Series of Dreams vol.2 1979~1986

at NHK大阪ホール

 

 

煮詰まる、というのだろうか。

いろんなものが自分の中で消化されないまま、

グダグダになっている状態が続いていた。

煩わしくないと云えるものなど、片手に足りる。

ワールドカップのように数年に一度訪れるというブルー、でもない。

何か極度にわしを落ち込ませることがあったというのではないのだから。

日々の積み重ねが、膿んでいくような感覚。

 

 

え〜、すみません、レポートでしたね(笑)

まあこんな状態だったわけですよ、わしは。

そんなこんなで愛息の顔を見に来てくれたjokerと連れだち、

谷町線はどこから乗ったらいいのってふざけんなばかもんさくらも合流していざNHKホールへ。

会場には既にのりたまCRYKOMさんに・・・かりっっ(嬉)

久しぶりになまもの兄妹が三人以上揃った♪♪

 

中では、松藤×甲斐のナンバーが流れる。

きんぽうげにさしかかったところで音が途切れる。

SE。

そして現れるメンバー達。

流れてきたギター・・・・・・・わしの口はぽかん、と開いた。

 

開幕!

 

 

1.三つ数えろ

オケのギターに蘭丸が絡みついてゆく。

甲斐よしひろが現れる。

わしの心情そのものを汲んだような選曲(爆)

なんという、タイミング。

怒気や狂気をどこかに晒してしまいたい 半ば自棄的な衝動。

でも。

そう、でも、なのだ。

畳み込むようなドラムに躰を合わせる。

 

2.ブライトンロック

グルーヴに身を任せ、声を絞り出す。

吹き出す汗。

どこかで押さえ込んできた衝動が、

昇華されつつ吐き出されて行く。

 

3.フェアリー(完全犯罪)

ステージがカラフルに、明転する。

本当は哀しい情景なのに、

いるかどうかも知れない妖精を追い求める詩なのに、

躰は自然とリズムに乗る。

シャツを脱いだ。

 

4.暁の終列車

なんとなく最近いつも聴いてるような気がしたが、

実際はロッキュぐらいでしか演ってないのだな、これは。

何かを置いてでも走り出さねばならない焦燥感でも感じているのだろう。

 

5.シーズン

これまでの4曲とは雰囲気ががらりと変わる。

哀しさを客観的に眺める、強さ。

哀しみを包含しうる、強さ。

この曲は哀しいはずなのに、どこかで強い。

 

6.ビューティフル エネルギー

ん?

出てこないの?(爆)

フルコーラス甲斐さんが唄う。

これもまた、どこかに余裕を感じさせる曲、なのだ。

 

7.BLUE LETTER

哀しさを見つめることで、

自我は崩壊を免れるのかも知れない。

定番化したアレンジの中で、

雄々しく、哀しい声が絞り出される。

 

8.街灯

暗転。

綺麗な音とメロディを爪弾く松藤さん。

掠れた声に、高音のハーモニー。

寄り添う者を持つ、強さ。

 

9.メガロポリス ノクターン

この前にやや長目のMC。

調子のいい珍しく素で笑える甲斐さんのトークに、

ぼそっとツッコミを入れる松藤さん。

「二拍」と「どっちやねん」は最高(爆)

お水な人達が聴いてたという逸話。

そおいやなぜか有線のカラオケなヤツに、

この曲使われてたこともあったなあとふと追憶。

前野さんが情緒的に絡みつつ、しっぽりと。

 

10.ナイト ウェイヴ

いつもの各メンバーのソロで、松藤さんを例のポーズで指す蘭丸。

このコーナー(コーナー甲斐(笑))、いつもみんな楽しそうでいいね。

ちょっとこの辺からモニタ辛かったのかもしれない。

 

11.地下室のメロディー

ん?

蘭丸がシタールギター持った?

(蘭丸のサイトによればシタールではないらしい)

シタールと来れば・・・・これですな(笑)

しかし曲は一旦中止。

聞こえてなかったのかな・・・・

ただでさえ糸を引くシタール(ギター)が蘭丸のプレイで更に情感を増す。

 

12.港からやって来た女

これはもう絶品っ!!

蘭丸が掻き鳴らすギターに前野さんのホンキートンクが

喧嘩をふっかけるかのように掴みかかってゆく。

それをいなすはずもなく、正面から渡り合う蘭丸。

ほんと、すげえ。

多分近所迷惑じゃったと反省します、わし。

ま、そのくらい衝動的に声を張ったわけやね。

・・・一回これ、スタジオで演ってみません???←誰に言うとんねん

 

13.ダイナマイトが150屯

ん??

蘭丸のメロディに感じた疑問をかき消すキーボード。

客(わしも勿論含めて)の声は最大限。

間奏に入ってマイクスタンドを叩き付けた甲斐さん。

すみませんm(_ _)m

しかし二度としませんなどとはおめめに指入れてぐりぐりされても言えません

Jah-Rahと坂井さんのリズムはもう、最高。

 

14.漂泊者(アウトロー)

蘭丸のギターがうねりまくる。

Jah-Rahの刻む正確なリズムから外れて絡みつく。

身を捩りながら声を絞る甲斐さん。

曲のイメージを音でデフォルメする。

流れる、汗。

 

15.冷血(コールド ブラッド)

ライトがわしを舐める。

ライトの光に、舌の感触が付随したような錯覚。

この曲には必須と言わせてもらおう。

頭に血が上りながら、振り払えない切れないものの存在に

寒気に近い震えが湧き起こる。

リズムにギターが絡み、ギターにキーボードが絡みつくエンディング。

ライトというアッパーを喰らった。

 

16.破れたハートを売り物に

マイクスタンドが4本。

歩み寄り、叫ぶ。

独り、彷徨う。

歌詩が突き刺さる。

振り払うように、叫んだ。

 

〜Encore〜

17.HERO

ロックンロール。

飛天辺りまでのアレンジが基盤になっているのか。

恥ずかしながら「どっちみち勘違い」でした。

はい。

同じ曲なのに、同じ曲じゃない。

切り口の違い、なのだろうか。

 

18.安奈

続けてレゲエな安奈。

同じ曲なのに、同じ曲じゃない。

やっぱし。

蘭丸のアクセントに、坂井さんのベースが非常に気持ちいい。

 

19.観覧車’82

蘭丸のギター。

そこにあるようでどっか余所にあるようでやっぱりここにある。

他者の眼で自分を視るように。

動いているようで、動いていない、もの。

変わるようで、変わらない、もの。

それを探る為の、眼。

このシリーズに蘭丸を用いた説得力。

叫びたい衝動を、そのまま声に乗せた。

 

20.レイニー ドライヴ

叙情的に、声が流れる。

間奏後のメインヴォーカルは、最近のもの。

いずれにしても、過去へ遡れるものは記憶以外に、ない。

 

21.ラヴ マイナス ゼロ

ゆったりと、躰にリズムが滲み通ってゆく。

楽器が奏でる音は、ほぼ同じ音階だったろう。

しかし、音質は悉く変えてある。

違和感を与えず、ただ、快感にも似た、音。

最後に、じゃあね、と。

意味が、違うのか。

それとも、受け取り側の感覚、感情の違いか。

たった10文字程度の持つ、深み。

 

 

 

明るくなる客席を離れ、煙草をくわえる。

黒薔薇嬢ととりとめのない話をしながら、どこかが上の空、だった。

もちろんわし自身の精神状態に負うところも大きいのだろう。

理屈抜きで、感じたもの。

そして、想うもの。

いずれにしろ、わしはここで歩みを止めるわけには行かないのだ。

どこへ行き着くにしろ。

 

梅田に向かい、いつもの「F」でアフター。

席の都合で二手に分かれてしまったが。

人の行く末を案じながらも、自分でじゃあお前はどうやねんとつっこむ。

 

 

最終には、駆け込む羽目になった。

 

1.三つ数えろ

2.ブライトン ロック

3.フェアリー(完全犯罪)

4.暁の終列車

5.シーズン

6.ビューティフル エネルギー

7.BLUE LETTER

8.街灯

9.メガロポリス ノクターン

10.ナイト ウェイヴ

11.地下室のメロディー

12.港からやって来た女

13.ダイナマイトが150屯

14.漂泊者(アウトロー)

15.冷血(コールド ブラッド)

16.破れたハートを売り物に

17.HERO

18.安奈

19.観覧車’82

20.レイニー ドライヴ

21.ラヴ マイナス ゼロ  

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