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天増川のチビヤマメちゃんとイワナ君

先輩より釣行のお誘いのメールがやってきた。滋賀県は朽木のまだ向こうに、天増川(あますがわ)という良さそげに思われるところがあるという。それは早速、行かねばなるまい。

天増川は滋賀県の川のくせに琵琶湖に流れ込んでいないという、ひねくれた、いや珍しい川だ。福井県で日本海に流れ込んでいるので、近畿では珍しいヤマメが期待できそうだ。

林道入り口に簡単なゲートがあり、すぐそばの入漁券販売所で日券(2000円)を買うと中に入れる仕組みだ。購入がてら情報収集に励む。
朝8時で、既に5人入っていること、イワナとアマゴの稚魚を昨年秋に放流したこと、放流はゲートから10キロくらいまで、見かけによらずゲートから奥まで13キロもあること、道はすんごく悪い等々である。

「兄ちゃんらの車やったら、大丈夫やろ。気いつけて。」
ゲートを開けるおばちゃんの声に送られて出発。ここからは無舗装の地道である。もちろん、今日も雨なのであちこちにかなり深い水溜まりができている。
途中、先輩に路上の落石を撤去してもらいながら奥へ進むが、揺れる揺れる。普通の乗用車では確実に底を擦りますな。見かけた車もパジェロ、ランクル等。マジ物ばかりです。

車窓から見るに、思ったより規模が小さいが、そこそこ良い渓相で、特に危険な様子もなさそうだ。若と行った岐阜の川に似ているかな。もちろん土砂で埋まってはいないけど。
結局、半分近く進んだところに手頃な駐車ポイントがあったので、我慢できなくなり入渓することに。

私は釣行毎に新しい仕掛けで釣ることにしている。前回の古い仕掛けで釣ってて、もし大物が来たのにバラしてしまっては、一年ぐらい悔やんでしまいそうだからだ。
通常、前日の晩までに仕掛けを作っておき、現場に着くとすぐ釣りはじめる事ができる状態にしておくのだが、今週も嫌になるほどの残業だったので、仕掛けを作る余裕なんてなかった。

仕掛けを作る間に先輩に先行してもらい、私は1キロ近く戻ってから釣り上がることにした。
京都・滋賀の川はアブラハヤ類が多く、悩まされる。対策として大きい針でミミズのちょんがけにした。それでも針掛かりしていないのに、口一杯にミミズを頬張って、空中でポチャッと落ちるアブラハヤが多い。

強烈な異臭の漂う部分があった。この臭いは何か動物の死体があるのだろうと思っていると、やはりあった。カモシカだ。そそくさと通り過ぎながらも、横のポイントに餌を流してしまう、釣り人根性がもの悲しい。

そのさもしすぎる根性に釣りの神様が憐れんでくださったのか、明敏なアタリがあった。分かりすぎるほどのアタリはほとんどが小物だ、というのがこれまでの経験則である。はたして、水面を割って飛んできたのは、ミノーだった。
「なぜ、こんなところでルアーが引っかかってくるんだ?しかも精巧なヤマメモデルだ!」
なんのことはない。チビヤマメちゃんである。それでもヤマメは今期初物なので臭気を我慢しながら写真撮影。即リリース。

ヤマメは放流していないってことは、ネイティブものか!?

シンキングミノーかと思った、プリチーなチビヤマメ

ヤマメは放流していないって言ってたなあ、ってことはネイティブものか。ふっふっふと一人ほくそ笑みながら釣り上がる。
大阪、京都から近いのでそれなりに釣り荒れちゃっているようである。竿抜けっぽいところを攻めることを心がける。

橋脚付近の流れのよれたところでまた、追加。ヤマメである。サイズ的にはさっきのが幼稚園なら今度のは一年生程度のもの。せめて中学生ぐらいのものはいないのか。

やや川幅が広くなって、水流が何本にも分かれている細い落ち込みを期待せずに流して、上がってきたのはイワナだった。おぉーっ、こいつも今期初物だ。確かイワナは稚魚放流しているって、言ってたな。サイズはやっぱり小学生やな。等と思いながら、撮影し、リリース。

今期初のイワナ君

撮影中にぐねぐねと流れに戻って行った

その後も、忘れかけた頃にアタリがあり、釣果も上がるのだが、全てヤマメとイワナでアマゴは一つもなかった。イワナとアマゴを放流しているはずなんだけどなぁ。

ちょっとした落ち込みの対岸に枝がかぶさっている、いやらしいところがあった。水深は浅いのだが岩がえぐれていて、いかにもイワナが隠れていそうだ。
竿を一杯にのばし、仕掛けを振り込んむ。狙いどおりアタリがあり、イワナを引きずり出した。今度は中学生くらいか。ふぉっふぉっふぉとバルタン星人のように笑いながら、デジカメの準備をしているすきに、逃亡されてしまった。ちぇっ、それなりの大きさやったのに。
逃げられはしたけど、自分が釣れると思ったポイントで、思いどおりに仕掛けを振り込み、イメージどおり釣り上げることができたのは大きな喜びであった。

先輩に追い付いてみると、顔がにやけている。22センチのヤマメが釣れたとのこと。引きを十分に堪能したようだ。結局これが今日一番の大物だった。私は小物ばっかりだったのでうらやましい。

よく引いたとのこと。うらやましい。

サビは残るが引き味はよかったとのこと

この川は周囲を尾根に囲まれた閉鎖空間みたいになっている。その山も平凡でハイキングコースにもなっていないので人があまり入らず、自然が色濃く残っているようだ。
終了までにカモシカの死体を3頭見かけたし、「ここが犯行現場です」とはっきりわかる程、鳥の羽が散らばっている場所もあった。やたら動物の糞はあるし、足跡も多い。自然の営みが息づいているのだ。
惜しいのは、魚影は濃いのだが、型がイマイチってことか。それとも腕がイマイチなのか。。
2000円の日券のみってのが微妙なところだが、ここでは坊主はないだろうし、大阪からは近いので、また来てしまうんだろうな。

 

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