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航空会社のサービス低下が著しい。国内線エコノミークラスでは各社とも機内食どころか、スナック類も出さなくなっ
て久しい。シートピッチは79センチが標準になりつつある。あまりにも狭くてリクライニングもできない。なぜならば後ろ の人が苦痛に感じることが目に見えているからだ。新聞も満足に広げられない。シートテレビつきの機材に乗っても、 画面が近すぎて目に良くない。医学的な見地から問題はないか。
さすがに航空会社もこれ以上シートピッチを狭くはできないと思ったのであろう。次の手段があった。機材をボーイン
グ747から777に切り替える会社が多い。777は747より胴回りが小さいために通常、席は横9列であるのだが、何 と全日空(ANA)は国内線用機材については9列から10列にしてしまった。日本航空(JAL)も追随した。成人男性が隣 に座ると肩が触れる。肩をすぼめながらの姿勢は本当に辛い。「快適な空の旅をお楽しみください」などとよく言えたも のだ。
最近、国際線のサービスもここまでひどくなったかと思わせる便に搭乗した。全日空(ANA)177便(関西空港15
時55分発 ソウル仁川空港行、機材:エアバス320)である。
まず、機内食が出ない。小さな袋に入った試供品のようなおせんべいが一袋配られるだけである。食事が出るもの
だと思い込んでいて、物足りなそうにしている乗客にも二つ目は渡さない。
機材は国内線用機の流用らしく、ビジネスクラスのないモノクラスで、驚いたことに「国内線専用」と書かれたカタロ
グ類がポケットに入ったままである。かつて「東亜国内航空」がアジアへの国際線就航を実現したときに、「国内航空」 の名称はまずいだろうということになり、「日本エアシステム」に会社名を変えた経緯がある。ソウルに飛ぶ機材に「国 内線専用」の文字はまずいだろう。
さらに、インターネットでの路線別のサービス検索ではスカイビジョンがあると表示されるのに一切ない。イヤホンに
よるオーディオサービスだけである。これは不当表示にあたる可能性がある。せまい席に押し込まれ、食事もなく、映 像サービスもない。とんでもない国際線である。
さらに驚いたことがある。ANA,、JALともにであるが、2009年4月1日以降、日本国内の予約センターや空港カウンタ
ーにてチケットの発券を受けるには2,100円の発券手数料が加算されるのだ(JALは電話予約での発券2,100円、カウ ンターでは4,200円)。知らないところでこんな手数料が新設されている。インターネットでの航空券購入にはこの手数料 がかからないが、それを強調してANAはインターネットでの購入の安さを大々的に広告している。そのうち、座席指定 料金も取られるような時代が来るかもしれない。
ANA177便で、家族連れがボーディングしてすぐの、ドアクローズもされていないときに写真を撮ろうとしてキャビンア
テンダントに注意されていた。機内では記念の旅行写真も撮れないのだ。機長が離着陸時に写真を撮って、インターネ ットサイトに掲載しているような会社であるのだが・・・
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