ポッカレモンに再び排除命令


  公正取引委員会は2008年12月5日、景表法に基づく排除命令を株式会社ポッカコーポレーションに出した。排除命
令の内容は、同社が販売した「300mlポッカレモン100」「450mlポッカレモン100」「600mlポッカ焼酎用レモン」の計3品に
おいて、表示が事実と異なり、該当製品の内容について一般の消費者に対し実際のものよりも著しく優良であるとの誤
認(優良誤認)を招くとするものである。
  同社は、原料となるレモン生果において収穫後の防カビ剤(ポストハーベスト)は使用していない旨の表示を行って
いたが、実際には防カビ剤イマザリルが原料果汁に含まれており、表示内容が適正でないと判断された。

  ポッカレモンといえば、消費者問題史に残る「ポッカレモン事件」を思い出す人は多いであろう。40年ほど前の1967
年5月31日に公取委はポッカレモン株式会社に排除命令を出している。「ポッカレモン」には「新鮮なレモンのビン詰」、
「飲むレモン」、「手軽に使えるレモン以上のレモン」といったうたい文句で、いかにも天然レモン果汁であるかのような
表示がなされていたが、実際にはクエン酸などを使ったいわゆる「合成レモン」であった。

 ポッカコーポレーションは現在、当該品を持っている消費者には返金等の対応をするとしているが、すでに商品を使
ってしまった消費者には何もしないという。不当表示で得た利益を吐き出させる法的仕組みが必要である。


  食品の不当表示があとと絶たない。しかも“一流企業”の不祥事が目立つ。「ミシュランガイド東京2008」で二つ星
評価だったヒルトン東京のフランス料理店「トゥエンティワン」が、メニューに牛肉などの産地を不当表示していたとして、
公正取引委員会は12月16日に景品表示法違反(優良誤認)でホテル運営会社「日本ヒルトン」に排除命令を出した。
公取委によると、フランス料理店「トゥエンティワン」は、メニューに「特選前沢牛フィレステーキ」や「北海道産ボタンエビ
のマリネ」などと表示していたが、実際に使っていた肉は大部分が山形県産で、エビはすべてカナダ産だった。また、ポ
スターでは「オーガニック(有機)野菜を用いたフレンチ」と宣伝していたが、ほとんどが有機野菜ではなかったという。

  消費者は一体何を信じて商品やサービスを購入すれば良いのか。消費者の「知らされる権利」がないがしろにされ
ている。



トップへ
トップへ
戻る
戻る