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東大のディープな日本史 相澤理
大学受験の際、わしは理系でありながら日本史で共通一次を受けた。
地理や世界史の点描的な雰囲気が遠ざけたのだ。
とうかいくら聞いても島根と鳥取の区別がつかないわしが地理などできる訳もないのだが(^^;;
比較的線の繋がりがありそうな科目、というわけで日本史を選択した。
しかしいくら筋道立てて流れを把握しようとも、共通一次は当然マークシートな訳で、
結局求められるものは紋切り型の知識だけ、になってしまった。
その怨念をはらすべく、通史を謳う「逆説の日本史」に嵌まってしまったのかもしれない。
怨霊と言霊という幹から枝葉を発すその切り口はわしが歴史に求めたものであったのだから。
全てが井沢の言う通りとも思わないが、少なくとも通史を描こうと言う試みには賛同する。
話に筋道が付いてないとイヤなのだ要するに(笑)
で、逆説への反論とかも読んでみたり、いろいろな歴史に関する本を機を見ては購入してるわけだが、
先日暇つぶしに立ち寄った紀伊国屋でこんな本を見つけた。
井沢とはまた違う切り口で、歴史上の事象を筋道立てて解説、解読してくれる本である。
やはり東大、求める処はきっちりと筋道を立てている、という事なのだろう。
わしが日本史を選択したのは間違いではなかったのだなと思いながら読み進めた。
歴史は必然の繰り返しなのである。
「Ifはない」とよく言われる。
では何がどう必然であったのか、そこを読み解かなければ歴史を学ぶ意味は無い。
これは「Ifも検証しろ」というのが井沢の立場にも通じるが、
この本/東大の歴史問題はその必然に一定の答えを与えてくれる。
自分の知識、考え方を検証しつつ読める興味深い内容である。