奥地で、こんなことは初めてである。釣り?登山?釣りならあっちが先客なので仁義としてこっちが別の区間にしなければいけない。
 情報収集しなくてはと、にこやかに挨拶をして、しばしの情報交換。

 沢登りのパーティ3人と判明。朝6時頃に出発の予定とのこと。私達が釣り人と知って、困ったような表情だった。ま、普通はトラブルが多いですからね。沢登りと釣りは。
 私達は5時に出発するので、追い付いたら、とっとと抜いて行ってもらって結構ですと打ち合わせをした。やや、ほっとした表情だった。
 川は誰のものでもないので仕方ないですな。抜かれた後は釣りにならないので昼寝でもするか。

 禁漁まであと二ヶ月。さすがに釣り荒れてきたかなと思いつつも、ポイントを攻める。渋いながらもアタリはポツポツとあり、綺麗な魚体が跳ねる。

 良型の実績のある滝壷に到着。若に先攻を勧めた。それではとへつりながらも微妙に高巻いているような足場の悪いところにしがみつきながら、6mの竿を振っている。私には怖くてできないポジションだ。
 この体勢が後に喜劇、いや悲劇を巻き起こすことになろうとは、まだ2人とも知るよしもなかったのだった。と昼メロ調に記す。

 徒渉するのがやや邪魔くさいが、足場の良い対岸に渡って若の見物をする。一緒に釣行しても、相手の釣り方をじっくり見ることは実のところあんまりない。人のことより、自分の釣りに忙しいからである。
「ふーん、このポイントから攻めるのか。へえー、あのポイントはこう攻めるのか。」などと感心しているうちに、若の竿にアタリが!しかもなかなかの大きさのようだ。

 この大きさでは魚体を水面からは抜けないなと思う。若もそう思ったのか、タモを左手に持った。
 と、その時!ずるっと、若の足が滑った。右手に竿を、左手にはタモを持ったまま妙なスローモーションで、ずり落ちて行く。
 水深は膝を越え、腰に達し、ヘソを越え(ちなみにヘソから上は急に冷たく感じる。なんでだろう?)、胸を越え、最終的には首まで浸かってしまった。
 「ふおーっ」と若の声が響く。そらそうやろ。夏とはいえ、まだ朝の6時。日もまだ差さない谷底で泳げば冷たいに決まっている。

 流れはそんなに急ではないので、どうするんだろうと見ていると、右手に竿を持ったまま、対岸に泳ぎだし、こちらに無事到着した。
 あっぱれなのは、魚をまだ、バラしていず、震えながらちゃんと取り込んだことだ。素晴らしい!これぞ、釣り人の鏡だ。パチパチパチ。

 結局、23センチの体高のある立派なアマゴだった。笑いすぎて写真が撮れなかったのが残念である。
 震え上がりながらもメジャーでサイズを測っている若。釣りバカである。
 やはり若の身には釣り好きな笑いの神様が下りてきたと見える。関西人としては羨ましいが、できるなら釣りの神様の方に下りてきて欲しいものだ。

 少し遡ったところで、ホットコーヒーで一服。日も差しだした。若の震えもなんとかましになったようだ。

むぎゅうっ。く、苦しい。  私の嫌いな難所の直前、岩場の上から、餌を流すとゴンという手応え。
 ここでは釣れたことがないので、ちょっと驚く。水面から抜けないくらいの、感触なので、岩を下りて取り込むことにした。右手には竿、左手にはタモ。先程の若の事件が頭をよぎり、足場の悪い岩を慎重に流れまで降り立った。
 取り込むと24センチのこれまた貫録のあるアマゴ。
 右の写真、左の岩の向こうでかけた。
ここでは釣れたことがなかったのに。腕が悪かったのか、運がよいのか。
もののけ姫の世界みたい  逆光で撮った、一本の大木。きらめく光がキレイだ。
 後方で見え隠れしていたヘルメットが近づいてきた。沢登りの3人が追い付いてきたのだ。
 挨拶を交わして先を譲った。仕方ない昼寝でもするか。
夏といえども泳げば冷たいッす。1時間ほど爆睡っす。

 前回、とてつもなく高巻いた難所を攻略するためにナッツ?ロックス?なるものを導入。スリングと組み合わせるとなかなか良い感じである。
 小道具のあるなしでこうも違うのかと感心した。そんなに高くないし、また買おうっと。
 今回は沢登りの要素を深めようと、あまり巻かずに水中突破を増やしてみたが、なかなかに面白かった。
 遂に魚止めの滝(釣れなかったから勝手に魚止めにした)に到達。これ以上は日帰りでは無理なんで帰ることに。あ〜これから2時間歩くのか。

 

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