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福地温泉 御宿飛水

 

「大人の隠れ家」といった紹介がよくされる温泉である。奥飛騨にある13件の宿しかない、こぢんまりとした温泉だ。
なんでもここの主人達は全員30代で、平安時代から続く雰囲気を壊さないように気を遣っているらしい。
年末の混んでいる時だけど、なんとか予約が取れた。「御宿飛水」だ。ここは源泉を所有し、豊富な湯量で全て掛け流しという贅沢なもの。貸し切りのできる「とちの湯」がまた素敵だ。

出発日に強烈な寒波が襲い、大阪でも雪がちらついた。高速にみるみる雪が積もり、大渋滞に。まさに冬の名神は雪国ってやつですね。
雪の舞う露天風呂に入る、温泉好きにはたまらないシチュエーションだが大丈夫か?宿の到着は夕方5時を予定していたが、間に合うのか?真冬の峠道を夜、走るのは絶対イヤだ。っていうか、到着できるのか?!

東海北陸自動車道の終点、飛騨清見で既に4時半。すごい雪だ。スタッドレスを履いているが慎重に40キロくらいで走っていると、後ろから地元ナンバーの軽四が追い越してきた。
「さすが、ジモティー、雪道でも走りが違うなあ。」と思いながら路肩によりスピードを落とした(普段からは考えられない謙虚さである)
その軽四が私の車を追い越した瞬間にコントロールを失い、クルっと回ってガードレールに激突。ポンと跳ね返され、反対を向いて止まった。つまりこっちを向いたのである。
目の前の事故に110番!いや119番か?と一瞬、脳裏をよぎる。だが、運転していた兄ちゃんは何故か笑いながらそのまま反対方向に走り去っていった。ほっとしたんだろうな。
ちなみにその車はチェーンだった。そうそうチェーンを巻いてケツを振っているパジェロも見たが笑えた。意味があるのか。

ここは慎重に安全運転でようやく高山へ着いた。目指す福地温泉は国道158号線で平湯へ、そこからちょっと道をそれたところにある。
その平湯までが難所で垰が多い。ある垰でマイナス12℃を記録。ウォッシャー液も凍って出ない。ワイパーのブレードも凍りだして異音を発しだした。
ふっ、こんなこともあろうかと、この車は寒冷地仕様にしてあるのさ。えーっと、ワイパーデアイサーのスイッチはどれやったかな。普段は使わないので手間取ったが、スイッチオンで快調。

5時半にようやく到着。ほぼ7時間かかったか。なるほど雰囲気の良い所だ。


駐車場から摂った正面玄関。みな凍り付いている。写真右端のたいまつの炎が、雪の中、揺らめいていて、夜は幻想的で綺麗だった。

空いていればいつでも使える家族風呂。雪の中の露天風呂に温泉部長のTigerも大喜びである。単純泉で重曹食塩を含有しているとのこと。

大きな切株が湯船になっている、とちの湯。露天風呂も付いているが、露天風呂だけでも十分である。人気があるのもうなずける。とちの湯は予約制。

夕食はお部屋で。飛騨牛の握りが口の中でとろける〜。ステーキもたまら〜ん。
意表をついてうまかったのがナマズの刺身。見た目の悪い魚は美味いという法則があるが、そのとおり。外観からは想像もできない白身は濃厚で歯ごたえもあり、一目で、いや一口でとりこになってしまった。

酔っぱらって銘柄を忘れてしまったが、美味しい地酒もきゅーっとやっつけ、生ビールもグビグビーっとして、温泉に浸かると、雪道にビビリながら運転した疲れや、仕事や育児のストレスも吹っ飛んだのだった。

福地温泉はリピーターになる温泉である。次はどの宿にしようかな。 

 

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